- 飼い猫との幸せエピソードをお届けする”なないろ猫物語”。今回ご紹介するのは4歳のキジトラ男子「フゥ」くん。出会いのきっかけや飼い主さんと猫ちゃんのお互いの幸せについて、飼い主さんにお話しいただきましたよぉ。
小さな小さなからだで助けを求めてきたあの日
きょとんと見上げるお顔がとってもイケメンな彼の名前は風(フゥ)くん。
「とってもお喋りさんで話しかけると必ずお返事してくれます。」そう話すのは飼い主のCHIHO(@chiho_4025love)さん。
そんなフゥくんとCHIHOさんとの出会いは、ある風の強い日だったという。
半年前に愛猫を亡くしたばかりだったCHIHOさん。夕方になると決まって駐車場に現れる5匹の猫たちをベランダから眺めるのが、毎日の楽しみであり癒やしだったとか。
そんなある日、黒猫以外の4匹の猫たちの姿がなくなったという。
「連れていかれたのか死んじゃったのか、、、心配だったけどなすすべもなく。諦めていた2日後、ベランダの下から子猫の鳴き声が聞こえてきて。見るとキジトラの子猫が私を見上げて鳴いていたんです。」
子猫のすぐそばには母猫の姿があったので、「お母さんのところへ言っておいで」と声をかけたそう。すると子猫はお母さんのもとへと歩いていった。。。でも、お母さん猫はシャーっと威嚇して猫パンチ。子猫が何度お母さん猫のところへ行っても、受け入れてくれなかったとか。
何日経ってもお母さん猫の様子は変わらず、駐車場でお母さんを求めて鳴き続けていたという。
「このままじゃ死んじゃうかも・・・」と心配していたある日。たまたま仕事が早く終わって家へ帰ってくると、駐車場にたくさんの警察官の姿が。「何があったんですか?」と警察官に尋ねると、、、なんと近辺でアライグマが出たとのこと。
気になって駐車場で様子を見ていたときだった。CHIHOさんのそばにあのキジトラ子猫が鳴きながら近寄ってきたそう。よく見ると両目は潰れていて開いていない。体は雨でびしょ濡れだった。
「このままじゃアライグマにやられるかも・・・死んじゃうかも・・・」そう思ったCHIHOさんは、無意識に子猫を拾い上げたという。すぐに病院へ連れていくと、猫風邪にかかっているとのことで即入院に。
「その当時、家には老猫2匹がいたのでうちでは飼えないなと思っていたんです。里親さんを探してあげないとなぁと思っていた矢先、病院からお迎えにきてもらえますかと連絡があって。お迎えに行くと、両目がぱっちり開いて私を見つめて喜んで鳴く子猫ちゃんが・・・」
その瞳にすっかり心を奪われてしまったCHIHOさんは、その場でうちの子にしようと決めたという。「体重250gほどの小さな小さなからだで、、、雨風にも負けず、猫風邪にも負けずに頑張ったね、そんな想いを込めて”風(フゥ)”と名付けました。」
甘えん坊で寂しがり屋な私のストーカー(笑)
フゥくんがやってきた時、CHIHOさんのお家には先住の老猫ちゃん2匹がいた。
「とにかくやんちゃで遊ぼ遊ぼってちょっかいばかり出してました。でもその後老猫が順番に亡くなって、、、1匹になってからはすごく甘えん坊で寂しがり屋さんに。今は見てて面白いぐらいストーカーされてます。」とCHIHOさんは笑う。
CHIHOさんがトイレに行けば前で待っていたり、お布団に入れば慌ててお布団へやってきたり、とにかくCHIHOさん命のフゥくんなのだとか^^
「とっても甘えん坊さんだけど、むっちゃビビリなところも・・・インターホンが鳴った瞬間逃げていきます(笑)」
平和でなにげない日常がふたりの幸せ
仕事から帰ってくると必ずお迎えにきてくれる。寝るよ~って言うとお布団に来て一緒に寝る。そんな平和で何気ない日常が、CHIHOさんとフゥくんにとってのお互いの幸せだという。
「あの日アライグマが現れていなかったら。あの日仕事が早く終わっていなければ今こんなふうに一緒に暮らしていなかったかもしれない。そう思うと運命の出会いってあるんだなぁって実感します。フゥちゃんは半年前に亡くなった先代にゃんこの生まれ変わりだと思ってます。」
小さな小さな体で助けを求めて一生懸命鳴いていた姿を、CHIHOさんは一生忘れない。
「他にも人がいるのにわざわざ私のところに来てくれたのは、私のことをちゃんと選んで来てくれたのかなぁって。私を選んで来てくれて本当にありがとう!って伝えたういです。」
フゥくんとCHIHOさんはきっと出会うべくして出会った運命の人(にゃんこ)なのだと思う。
こんなにも愛情深く育てられたフゥくんはきっと今こう思っているはず。「ぼくを選んでくれて本当にありがとう!」と。
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。