- 保護猫支援チャリティ企画を立ち上げた、プロ・フルート奏者町井亜衣さんへのロングインタビュー。「猫を迎えるなら保護猫を」その想いを伺ってきましたよぉ。
新型コロナで全国各地の譲渡会が中止になるなか、Instagramで発表されたある保護猫支援のチャリティ企画が話題に。
企画を立ち上げたのは、プロ・フルート奏者の町井亜衣さん。自身も元保護猫「ソラちゃん」と暮らす大の愛猫家。
町井さんの猫との暮らし、保護猫チャリティ企画のこと、そして猫への想いについてボリュームたっぷりでお届けするロングインタビュー。保護猫活動を支援したい方、これから猫を迎えたいと思っている方に是非読んでいただきたい記事です。
プロ・フルート奏者。17歳で音楽の道を志し、2004年東京音楽大学フルート科を主席で卒業。フランスへ音楽留学し、現地の音楽院では最高課程を最高評価で修了。ヨーロッパを中心に音楽活動を行う中でスイスへ拠点を移し、大学院課程で最高位のディプロマを取得。国内外のコンクールにて受賞歴多数(イタリア・バルレッタ国際音楽コンクール1位など)
- ソラちゃんInstagram→@sora.chat
- 町井亜衣公式サイト→https://aimachii.com/
- 町井亜衣公式Twitter→@aimachii
- 町井亜衣Instagram→@aimachii
- 町井亜衣Facebook→@ai.machii
- 町井亜衣YouTube→町井亜衣フルートチャンネル/ Ai’s Flute Channel
小さい頃からいつも猫がそばに
小6のとき、2歳年上のお姉様の同級生の家で産まれた子猫を引き取ったのが、町井さんと猫との初めての出会い。「真っ黒で美しい緑の目をした、お転婆な女の子でした。」と町井さん。
その猫がさらに5匹の子どもを出産。そのうちの1匹は未熟児だったため、産後すぐに息を引き取ったそうですが、1匹は町井さんの同級生の家へ里子に。残り3匹は町井さんの実家で育てることになり、母猫とあわせて合計4匹の大家族になったのだとか。
その子猫たちは町井さんご家族と、長く時を共にしましたが、19歳になった頃老衰で虹の橋を渡り…。ちょうどその頃、近所で捨てられていた生後2か月の雄猫を保護し、新たに迎えることになったそう。
その雄猫がこちらのチョロ吉くん。現在8歳。
さらにその後、近所で野良猫のボスをしていた雄猫と、そのパートナーの雌猫が身ごもった状態で実家の近くをうろつくようになり、雌猫が出産したタイミングでその雌猫を保護。のちに雄猫も保護し、現在実家では3匹の元捨て猫たちが家族とともに暮らしているのだそう。(出産した子猫3匹は全員優しい飼い主さんの元へ里子に)
▲その時出産した雌猫が、白黒のマリーちゃん。
▲こちらご近所野良猫界のボスに君臨していた茶トラ男子、ジョニーくん。
小さい頃から猫とともに暮らしてきた町井さんですが、22歳のときにフランスへ音楽留学し、パリで暮らすことに。そこでも、ほぼ家族のように一緒に暮らす猫がいたのだとか。
「大家さんが飼っていた猫ちゃんが私の部屋に出入りするようになり、いつしかその家は”猫付き物件”と化し、私がスイスに引っ越すまでずっと一緒でした。引っ越しの時に大家さんに『引き取りたい』と相談しましたが、許可が下りず、、、あの時は本当に悲しいお別れでした。」
真夏の炎天下の中、保護されたソラちゃん
そんな町井さんですが、現在は元保護猫ソラちゃんと旦那様との3人暮らし。ソラちゃんとの出会いは今から2年前の2018年9月のこと。ご主人の友人が埼玉の荒川河川敷で保護した子猫、それがソラちゃんだったのだとか。
周りに母猫も見つからず炎天下の中危険だったため保護したそうですが、保護主さんのお家には既に先住猫さんがいて、マンションの規約上これ以上猫を飼うことができず・・・。以前から猫を迎えたいと話していたという町井さんご夫婦にお声がけくださったのだそうです。
「いつか猫ちゃんを迎えたいと思いながら、まだ新婚旅行にも行っていませんでした。なので来年の春にでも行ったら迎えようかなぁと話していたところで…。少し迷いはあったのですが、『飼い主さんを探すお手伝いするにしても、一度会っておかないとね!』と言い訳をしながらお見合いをし、その場で迎える決意をしました。」と町井さん。
▲お見合いした日のソラちゃん。まだまだあどけない表情でとっても可愛い。
元々ご主人も猫好きだったそうで、二人で保護猫カフェに遊びに行くこともあったとか。いつか迎えたいと夫婦ともに思っていたものの、予定よりも半年以上早く保護猫をお迎えすることになった町井さんご夫妻。結局いまだ新婚旅行には行っていないそう^^
「ぼくをかまってにゃ!」ずっと後をついてまわるストーカー猫ちゃん^^
こうして迎えたソラちゃん。まだ子猫だったこともあってか、初めてお家へやってきたときもおびえるような様子はなく、さっそくリビングを探検しに。ごはんもトイレもばっちりで慣れるのは早かったそう。
▲ママが買ってくれたけりぐるみがお気に入り。
そんなソラちゃんはとても甘えん坊な性格だそうで、、、
「私と夫ふたり一緒に『ぼくをかまってにゃ!』というアピールが強く、2階と1階で別々に過ごしていると、双方を呼び寄せようとします。私の後をずっと付けてまわるストーカー猫ちゃんです^^姿が見えなくなると鳴いて場所を確認してきます。本当にかわいいです!」と町井さん。
▲2階と1階にいるパパママをどうやって呼び寄せようかお悩み中のソラちゃん^^
そんな甘えん坊なソラちゃんですが、じゃれていてもパパママには絶対に手を出さない優しい一面も。
ソラちゃんを迎えてからというもの、外出することが以前より減り、家で充実した時間を過ごすことが多くなったという町井さん。イライラすることがあっても、ソラちゃんがかわいい顔で見ていたらそれだけで力が抜け、気持ちを切り替えることができるのだとか。
ご主人も元々とても優しい性格だそうですが、ソラちゃんのことをとても可愛がってくれるので、町井さんも「子煩悩な(笑)姿を見ることができてとても嬉しい」のだそう^^
「運命だった」妊娠発覚、流産・・・深い悲しみのなか大きな心の支えに
そんなソラちゃんとの出会いは「運命だった」と語る町井さん。
というのも、ソラちゃんを迎える数日前に妊娠が発覚するも、迎えて2週間後に早期流産…。町井さんは悲しくて毎日のように泣いていたのだそう。そんなとき、生まれて3か月の小さな子猫だったソラちゃんが、毎日町井さんに優しく寄り添ってくれ、それが大きな支えになったのだといいます。
モフモフな可愛いソラちゃんが顔をなめてきて目を覚ます時。それが町井さんの幸せな一日の始まり。
「ストーカーにゃんこなので、手がかかるなぁ~と思いながら、顔はにやにや緩みっぱなしです!近くで安心しきってお腹を見せて寝てる姿を見るのも、野生をなくしてるなぁ~と思いながら、幸せを感じます。」
▲野生ってニャ~に??^^
インスタを通じて知った保護猫ボランティアさんの現状
ソラちゃんと町井さんのほっこり猫ライフが綴られている、ソラちゃんInstagram(@sora.chat)。猫愛あふれる投稿に、フォロワーさんからは「かわいい!」「ママが大好きなんだよね!」「ママとパパ一緒がいいんだよね」等のコメントが多く寄せられるのだとか。
そんなフォロワーさんたちのちょっとした癒しになればと、町井さんは本業であるフルート演奏動画をときどき掲載しているそうで・・・こちらが町井さんの演奏動画フルバージョン。
なんて素敵な音色なんでしょう~。「愛猫さんたちと一緒に聴いてくださっている方が多いようで嬉しいです。」と町井さん。是非皆さんも愛する猫さまと一緒に聴いてみてくださいね!
そんな町井さんは、インスタを通じて、法人・個人含め、想像以上にたくさんの保護猫ボランティアさんが保護猫活動をしていることを知ったといいます。そして、こうしたボランティアさんの多くが、資金不足の問題を抱えていること、そしてその資金の多くを寄付や自己資金、補助金などから調達するケースが多いことも知ったそう。
当時、ソラちゃんのインスタのフォロワー数が1万人を超えていたため、その影響力を少しでもプラスの形で保護猫活動に還元できないか考えていたという町井さん。そして昨年、ついに第一回目の保護猫チャリティ企画を始動。保護猫を家に迎えるという選択肢があることをまだ知らない方に、少しでも知ってもらえたらいいなという想いを込めて。
「もともと猫グッズなどを作成していた5名のクリエイターの方々へお声がけし、ソラちゃんオリジナルグッズを作成していただき、ネット販売する形で開催しました。」
こちらがその時のソラちゃんグッズたち。
クリエイターの方々も、何らかの形で保護猫活動の力になりたいという想いを持ちつつも、形にできなかったそうで、町井さんの発案した企画に快く賛同してくださったのだとか。
とっても可愛いソラちゃんグッズには大きな反響があり、販売開始からわずか1時間で完売。予想以上のオーダーに町井さんも本当に感謝の気持ちでいっぱいになったそう。
「購入してくださったフォロワーさんたちからは、『保護猫活動を何かお手伝いしたいと思いつつも、どこで何をしたらいいか分からなかったので、このような形で協力できて嬉しい』というメッセージをたくさんいただきました。」と町井さん。
その後、必要経費を除いた全額を、保護猫活動の医療費とフード代として、保護猫団体に寄付したのだそうです。
町井さんはインスタでときどき長文で保護猫活動への想いを書くことも。こうした町井さんの発信に対し、フォロワーさんもそれぞれ愛猫への想いや保護猫活動への想いを寄せてくださるのだとか。
チャリティ企画第二弾!にゃんこ神経衰弱
インスタを通じて広がる保護猫への支援の輪。町井さんは現在もその手を決してとめることなく、活動し続けています。
今年4月2日より始まった保護猫チャリティ―企画vol.2では、にゃんこ神経衰弱を作成・販売し、保護猫ボランティア団体「ひらねこ」へ寄付する案を発表。販売決定にともない、現在Instagramではにゃんこ神経衰弱のモデルになってくれる猫ちゃんを25ニャン募集中とのこと。
今回の企画を思いついたきっかけについて、町井さんはこう語ります。
「新型コロナの影響で譲渡会が開催できないなか、猫は出産シーズンを迎え、ボランティアの皆さんはどこも受け皿が満タンな状態・・・資金的にも本当に苦労されていると感じました。
チャリティー企画をするのであれば、今度はみなさん参加型の企画にしたい、そして保護猫を迎える選択肢を少しでも広めたいと思っていました。
何かいいアイデアはないかなと考えていたところ、同じような柄の猫ちゃんが並ぶと、パッと見ただけでは飼い主さん以外違いが分からないのでは?と気づき、、、もし、ソラちゃんと同じような白黒ハチワレでお鼻の黒い子がいて、それで神経衰弱をしたらなかなか難しいのではないかと。みなさんの愛猫さんにモデルにゃんとして参加していただきながら、難しいけど可愛い神経衰弱が楽しめるのではないかとひらめきました。
自宅時間が長くなったなか、少しでもその時間を楽しめるものをと考えたとき、想像したら楽しい時間でしかなかったので、これだ!と思いました。」
お家の猫さまがトランプに!というだけでもたまらないのに、それが神経衰弱になってるなんて、飼い主さんにとっては悶絶ものの可愛さですよね。私なら保管用、遊ぶ用、お配り用(勝手に)と3つ欲しくなってしまうかも^^保護猫支援もできて、かつ、お家でも楽しめる素敵な企画、是非おうちの猫さんをモデル応募させてみては?
応募期間
2020.4.2(水)~ 2020.6.14(日)
※保護猫活動啓蒙のため、受付期間延長決定!
応募方法
- @sora.chatをフォローのうえ、インスタの告知投稿(こちらまたはこちら)をキャプションつきでリポスト!できないときはスクショでもOK。応募用ハッシュタグ #ソラチャリティーvol2 と #にゃんこ神経衰弱モデルにゃん応募 を忘れずにコメント欄に記載してください。
- ストーリーまたは(@sora.chat )のプロフィールリンクにある応募フォームから必要事項を記入&応募用画像2枚を一緒に送信!
※お写真は、2種類の異なる画像で、猫ちゃんのお顔がきちんと写っていて柄などがわかるものでお願いします。
※採用させていただいたお写真は、加工させていただく場合がございますが、ご了承くださいませ。
ご応募&詳細は公式サイトから♪
必ずお読み下さい
- リポストとフォームからの画像送信の両方で応募完了となります
- この商品の売上から経費を除いた全額すべてを、保護猫活動をされているボランティア団体「ひらねこ」様へ寄付いたします
保護猫を家族にする選択肢を、そして終生大切にしてほしい
こうしたチャリティ企画を通して町井さんが伝えたい想い。それは保護猫を家族にするという選択肢を知っていただきたいということ。そして、どんな形でも縁あって迎えた小さな大切な命を、終生大切にしてほしいということ。
「一人でもいいから周りの人に伝えてほしいと思います。知らなければ始まらないことだと思っています。そして、最終的には、猫に限らず犬も含め殺処分ゼロの国に、動物虐待のない世の中にしたいです。」
縁あって町井さんのもとへやってきたソラちゃん。今ではこんなにも大きく、こんなにも愛らしく成長し、毎日町井さんご夫妻を笑顔にしてくれ、癒しを与えてくれています。
少しでも多くの猫が、ソラちゃんのように優しく温かな飼い主さんのもとで幸せに暮らせるように願うばかりです。私たちにできるのは、少しでも多くの人にその野良猫、保護猫の現状を知らせること。これ以上、外で暮らす不幸な猫を増やさないように。幸せな猫生を送ることのできる猫が増えていくように。
最後に、町井さんに愛するソラちゃんへのメッセージをいただきました。
「かわいくてしょうがない愛猫ソラちゃん。ソラちゃんはソラちゃんらしく、自由に幸せに過ごしてほしいと思います。そして、健康に長生きしてほしいです。」
ソラちゃん、町井さん、これからもずっとずっと一緒に穏やかで温かな時間を過ごせますように。眺めているだけで幸せな気持ちになってくるソラちゃんInstagram、是非皆さんもチェックしてみてくださいね。
取材協力:町井亜衣さん
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。