- 「アメショ」という呼び名でも有名なアメリカンショートヘアはとにかく活発でイタズラ大好き!部屋中を走り回ったりジャンプしたりするので、キャットタワーは必須ですよぉ。筋肉質で太りやすい体質なので、食べ過ぎだけは注意してくださいねぇ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
活発でイタズラっ子、その可愛らしいルックスから大人気のアメリカンショートヘア。
丸い顔・頑丈な顎が特徴。筋肉質なので太りやすい面も・・・。
部屋中を走り回ったり、高いところから飛び降りたりと元気そのもの。
人懐っこいけれど抱っこされるのは苦手なので、しつこく構わないよう気をつけてくださいね!
今回はそんなアメリカンショートヘアのルーツ、特徴、大きさ、性格、かかりやすい病気、飼い方、寿命について詳しくご紹介します!
ルーツ
アメリカンショートヘアは、17世紀、メイフラワー号に乗ってイギリスからアメリカに渡った猫がルーツと言われています。ブリティッシュショートヘアと呼ばれたその猫はペットとしてではなく、ネズミハンターとしての役割として飼われていたのだそう。
1900年、CFA(アメリカの猫登録団体)に「アメリカンショートヘア」という名称で登録されましたが、その後他の種類のショートヘアがアメリカに続々と入ってきて混同しやすいことから、1906年「ドメスティックショートヘア」に改名。しかし、この名前は雑種というイメージを与えてしまい、人気が急激に落ちてしまうことに。
その後、1950年代にペルシャとの交配が進められ、1965年に「アメリカンショートヘア」という名前に戻したところ、「キャットオブザイヤー」を受賞するまでに人気が復活しました。
日本に入ってきたのは1980年以降と比較的歴史は浅いですが、可愛らしいルックスと飼いやすい性格で熱心な愛好家は増え続けています。
特徴
ではさっそく、アメリカンショートヘアの主な特徴を見ていきましょう。
- 丸い顔・頑丈な顎
- 短毛で毛色・毛柄が豊富
- 筋肉質な体つき
- 無駄鳴きをしない
丸い顔・頑丈な顎
幅広で丸い顔が特徴的。ハンターとしての役割があったことから頑丈な顎を持っているため、全体的にがっしりとした印象です。
短毛で毛色・毛柄が豊富
短毛種ですが、長く厳しい屋外の環境で暮らしてきたことから厚い被毛に覆われています。
アメリカンショートヘアと言えば、銀色に黒の縞模様のシルバークラシックタビーを思い浮かべる人が多いと思いますが、毛色は実に70色以上。毛柄もバイカラー、トーティー、単色、キャリコなど非常にバラエティーに富んでいます。
筋肉質な体つき
中型のセミコビーと言われる体型で、脚が大きく肩幅、腰幅が広い筋肉質な体つきです。
成猫の大きさは約3~6kgと平均的な猫の大きさと同じですが、肥満になりやすいため注意が必要です。
無駄鳴きをしない
個体差はありますが、成猫になると無駄鳴きをする猫が少なくなるようです。
普段はおとなしく、飼い主さんに訴えたいことがあるときだけ鳴く猫が多いと言われています。
アメリカンショートヘアに限ったことではありませんが、猫の鳴き声にしっかり耳を傾け、何を訴えているのかをしっかり考えてあげましょう。
猫の鳴き声で気持ちが分かる!こちらの記事(教えて!猫サイン)も参考にしてみてくださいね。
- 「アメショ」という呼び名でも有名なアメリカンショートヘア、とにかく大人気の猫ですよねぇ。元々はネズミハンターとして飼われていたので、とっても頑丈な顎を持っているんですよぉ。
- ネズミハンター!そのかわいらしい見た目とのギャップがすごいですねっ。でもたしかによく見るとけっこう筋肉質で凛々しいですよね。
大きさ
続いては、アメリカンショートヘアの大きさについてです。
子猫の平均体長と体重(生後3ヶ月)
- 体長 約20cm
- 体重 1~1.5kg
活発で運動量の多い子猫は、生後3ヶ月頃に体格がしっかりし始めます。成猫になると、体長は約2倍、体重は約2~3倍になります。
成猫の平均体長と体重
- 体長 オス約30~60cm メス約30~60cm
- 体重 オス4~6kg メス3~5kg
体長、体重ともに一般的な猫の平均とほぼ同じですが、筋肉質でがっしりとした体つきをしています。
特に、その昔「ワーキングキャット」としての役割を果たしてきたことから、肩や胸、下半身が特に発達しています。
太りやすい猫種と言われているため、運動不足を防ぎ食事管理をしっかり行うことが大切です。
オス・メスで大きさはほとんど変わりありませんが、体重はややオスの方が重いです。
性格
続いてはアメリカンショートヘアの性格について。個体差はありますが、以下のような性格の猫が多いと言われています。
- 遊び好きで好奇心旺盛
- 人懐っこいが抱っこされるのは苦手
- 賢くしつけやすい
遊び好きで好奇心旺盛な性格のため、部屋中を走り回ったり、高いところから飛び降りたりと非常に活発。猫じゃらしなどでかまってあげると面白いほど反応してくれるので、遊びがいがあります^^。ただ、その元気さゆえにイタズラが過ぎることもあるのでご注意を。
人懐っこい性格の反面、「抱っこ嫌い」でも有名。家族以外の人間には警戒心を示す猫が多いため、適度な距離感でスキンシップをとることが大切です。
また、とても賢いのでしつけやすいとも言われています。トイレなどの場所はもちろん、人間が喋っている内容を理解できるとも言われており、名前を呼ぶとすぐに反応してくれる猫が多いようです。
オスはメスに比べて甘えん坊
オスはメスに比べ甘えん坊な面が見られます。メスはどちらかというとマイペースな猫が多いようです。抱っこ嫌いな猫ですが、オス猫の方が比較的抱っこを嫌がらないことが多いようです。
- とにかく活発で遊び好き、おまけにイタズラっ子。まさにクロベエくんそのものですねぇ、、、ンフフ。
- まさに、、、ですね!それと抱っこが嫌いなところもぼくとおんなじ。抱っこしたそばからスルッと逃げ出していきますよね。
かかりやすい病気
続いてはアメリカンショートヘアがかかりやすい病気についてです。
- 多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
- 肥大型心筋症
- 糖尿病
- 関節疾患
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- 急性腎不全
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
腎臓に嚢胞(のうほう)(嚢胞液が詰まっている袋)がたくさんできる遺伝病です。嚢胞が増えることで腎臓に大きな負担がかかり、腎不全を引き起こします。
7歳以上の高齢期に発症しやすいと言われています。
主な症状は以下の通りです。
- 食欲不振
- 多飲多尿
- 嘔吐
初期症状がほとんどなく、症状に気づいた頃にはすでに病気が進行している場合が多いです。
主な治療は療法食による食事管理です。完治は見込めない病気ですが、早めに食事療法を行うことが効果的と言われています。
遺伝病なので予防することはできませんが、定期的な検査を受け早期発見・早期治療を行うことが大切です。
肥大型心筋症
心臓の筋肉がどんどん厚く硬くなり、血管の中に血栓ができてしまう心臓病です。
特に中年期から高齢期のオス猫がかかりやすいと言われています。
主な症状は以下の通りです。
- じっとして動かない
- 体重減少
- 起き上がることができない
- 呼吸困難
- 突然後ろ足を痛がる
発症してもすぐにはこのような症状は見られず、「後ろ足を痛がる」「起き上がれなくなる」などの症状が見られる頃には病気がすでに進行していることが多いようです。
猫は具合が悪くても飼い主にその姿を見られないよう隠す傾向があるため、早期発見には定期的な検査を受けることが大切です。また、肥大型心筋症を引き起こす遺伝子異常は検査によって見つけることもできます。
症状が悪化してしまうと検査自体難しくなり、外科手術を行っても再発する可能性が高くなります。
糖尿病
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリン不足や、インスリンへの体の反応力の低下などによって血糖値が上がる病気です。
主な症状は以下の通りです。
- 多飲多尿
- 食欲不振または食欲増進
- 毛艶が悪い
- 寝る時間が長い
- 体重減少
- 皮膚の乾燥、脱水
糖尿病は完治することがなく、インスリン注射や食事療法で対処していくことになります。
肥満が原因でかかりやすい病気なので、運動量を増やし体重管理をしっかり行っていくことが大切です。また、高齢になると運動量が減るため、食事量を調整することも肥満対策のひとつです。
糖尿病になると腎不全や肝硬変、急性すい炎などの合併症を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。
関節疾患
肥満になりやすいため、関節に負担がかかりやすいと言われています。
主な症状は以下の通りです。
- 慢性的な痛み
- 動いたり遊んだりするのを嫌がる
日頃から運動不足にならないよう気をつけ、食事管理をしっかり行うことが大切です。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
酵母菌の一部、マラセチアが突然変異して病原菌として増え、耳、顔、指などにダメージを与える病気です。
主な原因は以下の通りですが、アメリカンショートヘアは特に肥満が原因による発症が多いと言われています。
- アレルギー
- 寄生虫の感染
- 食生活の乱れ
- ホルモン異常
- 内臓疾患
- 肥満による皮膚免疫力の低下
脂漏性皮膚炎には「油性脂漏症」と「乾性脂漏症」の2種類があります。
主な症状は以下の通りです。
- 油性脂漏症・・・ベタつき、悪臭
- 乾性脂漏症・・・フケ、かさぶた、皮膚の乾燥
耳に発症した場合、外耳炎(がいじえん)になる可能性もあるため、気になる症状が見られたら早めに病院を受診しましょう。
原因に応じた治療を進めていきますが、主に痒みを抑える抗炎症剤や抗生物質などの投薬治療を行います。また、脂漏シャンプーによるシャンプー療法、脂分を抑えた食事療法なども行います。
日頃から皮膚を清潔に保ち、ストレスをためないように注意することが大切です。
急性腎不全
腎臓の機能が急激に低下する病気です。
主な症状は以下の通りです。特に、尿路結石などの下部尿路疾患、毒性のある食品・薬品の摂取などによるものが多いと言われています。
- 腎臓への血流不足(貧血、脱水、ショック、心筋症、熱中症など)
- 細菌やウイルスへの感染
- 腎臓で作られた尿が排泄されない(下部尿路疾患など)
- 毒性のある食品・薬品の摂取(ブドウ、ユリ科植物、エチレングリコールなど)
急性腎不全の場合、まずは体の老廃物を外に出す治療を行います。また、急性腎不全を引き起こした原因が病気の場合、その治療も同時に行います。これらの治療によって、腎臓の機能が回復する可能性は十分にあります。
しかし、急性腎不全の原因や診断時の猫の状態によっては、腎臓の機能が元に戻らないこともあります。
感染症や尿路閉塞など、腎不全を引き起こす原因をつくらないよう、ワクチン接種や食事管理などをしっかり行うことが大切です。
急性腎不全についてはこちらの記事(猫の腎臓病について)で詳しく説明しています。
- アメリカンショートヘアは太りやすいので、肥満が原因で発症する病気には注意が必要ですねぇ。例えば「糖尿病」「関節疾患」「脂漏性皮膚炎」など、、、。
- 筋肉がしっかりついてるぶん食べ過ぎるとすぐに肥満になっちゃうんですね。病気を防ぐためにも食事量には気をつけないと!
飼い方
アメリカンショートヘアを飼うときは以下のような点に注意しましょう。
- 運動できる環境・適度な距離感
- 食事管理で肥満対策
- 適度なブラッシング
運動できる環境・適度な距離感
活発で運動量の多い猫なので、十分に運動できる環境を整えることが大切です。
キャットタワーなどを設置してあげると、運動不足によるストレスの心配もなくあちこち走り回ってくれるでしょう。
また好奇心旺盛なので、飼い主さんが積極的におもちゃで遊んであげるのもおすすめです。
ただし、抱っこやしつこく触られるのは苦手なので適度な距離感で接してあげましょう。
食事管理で肥満対策
子猫のうちはしっかりとした筋肉をつくるための大切な成長期なので、高たんぱく高カロリーの食事をしっかり与えることが大切です。ただし、肥満にならないよう、積極的に運動させるようにしましょう。
成猫になると運動量が減ってくるため、食事量を調整してあげることが大切です。肥満になると糖尿病、腎臓病、心臓病などの病気にかかりやすくなります。
アメリカンショートヘアの食事については、こちらの記事で詳しく説明しています。是非参考にしてくださいね。
適度なブラッシング
短毛種ですが、密度が高く厚い被毛を持っているため、抜け毛が多い猫種と言われています。
普段は長毛種ほど念入りなブラッシングをする必要はありませんが、抜け毛の増える換毛期(かんもうき)には、1日1回丁寧にブラッシングをしてあげましょう。
関連記事:猫のブラッシングのやり方
寿命
アメリカンショートヘアの平均寿命は12~13年と言われています。
猫全体の平均寿命は15.33歳と言われており、猫全体の平均寿命よりやや短いようです。
少しでも長生きさせるためには、良質なフードとストレスのない生活環境を整えることが大切です。特に太りやすい体質のため食事管理はかかせないでしょう。予防接種や定期健診などを積極的に受け、いざというときのためのかかりつけの病院を決まめておくことも長寿の秘訣です。
また、室内で飼育された猫の方が外に出る猫より寿命が長いことから、室内で飼育することをおすすめします。
犬全体の平均寿命は14.19歳、猫全体の平均寿命は15.33歳でした。犬は、超小型犬、 小型犬の寿命が長く、また、猫の場合、「家の外に出ない」猫の平均寿命は16.25歳、「家 の外に出る」猫の平均寿命は13.83歳と寿命に大きな差がありました。
よくある質問
ここでは、アメリカンショートヘアに関するよくある質問をまとめています。
販売価格はペットショップで5~30万円程度、ブリーダーからの直接購入で10万円前後と言われています。月齢が低いほど高値となっています。
毛色は70種類以上と非常に多いです。特に人気が高いのはブラウンですが、全身黒、全身白など柄のないアメリカンショートヘアも人気です。
代表的な毛柄はクラシックタビーと呼ばれる渦巻状の模様ですが、その他にも以下のようにさまざまな毛柄があります。
- シルバータビー(シルバークラシックタビー)
- レッドタビー(レッドクラシックタビー)
- ブラウンタビー
- ブルータビー
- カメオタビー
- パッチドタビー
- バイカラー
- トーティー
- 飼うときのポイントは「運動できる環境と適度な距離感」「肥満対策」「適度なブラッシング」ですよぉ。走り回るのが大好きな猫なのでキャットタワーなんかは特に喜んでくれますねぇ。ただ、抱っこ嫌いなのでしつこくしないことが大事ですよぉ。
- キャットタワーはまさに活発なアメショにぴったりですね。好奇心旺盛なのでイタズラは日常茶飯事、、、広い心で受け止めてあげてくださいね!
まとめ
アメリカンショートヘアのルーツ、特徴、大きさ、性格、病気、飼い方、寿命については以下のまとめを参考にしてください。
- イギリスからアメリカに渡ったブリティッシュショートヘアがルーツ
- 丸顔で頑丈な顎
- 短毛種だが被毛は厚く、毛色・毛柄が豊富
- 筋肉質な体つき
- 無駄鳴きが少ない
- 体重は一般的な猫と同じ3~6kg
- 遊び好きで好奇心旺盛
- 人懐っこいが抱っこ嫌いなので適度な距離感を
- 賢いのでしつけやすい
- 多発性嚢胞腎に遺伝的にかかりやすい
- 肥大型心筋症、糖尿病、関節疾患、脂漏性皮膚炎などの肥満が原因の疾患に注意
- 活発なので運動できる環境を整えることが大切
- 肥満になりやすいため食事量には注意が必要
- 短毛種だが抜け毛が多い猫種のため換毛期には1日1回のブラッシングを
- 寿命は12~13年
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。