- 今回ご紹介するのは保護猫カフェ「ネコリパブリック」。猫カフェだけでなく、グッズの販売やイベントなどの売上も猫の保護猫活動に充てているんですねぇ。都内3店舗のなかでも人気のお茶の水店さんにお邪魔してきましたよぉ。
全国に7店舗を構える保護猫カフェ「ネコリパブリック」。
「2022年2月22日までに日本の猫の殺処分ゼロに!」を掲げ、猫カフェの運営のほか、グッズの販売、イベントの運営などさまざまな事業の売上を保護猫活動に充てています。
今回はそんなネコリパブリックお茶の水店さんの店長さんに直接お話を伺ってきました。
保護猫への想いやお茶の水店ならではの魅力をたっぷりご紹介します!
里親が難しい子にチャンスを
今回お邪魔したのは、ネコリパブリックお茶の水店。岐阜店、大阪心斎橋店に続き、2015年に全国3店舗目としてオープンした“保護猫カフェ”だ。
▲もともと和室だった住居を生かした“和”なインテリアのお部屋。ごろんとしたくなる畳がなんとも気持ちいい。
「この子はりんちゃん、8歳くらい。もともとは子猫のときに保護された子なんですけど、なかなか里親さんが見つからず気づいたら8年…。8歳にもなると、里親探しはぐっと難しくなってきますね…。」そう話すのは中野店・お茶の水の店長を務める嬉野さん。
▲人がとにかく大好き!かまってほしくて膝下付近をサワサワ。常に動いてるので、写真はだいたい残像になるタイプ^^
▲りんちゃんのレアな静止画。
ネコリパブリックでは、主に保護団体から猫を預かって里親募集をしている。なかでも特に里親の見つかりにくいおとなの猫に絞っているのが特徴。
「よりたくさんの人が来てくれる場所で、新しい家族に出会えるチャンスをより広げようという形にしています。」
▲りんちゃん通過(笑)
必ずしもNPO法人など名前のついた団体さんからしか預かっていないというわけではなく、任意団体さんから預かることもあるのだとか。
現在、お茶の水店にはこうした保護猫たち25匹が暮らしている。
常に入店待ちの猫がたくさん
▲めでたく卒業が決まった三毛のたまちゃん。撫でられるの大好き!
「常に入店待ちの子がたくさんいるんです。」と嬉野さんは話す。
お茶の水店には、最大で27.8匹、少ない時でも23匹くらいの猫たちが常時いるのだとか。里親に出る子が決まれば、次に入店する子を決める。新しい家族との出会いを待っている子たちはたくさんいるので、極端に猫の数が減るということはないそう。
▲お得意の“伸び”!
ただ、どんな猫でも受け入れられるかというと、そういうわけではないらしく・・・。
「人に慣れていない子はもちろんたくさん来るんですけど・・・、一番大事なのは“猫同士大丈夫な性格の子”ですね。すぐに他の猫と喧嘩しちゃう子はここには来れないので、ちょっと限定されてはしまうんですけど。」
ここに来てどうしても他の猫との折り合いが悪く喧嘩してしまう子は、一時的に預かりボランティアさんに預かってもらうこともあるのだとか。
「預かりボランティアさんは登録制にしていて。ただ、その預かりさんの方々も常に埋まっている状況ですね。預かりさんのところにいた子がお店に入ってくると、すぐに次の子が預かりさんのところに預けられるっていう…。保護猫は本当にたくさんいるので、そういうサイクルができあがっている感じですね。」
猫同士の相性も考えつつ、少しでも多くの猫が新しい家族と出会えるように。日々こうした想いで、近隣にお住まいの預かりボランティアさんとも連携をとりあっているのだそう。
ボランティアさんのサポート
▲5月に入ってきたばかりのシータさん。寝起きから貫禄あり(笑)
お茶の水店の常勤スタッフは全部で5名ほど。スタッフ以外に、朝・昼・夜のシフト制でボランティアさんにもお店を手伝ってもらっているそう。オープンから丸4年、ずっと続けてくださっている方もいるのだとか。
「朝ボラさんは午前中にお店に来ていただいて、トイレ掃除や朝ごはんをお願いしてます。昼ボラさんには、お昼ごろに来ていただいてオープン前のお部屋のお掃除を。夜ボラさんにはスタッフと一緒に夜ごはんと片付けをお手伝いしてもらっていますね。昼ボラさんだけごはんをあげるっていうのがないんですけど、朝ボラさんと夜ボラさんは25匹が一斉にわーってやってきて、ごはんを食べているところを見れるっていう醍醐味が(笑)それが癒しにもなるみたいですね。」と嬉野さん。
▲シータさん、本当はこんなに美猫!「さっきのはモザイクかけといてー。」
ボランティアさんすべてが猫を飼っているというわけではなく、なかにはこれから飼いたいと思っていて勉強のためにと来ている方もいるのだとか。
お店で預かれない猫をお願いしている預かりボランティアさんや、日々お店のお手伝いをしているボランティアさん。こうしたさまざまな方の協力によってお店が成り立っているのだそう。
家では飼えない人が癒しを求めに
▲ちょっとビビりなピノくんを、まさにビビらせてしまった図。
お茶の水店に来られるお客さんは実にさまざま。男性おひとりの方もいらっしゃれば、女性おひとりの方も。お子様もOKなのでご家族連れで来店される方も多いのだそう。
「秋葉原が近いのでオタクの方もけっこういらっしゃいます(笑)バッグにアイドルの方のバッジをいっぱいつけていらっしゃったりw でも、そういう方に限って、すごく楽しそうに遊んで帰られたりしますね!」
▲右)ピノくんの妹ノワールちゃん。左)ポン助くん。ふたりともややビビリさん。
お客さんのほとんどがネットで検索して来たという方々。
「以前、テレビで紹介されたときは、テレビを見て来られた方が圧倒的だったんですけど、1年たったらあっという間にゼロになりましたね(苦笑)お子さんに人気の番組だったので、子ども連れのご家族の方が本当に多かったです。やっぱりテレビの影響って大きいですよね。」と嬉野さん。
▲左のジョルノは噛みつき癖があって今は鑑賞オンリーだとか(笑)食欲旺盛でおやつにめざとい^^
猫カフェを訪れる方というと、猫大好きで家でももちろん飼ってる方が多そうなイメージが…。でも実際のお客さんで猫を飼っている人はとても少ないのだとか。
「以前、中野店の方で行ったアンケートで、猫を飼っているかどうかっていう質問をしたんですけど。猫を飼っている方は、全体の4分の1くらいだったんですよ。」
猫を飼っている人が少ない理由には、都内のペット可物件の少なさも関係しているという。「賃貸物件検索サイトなどで物件を探すときに、ペット可物件っていう条件を入れて検索すると、物件数の桁が一個減るくらいですからね…。地域によっては10件以下になってしまうことも…。」
住まいの理由以外に、家族にアレルギーの方がいるなど健康上の理由で飼えないという方も多いのだそう。
「家では飼えないけれど猫と触れ合いたい!」そんな人が癒しを求めて猫カフェを訪れているのだ。
年間約60頭が里親の元へ
▲こちらは入口を入って右手にある小さな猫部屋。ここにいるのは人慣れした子ばかり。このポカポカ陽気は人間もお昼寝したくなるなる^^
お茶の水店では年間約60頭の猫が卒業しているのだとか。
「ご応募いただいて約半数はお話がなくなってしまうので、年間100近くのご応募はあるかなと思いますね。」と嬉野さん。
▲手前)ちゃとらん 奥)義経 めでたく卒業が決まった茶トラコンビ
実際に譲渡に至らないケースはさまざまだが、まずは経済的に難しいケース。
「よくよく話を聞いてみたら、今生活保護をもらっていて月4万円もらえるから、それを猫の譲渡費用に充てますとか…。いやいやご飯食べられなくなっちゃいますからって話しますけど。。。(苦笑)
あとは上京して一人暮らしを始めて寂しい方。まずは猫部屋ボランティアさんはどうですか?と聞いてみると、毎週1回行くのに交通費がかかるので無理無理、なんて言われたり(苦笑)」
そのほか、家族全員の理解が得られていないケースも。
「一緒に住んでいる他のご家族は欲しくないと言っているけど、自分は欲しいと。リビングに入れないならいいよって言われてるんでって。(苦笑)それだとのちのち上手くいかなくなっちゃいますよね。」
ほかにも、ご年配の方で、猫の寿命を考えず若い猫を飼いたいと主張を曲げない方なども…。
「猫は20年生きると言われてますからね。ご年配の方には、高齢で穏やかな猫ならと思うんです。でも、実際そう上手くは話が進まないんですよね。いやぁ、すぐ死んじゃうでしょとか言われたりして…。考えも固まってる感じなので難しいですね。」
▲こちらも卒業が決まっている靴下くん。警戒心MAX(;’∀’)
ネコリパブリックでは、里親になるのに年齢制限は設けていない。そのかわり、必ず保証人をつけてもらっているのだとか。基本的に同居の方全員にお店に来てもらって、猫と面会するのがルールだそう。
ただかわいいから、寂しいから、、、そんな理由だけでは猫は飼えない。里親探しを慎重に進めているのは、“猫を飼うことはその子の一生を預かること”だと少しでも理解してもらうためなのだと思う。