- 歯垢・歯石が気になる猫にはどんなキャットフードをあげればいいのか、解説していきますよぉ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
猫のお口のトラブルで悩んでるけど、キャットフードってどう選べばいいの?
今回は、そんな方へ向けて歯垢・歯石が気になる猫向けおすすめキャットフードをご紹介。
フードの与え方やフード選びのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
- イチオシはカナガンデンタル!低脂肪で高タンパクのターキー生肉を使ったフード◎
成猫の約6~8割は歯周病
成猫の約6~8割は歯周病と言われています。
歯周病の原因は歯垢や歯石の中に含まれる細菌。
歯肉の赤みや腫れなどの歯肉炎から始まり、炎症が進むと歯周炎に進行していきます。
口臭が気になる、よだれがひどい、歯茎から出血。。。愛猫にこんな症状が見られたら歯周病かもしれません。
歯周病が進行すると、歯の根元に膿がたまったり、口の中の細菌が全身に広がり病気を引き起こす恐れがあります。
すでに歯石がたくさんあり歯周病になっている場合は、「スケーラー」と呼ばれる専門器具を使って歯についた歯石を根こそぎ取り去る必要があります。
獣医に相談の上、適切な処置をしてもらいましょう。
歯周病を予防するには
歯周病を予防し、歯の健康を保つ方法を見ていきましょう。
- 歯磨きをする
- 歯石グッズを活用
- 歯垢がたまりにくいキャットフードやおやつを活用
歯磨きをする
歯周病を予防するには、歯石を取り除くのが一番効果的。
人間の場合は、歯垢が歯石に変わるのに約1ヶ月かかりますが、猫の場合はたった1週間!歯石に変わってしまう前にこまめな歯磨きでケアしましょう。
「猫に歯磨きなんて無理でしょ!」と思う方もいるかもしれませんが、まずは口に触れることからスタート。
慣れてきたら次はガーゼで歯磨きを。それもクリアできたらいよいよ歯ブラシを使った歯磨きにチャレンジ、と少しずつ進めていくとスムーズです。
できれば子猫のうちから慣らすのが理想的ですが、成猫の場合も少しずつ様子を見ながら歯磨き習慣を整えていきましょう。
ただしその子の性格にもよりますので、どうしても無理!という場合は動物病院に相談することをおすすめします。
歯磨きグッズを活用
「毎日歯磨きするのは難しい」「口臭がひどく気になる」そんな場合は歯石ケアのできるサプリやスプレー、ジェルなど使うのも予防法の一つです。
いつものフードにかけるだけ、口の中にスプレーするだけ、ジェルを口に塗るだけ…と簡単手間いらず。
歯ブラシを頑くなに拒否する子には歯磨きグッズを上手く活用してみてください。
また、デンタルケアのできる噛むおもちゃを使うという手も。
遊びながらお口の中も綺麗に保てるという優れもの。
ただし硬すぎると歯が折れてしまうケースもあるので注意してくださいね。
歯垢がたまりにくいキャットフードやおやつを活用
歯石ケアのできるキャットフードやおやつも販売されています。
一般的なキャットフードは、噛むとすぐに砕けて柔らかくなり歯の隙間に残りやすいですが、歯石ケア用のキャットフードは大粒でやや硬めに作られているのが特徴。
猫がよく噛むことでブラッシング効果を促し、歯垢を取り除けるような設計になっています。
ただし、大切なのはあくまで日々のこまめな歯磨き。
歯石ケアのできるフードを食べていれば安心!というわけではないので気をつけましょう。
- まず何よりも大事なのは歯磨き。でも歯磨きを嫌がる子も多いですよねぇ。そんなときは歯磨きグッズを活用すると良いですよぉ。歯石ケアのできるキャットフードならより良いですねぇ。
- 歯磨き。。。(;_;)僕が苦手なものベスト3に入りますっ。でも歯石ケアのフードだけ食べてればOKってことじゃないですもんね!がんばりますっ(*^^*)
歯垢・歯石ケア用フード選び方のポイント
歯垢・歯石ケア用フード選び方のポイントは以下の3つです。
- 噛むことを促す大きめ・硬めの粒
- 歯の健康維持に配慮した成分配合
- 長期給与に適した栄養
噛むことを促す大きめ・硬めの粒
歯垢・歯石ケア用フードは、歯垢や歯石がたまりにくくするよう粒の大きさや硬さに工夫が見られます。
噛むことで歯の周りに付いている歯垢を除去できるよう、よく噛んで食べるよう設計されています。
歯の健康維持に配慮した成分配合
お口の中に歯垢が蓄積すると悪玉菌が増えて徐々に歯石へと成長します。
こうした歯石沈着を防ぐためには、歯の健康維持に役立つK12(口腔内善玉菌)などの成分配合のものがおすすめです。
長期給与に適した栄養
歯の健康を考えて長いスパンで与えるならば、その栄養価もきになるところです。
猫の食性にあった、食事バランスのものが好ましいです。
動物性たんぱくがメイン食材であり、炭水化物が少なめのフードを選びましょう。
歯垢・歯石が気になる猫向けキャットフードのご紹介
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
カナガン デンタルキャットフード
- 歯垢・歯石に関する特許取得海藻成分「アスコフィラムノドサム」で作られた「プロデン・プラークオフ」配合
- 上質なターキー生肉を30%配合
- 食事を変えるだけなのでケアの時間がとれない飼い主さんにも嬉しい
価格 | 5,456円(税込)/1.5kg(1kgあたり約3,637円) |
原産国 | イギリス |
第一原料 | 七面鳥生肉30% |
主な成分 | たんぱく質:33.00%以上 脂質:15.00%以上 粗繊維: 4.75%以下 389kcal / 100g |
天然の海藻を主成分とした特許取得成分「プロデン・プラークオフ」配合。
毎日美味しく食べながら体の中から愛猫の輝きをサポートできる嬉しいフードです。
主成分には低脂肪ながら高タンパクのターキー生肉を使用。
グレインフリーなので消化にもいいのが嬉しいですね。
ハッピーキャット (HAPPY CAT)) スプリーム ラージブリード
- デンタルケアに噛みごたえがある特大キブル(粒)
- 大型種の毎日の主食に
- 消化吸収の良いチキンやラムなど動物性タンパク質豊富
価格 | 1,100円(税込)/300g(1kgあたり約3,300円) |
原産国 | ドイツ |
第一原料 | チキンミール |
主な成分 | 粗たんぱく質:32.00% 粗脂肪:16.00%以上 粗繊維: 3.00%以下 365.3kcal / 100g |
デンタルケアに役立つ噛み応えのある特大キブル(粒)が特徴のドイツ産フード。
消化のよいチキンやラムなどの動物性たんぱく質が豊富に含まれています。
ミネラル成分をバランスよく配合したレシピで、尿路疾患にも配慮。
猫の健康に欠かせないタウリンもしっかり配合しています。
ブリスミックス アダルト チキンレシピ
- K12口腔内善玉菌配合で口腔内の健康に配慮
- アガリクス茸、キヌア、チアシード配合
価格 | 2,178円(税込)/1kg(1kgあたり約2,178円) |
原産国 | 日本 |
第一原料 | フレッシュチキン |
主な成分 | 粗たんぱく質:30.00%以上 脂質:12.00%以上 粗繊維:4.00%以下 352.9kcal/100g |
冷凍の肉、野菜を一切使わずフレッシュ素材にこだわった日本産フード。
副産物や小麦、大豆、とうもろこしなど一切不使用。
人間の食品基準の素材を使っているのは安心ですね。
K12(口腔内善玉菌)配合でお口の状態が気になる猫に◎。
アガリクス茸、キヌア、チアシードなど猫の健康に嬉しい素材も豊富です。
bosch ザナベレ デンタル チキン キャットフード ドライフード
- デンタルケアに適した粒の大きさと硬さ
- 新鮮な鶏肉・レバーが主原料で動物性タンパク質豊富
- ビタミン、ミネラルをバランスよく配合
価格 | 6,270円(税込)/2kg(1kgあたり約3,135円) |
粒の大きさ/形状 | 1cm弱/平べったい三角形で面積が狭いため小さい |
原産国 | ドイツ |
第一原料 | 新鮮な鶏肉(20%) |
主な成分 | 粗たんぱく質:30.50% 粗脂肪:15.50%以上 粗繊維:5.0%以下 373kcal / 100g |
ドイツ屈指のペットフードブランド「bosch」のザナベレシリーズ。
生後12か月以降の口内衛生に敏感な傾向の猫にあった粒の大きさ・硬さで作られています。
新鮮な鶏肉、レバーを使ったフードには動物性たんぱく質がたっぷり。
穀物不使用で消化器官の負担が少ないのは嬉しいですね。
【療法食】ヒルズ プリスクリプション・ダイエット キャットフード T/D
- 口腔内のバクテリアを低減
- 抗酸化成分が健康をサポート
- 尿路の健康に配慮して尿の想定pHを6.2~6.4に調整
価格 | 975円(税込)/400g(1kgあたり約2,438円) |
原産国 | オランダ |
第一原料 | トリ肉(チキン、ターキー) |
主な成分 | たんぱく質:34.70% 脂質:16.30%以上 粗繊維:7.90%以下 352kcal / 100g |
口腔内の健康をサポートするフード。
特別療法食なので、必ず獣医さん指導のもと与えるようにしてくださいね。
噛むことで歯垢、歯石の蓄積を低減することが科学的に証明されている特殊な粒は、歯垢、歯石が気になる猫の普段のごはんに嬉しいですね。
まとめ
口臭が気になる、よだれが多い。。。一緒に暮らしているなかでお口のトラブルに気づいたら早めに対処を。
歯周病を防ぐためにはまずは歯磨き習慣をつけましょう。
歯石ケアのできるキャットフードや歯磨きグッズなども上手く活用してしっかりケアしてくださいね。
- 歯周病が進行すると全身に細菌が広がり病気になる可能性
- 歯周病を予防するには歯磨き習慣をつけること
- 歯磨きができない猫には歯磨きグッズを活用しても
- 大粒で硬めに作られた歯石ケアキャットフードならブラッシング効果を促す
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- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。