- みなさん、われわれ猫のげっぷって目撃したことありますかぁ?えぇ、猫もげっぷするんですよぉ。まぁわたしはジェントル猫なので人前ではしませんけどねぇ。
猫との暮らしの中で「猫のげっぷ」にびっくりした経験はありませんか?
そうです、猫もげっぷするんです!と言っても、小さく可愛いげっぷがほとんどですが。
しかし突然目撃したら、猫生活初心者の人はびっくりするかもしれませんね。
そこで今回は、猫生活の初心者さんにもベテランさんにも知っていてほしい、猫のげっぷのお話しです。
心配しなくてもいいげっぷと、ちょっと気にかけてほしいげっぷがあります。猫の健康を守るためにもご紹介させてくださいね。
猫のげっぷってなに?
猫も人と同じくげっぷをします。
しかしそれは胃の中の空気やガスなどが口から吐き出される生理現象で、自然なこと。
大きな音がするわけではなく小さな可愛いものばかりですよ。
肩と顔を小さく上下させ「くぷっ」とする姿はなかなか愛らしいものです。
猫のげっぷってこんなもの
1:11秒あたりに注目です♡
猫がげっぷをする理由
さて、ではなぜ空気やガスが胃に溜まってしまうのでしょうか。その理由は主に4つです。
- 食後や水を飲んだ後の生理現象
- 毛づくろいによるもの
- フードがあわないことによる消化不良
- 病気によるもの
食後や水を飲んだ後の生理現象
「早食いさん」や「食べ飲みがちょっと下手っぴさん」などさまざまな猫がいますが、いずれもご飯やお水を飲みこむ際に空気も飲みこんでしまいがち。
よってその空気が食後に「くぷ」っと吐き出されます。
子猫もミルクを一気に飲みがちなので、母猫が子猫の背中を舐めて刺激しげっぷを促す様子がよく見られます。
毛づくろいによるもの
仕組みとしては上記と同じですが、毛づくろいの後にもげっぷをすることがあります。
毛づくろいをしながら同時に空気を飲み込んでしまうため。こちらも自然な生理現象です。
ただし頻繁なげっぷが見られて苦しそうなら、定期的なブラッシングで猫の抜け毛の量を減らしてあげることをおすすめします。
抜け毛の量を減らすことで、飲みこむ空気も減らせます。
フードがあわないことによる消化不良
フードがあっていないことや食物アレルギーにより、消化不良を起こしている可能性も考えられます。
それにより胃の中でガスが発生してしまっているのかもしれません。
関連記事:猫の食物アレルギーについて
病気によるもの
中には胃捻転や食道狭窄といった病気が隠れている場合も。
今までしなかったのに急にげっぷするようになった、やたら頻繁にげっぷをするようになった…そんな変化が見られたら要注意です。
げっぷ以外のサインも現れやすいので注意深く観察し、早めにかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。
次の項では考えられる病気について説明していきますよ。
- げっぷ自体は生理現象がほとんどなんですねっ。でもでもっ、病気が隠れている場合もあるんですねっ!
猫がげっぷをするときに考えられる病気
猫のげっぷに隠れている可能性のある主な病気は以下の4つです。
- 胃捻転(いねんてん)(猫では稀です)
- 食道狭窄(しょくどうきょうさく)
- 鼓腸症(こちょうしょう)
- 寄生虫感染症
胃捻転(いねんてん)
胃捻転は読んで字のごとく、胃が膨れてねじれてしまう急性の病気です。
(猫ではまれですが絶対に起こらないとは言えませんので、知識として知っておくほうがよいでしょう。)
ショック状態に陥る危険性や、発見が遅れることで命に関わる場合も。
症状としては落ち着きがなくなり、お腹を触れないほど痛がるなど。
また吐こうとするけど何もでない、よだれだけが大量にでるといったことも。
胃拡張でも同様の症状が現れますが、胃捻転になるとより緊急性が増します。早急にかかりつけの動物病院へ。
食道狭窄(しょくどうきょうさく)
食道狭窄とは食道の一部分が狭くなり食べたものが通りにくくなる病気です。
症状としては吐出(としゅつ)と呼ばれる吐き出しが見られることが。
食道狭窄は胃の手前の食道で固形物が溜まるので、食後すぐや食後1時間程度までに食べた物が消化されていない形で吐き出されることが多くなります。
また食べ物や飲み物が器官などの呼吸器に入ってしまう誤嚥(ごえん)も起こりやすくなります。
鼓腸症(こちょうしょう)
鼓腸症は胃腸に空気やガスが溜まり膨張してしまう病気です。
症状はお腹がごろごろ鳴ったり、下痢、嘔吐、体重減少などとして現れます。
原因の多くはペットフードが合わないことなどで起こる消化不良と言われています。
お腹が大きく膨れ上がることもあるので、発見したらすぐに病院へ連れていきましょう。
寄生虫感染症
寄生虫には回虫やフィラリアなどの線虫、サナダムシとも呼ばれる条虫、鉤虫(こうちゅう)、鞭虫(べんちゅう)、トキソプラズマ、コクシジウムなどさまざまな種類があります。
いずれも寄生することで現れる症状は下痢や嘔吐、食欲不振など。
健康な状態の成猫であれば大きな症状として現れないこともあります。
しかし子猫の場合は命にかかわることも。
また中には人に感染するも寄生虫もあり、幼児やお年寄りなど抵抗力の弱い人が感染すると重い症状を引き起こす可能性があります。
早期であれば寄生虫駆除剤(スポットタイプと飲み薬)で駆除できることも多いので、より安全な駆虫対策をしていくためには定期駆虫がおすすめです。
猫がげっぷをする時の注意点
猫のげっぷについて注意したいポイントをご説明します。
げっぷ以外に症状がないかを確認する
げっぷに病気が隠れている場合、げっぷだけで体調を判断するのは難しいでしょう。
そこで確認したいのが、げっぷ以外のサインです。
下痢、嘔吐、急激に元気がなくなるなど、げっぷ以外に症状がないか注目してみてください。
いつもと違う様子が見られたら早急に獣医に相談
猫はそれほど頻繁にはげっぷをしません。
また、したとしても飼い主が気付かない程度のものが多いでしょう。
しかし「小さく可愛いげっぷ」の域を超えている場合は要注意。
命にかかわる病気の可能性もあるので何かおかしい、いつもと違う、そう感じたら早めに診察を受けましょう。
- 猫のげっぷは人間のげっぷより小さくて可愛くて…お上品なんですねぇ。ちょっとしゃっくりにも似ていますよぉ。
- ひゃ~っ見れたらラッキー、ある意味レア体験ですねっ!でも頻繁なげっぷは要注意なんですねっ。気をつけます~っ。
まとめ
基本的に猫のげっぷは生理現象なので、1回や2回目撃したところで大きな心配はいらないでしょう。
ただし病気やアレルギーの可能性もあるので、様子をしっかりと観察することが大切です。
- 猫のげっぷは基本的には生理現象なので心配いらない
- げっぷの理由①生理現象
- げっぷの理由②毛づくろいによるもの
- げっぷの理由③フードがあわないことによる消化不良
- げっぷの理由④病気によるもの
- 考えられる病気は胃捻転、食道狭窄、鼓腸症、寄生虫症
- 注意したいこと①げっぷ以外に症状がないかを確認
- 注意したいこと②いつもと違う様子が見られたら早急に獣医に相談
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中