- 猫を飼い始めると、その抜け毛の多さにびっくりする人も多いですよねぇ。少しでも快適に過ごせるよう、ブラッシングなどの抜け毛対策や掃除のコツを知っておきましょう~
猫との暮らしの困りごとと言えば「抜け毛」。
毛が抜けるのはごく自然なこととは分かっていても、あまりに大量だと心配になっちゃいますよね。。。
また、ふわふわ舞い散る抜け毛のお掃除に苦戦している飼い主さんも多いのではないかと思います。
そこで今回は、実際に飼い主さんに聞いた猫の抜け毛対策をご紹介。
猫の毛が抜ける原因やお掃除のコツについても紹介しますので、是非参考にしてくださいね。
猫の毛が抜ける原因は?
猫の毛が抜けるのはごく自然なこと。しかし、抜け方や皮膚の状態によっては何らかの病気のサインの可能性もあります。
猫の毛が抜ける主な原因はこちらです。
- 換毛期だから
- 病気にかかっているから
- ストレスを感じているから
換毛期だから
猫には換毛期と呼ばれる毛の生え変わる時期があります。
換毛期は年に2回。地域差はありますが、一般的には気温の上がり始める3月頃と、寒くなり始める11月頃と言われています。
暑くなる夏には少し固めのさっぱりとした夏毛に生え変わり、寒くなる冬にはふわふわのボリュームある冬毛に生え変わって寒さから身を守るのです。
初めて猫を飼う人にとってはあまりの抜け毛の量にびっくりしてしまうかもしれません。ですが、季節の変わり目に全身の毛がまんべんなく抜けるのは、猫にとってごく普通の生理現象。病気ではありませんので安心してくださいね。
ただし、完全室内飼いの場合、大きな気温差を感じることなく一年中快適な環境で暮らしています。そのため暑さや寒さに備える必要がなく、はっきりした換毛期がないとも言われています。
ダブルコートの場合抜け毛が多い
猫の被毛のタイプは、毛の生え方によってシングルコートとダブルコートに分けられます。
- シングルコート:上毛(オーバーコート)
主な猫種:シンガプーラ、ベンガル、メインクーン、シャム、バーミーズ - ダブルコート:上毛(オーバーコート)+下毛(アンダーコート)
主な猫種:アメリカンショートヘア、ノルウェージャンフォレストキャット、ペルシャ、スコティッシュフォールド、マンチカン
オーバーコートは主に直射日光などから皮膚を守る役割があり、アンダーコートは保温の役割があります。
どちらの猫でも抜け毛はありますが、特にダブルコートの猫は換毛期に気温の変化に備えアンダーコートが多く抜けるでしょう。
病気にかかっているから
換毛期ではないのに、体の一部の毛が抜ける場合は、何らかの病気にかかっている可能性も考えられます。
毛が抜ける部位によって考えられる病気はこちらです。
- 顔周り:疥癬、皮膚糸状菌症
- 首・お腹・背中:ノミによるアレルギー性皮膚炎
- 額・目の上:食物アレルギー
- 下あご:猫ニキビ
- 部位を問わず左右対称:ホルモン性脱毛症
なかには重篤な病気のサインの可能性もありますので、抜け毛以外にも気になる症状が見られたら、かかりつけの獣医に相談しましょう。
顔周り:疥癬、皮膚糸状菌症
顔周りの毛が抜ける場合、疥癬(かいせん)や皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)の可能性があります。
かゆみが強いため、顔を引っかいて炎症が起こるケースが多く見られます。
疥癬は、ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが猫の皮膚に寄生する皮膚の病気で、ヒゼンダニ症とも呼ばれます。
ダニ駆除薬による投薬治療に加えて、猫が普段使っているタオルや毛布などの消毒や部屋の掃除を行い、ダニを徹底駆除することが大切です。
皮膚糸状菌症は、カビの一種「糸状菌」に感染して脱毛や皮膚炎が起こる病気です。
抗真菌剤を使って治療を行いますが、長毛種の場合、炎症部位が広がらないよう毛をカットすることもあります。
首・お腹・背中:ノミによるアレルギー性皮膚炎
首からお腹、背中にかけて広範囲に左右対称で発疹が出て、毛が抜ける場合、ノミによるアレルギー性皮膚炎の可能性があります。
かゆみにより体を噛んだり引っ掻いてしまい、皮膚症状が悪化することもあります。
ノミの駆除を行い、抗炎症剤を使ってかゆみを抑えます。
耳の付け根・額・目の上:食物アレルギー
食物アレルギーの場合、耳の付け根や額、目の上にかゆみが生じ、毛が抜けることがあります。
皮膚症状に加え、下痢や嘔吐を伴うこともあり注意が必要です。
関連記事:【獣医師監修】猫の食物アレルギーについて
下あご:猫ニキビ
下あごに黒いブツブツしたものができていて毛が抜ける場合は、猫ニキビが重症化している可能性があります。
膿皮症(のうひしょう)などの合併症を招くこともありますので、早めに動物病院で診てもらいましょう。
抗生剤や抗炎症剤、軟膏などを使って治療します。
部位を問わず左右対称:ホルモン性脱毛症
左右対称に毛が抜ける場合、ホルモン性脱毛症の可能性があります。
ホルモン分泌異常の原因となっている病気の治療、ホルモン剤の投与などを行います。
ストレスを感じているから
猫が何らかのストレスを感じている場合には、過剰なグルーミングで毛が抜けることがあります。
猫のストレスの原因は以下のようにさまざまですので、まずはストレスの原因を考え、取り除いてあげることが大切です。
- 多頭飼い(相性・トイレ不足)
- 引っ越し
- 来客
- 騒音
- 匂い
- 普段使っているものの変化(食器・トイレ)
- 運動不足
- 急激な気温の変化
- 私たちの毛が抜けるのはいたって普通のこと。ですが、抜け方や皮膚の状態によっては病気が原因かもしれないんですねぇ。。。
- 先輩の毛なんて年中ふわふわ舞ってますもんね(*´ω`*)ストレスや病気で抜けちゃうこともあるなんて。。。油断禁物ですね!
飼い主さんおすすめ!猫の抜け毛対策
前項でお話したように、病気やストレスで毛が抜ける場合は、獣医師に相談するなどして対処しなければなりません。
しかし、換毛期の抜け毛はどうにも防ぎようがありません。
ここでは実際に飼い主さんがどんな抜け毛対策をしているのか見ていきましょう。
- こまめなブラッシング
- 定期的なシャンプー・ボディタオルで体を拭く
- 遊ぶ時間を増やす
- 定期的な健康診断
こまめなブラッシング
シリコンブラシでブラッシング
短毛の子なので毎日シリコンブラシでブラッシングをしてあげることです。(30代女性・1匹)
猫たちも気持ち良さそう
マッサージも兼ねて毎日手袋タイプのブラッシングを使用しています。抜け毛落ちも防げて、何より猫たちも気持ち良さそうにしてくれるので一石二鳥でおすすめです。(20代女性・2匹)
時間があればブラッシング
猫をとにかくこまめにブラッシングする、それ以外は特に何もしていません。時間があればブラッシングする感じです。(30代女性・3匹以上)
猫の抜け毛対策は「こまめなブラッシングに尽きる!」という方が大多数です。
こまめにブラッシングをすることで、体の異常にいち早く気づくことができ、毛球症(体内に毛玉がたまり排出できなくなる)などの病気を防ぐことができます。
また、猫とのふれあいの時間が増えれば、飼い主さんとの絆もぐっと深まるでしょう。
ブラッシングの頻度は短毛種なら毎日、長毛種の場合は1日2回が理想的です。
1回のブラッシング時間は長くても5分前後に。猫が嫌がる場合は無理に行わないようにしてくださいね。
換毛期などで抜け毛が多い場合は、ブラッシングの回数を増やしより丁寧に行うと良いでしょう。
ブラシの種類はさまざまですが、猫の毛質によって使い分けるのがおすすめです。
■短毛種
- 獣毛ブラシ(ソフトタイプ)
- コーム
- ラバーブラシ
■長毛種
- 獣毛ブラシ(ハードタイプ)
- コーム
- ピンブラシ
- スリッカーブラシ
ブラシ型が苦手な子には手袋型もおすすめですよ。
ペットブラシ 犬と猫に使えるペット用ブラシ
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
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価格 | 270円(税込) |
サイズ | 25×18cm |
カラー | ブルー |
用途 | 抜け毛 ペット用ブラシ グルーミング |
関連記事:猫のブラッシングのやり方
定期的なシャンプー・ボディタオルで体を拭く
猫は嫌がるけれど・・・
猫は嫌がりますが、ちょっと無理でもシャンプーをしています。(30代男性・3匹以上)
1ヶ月に1回シャンプー
毎日丁寧にブラッシングして1ヶ月に1回シャンプーしている。(30代女性・1匹)
シャンプータオルを使用
暖かくなってきたらシャンプーをするか、シャンプータオルを使用したりしています。(30代女性・1匹)
嫌がる猫も多いですが、シャンプーは抜け毛対策に効果的な方法のひとつです。
短毛種の場合3ヶ月から半年に1回、長毛種の場合1~2ヶ月に1回の頻度で行うのが理想的です。
ただし、毛質や皮膚の状態、生活環境などによっても個体差がありますので、悩んだ時はかかりつけの獣医に相談してみることをおすすめします。
ブラッシング同様、嫌がる場合は無理に行わないようにしてくださいね。
シャンプーをする時は必ず猫用シャンプーを使うことが大切です。
シャンプー後はしっかりとタオルドライして、ドライヤーで乾かしましょう。
シャンプーをどうしても嫌がる場合は、猫用のボディタオルを使うのもおすすめです。
フジタ製薬 薬用酢酸クロルヘキシジンシャンプー
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 皮膚・被毛の洗浄や殺菌消臭に!犬猫専用シャンプー
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価格 | 751円(税込) |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 4.9×4.9×14.4cm |
重量 | 0.2kg |
原産国 | 日本 |
容量 | 200g |
関連記事:猫のシャンプーのコツ
遊ぶ時間を増やす
30分以上遊ぶ
猫になるべくストレスを与えないよう毎日30分以上遊ぶ時間を設ける。(20代男性・1匹)
抜け毛の原因に運動不足などのストレスが考えられる場合、遊ぶ時間を増やすなど猫のストレスを取り除いてあげることが大切です。
日頃から猫の様子をよく観察し、猫にあわせて対処するようにしましょう。
定期的な健康診断
月に一度は健康診断へ
定期的に猫の健康状態を把握するため月に一度は健康診断へ連れて行く。(20代男性・1匹)
抜け毛の原因が換毛期によるものでなければ、何らかの病気の可能性もあります。
普段から定期的に健康診断を受け、健康状態をチェックしておくことが大切です。
- 抜け毛対策にはなんといってもブラッシングがいちばん!なるべく時間をかけずにこまめに、がポイントですよぉ。
- しっかりブラッシングするだけでごっそり抜け毛がとれますもんね。ぼくの大嫌いなシャンプーもかぁ、、、(´;ω;`)ガンバリマス。
飼い主さんおすすめ!お部屋掃除のコツ
ブラッシングやシャンプーなどの対策をすれば部屋に散らばる抜け毛を減らすことができます。
ただ、そうはいっても抜け毛がまったくなくなる訳ではなく・・・。猫と暮らしているかぎり、猫の毛のお掃除は必須ですよね。
ここでは飼い主さんがどんな掃除方法を実践しているのか、そのコツを紹介します。
- フローリングは掃除機&モップがけ
- じゅうたんやソファ、カーテンには粘着テープやゴム手袋を使う
- キャットタワーにはゴム手袋や専用グッズが便利
- 空気掃除機を使う
フローリングは掃除機&モップがけ・水拭き
週に一回は水拭き
コロコロと圧縮掃除機をひたすら活用して週一ぐらいフローリングを水ぶきを心がけています。(40代男性・2匹)
抜け毛を減らしたあとにウェットのモップがけ
家は二匹とも体にコロコロをして欲しいタイプなので(コロコロを見せるとすりよって来ます)先ずは猫たちの体にコロコロをかけて極力抜け毛を減らしその後はフローリングはウェットのモップかげをします。(30代女性・2匹)
掃除機後は必ずモップがけ
春先は抜け毛の季節なので、掃除機をしっかりかけてから必ずモップがけをしています。(40代女性・1匹)
フローリングの場合、掃除機だけだと風圧で猫の毛が舞い上がってしまい、「掃除したはずなのに部屋の隅っこは猫の毛だらけ・・・」なんてことも!
掃除機をかけた後はモップがけ&水拭きなどで仕上げるのがフローリング掃除のコツです。
じゅうたんやソファ、カーテンには粘着テープやゴム手袋を使う
カーテンにもコロコロ
カーテンにもコロコロ粘着テープが一番です。(30代女性・3匹以上)
毎日コロコロで掃除
猫の抜け毛に関しては毎日コロコロのテープで掃除をするしかないと思います。(40代男性・2匹)
ゴム手袋でじゅうたんをなでる
ゴム手袋の上から輪ゴムを複数まきつけて絨毯の上をなでるようにこすることによっておどろくように猫毛がまきついてとれます。(50代以上女性・1匹)
じゅうたんやソファ、カーテンなどはひたすら粘着テープでコロコロという方が多いようです。
ただ、じゅうたんの毛の間に入りこんだ猫の毛はなかなか取り切れないという声も・・・。
そんな時に重宝するのがゴム手袋!
ゴム手袋をはめ、じゅうたんの表面をそっと撫でるだけで驚くほど毛が集まるので是非試してみてくださいね。
キャットタワーにはゴム手袋や専用グッズが便利
お掃除しにくいキャットタワーには、先ほどご紹介したゴム手袋や専用グッズを使うのが効果的!
両手にはめてなでるようにすれば、繊維にからんだ毛がみるみる集まりますよ。
一毛打尽
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 表面を軽くこするだけでカーペットやソファについた抜け毛を簡単お掃除
- 本体に毛がつかないので繰り返し使える
- 粘着テープや電気を使わず環境に優しい
価格 | 682円(税込) |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 9.7×2×9.7cm |
重量 | 30g |
原産国 | 日本 |
原材料 | 発泡ゴム |
空気掃除機を使う
空気中に舞う猫の抜け毛を吸い込んでくれる空気清浄機も、猫を飼っている家の必須アイテムです。
空気清浄機にはさまざまな種類がありますが、ペットモードなどのついた脱臭効果の高いものが特におすすめです。
まとめ
猫の抜け毛の原因は主に換毛期です。しかし、換毛期以外に抜け毛が増えた場合は、病気などの可能性もあるので注意してくださいね。
換毛期の抜け毛は防ぎようがありませんが、普段からブラッシングや掃除などをこまめにして、お互いに心地良いと思える環境にしていきましょう!
- 猫には年2回換毛期があり毛が生え変わる
- 季節の変わり目に全身の毛がまんべんなく抜けるのは生理現象
- 換毛期以外で体の一部の毛が抜ける場合は病気の可能性も
- ストレスで毛が抜けることもある
- こまめなブラッシング、シャンプーで抜け毛対策を
- 遊ぶ時間を増やすなどのストレス対策も効果的
- 定期的な健康診断を受ける
- フローリングは掃除機&モップがけ・水拭き
- じゅうたんやソファ、カーテンは粘着テープやゴム手袋で
- キャットタワーにはゴム手袋や専用グッズが便利
- 空気清浄機を使えば空気中に舞った毛をキャッチできる
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。
- 【監修】
一級建築士 株式会社ネコアイ代表取締役
清水満「ねこ検定」監修者 「ぺット共生マンションの適正化推進ガイドライン」監修者
愛猫との路上での運命の出会いから、猫と幸せに暮らす住宅の必要性を感じ「猫専門建築士」として従事する。
「クロワッサン」「週刊朝日」「猫びより」など雑誌掲載多数、NHK「もふもふモフモフ」TBS「サタデープラス」等に出演。
現在は猫専門の総合コンサルタントとして猫用品開発や猫イベントの企画運営など広く活動している。愛猫は4匹。