- 今回ご紹介するのは戸越銀座にある保護猫カフェ「Meooow!(ミャーーーオ!)」。飼えなくても遊びにきてくれるだけで猫のためになる。。。そう語るオーナー山本さんの想いを伺ってきましたよぉ。
山梨の保護団体「リトルキャッツ」の猫を預かり、里親募集を行っている「保護猫カフェMeooow!」。
オープンから3年。たくさんの行き場のない猫たちを新たな家族へとつないできた。
今回はそんな保護猫カフェMeooow!を直撃取材。
お店の魅力や猫への想いについて、オーナー山本さんにお話を伺ってきました!
飼い猫”春馬”との出会い
戸越銀座の商店街を通り抜け、歩くこと約8分。駅から離れると、さっきまでの賑わいが嘘かのようにあたりは静まり返っている。
そんな閑静な住宅街の一角に”保護猫カフェ”の看板が。ここが今回ご紹介する「保護猫カフェMeooow!(ミャーーーオ!)」だ。
お店の裏手にはなぜか将棋教室の看板・・・。
というのも、実はこのMeooow!のオーナーである山本正樹さんは日本将棋連盟の指導棋士でもあるのだ。将棋教室の先生兼保護猫カフェオーナーという異色の組み合わせ^^
そんな山本さんにMeooow!のこだわりや猫への想いについてお話を伺ってきた。
春馬との出会い
山本さんは小さな頃からずっと猫が大好きだった。けれど、実家では飼うことができず。。。そこにはこんな事情が。
「おじいちゃんが喘息持ちだったので、犬とか猫とか毛が抜ける動物は飼えなくて・・・ハムスターは飼ってたんですけど^^」
そんな山本さんが大好きな猫と遊びたい!と足繁く通っていたのが、譲渡型の保護猫カフェだったのだとか。
そこで出会ったのが”春馬”。
「撫でるとちょっと逃げるんですけど、そこまで遠くには逃げない。少し動けば届くところで横になるみたいな。かまってほしいのか何なのか分かんないような不思議な子でしたね(*^^*)」
しばらくしてお爺さまが亡くなり、その春馬を初めての飼い猫として家へ迎え入れることに。
こうして念願の猫との暮らしがスタート。今年ではや4年目。春馬はちょうど6歳になったところだ。
山本さんいわく、春馬は”とても飼いやすい猫だけど、実はビビリで猫嫌い”なんだとか。取材時も残念ながらお目にかかることはできず><
そんな春馬との出会いが、山本さんの暮らしを一変させた。
譲渡型猫カフェのトライアルお届けを機に
▲あごポジション最高^^
「春馬を迎えた後も保護猫カフェに通い続けてました。常連でしたから^^。お店のスタッフがトライアル猫のお届けに行っているのも知っていて…、ただ結構ハードで1日3件くらいお届けする時もあるんですね。1回帰ってきてはまたお届けに行って、また戻ってきては行って・・・もう汗だくなんです。重くて大変ですし、女性ばかりでやっているお店だったので、じゃあ自分は車もあるし手伝うよ!って。」
こうしてトライアル猫のお届けを始めた山本さん。けれど、ちょうどそのお店が近々閉店してしまうことに。。。
”保護団体には行き場のない猫たちがたくさん。そんな猫たちが新しい家族と出会えるように。”
”保護猫カフェのシステムをもっと多くの人に知ってもらいたい!”
保護猫と接する時間が増えれば増えるほど、山本さんにはそんな思いが芽生えていた。
「ここは、もともと親父の経営する金属加工工場だったんですけど、高齢になり工場をたたむことに。最初は倉庫にしようかなって言ってたんですけど、それならここを保護猫カフェにしようと。」
トライアル猫のお届けをしていた保護猫カフェのスタッフも手伝ってくれることになり、「場所もあるし人も揃った。じゃあやろう!」と話が進んでいったという。
今年でオープンして3年目。オープン当初はお客さんゼロという日もあったそうだが、今では平日でも平均10人くらいのお客さんが訪れる。土日はかなり混み合うこともあるとか。
「ずっと気になっていて…と、かなり遠方からいらしてくださる方もいらっしゃいますね。」と嬉しそうに話す山本さん。
基本フリー、体重管理だけはしっかりと
Meooow!に来ている猫たちはすべて山梨県の保護団体「リトルキャッツ」出身。トライアル猫のお届けをしていた保護猫カフェがリトルキャッツの猫を預かっていたこともあり、自然と同じ保護団体の猫を迎えることになったそう。
取材日にいた猫たちは全部で24匹!
おもちゃに夢中な子。
仲良し同士寄り添ってる子。
下界には意地でも降りて来ない子^^
置物のように寝てる子^^
などなど、みんな思い思いに過ごしていた。
もともとあった工場の配管部分が猫にとっては絶好の遊び場になっているらしく、キャットウォークさながら。
「基本こんな感じでフリーにしていて。上にいる子たちにはご飯をデリバリーしてあげています。お客さんが多くても自由に逃げられるのでストレスなくやれているのかな。」と山本さん。
でも、いくらフリーダムとはいえ体重管理はしっかりと行っている。今回は閉店後に特別にお邪魔させていただいたのだが、ボランティアのスタッフさんがとても丁寧に健康チェックを行っている姿が見てとれた。
ここで過ごす子たちがみんないつも健康でいられるように。そして猫の気持ちにもちゃんと寄り添ってあげて。スタッフさんの猫を大切に想う気持ちがひしひしと伝わってきた。
なるべく制限を設けず自由に遊べるように
▲6兄弟のうち一番小さな体のサク。レギンス履いてますです^^
ここにいる子たちはとても人懐っこい子が多い。初日から迷いもなくお腹をごろ~んと見せてくれるツワモノもいるとか。
他の猫カフェだと相手にされなかったというお客さんでも、おもちゃで遊んであげると何匹もに囲まれるというハーレム状態になるそうで。猫カフェに対しての印象が変わった、と言われることも多いのだとか。
「抱っこがだめとか、近づいて来るまで触っちゃだめとかそのお店によってルールがありますよね。結構厳しいところも多いです。でもせっかくの猫カフェですし、遊ぶのメインでみなさんいらしているので、うちはあまり厳しいルールは設けてないですね。もちろん、常識の範囲内ですけど。」
▲三代目リーダーシャンク。一度トライアルに行ったものの戻ってきてしまい、リーダーの座は譲らず^^
夏休みにはお子様連れのお客さんも多くいらっしゃったとか。小さな子供は入店禁止としているところも多いが、Meooow!では小学生以上のお子様であれば親御さんと一緒に入店できる。
「もちろんお子さんが大声で騒いだりすると猫の負担になってしまうのもよく分かります。でも一律で決めてしまうのはちょっとかわいそうかなと思いますね。」
猫が好きだけど事情があって飼えない人もたくさんいる。山本さんもかつてそんな一人だった。だからこそ保護猫カフェでの時間が癒しになっていた。そんな山本さんだからこそお客さんの気持ちにも丁寧に寄り添ってあげられるのだろう。
少しでも楽しい時間を過ごしてもらえたら、、、そんな猫が純粋に好きな方への暖かい気持ちが感じられるのが、ここMeooow!が愛される理由なんじゃないかと思う。
里親会=うちの子自慢会(笑)をまたいつか
現在、月に5匹くらいのペースで譲渡が決まっているそう。かなりのハイペースで新しい家族のもとへと送り出している。
卒業生はこの3年でこんなにも!!(写真におさまりきらなかった子たちもたくさんっ)
▲ささみ、ねぎま、ぼんじり、つくね。。。(笑)ビールくださ~い^^
以前、里親さんたちを集めた里親会(別名うちの子自慢会(笑))をカフェで開催。同じ保護猫カフェ出身の猫ちゃん大集合で、大変な盛り上がりだったとか^^
「定期的にやっていきたいんですけど、かなり数が増えてきてしまったんで、1回で入りきらないなと^^時間もなかなかなくて開催できていないんですけど、またいつかやりたいなと!」
送り出した大切な我が子たち。その子たちの様子が少しでも分かるとやっぱり嬉しい。SNSなどでアップされた元気な写真を見るたび、山本さんやスタッフの方に笑みが溢れる。
高齢やハンデのある子こそ決まると嬉しい
「以前、結構高齢で個性がなかな強めな子が2匹いたんですけど、、、その子たちが決まったときは嬉しかったですね。長くいるとその分医療費もかかってしまうので譲渡代も高くなるんですけど、それでも!と引き取ってくれて。ハンデのある子でも引き取ってくださったり、、、本当に優しい方がいらっしゃいますね。一番長い子だと6年くらいで決まったケースもあります。」
高齢猫、ハンデのある猫は他の子に比べると里親が決まりにくい。でも、そんな子でも晴れて卒業となって第2の猫生を歩んでいくことができる。溢れるほどのたっぷりの愛情を注いでもらえる。
Meooow!はそんな出会いを繋ぐ貴重な場なのだ。
飼えなくても遊びにきてくれるだけで猫のためになる
「見た目だけじゃなくて、その子の性格をちゃんと見て決めていただきたいなと思いますね。ペットショップの場合、やはり見た目になってしまうと思うんです。性格までは分からないですよね。。。さらに買ってしまったら返すこともできない。保護猫カフェであれば、ご要望をお伺いしてその方にあった性格の子をご紹介できます。正式譲渡の前にはトライアルもありますし。」
トライアルは基本2週間。でも場合によっては延長することもできるし、早ければ数日で正式譲渡となることもあるそう。
「こんな子だと思わなかった・・・っていうのを減らせるのはかなり大きい。トライアルってやっぱりいいと思うんですよね、人にとっても猫にとっても。別にうちで決まらなくても、いろんなお店があるので、お互いにベストなパートナーが見つかれば。」
”うちじゃなくても”山本さんのことばからは、本当に猫を大切に愛おしく想っている気持ちが伝わる。
「最初は上で隠れてた子が触れるようになって。。。ついに膝に乗ってきた!!とかそういうだんだん馴れてくれる様子に喜びを覚える方も多いですね。人馴れにもなるので、飼えなくても遊びに来てくれるだけで猫たちのためになるんです。」
保護猫を迎えたいと思っている人にとっても、猫を飼えないけれどたくさん触れ合って遊びたい人にとっても心地いい空間「Meooow!」。
ここからまた新たな出会いが生まれ、そして猫を通じた幸せが広がっていくことを願って。
保護猫カフェ「Meooow!(ミャーーーオ!)」
住所 | 東京都品川区荏原1丁目12-6 |
営業時間 | 13:00~20:00(L.O.19:00) |
定休日 | 水 |
最寄り駅 | JR、都営地下鉄五反田駅より徒歩17分 東急目黒線武蔵小山駅より徒歩14分 東急目黒線不動前駅より徒歩10分 東急池上線戸越銀座駅より徒歩8分 |
料金(税抜) | 1時間:1,000円 15分延長ごとに:200円 |
公式サイト | https://meooow-cat.com/ |
公式SNS・ブログ | Twitter:保護猫カフェ『Meooow!』 Facebook:猫保護猫カフェMeooow! Instagram:catcafe_meooow |
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。