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保護猫たちに居場所を~ネコリパブリックお茶の水店取材

2019-07-17

猫ねこさん

初めて猫を飼う人にはお世話体験を

猫

里親希望の方の半分くらいは、猫を飼うのが初めてという方。

初めての方は、お店で1時間の無料お世話体験を受けられるのだそう。実際に猫に触れながら、トイレや爪切り、ブラッシングの仕方などを熟練のスタッフに教わることができるのだとか。

「譲渡会の場合はケージ越しですから、その子の性格も全然分からないですよね。でも、ここなら実際に猫に会いに来て慣れてもらうことができるんです。こんなグッズは便利だとかそういう話もできますし。猫仕様のおうちのリフォームを考えていらっしゃる方が参考にしたいと見にこられることもありますね。技を盗みに来るというような感じですw」

猫

正式な譲渡の前に2週間のトライアル期間を設けていて、その期間中メールでレクチャーをしつつ、里親さんからの相談にもその都度応えているそう。

初めて猫を飼うという人こそ、猫について相談できる相手が近くにいてほしいと思うもの。その子の性格を分かっている人から直接アドバイスがもらえるのはすごく心強いはず。

2匹目を迎えるとき~相性があうかどうかは悩ましい

猫

すでに先住猫がいて二匹目を…と探している方が見に来られることもあるそう。

「よく言われるのは、先住さんがオスだったら新入りさんはメスがいいとか、先住さんがメスならオスがいいとか。あとは、先住さんがベタベタの甘えん坊だったら、後から来る子はベタベタしない子の方がいいとかありますよね。基本的にはまずケージに入れて、数日たったらケージ越しに会わせて、徐々に慣らしていってくださいねって話をしてます。」

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「でも先住猫と新入りの猫が本当にあうのかどうか、これは結局会わせてみないと分からないんですよね。ここに来て写真撮って、この子どう思う?って帰って聞いてみても分からないですし(笑)

もし、会わせてみてどうしてもダメだったら戻ってくるのは仕方ないということでトライアル期間を設けてはいるんですけど、お引越しでストレスもかかってしまうので、基本的にはもう戻ってこないという前提でお届けをしているんですよ。だからこそ、しっかり話を詰めています。ですから戻ってくる率は少ないですね。」

一緒に暮らしている子の性格を一番知っているのは飼い主さん。だからこそ、その子にあう性格の子をじっくり時間をかけて探してほしいと思う。

成猫ならではの良さ

ギンちゃん▲お店の最年長、15歳のぎんちゃん。

お茶の水店の最年長は15歳のぎんちゃん。シャルトリューという猫種で、元々はペットショップで売られていたのだそう。ペットショップでたたき売りされていたところを保護主さんに引き取られ、ネコリパブリックにやってきたのだとか。

以前、里親が決まりかけたこともあったけれど、残念ながら譲渡には至らず、今もお茶の水店で里親になってくれる家族を探している。

高齢になるほど里親探しは難しくなるというけれど、数年前、今のぎんちゃんと同じ15歳の子が譲渡されたことがあったのだそう。

「その方が前に飼っていた猫さんが22.3歳くらいまで生きていたそうなんです。だから15歳だとまだまだ若いわね!っておっしゃっていて(笑)歳をとってる子は嫌という方が多いんですけど、その時は本当に良かったなって思いましたね。」と嬉野さん。

ぎんの部屋▲ぎんちゃんの専用部屋。ここなら若い子たちに邪魔されずのんびり過ごせる。

おとなの猫だからこその良さもあると嬉野さんは言う。

「おとなの猫はもう性格がはっきり分かっているので、あえて成猫を飼いたいとおっしゃる方もいますね。」

子猫のうちはまだ性格も未完成。成長とともに突然性格が変わることもあったり。

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「以前、100%性格重視で猫を探している方がいらっしゃいました。

まず聞かれたのは、保護された経緯。もともと外にいた子だとワイルドさが残っているかもしれないから、もともと飼われていた猫の方がいいなとおっしゃっていました。」

年齢や見た目は全然気にせず、お子様にあうおとなしい性格の子を、というのが一番の望みだったそう。

そんな話を聞くと、ちっちゃくてかわいいとか、この毛色は珍しい、とか見た目ばかりにこだわって選ぶのは、なんか違うような気がしてくる。

「性格で判断してもらえるのは嬉しいなって思いますね。」

性格を見て選べるのも成猫を迎える魅力のひとつなのだ。

ぎん▲ぎんちゃんにも新しい家族ができますように!

保護猫の存在を知るということ

プロフィール▲店内に貼られている保護猫たちのプロフィール。ひとりひとりを大切に想う気持ちが伝わる。

実際、お店を訪れる人の多くは、普通の猫カフェだと思って来るそう。“普通の”というのは、里親募集をしていない猫カフェということ。猫カフェ自体初めてという人も意外にたくさんいるのだとか。

「感覚的には、みなさん“猫カフェ”っていうワードだけでいらっしゃる感じですね。実はここにいる猫たちはみんな里親さんを探している猫なんですよって言うと、『えっ!そうなんですか?』っていう感じになるんですよね。猫カフェを利用することで保護猫を助けられるって知って、『あー、そういうことなんだ!いいことしたねー!』って。」

みこ▲眠くて眠くてテントから出る気はさらさらないみこちゃんzzz

徐々に保護猫の存在も世間に広まってきてはいるけれど、まだまだと感じることもあるそうで・・・。

「東日本震災からもう8年がたちますけど、福島県内の被災地に残された犬猫たちの撮影を続け、現状を伝え続ける活動をしている方がいらっしゃいます。

その一方、、、同じ県内で開催されていたあるイベントでは、ペットの即売会があり、どんどんペットが買われていったそうです。」

身銭をきって懸命に小さな命を繋いでいる人がいるかと思えば、かたやペットの命をたたき売り。これが現状なのだと思うと、なんだかいたたまれない気持ちになる。

カロン▲壁際の女、カロンさま。

“ペットを飼うんだったらペットショップで”という人はまだまだ圧倒的に多いそう。最近では、「恥ずかしながらペットショップから買ったんです・・・」なんて申し訳なさそうにおっしゃる方もいるのだとか。でも、嬉野さんはこう言う。

「恥ずかしいとかそういうことじゃないですよ。今すごく大事に育てていれば、それはそれでいいと思うんです。前はペットショップしか知らなかったという方が、今はこういう保護猫カフェがあるということを知ってくれて、そこで初めて猫の殺処分のことを知る。徐々にですけど、そういう方が増えていけば。」

知らなかったことを知る。その積み重ねが、徐々に日本の猫事情を変えていくのかもしれない。

猫の居場所を・・・

猫

毎年2月と9月に行われているねこまつりの時期は、入場制限になるくらいお店に多くのお客さんが訪れるとか。

「猫カフェっていうのは、猫の居場所みたいな感じなんですよね。まだまだ、ここに来れていない子もたくさんいるから、猫の居場所はこれからも増やしてあげたい。」

各市区町村に1店舗ずつ、というのがネコリパブリックとしての夢でもあるとか。ただ、都内は特に物件探しが難しいそう…。

ネコリパブリックの目標は、2022年2月22日までに猫の殺処分ゼロを達成すること。その目標を達成するために、猫カフェの運営に加え、イベント運営、物販などの事業にも力を入れ、その売上を保護猫活動に充てている。

店内物販スペース▲店内には物販スペースも。この売上も保護猫たちの生活費になる。

「猫を保護してほしいという相談もくるんですけど、うちは猫カフェなので直接保護はしていないんですってお話するんですね。ただ、うちはシェルターを持っていないので、受け入れようにも受け入れられないという問題が・・・。ですからシェルターがあればという話もしています。」

小部屋

ネコリパブリックに入る前、嬉野さんは空間デザインという全く別の職種だったそうだが、元々動物愛護や環境保護への関心が高かったのだとか。今でも地元では個人で保護猫活動を行っていて、ときどきシッティングに行くこともあるそう。

まさに24時間猫まみれ。そんな猫愛にあふれる嬉野さんが伝えたい想いとは?

「法整備の問題もありますけど、やっぱり”ペットを飼うなら保護猫を”というのを広めたいと思いますね。ここに来てもらえれば来てもらえるほど、猫たちの生活費にも充てられますし。毎日毎日満席のようになってくれれば、本当にこのうえない喜びですね。」

“保護猫”のことを知る人が増えもっと支援の輪が広がれば、と心から思う。

猫好きだけど家では飼えない・・・そんな方も是非個性豊かなおとな猫たちに癒されてみては?猫助けと聞くとハードルが高そうに思うかもしれませんが、誰もができるものなんです!

ネコリパブリックお茶の水店
電話:03-5826-8920
住所:文京区湯島3-1-9 CRANEビル4F
営業時間:平日15:00~20:00 土日祝11:00~18:00
定休日:木(木曜が祝日の場合は営業)
最寄り駅:JR御茶ノ水駅徒歩7分 地下鉄丸の内線御茶ノ水駅徒歩6分
料金(税抜):平日1,100円/30分 1,500円/60分 2,400円/120分 
土日祝1,300円/30分 1,700円/60分
公式サイト:http://www.neco-republic.jp/

猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。