- 「うちの子も是非モデルにしてほしい~!」と飼い主さんの間で話題の、猫のイラストレーター「ヲカシナイヲさん」をご紹介しますよぉ。
猫がもし”猫のままで猫らしく”自由きままに暮らしたら?
今回は、そんな”ありそでなさそ”な「ちょっと不思議でコミカルなヲカシな世界」のイラストで大人気のヲカシナイヲさんをご紹介。猫との出会いや一緒に暮らす”こまめ”くんのこと、制作におけるこだわり、そして猫への想いに至るまでたっぷりと伺いました!
独特の世界観にハマる人続出のヲカシナイヲワールドを是非お楽しみください!
<展覧会・個展情報>
4/10-7/26 猫ねこ展覧会(松山庭園美術館)
6/19-7/1 cafeDoDO(名古屋)個展
公式Instagram→@wokasinaiwo
初めて一緒に暮らした猫
ヲカシナイヲさんが猫と暮らすようになったのは、今から15年以上前のこと。初めて一緒に暮らした猫は、ヲカシナイヲさん曰く「人間くさい猫」だったとか。
少し仕事に疲れていた時に出会ったというその猫。
ひとりは、人間の5歳児ほどの知能があったのではと思うほど人の言葉を理解し、場の空気を読むのがとても上手な子。
そして、もうひとりは馬耳東風でいつもぽわ~んとしたのんびり屋さんだったそう。
「一緒に暮らした10数年間は、此れと言って変化のない平凡で幸せな日々でした。」そう語るヲカシナイヲさん。
遺伝疾患があったため、週に何度も病院へ通っていたといいます。現在は治療法などの進歩により対症療法などを行うことが可能ですが、当時はそういった知識もなく、ただひたすら悩むばかりだったとか。
「遺伝疾患のため、ふたりとも短命でしたが、最期は抱いて見送ることができたのが救いでした。」と初めての猫との暮らしを振り返ります。
飼い主だけがわかる猫の気持ち
猫以外にも、ウサギやインコ、犬などを飼っていたというヲカシナイヲさん。
猫は他の動物と比べると、とても規則正しく生活し、そして感情表現が少ない生き物だといいます。
「猫の規則正しさは呆れるほどです。朝は自分の決めた時間に毎日起きる。食事の時間、遊びの時間、おやつの時間・・・決められた自分のルーティンをひたすら繰り返します。そして、ルーティンとは違う時間に遊んでもらったら、翌日その時間に遊んでもらえると思って待つ。理解されないと暴れる^^
自分に利益になることは絶対に忘れない。また嫌な思いをした記憶は絶対に忘れない。」
ヲカシナイヲさん曰く、”規則正しい生活を送りたければ、猫を飼うのが一番”だとか。
また、猫を飼っていない方からすると”無表情で怖い”と思われることもある猫の顔つきについては、こう自身の考えを語ります。
「単に表情が少ないため複雑な表現が難しいだけなのですが、そこにこそ猫の魅力があるのだと思います。能の面のように少ない表現だからこそ、飼い主だけが分かる猫の気持ちが浮かんで見えるのではないでしょうか。」
こまめくんとの出会い
現在一緒に暮らしているのは、シンガプーラのこまめくん。4歳の男の子。
以前一緒に暮らしていた子とは真逆の子を飼いたいという想いから、シンガプーラに決めたのだそう。
そんなこまめくんとの出会いのきっかけは??
「こまめに出会ったのは偶然でした。シンガプーラのブリーダーさんを検索していた時に、猫カメラマン石原さくらさんのキャッテリー”サクラクワイエット”のことを知り、すぐに連絡を入れました。
たまたま、その時生まれたばかりのシンガプーラの赤ちゃんがおり、予約がキャンセルになったため、うちで迎えることになったのです。」
初めて見学に行ったときは生後一週間ほどの頃。やっと目が開いた状態で、見た瞬間「あぁ、ネズミがいる」と思ったとか^^「猫なのか?正直分からなかった」とヲカシナイヲさんは言います。
たくさんのシンガプーラとデボンレックスが群れをなして走り回っているなか、”ネズミ”を眺めるシュールな図がそこには広がっていたそう。
▲ちっちゃなちっちゃなこまめくん。
とても小さな赤ちゃんだったため、当初生後3ヶ月ほどで引き渡しになる予定だったものの、体重がなかなか増えず、1ヶ月伸び、2ヶ月伸び、最終的には生後8か月の頃にやっと迎えることができたのだとか。
▲初めての抱っこは生後5ヶ月の頃。
動物病院で去勢後、そのまま引き取るかたちでお迎えに。
こまめくんは少し大きくなってはいたものの、頭の大きさはまだ約5cmほどという小ささ。呼びかけても無反応だったとか。
ガブガブしたり顔を舐めたりの「噛みニケーション」をするシンガプーラ。こまめくんも最初は全く手加減ができず、食べて暴れては噛むの繰り返し・・・。お迎えした初日、ヲカシナイヲさんは傷だらけになったといいます。
でも、その1ヶ月後には何もなかったかのように、すっかり「うちの子」に。今では、一緒に寝て抱っこを強要してくるほどだとか。むしろ、最初からここにいましたけど?なお顔で現在に至るそう^^
「とにかく大変だった」というこまめくんを迎えてからの生活。成長が遅かったこまめくんの体重を増やし、消化器官を健康に成長させるため、食生活や普段の暮らしには細心の注意を払っていたそう。
「1日の食事量を1日7回に分けて与え、消化不良を起こさないよう量をコントロールしながら、少しずつ回数を減らしていき、現在は4回に。
また筋力をつけるための運動や、シンガならではの温度湿度のコントロールにも気をつけました。ホカぺは一年中付けっぱなしです。迎えて数ヶ月は心配で外出できませんでしたので、自分がめっちゃ太りました^^」
そんなこまめくんの性格はというと、一言で言い表すなら「おばか」さんとのこと^^
「どこまでも思ったまままっすぐにすっ飛んでいきます。そして興味ないことは知らんぷり。基本的に難しいことを考えるのが嫌いなので、めんどくさいと暴れます。
▲こっちの目玉焼きがツボにはまってしまったこまめくん^^
▲やばい予感しかしないというスイッチONのお顔^^
そしてひたすらに激甘えん坊です。自分以外の何かを可愛がるとキレます。たとえぬいぐるみであっても容赦ないです。」
そんなこまめくんですが、ご夫婦ともに猫好きゆえ、どっちがこまめに愛されているかを自慢しあうほどに溺愛されている模様。
「うん、自由でいいぞ。何をやってもこまめはこまめ。そこにいててくれればそれでいい。」ヲカシナイヲさんは、こまめくんのすべてを受け止めて、毎日愛を注いでいるのです。
成長記録こまめジャーナルを機に
ヲカシナイヲさんは元々デザイナー。デザインの一環として猫に限らずイラストを描くことも多かったそうですが、イラストレーターwokasinaiwoとしては、「猫のイラストを描く」ということにこだわっているといいます。
こまめくんと一緒に暮らし始めてから始めたInstagram(@komamesta)。しばらくして、写真だけでなく、成長記録をイラストで描けたら楽しいかなと、毎週金曜日にこまめジャーナルを投稿するように。
ヲカシナイヲさんいわく、「内容はとりとめのないものばかり」だったといいますが、そのうちフォロワーさんの猫イラストを描くようになったのだとか。
▲ソファの下へと続々と届くこまめ便をイラストに。
▲こまめくんのササミへの深い愛が伝わってきます^^
こまめくんを迎えることになったときのお話も。こまめくんへの愛情がぎゅっとつまったイラストにほっこり♡
▲お家へやってきたときの様子。
名前が決まるまでは「海苔多め」と呼ばれていたという驚きの事実も^^
「当時はデザイン業をメインに仕事しておりましたので、イラストレーターとしてではなく、インスタでは単に趣味として実験的に色々なイラストを描いておりました。その中で、猫イラストレーターとして、何か面白いことができないかなと思ったのが現在に至るきっかけです。」
▲フォロワーさんのシンガさん大集合♡
とにかく絵を描くことが大好きだったヲカシナイヲさん。デザイナーを目指したきっかけは実は明確にはないとのことですが、絵を形にできるデザイナーという仕事がかっこよく思えてたからなのかもしれない、ともいいます。
「今までに経験してきた色々なことが全て、現在の自分になっています。」こうしてイラストレーターwokasinaiwoが誕生したのです。
こだわりは「ありそでなさそ感」
猫イラストを描くにあたってのヲカシナイヲさんのこだわり、それは「ありそでなさそ感」。
猫は二足歩行しない。自分で服を着たり、ましてや喋ったり踊ったりもしない。でも、もし猫がそれをやるなら?猫らしく猫のままで、それが現実になったら?
それを形にしたのがヲカシナイヲさんの描く「ヲカシな世界」なのです。
「もちろん、現実にそんな世界はありませんが、”全く別の世界で猫たちが自由気ままに暮らしたらこうなるのでは?”というただの想像です。猫にそれぞれキャラクターを与えると、勝手にしゃべりだします。」
描かれる猫のファッションにも注目。ポイントは「レトロ感」。
ヲカシナイヲさんの好きなヴィンテージなファッションやモチーフ、若干の昭和感を入れたお洋服たち。どれもこれもとってもツボです♡
特にカラーの組み合わせにはこだわっているそうで、実際に着てみたくなるような、着れそうなデザインで描いているのだとか。