手作りで猫のご飯を作る場合はまずこちらをお読みください。
- 手作りの猫ごはん、、ンフフいいですねえ~ 猫ねこも大好きです…!
- キャットフードも美味しいですけど、お肉やお魚をそのまま食べられるなんて贅沢…!
- そうでしょぉ~。手作りのご飯の良いところは猫の好みに合わせられること、水分もしっかりとれること。何より素材そのものが食べられて私達も大喜び
- いいことづくめですね!もちろん飼い主さんは大変かもしれませんが。。。
- 保存も冷凍なら1ヶ月ほどできますし、作り置きも可能ですよお。それでは猫の手作りご飯の概要からご紹介していきましょう。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
手作り猫ご飯について
まず、こちらの手作り猫ご飯ですが、猫と飼い主さんとのコミュニケーションを目的として掲載させていただいております。
基本的には総合栄養食であるドライフードを食べていただき、以下のような場合に手作り猫ご飯をご利用いただければと思います。
- どんなキャットフードを与えても食いつきが悪い
- 水分をあまり取らない
- 歯が悪くてドライフードは食べることができない
- 子猫の離乳食
- 猫へのご褒美
関連記事:
手作り猫ご飯の基礎知識
- 猫の食事を作るにはまず猫がどういった生き物なのかを知りましょう
猫は「完全肉食動物」
猫は「狩りをした動物を丸ごと食べる」動物です。
そういった意味で「完全肉食動物」とされており、これは「肉だけを食べる」という意味ではありません。
猫はやや雑食気味
猫は古来から人間と共に生きてきた動物でもありますから、人間に餌を施されても来ています。
それゆえ人間のご飯に適応しつつ共存してきたため、やや雑食の性質を持っています。
勿論肉類のたんぱく質抜きには生きられませんが、極端に肉類だけの生活だけでも成り立たない動物です。
それは前述の「狩りをした動物を丸ごと食べる」という理由があり、例えば食べた動物の腸内に消化しきれていなかった植物も一緒に食べてしまうのです。
また、内臓や骨などビタミン、カルシウムなども摂取しますので、たんぱく質以外の色々な栄養分も摂取しながら生きているのです。
ただ、猫を飼うとしてまるごとの小動物を与えるということが現実的ではないですよね。
そういったことから、キャットフードは手軽で猫が生きていく上での必要な栄養を補える食事と言えるのです。
ですが、猫にも色々と好みや体質もあり、キャットフードをあまり食べない子もいます。
たまのご褒美やコミュケーションツールとして、猫に合わせた手作りのご飯をご活用ください。
関連記事:猫の食性と理想的な食事
猫の食事の基本
- 猫の食事の基本的なバランスと必要な栄養素についてみてみましょう~
食事の基本比率
猫の食事の基本は
です。
猫はたんぱく質を糖分に変えるため、たんぱく質を多く必要とします。
以下、猫の1日当たりの必要な栄養素量をご紹介します。
一日当たりの猫の栄養必要量(体重1kgあたり)
たんぱく質 | 7.0g |
脂質 | 2.2g |
カルシウム | 0.25g |
塩化ナトリウム | 0.125g |
鉄 | 2.5mg |
ビタミンA | 250IU |
ビタミンD | 25IU |
ビタミンE | 2.0IU |
猫と炭水化物
猫は多くの炭水化物を消化できませんが、猫に穀物を摂取させると病気になる、といったことではありません。
炭水化物が無くても「たんぱく質を糖に変えることが得意」なので、穀物が無くても生きていけるのです。
つまり、「炭水化物を摂取させると危険である」ということではなく適応能力があるかどうかですので、多少食べさせていて問題が無ければその子に合った食事なのです。
ただし、基本的に猫はたんぱく質を多く必要としますのでベジタリアンにはなれないことだけ覚えておいてください。
関連記事:猫に炭水化物は必要?
キャットフードの成分と食物の関係
- キャットフードに含まれる成分がどんな食物に含まれるかをご紹介しますよお~
たんぱく質 | 肉・魚・豆 |
脂質 | 鶏皮など脂肪の多い部分 |
粗繊維 | 野菜類(にんじん・さつまいもなど) |
粗灰分 | 野菜・海藻・大豆 |
ビタミンA | レバー |
ビタミンE | 油脂類・種実類・かぼちゃ |
ビタミンB1 | 豚肉 |
ビタミンB2 | 卵・肉 |
カルシウム | 海藻・骨・小魚 |
リン | 肉・魚 |
ナトリウム | 肉・魚 |
マグネシウム | 肉・魚 |
酵母エキス | チーズ |
ミネラル類 | 小魚・海藻 |
塩素 | 肉・魚 |
コバルト | 動物性食品(鶏肉など) |
銅 | レバー・桜エビ |
鉄 | 赤身の肉 |
ヨウ素 | 海藻 |
カリウム | 肉・魚・豆 |
マンガン | 海藻 |
亜鉛 | レバー |
アミノ酸類 | 肉・魚 |
タウリン | 魚介類 |
メチオニン | 卵・肉・魚類 |
ビタミン類 | 緑黄色野菜 |
ビタミンB6 | 卵・肉・魚介類 |
ビタミンB12 | 卵・肉・魚介類 |
ビタミンC | 野菜 |
ビタミンD | イワシ・カツオ・レバー |
ビタミンK | 鮭・納豆 |
コリン | 豚肉・牛肉 |
ナイアシン | レバー・豆類 |
パテントン酸 | レバー・卵 |
ビオチン | レバー・大豆 |
葉酸 | 葉物野菜(小松菜など) |
手作り猫ご飯の基本
- 上記を踏まえつつ、、手作り猫ご飯のポイントをご紹介しますよぉ。皆さんメモしてくださいね~
①タウリンは必須アミノ酸であり、動物性たんぱく質が必須。
肉・魚(精肉+内臓)を主食とし、全体の50%~80%にしましょう。
野菜と穀物はその残りを等分したくらいで配合。
②必須脂肪酸はリノール酸(オメガ6脂肪酸)・リノレン酸(オメガ3脂肪酸)・アラキドン酸
リノール酸=植物系の油(ヒマワリ油、コーン油、ゴマ油など)
リノレン酸=マヨネーズ、なたね油、大豆など
アラキドン酸=鶏卵、わかめ、豚レバーなど
③猫は炭水化物の消化能力が低い
無理して米やイモなどを食べさせなくて良い。また、配合量に気をつけましょう。
④猫はナイアシン要求量が高い
鶏肉や魚などに多く含まれているので気にして摂取できるようにしましょう。
⑤ビタミンAを摂取できるようにしましょう
レバーに豊富に含まれています。鶏肉、鶏卵などからも摂取できます。
手作りご飯への移行について
- いきなり手作りをねえ、、興味はあるんですけど私達慎重なのですぐには手をださないんですよぉンフフ。慣れるまで少しづつトライしてみてくださいねぇ~
猫は慎重な生き物ですので、手作りのご飯を出したからと言って すぐに食べてくれるとは限りません。
慌てず、焦らず徐々に慣らしていきましょう。
移行する食事の配分目安
日数 | 今までのご飯の量:手作りご飯の量 |
1~2日目 | 9:1 |
3~4日目 | 8:2 |
5~6日目 | 7:3 |
7~8日目 | 6:4 |
9~10日目 | 5:5 |
11~12日目 | 4:6 |
13~14日目 | 3:7 |
15~16日目 | 2:8 |
17~18日目 | 1:9 |
19~20日目 | 0:10 |
移行するためのポイント
①好みをさがす
食材の切る大きさ、調理法で食いつきが変わることがあります。
基本的に猫が一口で食べられるまでの大きさにしてあげて、蒸す、煮る、炒めるなど方法を変えてみて様子を見ましょう。
②香りが重要です。
調理法によって香りも変わってきます。
例えばゆでると香りが出ていってしまい、好まれない場合もあれば、生が好きな猫もいます。
香りは猫の一番の食いつきの要素ですので、好みの香りを探しましょう。
③何と一緒に食べる?
例えば鶏肉とかぼちゃの組み合わせは食べるけど鶏肉とにんじんの組み合わせは食べないといったこともあります。
好みの食べ合わせがあるか観察してみましょう。
基本の作り方
- それでは基本的な作り方の手順をご紹介しますよぉ。簡単にできますので皆さんぜひチャレンジしてみてください!
猫の食事の基本は「肉・魚」:「穀物」:「野菜」=7:2:1
猫の生態から考える基本の割合は上記です。
ですが、野菜が好きで適応する子もいれば肉をもっと食べたがる子もいます。
この割合を基本としてその子にあった食事を作りましょう。
加熱食
②肉(魚)は猫の食べられる大きさ(1cm以内くらい)に切る
肉を植物油で炒める
※野菜は生でも良いのですが、加熱したほうが好きな猫もいます。
また、炒める部分は煮る、蒸すなど、お好みで調理法を変えてみてください。
③炊いたご飯大さじ1杯(12g)と切った野菜、炒めた肉をボールに入れ煮干し粉をかけてかき混ぜて 器に盛れば完成。
非加熱食
①野菜を良く洗い、みじん切りにして植物油で炒める
②肉(魚)は猫の食べられる大きさ(1cm以内くらい)に切る
③炊いたご飯大さじ1杯(12g)と炒めた野菜、肉をボールに入れ煮干し粉をかけてかき混ぜて 器に盛れば完成。
まとめ
記事の最初でもお話しましたが、毎日の主食として与えるなら「総合栄養食のキャットフード」がベストです。なぜなら、総合栄養食は水と一緒に与えるだけで健康を維持できるよう、栄養バランスを考えて設計されているからです。
「手作りご飯だけで猫に必要な栄養素をカバーするのはとても難しい」ということだけは、しっかり理解しておきましょう。猫の健康のことを考えるなら、手作りごはんは記念日などの特別な日にときどきあげる程度、普段はキャットフードを与えるようにしてくださいね。
猫にあったキャットフードの選び方についてはこちらの記事も参考にしてください。
【獣医が教える】おすすめキャットフード選びに役立つ7つのポイント
・タウリンは必須アミノ酸であり、動物性たんぱく質が必須
・必須脂肪酸はリノール酸(オメガ6脂肪酸)・リノレン酸(オメガ3脂肪酸)・アラキドン酸
・猫は炭水化物の消化能力が低いため米や芋を必ずしも食べさせる必要はない
・鶏肉や魚に含まれるナイアシンを積極的に摂取する
・レバー、鶏肉、鶏卵などに含まれるビタミンAを摂取する
・手作りご飯への移行は少しずつ進めていく
・猫の好みの食材の大きさ・調理法を見つける
・猫の好みの香りを見つける
・猫の好みの食べ合わせを見つける
- この記事を書いた人
木原優子
猫ねこ部編集室 ディレクター兼イラストレーター/ペットフード販売士猫ねこ部を通し、より人と猫との関係が楽しく良いものになっていくようなアイデアをお届けするべく総合的な企画立案を担当。
保護猫の状況をお届けする「保護猫のわ」や猫の動画コンテストなど様々な企画やイベントなどを通して猫の社会的な立場を改善していけるよう日々尽力中。
また、猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信も行う。