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猫の葬儀について~火葬、納骨、費用など大切な疑問を大調査~

2019-10-03

猫ねこさん

猫の葬儀について~火葬、納骨、費用など大切な疑問を大調査~

猫ねこさん
われわれ猫の平均寿命は飼い猫で15才ぐらい。今回はみなさんあまり考えたくないことかもしれませんが、猫と生活する以上知っていてほしい「猫の見送り方・猫の葬儀」についてお話ししますよぉ。

愛しの我が子。その存在はペットを越えて「家族」「同志」「相棒」そんな言葉がしっくりくるのでは。いや、家の中心!お師匠!なんて人もいるでしょう。

そんな大きすぎる存在の猫さま。それでもどうしても私たち人間より寿命は短く…。悲しいけれどいつかはその最期を看取る日がくるでしょう

今回は心穏やかでいられないだろうその時のために、飼い主として知っておくべき「猫の見送り方・猫の葬儀」について調べました。

いざその時がきたら何をすればいいの?どこに連絡を?火葬?葬儀?納骨?費用は?そんな疑問に答えます。

猫が亡くなったときにまず行うこと

なかなか落ち着いて行動することは難しいと思いますが、悔いなくしっかりと送り出すために以下のことを行っていきましょう。

  • ①猫を安置する場所(棺)を用意する
  • ②体の硬直が始まるまでに体の状態を整える
  • ③体を拭いて清める
  • ④適切な方法で安置
  • ⑤葬儀業者(霊園)を選ぶ

①猫を安置する場所(棺)を用意する

まずは猫を安置する場所(棺)を用意しましょう。ペット用の棺をすぐに用意することは難しいと思うので、ダンボールなどで十分です。底には新聞紙、シーツ、タオルなどを敷いてください。体液が漏れ出ることもあるので厚めに敷きましょう。

②体の硬直が始まるまでに体の状態を整える

猫も人間と同じように死後硬直が起こります。季節などにもよりますが死後2~3時間で硬直しはじめます。硬直が始まると手足が伸びたまま硬くなってしまうことも。硬直がはじまる前に手足をそっとたたみ、いつものスヤスヤと寝ているような姿に整えてあげましょう

死後硬直が始まってから力づくで手足をたたむのは厳禁です。慣れた葬儀スタッフなどは関節を引っ張りながら上手にたたむことができますが、素人は猫の体を傷つけてしまう可能性があるので注意してください。

③体を拭いて清める

タオルをお湯で湿らせ全身を優しく拭いてあげましょう。口、鼻、肛門などから体液が漏れ出すこともあるので、その都度清潔に拭き取ってあげてください。必要に応じて口、鼻、肛門などにガーゼをあてておいたり、取り替えやすいようタオルやペットシーツを敷いておいてもいいでしょう。

まぶたや口が開いている場合は手でそっと閉じて5分ほど固定。時間経過とともにまた開いてしまっても、何度か繰り返しすことでしっかりと閉じてくるでしょう。

④適切な方法で安置

死後は腐敗が進みます。火葬まで安置できるのは夏場でおよそ1~2日、冬場で3~5日ほど。以下の2点を守ることが重要となります。

  • ドライアイスで体を冷やす
  • 部屋の温度を下げる

ドライアイス・保冷剤で体を冷やす

腐敗が進まないようとにかく体を冷やすことが大切。腹部にドライアイス・保冷剤をあてておきましょう。棺に敷き詰めてもいいですね。時間が経過したら取り替えて冷やし続けてください。

火葬まで日数がかかりドライアイス・保冷剤のストックが足りないようなら、ビニール袋(ジップロック袋がおすすめ)に水を入れたものを冷凍庫で凍らせて、簡易保冷剤を複数作っておきましょう。

部屋の温度を下げる

夏場、梅雨時期、残暑時などはやはり腐敗が進みやすいです。できれば室内を20度以下の涼しい状態で保てるようにエアコンはつけっぱなしに。また寝かせる場所も、日の当たりやすい窓際、熱を持ちやすい家電のそばは避けましょう。

⑤葬儀業者(霊園)を選ぶ

体のケア、場所作り(棺)が整ったら葬儀業者を探しましょう。かかりつけの動物病院、ご近所、友人などに相談してもいいですね。

「葬儀(セレモニー)をしたい」「火葬する際に立ち会いお骨上げしたい」「火葬場まで行けない」「寂しくないよう合同火葬してほしい」など家庭ごとに都合や希望があると思います。それを叶えてくれるかをしっかり確認しましょう。かかる費用も聞くようにしてください。

猫ねこさん
葬儀業者を選ぶ時は、墓地や納骨堂があるかないか、またいつでも供養にいける距離であるかなども確認するといいですよぉ。

猫の見送り方

猫の葬儀

猫の見送り方は以下のどちらかとなります。

  • 自宅でお見送り
  • 葬儀場(ペット霊園・セレモニー会場)でお見送り

自宅でお見送り

「忙しくて葬儀場まで行けない」「葬儀に立ち会うのが辛い」など様々な事情により葬儀場まで行けない場合は自宅で見送りましょう。

一般的に多いのが葬儀業者に火葬を一任する形。まず葬儀業者が自宅へ訪問し猫を引き取ります。火葬車で来てそのまま自宅駐車場で火葬、また停める場所がない場合には自宅周辺など駐車できる場所にて火葬されます。また火葬車での火葬ではなく、葬儀業者が自分の葬儀場へ連れ帰り、常設火葬場で火葬するという場合も。

その後、返骨してもらう場合は葬儀業者が自宅へお骨を届けてくれます。返骨を希望せず納骨・供養まで一任する場合はそのままお骨は帰りません。

飼い主の希望や葬儀業者によりますが、火葬車でもお骨上げをさせてくれたり「自宅駐車場ではご近所の目が気になる」という場合は飼い主の希望する場所で火葬を行ってくれることも

葬儀場(ペット霊園・セレモニー会場)でお見送り

こちらは自宅ではなく葬儀場(ペット霊園・セレモニー会場)へ出向き、出棺・お見送り・火葬・お骨上げまでを行います。流れとしては自宅訪問のお見送りと大きく変わりません。

葬儀場の設備やプランによってお寺の住職さんによる読経、お焼香、花入れなどがあることも。セレモニーとしてしっかり執り行い送り出したいという人に向いています。

火葬の方法

猫の葬儀

火葬の方法は大きく分けると以下の3つに。

  • 立会個別火葬
  • 一任個別火葬
  • 合同火葬

立会個別火葬

立会個別火葬は飼い主立会いのもと、個別での火葬となります。火葬後は飼い主でお骨上げをします。その後のお骨は納骨・返骨を選べます。

一任個別火葬

一任個別火葬は飼い主の立ち合いが難しい場合に、葬儀業者に個別火葬を一任するという火葬方法。葬儀業者がお迎えにきてくれて個別火葬し、その後お骨上げをしてくれます。お骨は納骨・返骨を選べます。

合同火葬

合同火葬は「うちの子ひとりぼっちだと寂しがるかも…」とお考えの人向け。他の家のペットたちと合同で火葬を行います

一任する形が多く葬儀を葬儀業者にすべてお任せしたい人、また納骨も他のペットたちと一緒の納骨堂や合同墓地に入れてあげたいという人に向いています。

火葬の際に棺に入れることができるもの

  • 写真
  • 大好きだったおやつやごはん
  • お花
  • 手紙

    金属製・プラスチック製のものは火葬の際入れることができないので注意しましょう。大好きだったおやつなどはビニール袋から出して入れるようにしてください。

    葬儀(セレモニー)の流れ

    猫の葬儀

    火葬だけではなく葬儀(セレモニー)もしたいという人も増えています。一般的な葬儀(セレモニー)の流れは以下に。

    • ①葬儀場へ
    • ②葬儀(読経・焼香)
    • ③お別れをして火葬・納骨へ

    ①葬儀場へ

    まず葬儀場へ出向きましょう。葬儀業者によっては送迎車でお迎えに来てくれる場合もあります。

    葬儀の際に準備しておくといいもの

    • 数珠(お焼香、合唱礼拝時などで使用します)
    • カメラ(祭壇など撮影OKな場合も)
    • 火葬できないものを持ち帰る袋(首輪や洋服など)

    ②葬儀

    葬儀の流れは基本的に人の葬儀と同じです。

    • 読経
    • 焼香

    読経

    人の葬儀と同じように住職による読経供養をします。葬儀業者が提携している住職が行うことがほとんどで常駐している場合も。

    普段からお世話になっているお寺があるなど知り合いの住職にお願いしたい場合は、葬儀業者によって可能な場合もあるのでいちど相談してみましょう。

    焼香

    お焼香も人の葬儀と同じように執り行われます。基本的に人の葬儀のお焼香と同じ方法で行われますが、不安がある場合はスタッフに聞きましょう。またご自身の宗派の作法がある人はご自身のお焼香方法で大丈夫です。

    ③火葬前のお別れをして火葬・納骨へ

    火葬前に最後のお別れをします。特に決まった方法などはありません。思い思いの時間を大切に過ごし、その後、火葬・納骨へ

    なるほどっ。基本的に人のお葬式と変わらない流れなんですねっ。
    クロベエ

    納骨の方法

    猫の葬儀

    火葬後のお骨は基本的に以下のどちらかから選ぶことになります。

    • 自宅で保管する手元供養
    • 納骨堂・墓地(霊園)で供養

    自宅で保管する手元供養

    お骨を自宅に持ち帰り供養をします。人の場合は四十九日の法要を目安に納骨することが多いですが、ペットの場合は自宅にずっと保管しておく場合も少なくありません。「気持ちが落ち着くまで」など家族で話し合われて結論を出すといいでしょう。また家族のタイミングで霊園や散骨などへ切り替えることも可能です

    納骨堂・墓地(霊園)で供養

    納骨堂・墓地(霊園)で納骨する場合を3つに分けてご説明していきます。

    • 納骨堂
    • 合同墓地・慰霊碑
    • 個別のお墓

    納骨堂

    他の家のペットたちと一緒に葬儀業者の所有する納骨堂や、お寺がペット用に運営する納骨堂で納骨されます。永代納骨といわれる永代供養がほとんどで、飼い主がなかなかお参りに行けない場合でも、納骨堂の管理者が永代に渡り供養してくれます。維持費や管理費は最初の費用に含まれていることがほとんど。

    中には個別納骨堂といって専用のお部屋も。区画や場所により費用は異なり、継続費として次年度から管理費などが必要となります。個別のお部屋から合同のお部屋へ移動することも可能なので、数年と期間を決めて移動してもOK。

    合同墓地・慰霊碑

    ペットの合同墓地・慰霊碑は他のペットたちと一緒に納骨されるお墓です。他のペットと一緒に眠れるとあり、寂しい思いをさせたくない飼い主、またなかなかお墓参りに行けない飼い主向け。定期的に慰霊祭などが行われるのも特徴です。年間の維持管理費は墓地によって様々。

    個別のお墓

    ペット霊園などで専用の区画を購入し、お墓を建てて納骨することも可能です。またお家の庭に埋骨してお墓を作る場合も。人と同じく御影石に名前を刻むペット墓石も販売されていますし、平らな大き目の石にご自分で名前を書いてもいいでしょう。

    散骨

    一般的というわけではありませんが「散骨」することも可能です。現在ペットの散骨について法律はなく、自治体によっては禁止しているところもあるといった状態。みなさん基本的にはマナーを守りながら庭、海、山などに散骨する場合が多いようです

    なお大きなお骨のまま散骨すると海岸へ流れつくなどした時に、人を嫌な気持ちにしてしまうかもしれません。自然へ還るにも時間がかかります。できればパウダーにしたり細かくしてから散骨しましょう。

    樹木葬

    樹木葬はお庭などに埋骨する際に墓石を設置するのではなく、樹木や草花を植える方法です。近年はペット専門の樹木葬霊園も増えつつあります。自然へ還っていく実感を得ると共に、お墓へ参る際にも心が癒されると注目を集めています。

    猫の葬儀にかかる費用

    猫の葬儀にかかる費用はあくまでも目安ですが、以下の表にまとめたとおりです。

    自宅訪問葬儀・火葬10,000円~
    葬儀場での立会個別葬儀・火葬20,000円~
    葬儀場での一任個別葬儀・火葬16,000円~
    葬儀場での合同葬儀・火葬5,000円~

    細かな設定、また葬儀社によっても違いがでます。

    よくある質問

    火葬ではなく埋葬してもいいの?

    他人の敷地や公共の土地に埋葬したら不法投棄となりますが、私有地であれば大丈夫です。しかし腐敗臭や、カラス・野生動物による掘り起こし、引っ越しの可能性、ご近所の目など…案外心配事が付いて回るもの。後々骨が出てきた際のトラブルになることも。埋葬する場合は火葬して細かくしてからにしましょう。

    葬儀の服装は?喪服?

    一般的にペットの葬儀は平服でOKと言われています。実際に普段着で参列される人がほとんど。気になる場合は葬儀業者に尋ねましょう。

    火葬車ってにおい・煙などで近所に迷惑かけない?

    火葬車は環境対策に適合した車が多く使われています。においや煙をバーナーで燃やして消す仕組みになっていることがほとんどで、残った煙も煙突から出るまでに空気と混ざりほぼ消失するようになっています。

    猫ねこさん
    最近の火葬車は消音タイプの発電機が多く使われ、騒音問題にも配慮されているんですよぉ。
    お迎えにきてくれたり、なんだかいろんなサービスがあるんですねっ。忙しい飼い主さんも、「うちはまだまだよ」なんて言ってる飼い主さんも、事前にこうした情報を知っておくといざとなった時に安心ですねっ。
    クロベエ

    まとめ

    大切な家族との最期なんてきっと誰もが考えたくないはず。でも勇気をだして、覚悟を持って、少しだけでも知っておくといざという時に少しだけ落ち着いて行動することができるかもしれませんね。

    • まずやること①安置する場所(棺)を用意
    • まずやること②体の硬直が始まるまでに体の状態を整える
    • まずやること③体を拭いて清める
    • まずやること④適切な方法で安置
    • まずやること⑤葬儀業者(霊園)を選ぶ
    • 見送り方は自宅か葬儀場
    • 火葬は立会個別火葬、一任個別火葬、合同火葬が
    • 葬儀(セレモニー)の流れは基本的に人の葬儀と同じ
    • 納骨は自宅保管か納骨堂・墓地(霊園)が一般的
    • 近年は散骨、樹木葬も増えてきている
    • 埋葬はできるだけ火葬して細かくしてから
    • 葬儀の服装は平服でOK
    • 火葬車はにおい・煙・騒音にも配慮されていることがほとんど
    猫ねこ部編集室 ライター ほりえかよこ
    この記事を書いた人
    ほりえかよこ
    猫ねこ部編集室 ライター

    猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。

    猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
    主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。