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足元にいる子を幸せにする選択を〜保護猫カフェ駒猫

猫ねこさん

トントン拍子で縁をいただいて~猫にとって最高の空間

そぼろ

▲お膝乗り大好きっ子、元飼い猫のそぼろちゃん。

オープン当初はリトルキャッツから15匹の猫を預かりスタート。そのうちの13匹が月齢の若い猫だったこともあって、最初は体調管理などの面で苦労したことも多かったという。

スタッフは吉田さんを含め4名。保護猫カフェのボランティアに誘ってくれたご友人のMさんも今は駒猫のスタッフとして働いているそう。

以前からTwitterをやっていたという吉田さん。オープン前にメディアの方がTwitterを見て取材をしてくれたこともあり、オープン後SNSを見て来店されるお客さんも多かったとか。

駒猫は男性のお客さんも多いという。「基本的には女性の方が半数以上なんですが、割と男性の方が熱心に通ってくださって、熱心に応援してくださって。駒猫は”おじさま方”に支えられております(笑)」と吉田さん。

猫

猫カフェを開くにあたって苦戦しがちな物件決めもかなりスムーズだったそう。

もともと吉田さんがこの近くに住んでいたこともあって、三軒茶屋や駒沢あたりでお店を出したいとは思っていたものの、不動産屋に飛び込みで聞いてまわる勇気まで持てず、ネットで物件探しをしていたとか。

でも、この物件を見つけたのは不動産屋からの情報ではなかったそうで…。

「たまたまfacebookで杉本彩さんがやってらっしゃるEva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)の活動報告を見ていたら、猫の譲渡会のことが書かれていたんですね。その譲渡会の会場というのがまさにここで。ここを前に借りてた方はヒーリングサロンのような感じで使ってらっしゃったんですが、犬を飼われていて動物保護団体さんとの繋がりがあったようなんです。犬のイベントを開いたり愛護団体さんの代表の方の打ち合わせに使ったりといった使い方をされていたんですね。」

そのEvaの活動報告によると、会場の都合で譲渡会は3月いっぱいで終了になるとあったとか。さらに調べていくと、そのサロンが近々撤去することになったことも分かったという。

さん

▲とっても人懐っこく物怖じしない性格のキジトラ女子サンちゃん。狙った獲物は離さないお転婆さん。

「早速そのサロンのホームページにアクセスして連絡をしました。実は保護猫カフェをやりたいと思っていて、近々出られるという情報を耳にしたんですが、ここを出た後どなたか他の人が入られるかご存知ですか?って。よくよく考えれば、借りてる人が次に誰が借りるかなんて知ってるはずないんですけどね^^」

そして、もし差し支えなければ、管理会社の不動産屋さんに紹介していただけないかとメッセージを送ったそう。

しばらく返信がなかったので、不躾な問い合わせをしてしまったかと諦めかけていた矢先。2週間ほどたって、サロンの方から「不動産会社の社長にも話を通しているので、連絡をとってみてください。」との返信が。さらに「まだ引っ越し作業中ですごく散らかってるけれど、よかったら中を見に来てもいいですよ。」と声をかけてもらったとか。

内観

不動産会社に連絡する前に、早速吉田さんは内観を確認しに物件へ。

「最初、中に階段があって2階があるっていうのを知らなくて。行って初めて知ったんです。猫たち高いところが好きですし、天然のキャットウォークにもなるなぁと。目の前は駒沢公園で自然を感じられてロケーションもいい。この空間に猫たちがいたらきっとみんな楽しいだろうなぁって思いましたね。」

ただあまりにもいい物件だったので、きっと家賃もそれなりに高いだろうと半ば諦めていたという。でも、どうしてもこの物件を忘れることができなかった吉田さん。。。自分では絶対に借りれないだろうけど参考のためにもと家賃を聞いてみることに。

早速不動産会社に連絡すると、社長から「何に使いたいの?」との質問が。「実は保護猫カフェという里親募集型の猫カフェをやりたいんです。」と伝えたところ、「それ面白いね~!!」と興味を持ってくれ、すんなりOKが。そして肝心の家賃も、当初想定していた金額よりはかなりオーバーするものの、思っていたよりは安かったそうで。悩んだ末、頑張って借りることを決めたんだとか。

保護猫カフェをやりたいと思い始めたのが2月で、契約は5月。トントン拍子とはまさにこのことだ。

オープンして1年4ヶ月、50匹以上の保護猫が卒業

2018年8月にオープンして1年4ヶ月。今までに50匹以上の保護猫が卒業したという。(2019年12月現在)

早ければ1週間で決まってしまうこともあるそうだが、一番長くいる子でも8ヶ月くらいとか。

こちらが取材時に一番お店にいる期間が長かった”心春(こはる)”ちゃん。でも、そんな心春ちゃんも取材後待ちに待ったトライアルに出発したそう。

心春

Twitterには駒猫を応援するお客さんから続々と激励の投稿が。。。みんな家族の旅立ちを温かく見守っているのが分かる。

こちらはお客さんが作ってくれたという卒業猫・在籍猫のアルバム。

アルバム

一匹一匹愛情のこもった写真に、お客さんの駒猫愛が感じられる。

アルバム

個々の性格に合わせて一匹飼いがいい猫もいれば、「猫大好きな子なので仲良しの子と一緒に」など譲渡条件はさまざま。

でも基本的には、吉田さんが希望者の方と2.3回話してみて、「この方なら大丈夫!」と思えるかどうかが大切だという。

猫を通じた里親さん同士の繋がり

内観

ちょうど年末ということもあって、里親さん全員に忘年会のお誘いのメールをいれたという吉田さん。すると、里親さんから返信とともに近況を伝える写真が続々と届いたそう。

「今は主にTwitterなどで近況をあげてくださっている里親さんが多いので、すごくありがたいですね。しかも、私なんかもう入れないくらい、駒猫卒業生の里親さん同士仲良しなんです。いつも拝見していてありがたいなって思いますね。」

吉田さん曰く、とても勉強熱心な方が多いという里親さん。万が一のためにハーネスの練習をしていたり、とても高性能な自動給餌器や見守りカメラの情報を里親さん同士で共有していたり。そんな様子を見て、吉田さんは「本当に愛されてよかったな~」と嬉しくなるそう。

ワンちゃんに比べて、ネットワークを構築しづらい猫飼いさん。でも、今やSNSを通じてたくさんの猫仲間にいつでも相談できる時代になってきているようだ。

他の猫が苦手な猫が愛されている姿を見るととても嬉しい

どこのお店にも必ず”猫嫌いな猫”がいると吉田さんは言う。

「そういう子にとっては、お店にいること自体がストレスになっちゃうんですね。だから卒業して猫のいないお家で愛されてる姿を見ると本当によかったなって思います。」

以前、駒猫にいた三毛のハナエさんも猫嫌いの猫だったという。人は大好きだけれど、猫は本当に苦手…。お店にいた後半はケージにいれないと厳しいような状態だったそう。

でもそんなハナエさんも今は愛情深く育ててくれる優しい里親さんに出会い、幸せに暮らしている。

こちらが今のハナエさん。

ハナエさんにはチャチャとテンテンという息子たちがいて、その息子たちも今は別々のお家にもらわれ幸せに暮らしているそう。

「お母さんと息子たちのそれぞれの里親さんがファミリーでやり取りをしているのを見るとほっこりしますね。同じような格好をしている母・兄弟・子供たちを見てうちも似たような格好します~、血の繋がりを感じますね、みたいな。それぞれの里親さんが猫の親子同士で繋がっているのを見ると、ときどき胸が熱くなります。」

外猫の環境は過酷~足元にいる子を幸せにする選択を

 内観

そんな吉田さんが今、猫を飼いたいと思っている方に伝えたい想いとは??

「私が一人暮らしをしている時、外猫の子の状況にすごく心を痛めていたんです。今ももちろんそうなんですけど。。。当時住んでいたアパートにシャッター式のゴミ捨て場があったんですけど、冬の寒い朝、ゴミを捨てようとシャッターを開けようとしたら、そのゴミ捨て場の中で猫が暖をとってて。急に開けたからびっくりして逃げて行ったり。。。そういう姿を見るとすごく胸が痛くて…。」

外で暮らす猫の環境はとても過酷だ。飢え、寒さ、暑さ、猫同士の喧嘩、感染、事故、虐待、、、常に自分の身を守るため戦っている。

エコー

「だから足元にいる子を幸せにするという選択肢を一人でも多くの方に知っていただきたいなと思いますね。直接保護したりというのが難しくても、愛護団体さんなどが保護した子をこうやって譲渡に結びつけているお店に足を運んでいただいて、家族に迎えるということを考えてもらえたら。」

卒業猫

最後にお店としての今後の目標についても伺った。

「やっぱり啓蒙に力をいれていきたいなと思いますね。少しでも知っていただくことが大事なので。あとは、ここに来て幸せな気分になってもらいたいです。保護猫も純血種も差はないんですけど、もし保護猫に対して汚いとか懐かないとかマイナスなイメージを持っている人がいたとしたら。。。そうじゃない部分、保護猫の魅力を伝えてあげたいです。」

猫

猫を飼いたいと思ったらまずはペットショップへ、という人も多いかもしれない。けれど、過酷な環境のお外で保護され、新しい家族を探している猫たちは山ほどいる。

そして、そんな猫たちの普段の様子を見て、猫と触れ合って、縁を感じた猫を引き取ることができるという素晴らしいシステムのお店がある。こうしたお店から猫を引き取ることで、また別の猫の尊い命が救われるのだ。

猫を救うために私たちができること。それはできるかぎり保護猫を家族として迎えること、またこうして新しい家族を待つ猫たちがいることを少しでも多くの人に伝えていくことなのだと思う。

保護猫カフェ駒猫

住所東京都世田谷区駒沢4-12-22 ティファーレ駒沢4F
営業時間平日:12:00~20:00
土日祝:11:00~20:00
定休日水曜日
最寄り駅からのアクセス東急田園都市線 駒沢大学駅 駒沢公園口より徒歩10分
東急バス 渋80系統 渋谷駅発等々力行 駒沢公園西口バス停下車 徒歩1分
料金(税込)入室料(最初の60分):1,200円(中学生以下1,000円)
延長料(20分毎):300円
フリータイム(平日限定):2,400円
ドリンク(ご希望の方のみ):100円
公式サイトhttps://koma-neko.com/
公式SNS・ブログTwitter→@komanekocafe
Instagram→@komaneko.cafe
猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。