- 飼い猫との幸せエピソードをお届けする”なないろ猫物語”。栄えある第一回に登場するのは、ハチワレの女の子「ハマ」。出会いのきっかけや、お互いに幸せと感じる瞬間について飼い主のHamaさんにお話を聞かせていただきましたよぉ。
吾輩は女の子である
立派なおヒゲがトレードマークの「ハマ」。この吸い込まれるような目力、どっしりと存在感を放つ鼻筋、艷やかなブラックボディ、どこをとっても男らしさが光っている。
が!。。。実はなんと8歳の女の子!!
人気インスタグラマー、Hamaさん(@hama20190415)の投稿には必ずこの文字が綴られている。
「吾輩は女の子である」
大変なご無礼を!!!ごめんね、ハマちゃん^^
「なんせお喋り!何かにつけて話しかけてきます!まるで自分のことを人間と思ってるかのよう~」と飼い主であるhamaさんは話す。
そんなハマとはどうやって出会ったのだろう。
地域猫「はまぐり」が繋いでくれた縁
家の近くにいる地域猫を見に行くのが、休日の楽しみだったというHamaさん夫妻。
こちらがその地域猫「はまぐり」。狙いを定めすぎです、はまぐりさん^^
その日もいつものように朝から二人ではまぐりに会いにいった。すると、近くの電柱にこんな貼り紙が。
『黒猫を保護しました。連絡ください。』
その時は「飼い主さんが見つかるといいねぇ。。。」と二人で話しながらその場を後にしたという。
夜、家に帰る前、もう一度はまぐりに会いにいき撫でていると、一人の女性が話しかけてきた。「この貼り紙を書いた者なのですが、この黒猫のこと知りませんか?」と。
Hamaさんたちが知らないと伝えると、女性はこう言ったそう。「この黒猫を保護してから、もともとうちにいる猫ちゃんがごはんを食べなくなってしまって・・・。」
そんな彼女の困った様子を、猫を愛するHamaさんたちは放っておけなかった。
「じゃあ、私たちがその子を預かりますよ!」そう言って、そのまま家に連れて帰ったのだそう。それが、ハマとの出会いだった。
「その日、その時、その場にいて、たまたま女性が声をかけてくれた。果たして偶然なのか必然なのか。地域猫のはまぐりがいなければこの子とは出会ってなかった。」とHamaさん。
そんな縁を繋いでくれた「はまぐり」から名前をとって、その黒猫を「ハマ」と名付けたのだそう。
毎朝、ハマの元気な姿を見るだけで幸せ
ハマを迎えた次の日の夜、思いもよらないことが起きた。ハマが痙攣を起こしたのだ。
今まで猫を飼ったことがなかったHamaさんたちは、いったい何が起こったのかが分からなかった。
とにかくあたふたして救急病院に電話したことを今でも鮮明に覚えているという。その日は心配で心配で、一睡もできなかったそう。
翌朝すぐに動物病院に連れていくと、獣医さんからこんなことばが。。。
「薬では完治しない。痙攣を起こりにくくする薬があるが、効くかどうかは試してみないと分からない。飲ませて様子を見るしかない。」
突然のことにショックを隠せなかったおふたり。。。さらに獣医さんはこう続けた。
「正直、これから先のことを考えると、この子を保護して飼い続けていくのはお勧めできない。」
Hamaさんはその時のことをこう振り返る。「初めて猫を飼う私たちのことを心配して正直にすべてを伝えてくれたんだろう・・・」
その後、これからどうするか、たくさん悩んでたくさん話し合った。
こうして出したふたりの結論は・・・「これも出逢い、運命、何かの縁。」そう覚悟を決めてハマを引き取る決意をしたという。
今では、薬の効果か、痙攣の頻度も減ってきて順調な経過をたどっているそう。
Hamaさんに「お互いの幸せと思うことは?」という質問をしてみると・・・。
「朝、ハマのごはんを請求する鳴き声で起きて、ハマの元気な姿を見ることができるだけで幸せです。なんせ、スタートが大変だったので。ハマも、この家に来たことを幸せに思ってくれてるといいな!」
Hamaさんたちの優しい心が一匹の猫を、一人の女性を救った。
そして、そんな縁をつないでくれた「はまぐり」の存在。偶然か必然かとHamaさんは話していたけれど、きっと出会うべくして出会った運命の相手なんだろう。
「この子の一生を背負う」そんな覚悟をもって迎えられたハマは、きっといつまでもおふたりのそばにそっと寄り添い、Hamaさんたちに幸せを運んでくれるはず。
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。