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【獣医師監修】猫のワクチンの疑問にお答えします!室内飼いの猫も必要?接種時期は?

2019-08-26

猫ねこさん

猫のワクチンの疑問にお答えします!室内飼いの猫も必要?接種時期は?

猫ねこさん
人間のインフルエンザワクチンや犬のワクチンに比べると、猫のワクチンってあまり話題にのぼらず、情報も少なめですよねぇ。そこで今回は、われわれ猫が健康に暮らすために「飼い主さんに知ってもらいたいワクチンのこと」をお話ししますよぉ。

愛しの猫様と生活をはじめたみなさん、またそれを夢見るみなさん、今回は大切な猫のワクチンについてご説明します。

「うちの子まだ小っちゃいけどいつから接種すればいいの?」「そもそも室内飼いだから感染症するリスクなさそう…それでも必要?」「ワクチンで予防できるのはどんな病気なの?」などなど疑問は多いと思います。

接種費用や頻度、注意点などもあわせてご紹介していくので、愛しの猫様との健康ライフの参考にしてくださいね。

室内飼いでもワクチン接種受けた方がいい?

ワクチン

大切な猫を感染症から守り、重症化させないために欠かせないワクチン接種。猫にワクチンを接種することで、感染症に対する免疫力をつけることができます。

たとえ室内飼いであっても油断は禁物!
例えば飼い主が外で感染猫に触れることがあったり、気付かず感染猫の排泄物を踏んでしまうこともあるかもしれません。またペットのいるお家へ行くことで、逆に招き入れることもあるでしょう。
さらに空気感染をするウイルスもあるので、感染猫がベランダや庭を通って感染してしまうことも。

感染経路はさまざまなので、どこの家庭でも室内に感染源を持ち込んでしまう可能性は大いにあるのです。

「我が家の猫は完全な室内飼いだよ」という人もワクチン接種をして感染症を予防しましょう。

ワクチンの種類

ワクチン

ではワクチンの種類についてご紹介していきます。

  • ワクチンで予防できる病気は6種類
  • 代表的なのは3種混合ワクチン

ワクチンで予防できる病気は6種類

ワクチン接種により予防できる病気は以下の6種類です。

 病名主な症状
猫ウイルス性鼻気管炎発熱、くしゃみ、下痢、食欲不振
猫カリシウイルス感染症くしゃみ、目やに、よだれ
猫汎白血球減少症(猫パルボ)高熱、嘔吐、下痢
猫クラミジア感染症結膜炎、目やに、くしゃみ
猫白血病ウイルス感染症発熱、貧血、食欲不振、口内炎、呼吸困難、リンパ節の腫れ、白血病
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)免疫不全、発熱、下痢、口内炎

代表的なのは3種混合ワクチン

ワクチンには複数のワクチンを組み合わせた3種混合~7種混合のワクチンがあります。

 3種4種5種7種単体
猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症3種類
猫汎白血球減少症
猫クラミジア感染症
猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)

室内飼いの猫が接種する代表的なワクチンは3種混合ワクチン。以下の3つの病気を予防することができますよ。

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
猫ねこさん
基本的に室内猫にはこの3種混合ワクチンを接種することが多いですよぉ。外出する猫には4種、5種、7種混合がおすすめですぅ。

ワクチンの費用

ワクチン接種の費用は動物病院によって異なりますが、平均的な費用は以下のようになります。

混合ワクチン(FLVを含まない)4,414円
混合ワクチン(FLVを含む)6,514円
猫白血病ワクチン(FLV)単体4,063円
猫エイズワクチン(FIV)単体4,320円

参照:家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査 調査結果(平成27年度)

ワクチンの接種時期と頻度

ワクチン

ワクチン接種に適した時期、またどれぐらいの頻度で接種するかについてご説明します。

  • 生後2〜3ヵ月以降に1回目のワクチン接種を
  • 適切な時期についてはかかりつけの獣医さんに相談
  • 日本で発売されているワクチンは年1回の接種が推奨されている

生後2〜3ヵ月以降に1回目のワクチン接種を

生まれてすぐの子猫は母乳を飲むことで、母猫から免疫(移行抗体)を受け継ぎます。しかしその効力は次第に減少し、徐々に消失していきます。また免疫(移行抗体)が残っているうちはワクチン接種をしても効果が十分に発揮されない時期。そのため生後23か月を目安に1回目のワクチンを接種し、その後2~3回の追加接種を行っていくのが一般的です。

適切な時期についてはかかりつけの獣医さんに相談

ワクチンを接種する適切な時期は、猫の体調や体質、環境、出生状況などにより変わります。飼い主が判断するのは難しいでしょう。かかりつけの動物病院に相談し、接種スケジュールをだしてもらうことをおすすめします。

日本で発売されているワクチンは年1回の接種が推奨されている

ワクチンは1回接種したら一生安心というわけにはいかず、継続的に接種していく必要があります。日本で発売されているワクチンの推奨頻度は年に1回。動物病院によっては年に1回のワクチン接種時期にハガキやメールでお知らせしてくれるところもありますよ^^。

猫ねこさん
アメリカでは2、3年に1回の接種頻度を推奨しているんですよぉ。それは日本の猫のワクチン接種率が全体の10~20%なのに対して、アメリカでは50%以上もの接種率があり、ウイルスの汚染状況などが違うからと言われているんですよねぇ。

ワクチン接種後の副作用について

ワクチン接種は一時的ではありますが、軽い感染状態にすることで免疫をつけていきます。そのため猫によっては体調を崩したり、アナフィラキシーショックを起こす場合も。以下では副作用の主な症状や守りたいポイントをご説明します。

  • 副作用の主な症状
  • 接種した当日は猫の様子をしっかり見守る
  • 命に関わるケースもあるのですぐに動物病院へ連絡を
  • なるべく時間的余裕がある日にワクチン接種を行う

副作用の主な症状

ワクチン接種によって現れる副作用の症状は主に以下のものがあります。

  • 嘔吐、下痢
  • 発熱、元気消失
  • 痒み、じんましん
  • 注射部位のしこり(肉腫)
  • アナフィラキシーショック(急性の虚脱、呼吸困難、痙攣、体温低下など)

接種した当日は猫の様子をしっかり見守る

どんなに元気で健康な子でも、接種後に体調が変化する子もいます。また接種後すぐに副作用の反応がある場合もあれば、数時間後に起きる場合も。接種した当日はしっかり様子を見ていてあげてください。

命に関わるケースもあるのですぐに動物病院へ連絡を

稀ではありますがアナフィラキシーショックが起きてしまう場合も。その場合は命に関わるのですぐに治療を開始しなくてはなりません。早急に行動を起こしましょう。反応は接種直後~15分後に起きることが多いですが、なかには30分以降に反応がでる子もいます。
ワクチン接種後はすぐに帰らないで、15分前後は病院内または病院にすぐ戻れる距離で待機して様子を見るほうがよいでしょう。

なるべく時間的余裕がある日にワクチン接種を行う

副作用が出る時間や症状は猫によって違います。しっかり様子を見るためにも、できれば午前中に接種して、午後は家で猫と一緒に過ごせるようなスケジュールを立てられるといいですね。時間に余裕があれば飼い主が落ち着いて対応できるだけではなく、動物病院が開いている可能性も高いので安心です。

よくある質問

ワクチンはどこに打つの?

猫のワクチンは一般的に後ろ足に打つことが多いです。稀ではありますがワクチン接種部位に腫瘍(しこり)ができ、ワクチン接種部位肉腫を起こす場合があります。その万が一の際には外科手術で腫瘍(しこり)を取り除く必要があるため、首元などではなく足に打つことが一般的となっています。

ワクチン接種をしなかったらどうなる?
ワクチン接種は法律で義務付けされているわけではないので、接種しなかったらどうなるということはありません。なおペット保険では、ワクチンで予防できる病気にかかった時に「ワクチン接種していなかった場合」は保険適応の対象外となります。ペット保険導入をお考えの人や、すでに入っている人は注意しましょう。
ワクチン接種をしたら絶対に感染しない?
人間のインフルエンザワクチンと同じく「ワクチンを接種したから100%感染はしない」と断言はできません。しかしワクチンを接種することにより、感染時に軽めの症状で済んだり、治るまでの期間が短縮されるなどといった効果が期待できます。
ワクチンを打った場所にしこりが・・・どうしたらいい?
「ワクチンはどこに打つの?」でもご説明しましたが、稀にできてしまうしこり。ワクチン接種した部位にしこりができたら、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。しっかり診察してくれるのはもちろん、定期的な追加接種をする際に、場所をずらしてくれるなど工夫してくれるでしょう^^。
ワクチン費用はペット保険の対象になる?

ペット保険は基本的に「病気の予防」に関しての補償はありません。よってワクチン接種の費用は対象外となります。

猫ねこさん
今回はワクチン接種がいかに安心を得られるものか、よく分かって頂けたんではないでしょうかぁ。
はいっ。勉強になりましたっ。大きな病気にはなりたくないので、がんばって接種したいと思います。
クロベエ

まとめ

今回は大切な猫を守るためのワクチン接種についてのお話しでした。感染症は風邪のような軽い症状から、完治に時間のかかるもの、命に関わるものまであります。我が家の猫のためにも、ほかの猫のためにも、定期的なワクチン接種をしていきたいですね。

  • 感染経路は様々!室内飼いでもワクチン接種は受けましょう
  • ワクチンで予防できる病気は6種類
  • 代表的なのは3種混合ワクチン
  • ワクチン費用は種類や地域によって異なるが1回約4,000円~7,000円
  • 生後2〜3ヵ月以降に1回目を打ち、頻度は年1回推奨
  • 副作用は嘔吐、下痢、発熱、アナフィラキシーショックなど
  • 接種当日はしっかり様子を見て何かあればすぐに動物病院へ
  • 時間に余裕をもって、できれば午前中の接種がおすすめ
猫ねこ部編集室 ライター ほりえかよこ
この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター

猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。

猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。

獣医師 平松育子
【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子

京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中