この子たちを看取るという決断は今はできないけれど、、、
すこんぶちゃんが亡くなってすぐは、また猫を飼うなんて考えられなかったという奥様。でも時間とともに、少しづつ気持ちに変化が現れてきたそう。
「うちの子を迎える、この子たちを看取るという決断は今はできないけど、、、行き場所がなくて次の里親さんに会うまでの間、安心してあったかいところでご飯を食べられる暮らしであれば提供できるかなって。」
こうして預かりボランティアとして、猫と再び暮らし始めることになった。
去年から知り合いからお話を頂いていた保護猫ボランティアの話が具体化しまして、この度預かりを始めることになりました。
— すこんぶ@預かりボラ奮闘中 (@kobcya) August 16, 2019
今は4兄弟がわやくちゃとしています。
まだ新しい子を迎える勇気はないけど、安心できる居場所を提供することはできるかな?と決心に至りました。#高円寺ニャンダラーズ pic.twitter.com/SnSp0PWGR4
4匹の保護猫たち
現在、すこんぶちゃんの飼い主さんが一緒に暮らしている4匹の猫たちは、4年ほど前高円寺ニャンダラーズのメンバーがTNR(※)をした現場近くの納屋で保護された子猫。
※TNRとは
Trap:トラップ 捕獲器などで野良猫をつかまえて
Neuter:ニューター 不妊・去勢手術をして
Return:リターン 元の場所に戻す
住人の方の協力のもと、洗濯ネットを使って、納屋で生まれた子猫4匹を無事保護。後日母猫も捕獲器で捕まえ、避妊手術を行ったそう。
こちらが保護された4兄弟。みんなとってもイケニャン&美人ニャン。
そして、こちらが現在のすくすくと成長したみなさま!
キジ白のジャムパン。
ハチワレのあんパン。
キジトラのあげパン。
そして唯一の男子、サバ白のクリームパン。
私のポンコツカメラじゃ全部残像になってしまったけど^^4匹ともとにかくパワフルで飛びまくりのひねりまくり。とにかく何しろ可愛い。
高円寺ニャンダラーズとは
公式サイト:高円寺ニャンダラーズ
公式ブログ:高円寺ニャンダラーズのブログ
高円寺ニャンダラーズは、2011年福島原発事故被災動物レスキューチームとして結成し活動をスタート。
メンバーには東京都動物愛護推進員、杉並区どうぶつ相談員が在籍。現在は、人と動物が共生出来る社会を目指して、地元杉並近隣を中心に、殺処分ゼロを目指して活動しています。また、東京都の離島・御蔵島のオオミズナギドリと猫を救うため、捕獲活動や人馴れ訓練の指導なども行っている。
猫とのお見合い「譲渡会」は月に2回。里親募集する猫には、必要なワクチンや健康診断、避妊・去勢手術などを必ず行い、預かりボランティアさんのもとでたくさんの愛情を注いで人馴れさせてからのお見合いとなる。
トライアルの前には必ずご自宅へ訪問し、脱走防止経路がないかのチェック、ケージの置き場所の確認などを行う。(ケージは指定の物を必ず設置)
▲ハンモックもニャンダラーズの手作り。ケージに慣れさせておくことで病気で隔離が必要な場合や災害時にも役立つ。
杉並区・ハナ動物病院・太田快作院長が顧問獣医師をつとめ、特に医療に力を注いでいる。
保護猫を家族として迎える選択肢を
「もともと保護活動をしてる人がいるのはなんとなく知ってはいたけど、イメージ的にすごく敷居が高いイメージがあって。例えば男性の一人暮らしは受け入れられないとか。里親会もどこでやってるのかいまいちよく分からなくて…。
でも実際里親会に遊びに行ったり、こうやって猫を預かったりしてみると、全然敷居なんて高くなかった。元捨て猫の子たちもこんなに人懐っこくて可愛い。いい里親さんのところに送ってあげたいなって気持ちが今はすごくありますね。」
「私自身、ペットショップの子を否定するつもりは全くなくて。ただ、生体販売自体は反対なんですよ。でも、もう生まれている命は、今そこのショーケースにいる子の命に罪はないじゃないですか。もしペットショップにいる子を迎えなかったら、その子たちはどうなるの?って話になってきちゃう…。」
実際、ニャンダラーズ副代表の飼っているスコティッシュは、病気の為ペットショップで売れ残り狭いケージに閉じ込められ、殺処分が決まっていた猫だったそう・・・。
「もちろん全てのペットショップがずさんな管理をしているわけじゃない。でもそういった裏事情は消費者には分からないことですよね。悪質な繁殖業者をなくすためには、免許制にする必要があるのではと思います。」
「保護猫を飼ってるから偉い、ペットショップで買ってきたからいい加減っていう図式は絶対に嫌なんです。僕たちは一般市民なんで、いきなり法律を変えるようなことはできない。。。だから自分達のできる範囲でできることをやれればと。
保護活動とかしていない人からすれば、猫がほしいってなったらペットショップに行くっていうのがどうしてもまだありますよね。だから、こういう保護猫を迎えるという選択肢もあって、すごく可愛い子達がたくさんいるんだよっていうことを少しでも発信できたらと思っています。」
猫がいる喜び、猫が与えてくれる勇気、猫を通して繋がる人々の温かさ、、、飼い主さんは猫との暮らしのなかで、日々猫から言葉では言い表せないほどの”力”を受け取っている。
そして今、そんな少しでも多くの猫たちが幸せに暮らせるようにと全力で”力”を注いでいる。
一歩ずつ、ゆっくりと。今すぐには無理でも、ひとりひとりの意識が変われば、猫を救う大きな”力”となるのかもしれない。
写真提供:@kobcya
取材協力:anicas
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。