- シャンプー嫌いの猫って多いんですよねぇ。われわれ猫はそもそも体が濡れることを嫌いますからねぇ。今回はそんな「猫のシャンプー」についてお話ししますよぉ。
シャンプー嫌いの猫にとってシャンプーの時間はこの世の終わりタイム。よって「うちの子なんでこんなに泣き叫ぶの…?」「なんでこんなにシャンプーが嫌いなの…?」と、ほとほとお疲れの飼い主も多いのでは?
そこで今回は、猫のシャンプーの必要性や正しいやり方などをご紹介します。
猫にシャンプーって必要?
猫は自分でグルーミングをするもの。完全室内猫で短毛種、なおかつ飼い主が定期的にしっかりブラッシングしているならば、シャンプーは必要ないと言っていいでしょう。
ただし長毛種の猫は月に1回くらいシャンプーすることをおすすめします。あのモフモフの毛に汚れがつきやすく、グルーミングやブラッシングだけで汚れを取り切ることは難しいからです。
また長毛短毛に限らず、嘔吐が頻繁にある子や匂いの強い子、飼い主がアレルギーの場合などは適度なシャンプーを取り入れるといいでしょう。
シャンプーの方法
ではシャンプーの方法などをご説明していきます。
準備するもの
まずは準備するものです。猫用シャンプーとタオル以外は人間と共有でOK。ただし猫アレルギーの人は猫をシャンプーするときに使用するものは共有せず、猫用に用意することが得策です。
- 猫用シャンプー
- 洗面器
- タオル(吸水タオルがおすすめ)
- ドライヤー
- あるといいもの・・・猫の体が入る大き目のおけ
シャンプーの流れ
基本的な流れは以下になります。
- ①シャンプー前にブラッシング
- ②体をまんべんなく濡らす
- ③猫専用シャンプーで手早く洗う
- ④充分にすすぐ
- ⑤リンスはしてもしなくてもOK
①シャンプー前にブラッシング
シャンプー前にブラッシングをして、もつれた毛をほぐしましょう。毛玉になってしまっていてもブラシで無理にほぐそうとせず、指でもつれをほどいたり毛先から少しずつブラシをかけていけばほぐせますよ。
頑固なほつれはほどけないこともしばしば。切らざるを得ない場合は毛玉に対して縦にハサミを入れると毛玉を取りやすくなります。間違って皮膚を切らないように十分気を付けてください。
またブラッシングすることで、ある程度の汚れやほこりを落とすことができ、抜け毛も減らしておくことができます。猫の毛でお風呂の排水溝が詰まっちゃった~!という事態も避けられるでしょう。
②体をまんべんなく濡らす
人肌程度のお湯で全身を濡らしていきましょう。足元からお湯をかけ、顔は最後に。
この時にシャワーヘッドから直接ジャーっとかけると驚いてしまいます。シャワーヘッドに自分の手を当てながらかけたり、強い水圧を感じさせないようにかけるのがポイントです。根本(皮膚)までしっかり濡らしてくださいね。
また猫の体が入る大き目のおけが用意できる場合は、中に人肌程度のお湯を張り、猫用シャンプーを溶かし入れ、猫を足元からそっと入れましょう。案外じっとマイお風呂に浸かる我が子のたまらないショットが見られるかも^^!?
③猫専用シャンプーで手早く洗う
さあ洗っていきます。猫専用シャンプーは直接皮膚にかけずに、まず洗面器などにシャンプーを溶かしてシャンプー溶液を作りましょう。それをまんべんなく体につけ毛にしみこませたら、首周りから洗っていきます。
首→背中→腹→足先の順番で手早く。逆の順番で足元から洗っていくと、ノミがいる場合にノミが頭部へ逃げ込んでしまうので要注意。
足裏や指の付け根は汚れが溜まりやすい部分です。しっぽや肛門周辺も念入りに。最後の顔部分は目や耳にお湯と泡が入らないよう注意しながら、なでて濡らしていくだけでもいいでしょう。
④充分にすすぐ
全身を洗ったらシャンプー剤をしっかり流していきます。シャンプー成分が毛に残っていると皮膚炎やフケの元となったり、グルーミングの際に猫の口に入ってしまいます。地肌までしっかりと流してあげてくださいね。
顔はやはり嫌がる子が多いもの。スポンジやハンドタオルを使って優しくお湯をかけていくといいでしょう。
⑤リンスはしてもしなくてもOK
シャンプーの後はリンスをしてもしなくても、どちらでもOKです。する場合はシャンプー同様、洗面器でリンス溶液を作って全身にかけていきましょう。そしてしっかりと洗い流しましょう。
- 市販されているシャンプーのほとんどが、シャンプー自体にリンスが入ったリンスインシャンプーですよぉ。慣れないうちは手早く終わらせるためにも、シャンプー・リンス一体型がおすすめなんですねぇ。
お湯の温度は35〜38度程度
熱すぎにはくれぐれも注意!
人肌温度で「人のシャワーとしてはちょっとぬるいかも~」というぐらいがベストです。35度から38度くらいを目安にするといいでしょう。
シャンプーの頻度はかかりつけの動物病院やトリミングサロンに相談を
シャンプーをしすぎると乾燥により皮膚や毛のトラブルにつながることも。短毛種と長毛種でも変わってきますし、性格や生活環境にも左右されます。我が子にはどれくらいの頻度が合っているか、かかりつけの動物病院やトリマーに尋ねてみるといいでしょう。
シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かす
ドライヤーを見るだけで逃げる猫も多いものですが…やはり濡れたままでは体が冷えて風邪を引いたり、毛玉が固まってしまったりするので、できるだけドライヤーで乾かしてあげましょう。
関連記事:猫のドライヤーのコツについて
暴れる時の対処法
まずは濡れたタオルで汚れを拭き取ることから
どうしても嫌がる猫には無理をせず、まず濡らしたタオルで汚れをふき取ることからはじめてみましょう。
タオルをぬるま湯で濡らし固くしぼり、抱っこしながら拭いていくといいですよ。口周り、足、おしり周りはていねいに。声をかけながらマッサージしてあげる感覚で拭いていくと、猫も気持ちがよくなって受け入れてくれるでしょう。
部分洗いからチャレンジ
シャンプーの練習にもってこいなのが部分洗いです。食事で汚れる口周り、下痢やスプレーで汚れる肛門周り、排泄物などを踏みやすい足先。どれか一か所だけ洗ってあげましょう。
合間にご褒美を
理想的なのは猫自身が「シャンプー=いいこと」と思ってくれること。そこでぜひ試してみて頂きたいのが、合間にご褒美作戦です。普段使いではない我が子にとってのとっておきのおやつがおすすめ。
ドライシャンプーや拭き取りシートを活用
濡れることを嫌がる場合は、ドライシャンプーや拭き取りシートを活用してみましょう。
ドライシャンプーは泡状の洗浄剤がでてくるフォーミングシャンプーや、猫の毛に粉を振ってからブラッシングするパウダーシャンプーがあります。拭き取りシートはあらかじめ洗浄成分が染みこませてあるウエットティッシュのようなものです。
どちらも手軽に使用できるのがポイント。ただし猫はグルーミングをするので、安全な原料で作られた製品を選ぶようにしてくださいね。
どうしても無理な場合はプロに任せる
どうにもこうにも嫌がる。どんな作戦も絶対拒否!そんな猫にはこちらがいさぎよく折れ、トリミングサロンにお任せしましょう。プロにお任せすることで、気持ちよいシャンプー時間を過ごしてくれる場合も多いものです。
無理をすると、猫と飼い主が怪我する可能性も。無理は禁物です。
よくある質問
猫と人では皮膚のpHが異なるので、皮膚が荒れてしまう可能性が。猫用のシャンプーなら猫の皮膚に合わせた成分で作られています。皮膚や毛を整える効果が期待できるので、猫専用のシャンプーを用意してあげましょう。
猫の肌は繊細です。刺激の強いシャンプーを使用すると皮膚炎を起こす猫も。合成界面活性剤不使用、植物由来成分の低刺激のシャンプーがおすすめ。また強い香りは猫にとってストレスになることもあります。無香料や微香性ものを選びましょう。
人の肌にも優しいタイプの石けんで代用している人もいます。また重曹洗い、沐浴といった方法も。ただし、いずれも毛がゴワゴワしてしまう可能性が。シャンプー初心者や、猫の被毛、皮膚に不安のある人は猫用シャンプーを使用することをおすすめします。
慣れてもらうために子猫のうちからシャンプーを始めることはいいことです。しかし子猫は体温調節する力がまだ未熟なため、体がしっかりと育ってきてからにしましょう。目安としては早くとも生後3ヶ月以上。ワクチン接種後、抵抗力がついてからがいいでしょう。
- シャンプーがどの程度必要かは、猫の種類や環境、体質によっても変わるので、我が子にあったシャンプーライフを見つけていってくださいねぇ。
- はいっ。ボクもシャンプー苦手ですが、ごほうびのためにがんばってみますっ!
まとめ
今回は猫のシャンプーについてご紹介しました。我が子の種類などから、シャンプーの必要性や頻度をしっかり見極めて、お互いに快適な清潔ライフを築いていってくださいね。
- 室内猫で短毛種、しっかりブラッシングしている=シャンプーは特に必要なし
- 長毛種、嘔吐が頻繁、匂いが強い、飼い主がアレルギーといった場合は月に1回程のシャンプーがおすすめ
- 必要なものは猫用シャンプー、洗面器、タオル、ドライヤー
- シャンプーの流れはブラッシング→まんべんなく濡らす→手早く洗う→充分にすすぐ
- お湯の温度は35〜38度程度
- 頻度はかかりつけの動物病院やトリミングサロンに相談を
- シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かす
- 暴れる時は濡れたタオルで拭く、部分洗いする、ご褒美作戦を、ドライシャンプーや拭き取りシートを活用、無理ならプロに
- 人間用のシャンプーは皮膚が荒れてしまう可能性が
- おすすめの猫用シャンプーは低刺激のシャンプー
- 石けんなどで代用すると毛がゴワゴワしてしまう可能性が
- 子猫は早くとも生後3ヶ月以上経ってから
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中