- みなさん、おうちの猫ちゃんに歯磨きはしていますかぁ?歯磨きなんて難しいんじゃない?と思っちゃう方も多いと思いますが、猫は歯周病になりやすいので歯磨きってとても大切なんですよぉ。
我が家の猫にも歯磨きをさせたいけれど逃げられちゃう…。でもやっぱりちゃんと歯磨きしないと人間みたいに虫歯になってしまうんじゃ…。そんな悩みや疑問を持つ飼い主さんも多いのでは?
そこで今回は猫の歯磨きのコツや効果などをご紹介。歯磨きを嫌がってしまう子のための対処法もレクチャーしますので、是非参考にしてくださいね!
猫に歯磨きは必要?
猫は虫歯にはならないけれど歯周病になりやすいので、歯周病予防のためにも歯磨きは必要です。
歯周病とは、初期段階の歯肉に炎症が起きる歯肉炎や、歯肉炎が進行した歯周炎など歯をとりまく組織の疾患です。炎症がすすむと歯茎からの出血やぐらつき、抜け落ちなどの症状がでます。それに伴い口臭、よだれ、痛み、鼻水、顔の腫れ、膿がでてきます。
さらに怖いのは細菌が炎症部分から侵入し、心臓や腎臓、肝臓など全身の病気を引き起こす可能性があること。
なお初期段階の歯肉炎自体は、猫の80%以上に発生すると言われているほど多くの猫がかかる疾患です。
歯磨きのコツ
まずは歯磨きのコツを知りましょう。ポイントは以下の4つです。
- 少しずつ時間をかけて慣らす
- 歯の根元部分に対して45度の角度で小刻みに
- 歯石のつきやすい奥歯(臼歯)を重点的に
- 歯ブラシを見せて触れさせておく
少しずつ時間をかけて慣らす
まずは口に触ることから
まずは口を触ることから始めましょう。歯磨きを意識せず首や顔周りをマッサージしてあげるイメージで。猫が嫌がったら止めてくださいね。リラックスしてくれてるのが分かったら口の周り(アゴや奥歯のあたり)をマッサージしていきましょう。
そして慣れてきたら指で歯をそっとタッチしてみましょう。少しずつで大丈夫ですよ。何日もかけて根気よく繰り返し、歯を触られることに慣れてもらいましょう。
慣れてきたら指磨き
慣れてきたら歯の表面を指でそっと磨いてみましょう。ペット用の味付きデンタルペーストを少し指につけ、歯に円をかくように1本1本優しくクルクルとなでていきます。それにも慣れてきたら歯の裏側もクルクルしてみてください。
ガーゼや綿棒を使って
ガーゼや綿棒は柔らかく歯肉への刺激も少ないので、歯磨きに慣れてもらうには最適です。ガーゼや綿棒の先にデンタルペーストをつけて、歯の根元部分の歯垢や汚れのたまりやすい部分を磨きましょう。歯ぐきに直接当たると傷つく可能性があるので、やさしく慎重に行っていきましょう。
歯ブラシはあらかじめ見せて触れさせておく
いよいよ歯ブラシでトライです!歯垢除去に最も有効なのはやはり歯ブラシ。しかし歯ブラシを突然見せたら怖がる可能性も。あらかじめ歯ブラシを見せておくなどして触れさせておくといいですよ。
また乾いた歯ブラシは歯ぐきを傷つける可能性があるので、磨く前に必ず歯ブラシを水で濡らしてからデンタルペーストをのせましょう。
歯の根元部分に対して45度の角度で小刻みに
歯と歯ぐきの間の歯周ポケットの汚れを掻き出すイメージでやや斜めの角度(歯に対して45度)で歯ブラシを当て、小刻みに優しく動かしていきます。ガーゼや綿棒を使用する時と同じく、歯ぐきに歯ブラシが直接当たらないようにしましょう。
歯石のつきやすい奥歯(臼歯)を重点的に
歯石がつきやすいのは奥歯(臼歯)です。複雑な形をしていて特に歯石が付きやすい場所なのでしっかり磨きましょう。
手のひらを頭に乗せて、上の唇を指でそっと持ち上げてあげると奥歯を露出させられるので磨きやすいですよ。頭に手の平を乗せられるのが嫌な子は口を閉じたままの状態でいいので、口の端から歯ブラシを横向きにそっと差し込んであげましょう。
歯磨きの頻度
食べ物の残りかすが歯垢となり歯石へと変化していきますが、一度歯石になったら歯磨きで除去することは不可能です。動物病院で歯石を取り除いてもらうしか方法はありません。そのため歯石にしないよう、早めに歯垢を取り除くことがポイント。
毎日歯磨きをすることが理想的ではありますが、難しい場合は2~3日に1回程度の頻度で行いましょう。
- ええっ、そうなんですかっ。歯石になったら病院へ行くしかないんですねっ。絶対に歯石にしたくないですっ。
歯磨きを嫌がるときの対処法
猫が歯磨きを嫌がった場合に無理やり行うのはNGです。さらに歯磨き大嫌い!になってしまいますよ。どうしても嫌がるときは以下の工夫をしてみましょう。
- 口に触れないときは療法食やおやつを使って
- 歯ブラシを嫌がるようなら歯磨きシートで
- ブラッシング自体が難しい場合は口腔内ケア用品を活用
口に触れないときは療法食やおやつを使って
どうしても口に触ることができないようならデンタルケアトリーツ(デンタルガム)を使ってケアしてあげましょう。市販されているデンタルケアトリーツは、噛むことで歯垢を除去できる形状になっていたり、清潔な口内を維持しやすい素材で作られています。体重オーバーしないよう与えすぎに注意しながら取り入れてくださいね。
ヴォイス 猫にやさしいトリーツ 歯磨きサポート
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 歯磨き生地にラクトフェリン・葉緑素を配合
- 清潔な口内・歯・歯茎の維持に配慮した健康維持成分
- 弾力のある生地を長めのカット
価格 | 495円(税込) |
原材料 | 小麦粉、グリセリン、チキンエキ、ス乾燥全卵、炭酸カルシウム、ソルビトール、クリノプチロライト、鰹節粉末など |
生産国 | 日本 |
歯ブラシを嫌がるようなら歯磨きシートで
指に巻いて使用するシートタイプも販売されています。口内を清潔に保つ成分をあらかじめ染み込ませてあるものが多く、手軽かつ優しくケアしてあげられます。歯周病予防に大切な歯周ポケットまではしっかり磨けませんが、歯の表面の食べ残しや歯垢は除去できますよ。
らくらく歯みがきシート
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 溝のある特殊シートが汚れをかき取る
- 消臭、抗菌作用のあるグレープフルーツエキス配合(天然由来成分)
- お口さわやかにする緑茶フレーバー配合
- ノンアルコール、ノンパラベンの低刺激
価格 | 532円(税込)(2個パック) |
原材料 | 不織布 成分:精製水、グリセリン、PG、グレープフルーツ種子エキス、pH調整剤など |
生産国 | 日本 |
ブラッシング自体が難しい場合は口腔内ケア用品を活用
どうしても歯をケアされること自体に抵抗がある場合はスプレータイプがおすすめです。しかし口の奥まで噴射できるというメリットはありますが、シュッ!という音や噴射の勢いに驚いて怖がってしまう子もいるので、猫が受け入れやすい製品を選びましょう。
ペティオ デンタルスプレー
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 食品として使用できる成分のみで作られている
- スプレータイプ口が口中に触れず衛生的
- ストレート状の噴射で猫の小さな口中に使用しやすい
- お口をスッキリ緑茶乾留エキス、ビタミンB6など配合
価格 | 451円(税込) |
原材料 | 精製水・緑茶乾留エキス・エリスリトール・ビタミンB6 |
生産国 | ベトナム |
よくある質問
猫の歯磨きについて、飼い主の皆さんから寄せられた質問をご紹介します。
- 歯ブラシはどんなものがよい?
- 人間用の歯磨き粉じゃダメ?
- 歯肉炎や歯周病にかかっているときはどうしたらいい?
猫の口内はとても繊細です。傷つけてしまわないようペット専用の歯ブラシを使いましょう。
歯ブラシのヘッドには「丸いもの」や「細くて小さめのもの」まで様々な形状があります。無理なく口に入るサイズのものを選びましょう。ブラシ部分はできるだけ柔らかいものを選びましょう。
人間の赤ちゃん用のヘッドが小さくて毛先の柔らかい歯ブラシでも代用できますよ。
多くの人間用歯磨き粉に配合されるキシリトール。猫がキシリトールを多く摂取するとで低血糖を起こしやすいと言われているので使用は避けましょう。人間用の歯磨き粉を舐めてしまったなどした場合は体調をよく観察し、異常があればすぐに獣医師に診てもらう必要があります。
すでに歯肉炎、歯周病にかかってしまっている場合はまず病院を受診しましょう。痛みがあるため無理に歯磨きをしようとせず治療を終えてから歯磨きを始めましょう。判断が難しい場合もかかりつけの動物病院に相談してみるといいですよ。
- 歯周病にならないためにも、飼い主さんがしっかりコツをつかんで歯磨きを行っていきましょうねぇ。
- ううっ。歯磨き苦手だけど、少しずつ慣れていきたいですっ。がんばりますっ。
まとめ
猫に歯磨きなんて難しい!とイメージしてしまう人は多いのでは?しかし今回ご紹介した方法やグッズを使用することにより、少しずつ慣れてくれる子も多いでしょう。そのためには飼い主さんが諦めないことが大切ですよ。我が子の健康のために口内環境を整えていきましょう!
- 猫に虫歯はないけれど歯周病になりやすいので歯磨きは必要
- 歯磨きのコツは、時間をかけて慣らすこと、斜め45度の角度で小刻みに動かすこと、奥歯を重点的に磨くこと
- 歯磨きの頻度は毎日が理想だが、週に2~3日に1回でもOK
- 歯磨きを嫌がるときは療法食やおやつ、ガーゼや歯磨きシート、口腔内スプレーを使用
- 歯ブラシはペット専用の歯ブラシか、人間の乳児用でも可
- 人間用の歯磨き粉は避ける
- 歯肉炎や歯周病にかかっている場合は動物病院で治療を終えてから歯磨きを始める
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中