- 自然災害、こわいですよねぇ。われわれの猫仲間でも「台風で窓がガタガタするたび震えちゃう~」って子もいるんですよぉ。今回はそんな災害のための防災グッズについてお話ししますよぉ。
日本は「災害大国」と呼ばれるほど台風や大雨、地震、火山噴火など自然災害が発生しやすい国土。特に近年は大規模な災害が相次いでおり…、各ご家庭でも防災グッズや非常袋を用意していることと思います。
しかし「猫を飼っている我が家は、さらに何を用意したらいいの?」「猫のために何を持ち出したらいいの?」と心配な猫ラバーさんも多いでしょう。
そこで今回は「猫を飼っている人が揃えたい防災グッズ」をご紹介します。みなさんの防災対策の参考にしてくださいね。
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最優先の持ち出し品
まず最優先の持ち出し品を揃えておきましょう。
いざ避難となったら猫を運ぶだけでも大仕事。猫を入れたバッグだけでも手がふさがるでしょう。猫の安全のためにも非常袋は持てて1つと考え、以下の「最優先の持ち出し品」を入れておきましょう。
- キャットフード(最低5日分)
- キャリーバッグ(できればハーネスも)
- 薬や療法食
- 猫砂
キャットフード(最低5日分)
猫は健康な成猫でも一日以上絶食すると体調が悪化し、それが2日、3日と続くと肝臓の機能が低下し命にかかわると言われています。少なくとも5日分のキャットフード(できれば7日分以上)は必ず入れておきましょう。
避難所では人の食ベ物が優先されどうしてもペットフードの配給は遅れがちになるので、配給まで災害から1週間程度かかることも。できたら1週間分の非常食を用意しておきたいところです。準備しておくフードは以下の3つ。
- ドライフード
- ウェットフード
- おやつ
ドライフード
基本的にドライフードは「総合栄養食」となるので、これだけで猫の健康が維持できるものです。また、重量に対しての栄養価が高いので、だいたい1.5~2kgくらいで1ヶ月分ほどになるので、持ち運びも便利です。(猫の大きさにより量は異なります)
賞味期限が長いのでストックとして用意しておきましょう。(賞味期限には気をつけてください)
ウェットフード
ウェットフードは重さはありますが、水分を一緒にとれるので便利。缶詰よりレトルトパウチの方が開けやすいうえに処分もしやすいでしょう。一度で食べきれないこともあるので保管しておく密閉容器もあるといいですね。(小さなタッパーでOK)
おやつ
避難時は環境が変わりごはんを食べなくなってしまう猫も多いもの。そんな時におやつがあると便利です。体力や免疫力の低下を防ぐためにも少しでも口にしてもらいましょう。
キャリーバッグとハーネス・ペットシーツ
キャリーバッグは主に以下の3つの種類に分かれます。多頭飼いの場合は頭数分用意しておくのがベスト。
またハーネスは飛び出し防止になります。嫌がる猫も多いかもしれませんが行方不明など思わぬ事故を防ぐことに役立ちます。どのバッグを利用するにせよ避難時は「バッグ+ハーネス」と考え、バッグの中に1本忍ばせておくといいでしょう。
もしもに備えてバッグの中にはペットシーツを敷いておくと安心です。
- クレート型
- ショルダー型
- リュック型
クレート型
クレート型は主にプラスチック素材でできており、重さはありますが粗相をしてもお手入れがしやすいのが特徴です。コンテナ型と呼ばれることも。
プラスチックなので非常時に衝撃を受け壊れたり扉が開いてしまうこともあります。避難時は猫を入れたら扉をガムテープで貼り運び出しましょう。
ショルダー型
ショルダー型は肩に掛けられるので両手がフリーになり便利です。猫と人の体を密着させることができるので、猫を安心させてあげられるという特徴も。甘えん坊の子に◎。ただ暴れる猫には不向きです。
リュック型
リュック型も両手がフリーになり便利。ただし避難バッグ自体がリュック型なことが多いため、こちらのリュック型キャリーを選んだ場合は、避難バッグを肩掛けにするか電車通勤スタイルでよく見られる「リュックを前で背負うスタイル」で使用しましょう。
薬や療法食
避難後しばらくは動物病院に行けない可能性が大いに考えられます。持病があるなど毎日薬や療法食を摂る必要のある猫は約1週間分を入れておきましょう。必要であれば投薬のためのシリンジなども。
猫砂
後ほど説明しますが、トイレはダンボールでも代用できます。ただし、猫はとてもデリケートなのでいつものトイレでないと排泄しないことも。そういった場合に備え、使い慣れた猫砂や使用済猫砂の一部を準備しておくと良いでしょう。
おしっこを我慢すると膀胱炎を引き起こす恐れもありますので、緊急時のトイレ環境はしっかり整えてあげたいですね。
できれば持ち出したいもの
最優先で必ず持ち出したいグッズとなると上記になりますが、以下の2点もできれば持ち出したいもの。猫の安全・健康に大きく関わるものです。
- 猫の写真
- 猫の健康手帳
猫の写真
猫が迷子になってしまったときに役立つのが写真です。周りの方に協力を仰ぐ際「キジネコがいなくなりました」「白い猫を探しています」といった情報だけではなかなか探しだせないもの。「額に黒い毛が混じっている」といった特徴ができるだけ写っている写真があるといいでしょう。
スマホになら写真があるという方は多いのですが、避難時にプリントをすることは難しいので事前に用意しておくことが大切です。
猫の健康手帳
避難時は動物病院や保護シェルターなどに預ける可能性もでてきます。健康状態を記しておく「健康手帳」を用意しておくといいでしょう。記しておきたい情報は以下です。
- 飼い主の情報(住所、氏名、電話番号など)
- 病歴(過去の病歴やワクチン接種歴も)
- 健康状態(気を付けることもあれば記しましょう)
- かかりつけの動物病院(病院の住所、電話番号も)
すべての猫グッズを持ち出さなくてもOK~代用可能なもの
生活に必要なもの全てを持ちだすことは難しいので代用できるものをご紹介します。
- 猫トイレ
- フード皿・水皿
猫トイレ
猫のトイレはダンボール・ゴミ袋・土や砂or新聞紙があれば代用できます。
作り方は簡単。ダンボールにゴミ袋を敷き、土や砂を敷き詰めるだけ。新聞紙を手で細く切り裂いて入れ込んでも可能ですよ。
フード皿・水皿
フード皿・水皿は地味ではありますが必ず必要なもの。しかしペットボトル・牛乳パック・新聞紙・紙があれば作ることができます。
ペットボトルは側面を切り取ることで、牛乳パックは縦半分に真っ2つに切ることでお皿・水皿の代わりに。また新聞紙や紙でも以下のように折り、ポリ袋やラップを敷けばお皿・水皿に。できればフード用・水用の2つあると便利。
あると便利!人にも役立つものも
その他で、必ず必要ではないもののあると便利なものをご紹介します。
- カッター
- 布(ガム)テープ(ケージの補修、段ボールハウス作り、動物情報の掲示などに)
- 新聞紙
- 油性ペン
- ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など)
- ビニール袋(排泄物の処理など)
- ポリ袋、ラップ
- タオル、毛布
- 粉状スポーツドリンク
- 救急セット
- 飲料水(※猫の飲料水としては軟水を。硬水はミネラル分が多く尿結石を引き起こす可能性が。)
- 消臭剤
- 使い捨てカイロ
- 洗濯ネット
- お気に入りのおもちゃなど匂いのついたもの
避難用持ち出し品の収納場所
非常袋は一箇所に置かずに優先順位別に家の数箇所に置いておくのがポイント。またせっかく用意してもいざ必要な時に「どこにしまったっけ?」とならないよう、収納場所を家族で共有しておきましょう。
収納場所
収納しやすく持ち出しやすい場所は主に以下の4つ。
- 玄関
- クローゼット・押し入れ
- 屋外倉庫
- 自家用車
玄関
最優先の持ち出し品は玄関がおすすめ。壁面フックなどを使って掛けておくとすぐに持ちだせます。
また玄関に物を置きすぎると、いざという時にどれを持ちだせばいいのか混乱したり、避難の妨げになることも。玄関の整理は普段から心掛けたいですね。
クローゼット・押し入れ
クローゼット・押し入れの取り出しやすい手前に置いておくのも◎。また最優先ではなく「できれば持ち出したいもの」をしまっておくのにも向いています。
普段使うものではないのでつい奥底にしまい込みたくなりますが、手前に置いておくといざという時に慌てませんよ。
屋外倉庫
屋外に倉庫がある人はそちらに置いておくのもおすすめ。家が崩壊してしまっても取リ出せます。すぐに持ち出さなくてもいい避難用大型ケージなどがある場合はこちらに置いておくといいでしょう。ただしフードは高温や湿気に弱いので屋内がベスト。
自家用車
自家用車に収納しておくという手もあります。屋外倉庫同様、家が崩壊してしまっても取り出せます。ただキー自体がなければ取り出すことができないので注意してください。
猫と非常用グッズを持ち出す際のポイントは?
猫と非常用グッズを同時に持ち出すことは簡単ではありません。少しでもスムーズに運べるようポイントを以下にまとめてみました。
- 両手はなるべくフリーに
- 誰が何を運ぶか決めておく
- 荷物は女性10kg、男性15kg以内に
- スムーズに持ちだすために普段から工夫を
両手はなるべくフリーに
非常事態にはどんな危険が降りかかるか分かりません。避難時には両手はなるべくフリーにしておきましょう。背負えるものは背負い、斜め掛けできないバッグはあらかじめショルダーベルトを装着しておくなど工夫を。ショルダーベルトは手芸店やネットショップで購入できます。
誰が何を運ぶか決めておく
「避難時に家族がいた場合には誰が何を運ぶか」といった担当を決めておきましょう。特に多頭飼いの場合は手分けが必要です。
逆に自分1人だった場合のことも考え「どれをどう運ぶか」などシミュレーションしておきたいですね。
荷物は女性10kg、男性15kg以内に
ついあれこれ持ち出したくなりますが、実際に運べる量は限られています。
目安として女性10kg、男性15kg以内にしておきましょう。もちろん猫の体重&キャリーバッグの重さも入れて計算してくださいね^^。
普段からできる工夫
スムーズに避難するために普段からできる工夫はたくさんあります。
- ケージに慣れさせておく(普段から身近に置いておき自由に出入りさせておくのがポイント)
- 徒歩ルートの確認(避難所までのルートをいくつかシミュレーションしておくと◎)
- 脱走の可能性も考えマイクロチップや迷子札を(迷子札には名前・性別・去勢有無・生まれ年・飼い主の情報などを)
関連記事:マイクロチップのメリット・デメリット
よくある質問
- 普段からの備えが大切ということがよく分かりましたねぇ。
- そうですねっ。避難グッズには優先順位があることも勉強になりましたっ!
まとめ
今回は猫飼いの皆さんに揃えて欲しい避難グッズをご紹介しました。
事前に準備できることはたくさんあります。「猫を守ってあげられるのは飼い主さんだけ」そう考え、しっかり備えていきましょう。
- 最優先に持ち出したいもの…キャットフード、キャリーバッグ、薬や療法
- できれば持ち出したいもの…猫の写真、猫の健康手帳
- あると便利なもの…カッター、布(ガム)テープ、新聞紙など
- 収納場所…玄関、クローゼット・押し入れ、屋外倉庫、自家用車に
- フードの賞味期限切れを防ぐためローリングストック法を
- キャリーバッグやケージ避難所でも寝床にもなる
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。