- いつものキャットフードにスープや肉、魚、野菜などをのせてあげると食いつきが良くなることがありますよぉ。トッピングで水分、たんぱく質、ビタミン・ミネラル・食物繊維をプラス。あまり食べてくれない時は、与え方や調理法にひと手間加えたり、食事環境を見直したりしてみてくださいねぇ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
いつものキャットフードにスープや肉、魚、野菜などをのせるだけで猫の食いつきUP!
ドライフードに不足しがちな水分・解毒力・酵素を補うことができます。
今回はキャットフードのトッピング・ふりかけ方法を徹底解説!
トッピングごはんが猫の体に良い理由、トッピングの基本、おすすめトッピングスタイル、トッピングごはんを手早く作るコツ、食べてもらう方法についても詳しく説明します。
キャットフードのトッピングとは
人間が同じものをずっと食べ続けると飽きてしまうように、猫も毎日同じキャットフードを食べていると飽きてしまって食べなくなることがあります。
そんなときに、いつものキャットフードにスープや肉、魚、野菜などをのせて出してあげると食いつきがよくなることがあります。
キャットフードの上にのせるだけなので、完全手作りごはんよりはハードルが低く簡単に作ることができます。
トッピングごはんが猫の体に良い理由
ここでは、トッピングごはんが猫の体に良い理由を説明します。
ドライフードに不足しがちなもの
水と一緒に食べるだけで、猫に必要な栄養がしっかりとれるドライフードはとても便利な食べ物です。ただ、ドライフードには以下のものが不足しがちです。
- 水分
- 解毒力
- 酵素
ドライフードはその名の通り、水分が少なく硬い食感のキャットフードです。ウェットフードに比べ、水分量は10%程度ととても少ないため、必ずドライフードと一緒に飲み水を与える必要があります。
ただし、いくら水を与えても猫は人間に比べて水分不足になりやすく、体に有害なものを解毒する力が弱まりがちです。猫が普段食べるキャットフードに含まれる添加物やストレスなどが、肝臓や膵臓に負担をかけ、解毒力を弱める場合もあります。
また、ドライフードは高熱で加工されているため、猫が生きていくために必要な酵素もほとんど含まれていません。
水分・解毒力・酵素をトッピングで補うことができる
このようなドライフードの欠点を補うのがトッピングごはんです。
トッピングで使用するスープやゆで汁によって、猫に必要な水分を補うことができます。
また、食物繊維やミネラル、タウリンなど解毒力の高い栄養成分をトッピングで補うことで、体に有害なものをスムーズに排泄できるようになります。
生野菜、生肉、生魚、フルーツなどをトッピングすれば、猫の健康に欠かせない酵素をしっかりとることができます。
- ドライフードはとっても栄養バランスのいいごはんなんですが、不足してるものもあるんですねぇ。ドライフードに足りないものを補うのがトッピングなんですよぉ。
- 水分、解毒力、酵素、これがドライフードに足りないものなんですね!ってことはトッピングごはんはすべて揃った最強ごはんということですね。
トッピングの基本
ここでは、実際にどのようにトッピングをするのかについて説明します。
キャットフードの量はキャットフードだけを与えるときの約70%
トッピングを加えるときは、キャットフードだけを与えるときの約70%の量にするのが基本です。
トッピングの基本は水分・たんぱく質・野菜・サプリメント類
トッピングする際は、以下のものをトッピングするのが基本です。
- 水分
- たんぱく質
- 野菜
- サプリメント類
以下、それぞれのトッピングについて詳しく説明します。
ゆで汁、スープ、白湯などで水分をプラス
肉や魚、野菜などのゆで汁や白湯などをドライフードに加えることで、食感が変わり食べやすくなります。
肉や魚、卵、納豆などで良質なたんぱく質をプラス
肉や魚、卵、納豆などを加えることで、猫に必要なたんぱく質を補うことができます。同じ食材をずっと与えるのではなく、さまざまな食材を使うことが大切です。また、調理方法を変えることで猫に必要な酵素を補うこともできます。
新鮮な野菜やきのこ類、海藻などでビタミン・ミネラル・食物繊維をプラス
野菜やきのこ類、海藻などをトッピングすることで、ビタミン・ミネラル・食物繊維を補うことができ、毒素の排泄がスムーズになります。
血液をさらさらにするオイル、手作りサプリ
ドライフードに含まれる動物性油脂のなかには、猫の健康によくないものも含まれるので、えごま、亜麻仁などのオメガ3系オイルや、オリーブオイルなどのオメガ9系のオイルをトッピングで補うと良いでしょう。
また、良質なオイルをベースにオリジナルのサプリを作って加えるのもおすすめです。
体重別トッピング量の目安
以下の表は、体重別の1日のトッピング量の目安です。
体重 | たんぱく質 | 野菜類 | 水分 |
3kg | 30~40g | 5~10g | 75~100ml 15~20ml |
4~5kg | 40~50g | 10~20g | 100~120ml 20~25ml |
6kg | 50~60g | 20~25g | 120~140ml 25~30ml |
※水分・・・上段:ドライフードにトッピングする場合、下段:ウェットフードにトッピングする場合
- トッピングするときはいつもよりドライフードの量を少し減らしてくださいねぇ。トッピングするのは水分、肉や魚などのたんぱく質、野菜、サプリなどですよぉ。
- 肉や魚、野菜などを茹でた残りのスープで水分を足すだけでも水分補給になりますし、食感が変わって食いつきがよくなる子もいますよねっ。
おすすめトッピングスタイル
ここでは、トッピングの基本に沿ったおすすめのトッピングスタイルをご紹介します。
最初は水分を加えるだけからスタートし、次に肉や魚などをくわえ、食べてくれたら野菜などにもチャレンジしてみると良いでしょう。
①ドライフード×水分
肉や魚、野菜などをゆでたスープを60℃くらいに冷まし、ドライフードにかけてふやかしたトッピングスタイルです。風味豊かになり栄養価もアップします。
トッピング例は以下の通りです。
- ドライフード×白湯
- ドライフード×スープ(肉・魚・野菜などのゆで汁)
以下の表は体重に応じたトッピングとドライフードの1日の量の目安です。
体重 | ドライフード | 水分 |
3kg | 50~70g | 100~120ml |
4~5kg | 70~90g | 120~140ml |
6kg | 90~110g | 140~160ml |
②ドライフード×たんぱく質×水分
ドライフードに白湯やスープなどをかけてふやかし、その上に細かく刻んで調理した肉や魚、納豆、卵などのたんぱく質をのせるスタイルです。
トッピング例は以下の通りです。
- ドライフード×白身魚×白湯
- ドライフード×スクランブルエッグ×白湯
- ドライフード×鶏ささみ肉×スープ
以下の表は体重に応じたトッピングとドライフードの1日の量の目安です。
体重 | ドライフード | たんぱく質 | 水分 |
3kg | 45~60g | 30~40g | 75~100ml |
4~5kg | 60~70g | 40~50g | 100~120ml |
6kg | 70~85g | 50~60g | 120~140ml |
③ドライフード×たんぱく質×野菜×水分
最も理想的なトッピングスタイルです。ドライフードに肉や野菜などをゆでたスープを加え、肉や野菜もあわせて上にのせます。
- ドライフード×まぐろの刺し身×キャベツ×ゆで汁
- ドライフード×鶏×卵×かぼちゃ×ゆで汁
- ドライフード×鮭×鶏ひき肉×小松菜×ゆで汁
以下の表は体重に応じたトッピングとドライフードの1日の量の目安です。
体重 | ドライフード | たんぱく質 | 野菜 | 水分 |
3kg | 45~60g | 30~40g | 5~10g | 75~100ml |
4~5kg | 60~70g | 40~50g | 10~20g | 100~120ml |
6kg | 70~85g | 50~60g | 20~25g | 120~140ml |
手早くトッピングごはんを作るコツ
ここでは、トッピングごはんを作るコツをご紹介します。トッピングを手早く作るコツは以下の通りです。
- 取り分け
- 市販品を活用
- 冷凍保存・冷蔵保存
取り分け
わざわざトッピング用にごはんの準備をするのは手間がかかって大変です。例えば、味噌を入れる前の味噌汁から具材だけ取り分ける、味付けする前の野菜炒めから野菜だけを取り分ける、などの方法を使えば手間いらずで簡単です。
市販品を活用
手作りする時間がない場合には市販品を活用するのもひとつの方法です。粉末状のヤギミルク、食材パウダー、フリーズドライのササミなどをふりかけ代わりに使うと時間短縮になります。
冷凍保存・冷蔵保存
普段の料理の下ごしらえと同様、時間のあるときにまとめて準備をして冷凍保存・冷蔵保存しておくのも便利です。みじん切りした野菜やペーストを冷凍しておけば、使う時に湯せんなどで温めるだけですぐに用意することができます。
トッピングごはんを食べてもらう方法
せっかく作ったトッピングごはん、猫にしっかり食べてもらいたいですよね。ここではトッピングごはんを食べてもらう方法をご紹介します。
- 食事環境を工夫
- 与え方を工夫
- 風味を加える
- ふりかけを手作り
食事環境を工夫
猫の食いつきが悪いときは、食事しづらい環境になっていないか見直すことが大切です。
例えば、台を使って食べやすい高さにする、ひげが濡れないよう浅く平らな器に変える、など工夫してみると良いでしょう。
与え方を工夫
いつものフードしか食べない猫の場合は、濃い味、ニオイの強い素材などを少しだけ与えることで食べるきっかけになることもあります。自分で舐めてくれないときは、指で口の中に入れてあげたり、奥歯に塗ってみたりしても良いでしょう。
また、カリカリしか食べない猫の場合は、最初はウェットフードのトッピングから慣らして、徐々に肉、野菜と進めていくと良いでしょう。猫の食べる様子を見て、好きな食材を見極め、好きな食材をメインにしたトッピングに慣れてもらうとスムーズに食べてくれることが多いでしょう。
猫によってはふやかしたフードを好まないこともあるので、その場合は、トッピング具材とカリカリを別皿で出してあげましょう。
山形になるような盛り付けも頭頂部から食いついてくれるので、猫によっては食べやすいようです。
風味を加える
野菜が苦手な猫の場合、最初に鶏の皮を入れた後で野菜を炒めると、野菜に鶏の風味が加わり食べてくれることもあります。
また、肉好きで魚が苦手な猫でも、肉と魚を一緒に煮ることで肉の風味がプラスされ、ペロッと食べてくれることもあるようです。
ふりかけをトッピング
食材に慣れるまでは、ふりかけで慣れさせるというのもひとつの方法です。
ささみのふりかけは簡単に手作りでき、残ったものも冷蔵庫で1週間程度保存できるので是非試してみてください。
■ささみふりかけの作り方
- ささみを縦に半分に切り魚グリルで7~8分焼く。
- 焼いたささみをフードプロセッサー、すり鉢などで粉末状にする
また、食欲がなく少し弱っているときにふりかけで栄養を補うのもおすすめです。
以下のような使い方も紹介されていますので、参考にしてください。
ZIWI(ジウィ)のトッピング
ZIWI(ジウィ)は、体力が低下している猫におすすめのドライフードです。いつものドライフードの上にこうした消化の良いフードをトッピングする方法もありますので、猫の体調を見ながら試してみるのもひとつの方法です。
ZIWI(ジウィ) デイリーキャットクィジーン ドライタイプ ベニソン
- 生肉・内臓が98%、エアドライ・レシピによる生肉からできた総合栄養食
- 穀類、豆類、イモ類、その他添加物などは使用なし
- 消化率が95%以上、体力が低下している猫にもおすすめ
価格 | 3,652円/400g |
原産国 | ニュージーランド |
第一原料 | ベニソン(鹿肉) |
主な成分 | たんぱく質:32.00%以上 脂質:31.00%以上 粗繊維:0.5%以下 429kcal / 100g |
わたしたちは、ZIWI(ジウィ)を今お使いのフードと混ぜてお使いいただくこともオススメしています。 そうすることで、1日に摂取するお肉の量がUPするからです。 それでは、いつものご飯をグレイドアップする方法をご紹介しましょう!
STEP1.
まずは、今お使いのフードの10%程度をZIWI(ジウィ)に替えて、混ぜてください。
(ここでの注意点は、それぞれの一日の給与量をチェックし、その量の10%を計算してください。
ドライフードを10g減らして、ZIWI(ジウィ)を10gトッピングすると多すぎます。)STEP2.
数日、その割合で続けましょう!STEP3.
便の状態をチェックしましょう!
調子がよく、もう少し増やしたい場合は、さらに10%増やしましょう!引用:ZIWI専門家コラム
ZIWIを実際トッピングしてみました
それまで見向きもしなかったフードにかけてみたのですが、よく食べるようになりました!栄養もバックアップできるし、猫にとってもいいことづくめですね。
- トッピングといってもなにも難しく考えることはないんですよぉ。取り分けや市販品をうまく使えば時間をかけずにトッピングを用意できますからねぇ。
食いつきがイマイチなときも、ちょっと工夫するだけで食べてくれることもありますからいろいろ試してくださいねぇ。
- ふりかけにするっていうのはうちでもよくやってますよっ。ゴロゴロした食材にはちょっと抵抗があっても、ふりかけならすんなり食べる子も多いんです!
よくある質問
ここでは、キャットフードのトッピングに関するよくある質問をまとめています。
それだけで十分足りているのであれば問題ありませんが、明らかに量が少ない場合は、ふかやしたドライフードかウェットフードに具材を混ぜ込んで、煮干し粉などのふりかけをかけて与えてみましょう。もし食べない場合は、トッピングだけ別皿に出す方法も試してみてください。
カリカリをどうしても好まず具材しか食べてくれない場合は、手作りごはんにチャレンジしてみるのもひとつの方法です。
トッピングで水分を補うことはできますが、それだけで1日に必要な水分量を満たすことはできません。必ず、清潔な水をごはんと一緒に用意してあげることが大切です。
関連記事:猫に必要な1日の水分量は?水分不足による健康への影響
水分量の多いトッピングごはんは、そのままにしておくと腐りやすくなります。夏場の高温多湿の状況では、長くても3、4時間で下げるようにしましょう。そのほかの時期でも、半日を目安に下げた方が良いでしょう。
まずは食感に慣れてもらうために、ウェットフードのトッピングから始めてみましょう。食べてくれるようになったら、ふやかしたドライフードとトッピングの食材を別皿で用意して与えてみましょう。いろいろな食材を試してみて、好きな食材を見つけてあげることが大切です。
もし、なかなか食べてくれないときは、味の濃いものやニオイの強いものを先に与えると食べてくれるきっかけになる場合があります。
フードと混ぜても混ぜなくてもどちらでも大丈夫です。別皿で出した方が食いつきが良い場合はそういうスタイルもアリです。
さまざまな食材をいろいろな調理法で食べさせてあげることが大切です。例えば鶏肉であってもささみ、胸、もも、手羽先などいろいろな部位がありますので、いろいろと試してみてください。調理法を変えたり、ふりかけにして食べやすくするのもひとつの方法です。
猫に食べさせてはいけない食材は以下の通りです。食材をトッピングする場合は注意が必要です。
ネギ類(玉ねぎ・ニラ・ネギ・にんにく)、カカオ類(チョコレート・ココア)、アルコール、アボカド、カフェイン(コーヒー・緑茶・紅茶)、ぶどう・レーズン、キシリトール、香辛料、人間用サプリ・薬
まとめ
キャットフードのトッピングについては以下のまとめを参考にしてください。
- キャットフードのトッピングとはスープや肉、魚、野菜などをいつものフードにのせること
- トッピングをすることで食いつきがよくなる
- ドライフードに不足しがちな水分、解毒力、酵素をトッピングで補える
- トッピングするときはキャットフードだけ与えるときの約70%の量にする
- トッピングの基本は水分・たんぱく質・野菜・サプリメント類
- 最初は水分を加えるだけからスタートし、徐々に肉・魚、野菜と試してみる
- トッピングごはんを手早く作るコツは取り分け、市販品の活用、冷凍・冷蔵保存
- 食べてくれないときは食事環境や与え方・調理法を変えてみる
- 食材に慣れるまではふりかけで慣れさせるのも良い
- 具材だけ別皿に出すと食べてくれる場合は分けて出すのもアリ
- トッピングした場合でも飲み水は必ず用意する
- すぐに食べないときは夏場は3~4時間で下げる
- カリカリしか食べないときはウェットフードのトッピングから始めてみる
- トッピングは上にのせてもフードに混ぜ込んでもどちらでもOK
- 猫に食べさせてはいけない食材に注意
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。