- 猫のブラッシングにはどんな効果があるか知っていますかぁ?ここではブラッシングの効果や種類、やり方、対処法などをご紹介しますよぉ。
猫のブラッシング…やらなくてはと思いながらも、どうやってやればいいのかよく分からない。いや、やってはみたけれど、すーっと逃げられてしまって…。そもそも猫用ブラシもなんだかたくさん種類があってどれを選べばいいのか分からない!そんな人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は猫のブラシの種類や選び方、そして大切なブラッシング効果やブラッシング方法をレクチャーしていきます。
猫のブラッシングの効果
猫にブラッシングを行う効果はこちらです。
- 抜け毛を防ぐ
- 毛球症を防ぐ
- 健康チェック
- ストレスを取り除く
- 猫との絆を築く
抜け毛を防ぐ
猫の毛は常に成長と脱毛を繰り返しています。だから、一年中お部屋も洋服も抜け毛だらけ~となってしまうんですよね。
しかし日常的にブラッシングしてあげることで、抜け毛を一気に取り去り、お部屋中に落ちる抜け毛自体を減らすことができます。お部屋の掃除も楽になりますよ。
毛球症を防ぐ
猫は毛づくろい(グルーミング)するたびに自分の毛を飲み込み、胃の中に毛をためこみます。しかしその毛を自らケホッと吐き出す力を持っています。
ただ、病気や老化などさまざまな原因で吐き出すことができない場合、体の中に毛がたまり続けてしまいます。それにより、食欲不振や便秘、下痢といった症状の毛球症、腸閉塞や腹膜炎に繋がる危険性も。ブラッシングをすることで飲み込む毛の量を減らし、こうした病気を防ぐことができます。
健康チェック
猫は体調不良を起こすと毛にツヤがなくなり、ボサボサになったりフケだらけになったりします。ブラッシングで体に触れ観察することで、皮膚炎やケガ、ノミやダニなどの早期発見へつなげることができます。また皮膚の血行促進、筋肉の強化をはかりながら健康チェックをすることができます。
ストレスを取り除く
猫はストレスや不安を感じるとグルーミングを行います。それは自分を落ち着つかせるため。飼い主がやさしくブラッシングすることで、猫のストレスを取り除き安らぎを与えてあげられるでしょう。
猫との絆を深める
猫同士がグルーミングしあうのは基本的には心を開いた相手とだけです。猫が飼い主のブラッシングを受け入れてくれているということは、まさに心を開いてくれているということ。単純に気持ちがいいという思いの他に、心を許した相手との精神的な安心感も得ているでしょう。ブラッシングは猫との絆を深める最高の時間でもあるのです。
- たくさんの効果がありますよねぇ。これはもう、ブラッシングしっかりやらない手はないですねぇ。
猫のブラシの種類
猫のブラシは以下のように種類も様々です。
- コーム
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
- ラバーブラシ
- 獣毛ブラシ
- 抜け毛ブラシ
それぞれに特徴があるのでご紹介していきます。
コーム
引用:amazon
コームとは人間のクシのように、歯が一直線に並んだもの。目の荒いものは毛のもつれをほぐすのに最適です。またノミ取りや毛並みを整える仕上げにも使用できます。長毛、短毛種のどちらにも使えますよ。
スリッカーブラシ
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金属でできた細いピンがたくさん並んだブラシのこと。主に長毛種の毛の毛玉やもつれをほぐすのに使います。無理に引っ張ったり、短毛種に使用すると痛がることもあるのでやさしく扱いましょう。
ピンブラシ
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ピンブラシは人間のブラシに似た形状をしています。脱毛効果は高くありませんが、広い面積の毛を整えることができます。ピンの先端が丸くなっているものが皮膚を傷めないのでおすすめ。日常的に使いやすいブラシです。
ラバーブラシ
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ラバーブラシはゴムやシリコン製で作られているブラシ。ゴムやシリコンの摩擦で毛をほどよく引っ張るので、脱毛効果が高いのが特徴です。柔らかさがあるのでマッサージにもなりますよ。手袋(ミトン)型のものもあります。
獣毛ブラシ
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獣毛ブラシは豚や猪の毛がびっしり並んだブラシです。豚毛や猪毛には適度な水分、油分が含まれているため毛を整えて艶(つや)を出してくれる効果が。長毛種にはハードタイプ、短毛種にはソフトタイプがおすすめ。
抜け毛取りブラシ(ファーミネーター)
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ファーミネーターなどの抜け毛取りブラシは毛をごっそり取ることに特化したブラシです。やはり脱毛効果が高いのが特徴。しかしまだ抜かなくてもいい、生きている毛を抜いてしまうこともあるのでやり過ぎには注意する必要が。
- わぁっ。こんなにあるんですねっ。ぼ、ぼく、ブラッシングちょっと苦手なんですが、こんなにあったらお気に入りが見つかるかもしれないですねっ。
ブラッシングの方法
ではブラッシングの方法をご紹介していきます。以下のポイントを押さえてゆっくりと慣らしていきましょう。
- 頻度は毛の長さや時期に応じて変わる
- リラックスしているときに行う
- 短時間から徐々に慣らす
- 猫が嫌がらない部位から順番に
頻度は毛の長さや時期に応じて変わる
頻度は長毛種なら毎日もしくは1日2回、短毛種なら毎日~週3回程度が目安です。換毛期と言われる春から夏にかけては毎日、また秋や冬は減らす、といった頻度でもかまわないでしょう。ただ毎日を室内で過ごす猫は換毛期のリサイクルが顕著ではないので、それぞれの猫にあった頻度でストレスにならない程度にお手入れしましょう。
リラックスしているときに行う
猫がリラックスしている時間に行うことが大切なポイントとなります。声をかけながら…お気に入りの箇所をなでなで…目を細めてご機嫌&リラックス…と、十分まったりさせてから行うとよいでしょう。
短時間から徐々に慣らす
はじめから長い時間かけてブラッシングさせてくれる子は少ないです。最初は1分程の時間でも十分。気持ちいいと感じるようになれば徐々にブラッシングできる時間が増えていくでしょう。そのためにも強引は禁物ですよ。ブラシを見ただけで逃げられる~なんてことにならないよう猫の気持ちを一番に考えて徐々に慣らしていきましょう。
猫が嫌がらない部位から順番に
猫が嫌がることの少ない、頭のうしろや首周りから⇒背中前方⇒背中後方⇒腰⇒しっぽという順番がおすすめです。抱っこされてお腹撫でられるのが好き♡という子はお腹からでもOK。とにかく猫が触られて嫌がらない部位からはじめるのがポイントです。
ブラッシングを嫌がるときの対処法
ブラッシングを嫌がってしまう…そんな時は以下の方法を試してみましょう。
- ゴム手袋を使う
- 毛並みに沿って行う
- いきなり全身をやろうとしない
- 体勢や位置を工夫
- ごほうびにおやつを
- 突然嫌がるようになったときは病院で相談も
ゴム手袋を使う
ブラッシング嫌いな子には一度ゴム手袋でのブラッシングをお試しください。ブラッシング断固拒否の子でも、ゴム手袋で撫でられるのはOKという子も。ゴムの摩擦で優しく毛を取り除いてあげましょう。
手袋型になった猫用ブラシもあるので、慣れてきたらそちらにチェンジするという方法もおすすめです。
毛並みに沿って行う
猫の毛は一定の方向に生えているので、その流れに逆らってブラッシングすると毛を引っ張ることになり、痛みや不快感を与えてしまいます。毛並みに沿ってゆっくりやさしくブラッシングしてあげましょう。はじめはブラッシングするというより、毛並みにに沿って撫でる、そんなイメージで慣れさせていきましょう。
いきなり全身をやろうとしない
1回で全身をブラッシングする必要はありません。短時間で、背中だけお腹だけなどパーツごとにブラッシングしていきましょう。慣れてきたら少しずつ範囲を広げていきましょう。
体勢や位置を工夫
猫がリラックスできる位置や体勢でブラッシングしてあげることが大切です。抱っこが好きな子ならお膝で、自分のベッドがお気に入りならベッドで、それぞれの落ち着ける位置や体勢を探してあげましょう。
ごほうびにおやつを
大好きなおやつを用意してあげるという作戦もおすすめです。あげすぎはよくないですが、ごほうびを少しずつ与えながらブラッシングしてもいいでしょう。
徐々にですが、猫自身に「ブラッシングするとおやつがもらえる~」という意識が定着してくるとご機嫌にブラッシングを受けてくれるでしょう。
突然嫌がるようになったときは病院で相談も
今まで嫌がらなかったブラッシングを突然嫌がるようになった、という場合は体に不調を抱えている可能性があります。皮膚、筋肉、骨、関節、内臓などに痛みを持っているのかもしれません。そういった場合は、食欲やトイレなどもよく観察しながら医師へ相談することを視野に入れましょう。
ブラッシング後の掃除
抜け毛の掃除を楽にする方法は、こまめなブラッシングやシャンプーといった予防対策がかなり有効となりますが、ブラッシング後となると以下の掃除法がおすすめです。
- フローリングは掃除機&モップがけ、水拭き
- じゅうたんやソファ、カーテンは粘着テープやゴム手袋
- キャットタワーにはゴム手袋や専用グッズ
- 空気清浄機で空気中に舞った毛をキャッチ
スリッカーやブラシについてしまった被毛は、目の粗いくしで簡単に取り除くことができます(ラバーブラシは除く)。くしでスリッカーの針金をとくようにするときれいに取れます。
関連記事:猫の抜け毛掃除のコツや方法
- ブラッシングにはいろんな効果や方法、そしていろんな種類があるんですよぉ。
- お掃除法もたくさんコツがあるんですねっ。
まとめ
今回はブラッシングの種類や方法などを詳しくご紹介しました。ブラッシングは大切なケアでありながら、素敵なコミュニケーションの時間でもあります。いろいろな準備や工夫をしながら、猫も飼い主もまったりできる、そんな幸せなブラッシングタイムにしてくださいね。
- ブラッシングの効果は、抜け毛を防ぐ、毛球症を防ぐ、健康チェック、ストレスを取り除く、猫との絆を深める、など
- ブラシの種類は、コーム、スリッカーブラシ、ピンブラシ、ラバーブラシ、獣毛ブラシ
- ブラッシングの方法は、毛の長さや時期に応じて頻度を変える、リラックスしているときに行う、短時間から徐々に慣らす、猫が嫌がらない部位から順番に
- ブラッシングを嫌がるときは、ゴム手袋を使う、毛並みに沿って行う、いきなり全身をやろうとしない、飼い主さんの立ち位置を工夫、上手くできたらおやつを、突然嫌がるようになったときは病院へ相談も
- ブラッシング後の掃除は、掃除する箇所により掃除機、モップがけ、水拭き、粘着テープ、ゴム手袋、空気清浄機などを使い分ける
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中