- われわれ猫はひとりでぷらぷらお出かけするのは好きですが、人とお出かけすることってあまりないんですよねぇ。だからそもそも車には慣れていないんですぉ。
お引っ越し…病院…旅行…など、さまざまな理由から我が家の猫さまを車に乗せなくてはいけない「ドキドキのお初車乗せチャレンジ」が迫っている飼い主さん。「どうやって乗せるの?」「そもそも嫌がるよね?」「え、酔わないの?」など疑問は尽きないことと思います。
そこでそんなみなさんへ向けて猫を車に乗せる際の注意点をまとめました。自家用車の場合、バスの場合、タクシーの場合の3つに分けてご紹介していきます。
しっかり準備して、ストレスのない楽しいドライブを!
猫って車に乗せても大丈夫なの??
猫を車に乗せることは法律で禁じられているわけではないので、ルール的にはOK。でも車に乗るのが得意な猫ってなかなかいません。
できるだけストレスをかけないよう、しっかり事前準備をしてあげましょう。
猫を車に乗せるときの注意点
猫と乗る車というと以下の3つ。それぞれポイントをご紹介していきますよ。
- 自家用車
- バス
- タクシー
自家用車
自家用車はもし汚してしまっても後から自分で掃除をすればいいし、荷物も事前に積んでおけるので、上記3つの中では一番気が楽な乗り物ではないでしょうか。
でも自宅の車だからと言って猫をそのまま乗せるのは危険。猫の安全を守ってあげられるキャリーケースやハーネスなどが必要となります。さらに慣らし、休憩、車酔い…様々なことに気を遣ってあげてくださいね。
用意しておきたいもの
- キャリーケース(急ブレーキから守ったり飛び出し防止に。猫も落ち着きます。)
- ハーネスやリード(飛び出し防止。)
- ポータブルトイレ(ケージ内または車内に置き、休憩中にトイレタイムを。)
- 水(水分補給は必須。)
- フードやおやつ(緊張で食べられない子も多いですが持参しておく。)
- 汚れ防止のペットシーツなど(あらかじめシートに敷いておくと◎。)
短い移動距離から徐々に慣らして
車に乗せる予定があらかじめ分かっている場合は、事前に短い移動距離から徐々に慣らしていってあげましょう。
そもそも室内猫は車移動に限らずお出かけ自体が苦手な子も多いもの。「徒歩でお散歩^^」ここから始めてもいいですね。慣れたら少しだけドライブしてみましょう。
外出そのものにストレスを感じなくなると猫も飼い主も楽に。小さいうちから慣れさせておくことも有効でしょう。
1.2時間に1回は休憩を
1.2時間に1回は休憩を挟み、車を止めて空気を入れかえましょう。
この時に必ずキャリーバッグに入れるか、ハーネスやリードで行動を制限しておいてください。「抱っこできる子だから大丈夫」などといった油断は禁物。いつもと違う状況に怯えたり、逆に好奇心が爆発したり…。大興奮からの脱走!となってしまう猫も。
休憩中に水やフードを与えて
休憩中に普段から使い慣れている食器で水やフードを与えましょう。緊張して水を飲むことが難しいようならシリンジを使用して、口の横から優しく流し入れましょう。嫌がる場合は口が湿る程度でOK。
車酔いに注意
猫の車酔いを見極めるポイントは、いつもよりよだれが多い、しきりに口を開けたりあくびをする、嘔吐、下痢などです。車酔いの症状が見られたらしばらく車を止めて、落ち着くまでそっとしておきましょう。
車酔いを防ぐには急発進や急ブレーキを避けたスムーズな運転が大切です。また食事は乗車2時間前までに。心配な場合は動物病院で酔い止めの処方を。
使い慣れたもので家と同じ環境に
食器もですが、家で普段から使っているものを利用して落ち着く環境をつくってあげることも大切です。使い慣れたブランケットやクッションを車内やキャリー内に入れてあげると◎。
できれば同乗者がいた方が安心
実際に運転しながら猫の様子を見て…必要であれば面倒を見て…というのはなかなか大変。何か起きた時にとっさに対応するのは危険な場合も。できれば同乗者がいた方が安心でしょう。
- 窓やドアを空ける時は特に要注意ですよぉ。絶対に脱走できないようにしてから開けてくださいねぇ。
バス
猫とバスに乗車する際の注意点は以下の4つ。
- 乗車前に各バス会社の条件を確認
- ラッシュ時を避ける
- 乗り物酔いに注意
- 乗車マナーを守る
乗車前に各バス会社の条件を確認
猫同伴のバス乗車は手回り品の持ち込み扱いで可能となっています。しかしバス会社によって、手回り品料金の有無や、キャリーバッグのサイズ規定が異なるので事前に条件を確認しておきましょう。
また細かいことは運転手さんの判断に委ねているバス会社も。
ラッシュ時を避ける
猫のためにも周りの人のためにも、通勤時間などラッシュ時に乗車するのは避けましょう。
キャリーケースは場所も取ります。またあまりに鳴いてしまったり、何かの急変でとっさに降車しなくてはならなかったり。乗車中は何が起こるか分からないので身動きの取りやすい、空いている時間がベター。
乗り物酔いに注意
乗り物酔いの注意点や対策は自家用車と同じですが、違うのはキャリーバッグの置き場所。
自家用車なら座席上に置けますが、バスとなると座席上に乗せることはマナーとして×。そうなると飼い主が席に座り、膝にキャリーバッグを乗せることになると思います。しかし飼い主が座れない場合はキャリーバックは手持ちのまま、または床へ直置きとなるので揺れは大きくなります。
手持ちで微妙に揺れ続けたり、床の振動が直に加わることで車酔いしやすい状態になるので、しっかりと様子を見続けてあげましょう。
乗車マナーを守る
一般的に周りの人からキャリーバッグの中が見えないようにしておくことがマナーです。
乗客の中には、猫が苦手な人や猫アレルギーの人も。逆に「わ~可愛い」と声を掛けてくる可能性もあり、猫にストレスがかかることもあります。タオルなどを掛けて視界を遮りましょう。
- 確かにタオルなどかけて暗くしてもらえると助かりますねぇ。なんだか落ち着くんですよねぇ。
タクシー
タクシーに猫と同乗する際の注意点は以下の5つ。
- 乗車前に各タクシー会社の条件を確認
- 乗車前にタクシーの運転手にも必ず確認
- 乗り物酔いに注意
- 乗車マナーを守る
- ペットタクシーを利用するのも○
乗車前に各タクシー会社の条件を確認
基本的にキャリーバッグに入れていれば猫を乗せることに問題はありません。しかし条件を設けているタクシー会社もあるため乗車前に確認をしましょう。
乗車前にタクシーの運転手にも必ず確認
事前にタクシー会社に確認した場合であっても、乗る前に必ず運転手さんに確認を取りましょう。運転手さんによってはお断りされる可能性もあります。
猫が苦手という理由や、匂いを気にされる運転手さん、また猫アレルギー持ちの場合も。お互いのためにもお断りされたら速やかに辞退し次のタクシーを探しましょう。
乗り物酔いに注意
乗り物酔いの対策としては自家用車やバスと同じですが、運転手さんに「猫が乗り物酔いするかもしれないので…」と急発進&急ブレーキを避けて頂けるよう、やんわりとお願いしてみるのもいいですね。「ゆっくりでもいいので」とお声がけすれば、ほとんどの運転手さんがスムーズな運転を快く心がけてくれるでしょう^^。
乗車マナーを守る
タクシーの乗車マナーとしては、当たり前ですが個室だからと言ってキャリーバッグからは出さないこと。またキャリーバッグを座席に置いてもいいか確認するなど。基本的には運転手さんの提示することに応えましょう。
消臭スプレーを持参しておいて、降車時に運転手さんに確認したうえで座席に使用してもいいですね。運転手さんによっては嫌がられたりこだわりの消臭剤を使っていたりするので、勝手に振りまくのはNGです^^:。
ペットタクシーを利用するのも○
ペットタクシーはその名の通りペットを乗車させてくれるタクシー。会社によってサービスや条件は様々です。
ほとんどのペットタクシーが飼い主も乗車させてくれますが、中にはペットだけを運んでくれるという会社もあるんですよ。遠方へのお引っ越しに利用される人が多いとか。料金もばらばらなので、一度自宅の地域にどんなペットタクシーの会社があるか調べてみるといいでしょう。
- ペットタクシーはケージを用意してくれたり、お水をくれたり、いろんなサービスをしてくれる会社もあるんですよぉ。
- わわっ、そうなんですかっ。なんだかラグジュアリーですねっ。
まとめ
やはり猫にとって車移動はちょっと苦手分野。でも飼い主さんが事前に情報を得て、しっかり準備をしておけばストレスを減らしてあげることはできるでしょう。
また車にしてもバスにしてもタクシーにしても、総合的に言える大切なことはキャリーバッグやハーネス・リードに慣れさせておくこと。すべては猫を守ることへ繋がるでしょう^^。
- 【用意するもの】キャリーバッグ、ハーネス、トイレ、フード、水、ペットシーツ
- 【自家用車】短時間の慣らし、1.2時間に1回の休憩、その際に水を。車酔い、落ち着かせることに注意を払い、できたら同乗者の確保を。
- 【バス】各バス会社に条件を確認、ラッシュ時×、車酔いに注意しマナーを守る。
- 【タクシー】各タクシー会社に条件を確認、乗車前に運転手にも必ず確認、車酔いに注意しマナーを守る。
- ペットタクシーを利用するのも○
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。
- 【監修】
一級建築士 株式会社ネコアイ代表取締役
清水満「ねこ検定」監修者 「ぺット共生マンションの適正化推進ガイドライン」監修者
愛猫との路上での運命の出会いから、猫と幸せに暮らす住宅の必要性を感じ「猫専門建築士」として従事する。
「クロワッサン」「週刊朝日」「猫びより」など雑誌掲載多数、NHK「もふもふモフモフ」TBS「サタデープラス」等に出演。
現在は猫専門の総合コンサルタントとして猫用品開発や猫イベントの企画運営など広く活動している。愛猫は4匹。