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猫共生型マンションってどんなところ?~ネコリパ不動産取材

2019-06-24

猫ねこさん

ネコリパ不動産について

ネコリパ不動産は、保護猫カフェ「ネコリパブリック」と、不動産管理会社「イノーヴ株式会社」が共同で立ち上げた不動産紹介Webサイトです。サイトを通してお部屋探しをすると、仲介手数料の一部が「ネコリパブリック」の保護猫活動に充てられるという斬新な仕組みになっています。

今回は、イノーヴ株式会社の葛西さん(ご自身も3匹の猫を飼っている無類の猫好きさん☆)に、猫共生型物件についていろいろとお話をお伺いしてきました。

猫不可物件が保護猫を引き取る障壁に

猫ねこ部
ネコリパ不動産を立ち上げたきっかけについて教えてください。

葛西:弊社はもともと、マンション管理と開発を事業主体としている会社でして、日々全般の管理のほかに、コンセプト物件の企画・開発も行っています。

そこで新築の猫共生型物件を企画することになりまして。私の場合猫が大好きで長く飼ってたので、なんとなく分かることもあったんですけど…。でも、たくさんの猫を飼う際に必要な環境について、私ひとりでは想像しきれないところがあって。

ここは、たくさんの猫を見ている人の意見を聞こうとネコリパブリックさんにお邪魔したのがきっかけですね。

猫ねこ部
ネコリパブリックさんとはどんなお話をされたんですか?

葛西:いろんな話を伺ったんですけど。。。ネコリパブリックさんにいる保護猫を引き取りたいという方はいるけれど、いざ物件を探すと全然見つからず心折れて諦める方もいらっしゃるという話を聞いたんですね。ペット不可や猫不可の住宅が譲渡の障害になっている、と。それはなんてもったいないんだろうと思いました。

猫ねこ部
そこで共通の思いが重なり合ったと。

葛西:そうですね。猫と住める物件が増えていけば、保護猫を引き取ってくれる方も増えていきますよね。

ネコリパ不動産を立ち上げることで、まずは猫物件に対する高いニーズを業界に認知してもらいたいという思いがありましたね。

猫物件で広さを求めると、今までは「古くて駅から遠い物件」が多い傾向だったんですね…。でも「駅近で、賃料はそれなりにかかるけれども、綺麗で猫と暮らしやすい」そんなお客さんのニーズに沿った猫物件が増えていくきっかけになるんじゃないか。。。そう思って立ち上げをしました。

猫ねこ部
ネコリパブリックさんとは具体的にどのような連携をされているんですか?

葛西:PR活動をお手伝いしていただいたりとか、店舗に物件情報のチラシを置かせてもらったり。お客様に啓蒙していただくお手伝いをしていただいています。

サイトを通じてお部屋探しをして、仲介手数料が発生した場合には、その一部をネコリパブリックさんにバック。猫ちゃんたちのごはんになるような仕組みを作ってます。

猫ねこ部
お客様の反響はどうですか?

葛西:当サイトで物件を探されて実際に住み始めたあとに、ネコリパブリックさんに行かれて、どの子と暮らそうか検討して下さるお客様がいらっしゃると嬉しくなります。もちろんご縁なので、どんな猫さんと暮らすかはお客様の自由で、必ず保護猫と暮らして頂くよう求めるものではありません。

猫物件自体の絶対数が少ないので、まだ思うように進んでいないところもありますが、ひとつ保護猫と暮らすためのツールが増えたと思って頂けたら。

猫の幸福度の高いお部屋だけを紹介

猫ねこ部
ネコリパ不動産で大切にされているのはどんなことですか?

葛西:すごくいっぱいあるんですけど…。極端に狭い部屋、全室曇りガラスの日当たりの悪い部屋で猫を何匹も飼っていいですよ、なんて物件もあるのですが、もしそんな物件を紹介しても、結局猫の快適さを重視する飼い主さんには選ばれにくいんです。

猫さんの幸福度が明らかに低いお部屋はご紹介しないように気を付けています。

猫ねこ部
掲載する物件はすべて見てまわっているんですか?

葛西:可能なかぎり自分の目で見て大丈夫です!っていうところだけを掲載するようにはしています。

猫ねこ部
ということは、掲載物件は東京が中心ですか?

葛西:そうですね。今のところは東京23区と横浜方面が多いです。

ただ、地方の大家さんから載せてほしいとお問合せをいただくこともあるので、その際は写真を頂いてお話を伺って掲載することもありますね。今までですと札幌、大阪、名古屋とか。大阪など大都市の物件はすぐに埋まりました。

ゆくゆくは、転勤で猫を連れていけない方の対応もできるようになりたいなと思っています。

猫ねこ部
転勤族で猫を飼う、しかも多頭飼いとなるとなかなか大変ですよね…。引っ越しなどの問題もありますし。

葛西:そうですね。急な転勤だと、遠くから来て1日でお部屋を決めなきゃいけない、ってことも多いですよね。そのなかで猫物件となると本当に絞られちゃう…。もうここしかないです、というケースも。

猫の性格をよく考えることが大切

猫ねこ部
猫共生型物件を選ぶときのポイントや注意点はありますか?

葛西:ひとつ言えるのは猫ちゃんの性格にあったお部屋を、ということです。

猫さんの性格は10ニャン10色。猫ちゃんの性格を分かっているのは飼い主さんだけなので、その子にとっていい物件かどうかっていうのを見極めてほしいなと思いますね。健康状態や過去にどんなストレスを感じていたかなのを踏まえて、積極的に情報収集してほしいと思います。

猫ねこ部
これがあれば安心!なんてことはないんですね。

葛西:そうですね、正解はないんです。例えばパーフェクトな猫設備でも、音が怖い子なら、大通り沿いや線路沿いは気に入らないかもしれません。脱走癖がある子なら、脱走防止用の扉などは必須です。また、キャットステップ付きの物件が目立ちますが、高齢や足の悪い子には必要のない設備になります。うちの子が喜びそうか、快適かをまず考えてみてほしいですね。

ただ設備的な問題で気をつけた方が良いことも…。

最近、通販でフードや猫砂を買う人も多いと思うんですが、部屋から宅配ボックスが遠くて、重い荷物を運ぶのに苦労された方がいらっしゃいました。特に女性は注意が必要ですね。

feel CnBではソフトタイプの宅配ボックスを入居者の方に差し上げているので、玄関先まで届くようになっていますよ。

退去時の費用についての説明をきちんとしてくれる業者さんを選んで

猫ねこ部
猫物件の場合、退去時の費用を気にされている方も多いと思うのですが…。

葛西:個人的には、退去時の費用は猫と暮らす上での必要経費だと考えて覚悟をしています(笑)。猫を飼えば、大なり小なり清掃や修繕費用は発生するので。

しかし、退去時にどこまでが借主の負担になるのかちゃんと説明をしてもらえるかどうか?は、借りるときに意識した方が安心です。

猫ねこ部
いくら対策をしてても、絶対壊れないわけではないですもんね…。退去時のことまでしっかり考えておく必要がありますね。

葛西:そうですね。。。これは私の経験なのですが、ある部屋を退去する際、びっくりした事がありました。

個人的には、壁紙の貼り替えは飼い主の責任としてある程度覚悟していたので問題無かったのですが、立会に来た担当者さんが、貼り替えた壁紙の上に、さらにペット用のコーティングをするので、あと10万円追加で必要です、とおっしゃいまして。

ちょっと意味が判らなかったので、「そういうご契約でしたっけ?」と契約書の再確認をしようと書類を開いたら、先方が「あっ、やっぱりいいです」と撤回されまして。「10万円要らないんかーい!」と心のなかでツッコミましたよね。

入居時にしっかり説明してくれる業者さんに出会うのが大事だなーと思った出来事でした。

もちろん、猫さんと一緒に暮らすうちに、猫さんが高齢になって、又は病気で頻繁にトイレを外すようになり、お部屋に深刻なダメージを残すこともあるかもしれません。その時、飼い主さんが落ち着いて責任を取れるように、あらかじめ心とお財布の準備をしておくことは必要ではないでしょうか。

猫共生型物件はより猫目線で作られている

猫ねこ部
猫共生型とペット可物件の違いは何ですか?

葛西:猫共生型物件は、より猫目線で作られています。ペット共生型と共通点も多いですが、例えば脱走防止扉がついている物件はみなさんテンションが上がられるようですね。

特に猫の場合、犬に比べてオシッコのアンモニア臭が強いですよね…。臭いや爪に強い床や壁、こもりにくいような風の通りが計算されているかなども大切です。そういったお部屋は猫さんにとっても人間にとっても快適なのではないでしょうか。

猫と暮らせる物件を増やしたい大家さんをサポート

猫ねこ部
ネコリパ不動産の今後の目標は?

葛西:お客様への物件紹介と並行して、猫と暮らせる物件を増やす努力をされている大家さんをお手伝いしていきたいと思っています。それが将来猫物件を増やすことにつながるはずなので。

建築計画中の図面を拝見して、アドバイスをさせて頂くことも増えました。その際、募集に重要なポイントでの意外な盲点に気づかれる大家さんもいらっしゃいます。大家さんの賃貸経営がうまくいけば、あとに続く大家さんも現れると思います。しばらくは、いい猫物件を増やしていくことに力を入れていきたいですね。

優先順位を決めて

猫ねこ部
最後に猫と暮らせる賃貸物件をお探しの方に向けてメッセージをお願いします。

葛西:賃貸で猫と暮らせる物件に巡り合うのはまだまだ困難です。少しずつ増えてはいますが、物件の絶対数が圧倒的に少ないんですね。

ですから、ご自身にとって何を優先されるかを絞っておいていただきたいなと思います。例えば、駅からの徒歩分数なのか、広さなのか、水回りなのか、それとも日当たりなのか。すべてを満たすことは難しいです。例えばこのエリアでと決めていてもそこにはないっていうのが現状ざらにありますので…。

また、先程述べた通り退去時の原状回復費用も含めて引っ越しに必要な資力は充分かどうかも考えておくべきです。残念ながら、猫飼いさんにとって物件選びの選択肢は多くないので、いろいろと覚悟しておかなきゃいけないこととか、捨てなきゃいけないことって普通のお客様よりもたくさんあるんですけど、、、。

でも、それにしたって猫との暮らしは楽しいことの方が多いじゃないですか?捨てるんだったら、猫との暮らしを捨てるんではなくて、ご自身のちょっとしたこだわりを捨ててみることも含めて、幅広く探すことが幸せな日々への近道につながります

皆様がご自身にご縁のあったお部屋で、その子との長いようで短い日々を充分に楽しめるよう願っています。

 

今年の秋にはまた猫専用物件のリリースがあるとのこと。
飼い主さんと大切な猫さんにあうおうちに巡り合えたら、今よりももっと幸せな猫ライフを送れるのではないでしょうか。

ネコリパ不動産
公式サイト:https://necotofudousan.com/

猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。