- 飼い猫との幸せエピソードをお届けする”なないろ猫物語”。今回ご紹介するのは、10歳の「ぽっちゃん」。出会ったきっかけや印象的なエピソード、お互いに幸せと感じる瞬間について、飼い主さんにお話しいただきましたよぉ。
母猫の育児放棄で保護
凛々しいお顔に柄シャツがとってもお似合い。しっかりカメラ目線をくれた彼の名前は「ぽっとん」。「ぽっちゃん」の愛称で親しまれている。
「ある日突然、自宅の裏に野良ちゃんが赤ちゃん猫を連れてきて…。母猫に育児放棄されて一匹で倒れていたので保護しました。」そう話すのは飼い主のぽっちゃんのかあちゃん(@shimashimaneko2018)さん。
保護したときは、風邪をひいていて小さく痩せ細っていたぽっちゃん。10歳になった今ではこんなにたくましく成長。
人間大好きな人懐っこい性格だけど、猫にあんまり興味のない自宅裏に住むおじさんが家に入ってくると泣いて呼ぶそう^^
後ろ足の膝から下を切断されて帰ってきた
ぽっちゃんを保護して1年半が過ぎた頃。毎日、母猫や兄弟猫が家に面会に来るように。
体格差があるからか、なかなかみんなの遊びについていけなかったぽっちゃんは、いつも一匹で寂しそうにしていたとか。
そんなある日、裏で遊んでいる姿が見えず、やっと一緒に遊べるようになったのかと思っていたら・・・。
深夜、左後ろ足の膝から下を失って瀕死の状態で帰ってきた。
ぽっちゃんのかあちゃんさんは、すぐさま動物病院に連絡。緊急入院となった。
獣医さんの話では、どうやら人間が足を切ったようだ、と。そしてしばらくして、その足を切断した人間は警察に逮捕されたのだとか。
逮捕された人には精神的な問題があったそうだが、、、でも。それでも。足を切断するなんて本当に許せないこと。絶対にあってはならない。
ぽっちゃんがどれだけ怖い思いをしたかと思うと、胸が張り裂けそうになる。
一緒に追いかけっこして遊ぶと喉をゴロゴロ
「一緒に追いかけっこをして遊んでいると、嬉しそうに喉をゴロゴロ鳴らしてくれます。そんな時間がいちばんの幸せ。」
そう話すぽっちゃんのかあちゃんさん。足を失くして帰ってきたぽっちゃんを見たとき、どんなに辛く悲しかっただろう。どんなにやりきれない気持ちが渦巻いただろう。
辛い経験を乗り越えたふたり。悲しい過去は消えないけれど、今こうして幸せな日々を過ごしている。そんな日常がこれからもずっとずっと続いていきますように。そして、悲しい過去を消し去るくらい、たくさんの幸せで包まれますように。
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。