保護費のためにザビエル首輪を制作
コトちゃんやモコちゃんたちがつけているのがmaiさんが手掛ける「ザビエル首輪」。なんと多いときで月1,200個も売れるという人気商品だ。
▲ハロウィン仕様〜🎃🎃
ザビエル首輪を作ろうと思ったきっかけについても伺った。
「作り始めたのは2年半くらい前ですね。保護活動を続けていたんですがやはりお金がかかるんです。最近は里親さんになってくれる方にかかったワクチン代などをいただくようにしているんですが、ごはん代やサプリメント代、電気代、、、それ以外にもいろんな費用がかかります。続けていきたいけどきついなと思うところもあって。でもやっぱり助けたい!どうしよう…。じゃあ自分たちで作ったものを売って、その売上を保護費にしようと。」
3年くらい前から猫のイベント「ねこ休み展」に出店していたmaiさん。初めの頃はうちの子(モコ&コト)のクリアファイルやポストカードなどを作っていたそうだが、そこまで大きな売上には繋がらなかったという。
「せっかくならうちの子グッズじゃなくて、自分んちの子がつけられるモノを作った方が売れるんじゃないかと思って。そういうグッズってあまりなかったんですよね。自分んちの子がかわいくなるグッズならみんな欲しいんじゃないかなと。」
「当時シュシュのような首輪はあったんですけど、それをお花のような形にしたら可愛くない?ってお母さんと話していて。。。そしたら、理系のお父さんが、つけたときにうまく広がるように計算して型紙を作ってくれたんです。その型紙をもとに裁縫の得意なお母さんがミシンでささっと作ってくれて。何度も試作を重ねて今に至っているという感じですね。私はミシンができないので指示するだけなんですが^^」
制作数が増えた現在では5人の縫い子さんにも作業をお願いしているという。
「生地選びや、仕上げの飾りボタン付け、袋詰め、梱包は私がやるので、ずっと夜な夜なやってます。生地と飾りボタンやチャームの組み合わせは全部自分で決めたくて、繊維街にはもう毎週のように通いつめてます。バックパッカーみたいなリュックにパンパンに詰め込んで(笑)」
▲この派手派手ピンクがロミちゃんのかわいさをますますひきたててます♡
最近では地方のお友達に頼んで、地方の生地屋さんに売っているボタンを送ってもらうことも。
「私、人があまり選ばなさそうなちょっと癖の強い生地を選びがちなんですよ。真っピンクとか緑にピンクの水玉とか。でも意外と好評で。最初は私の好きな柄ばかり作っていたんですけど、ちょっと地味目のものが好きな方もいらっしゃると思うし、和柄が欲しいっておっしゃる方とかもいて。じゃあちょっと入れてみようと試しに作ってみたらあっという間に売れてしまって。いろんな人がいていろんな猫がいるから、生地選びもすごく楽しいですね。」
「猫って今まで裸ん坊が当たり前だったんですよね。首輪をしても嫌がる子が多くて。だけど、このザビエル首輪はとてもゆるめに設計しているので、意外と猫ちゃんもつけてることに気づかないんです。最初は『うちの子嫌がるかも〜』って言いながら試しに一個買われる方が多いんですけど、ザビエルならいけそう!ってリピートされる方が多いんですね。毎日着せかえ人形みたいに付け替えられる猫のおしゃれアイテムは今まであんまりなかったんじゃないかと思います。」
「野良猫をゼロにしたい」という願いを込めて
maiさん家族全員の協力で生まれたザビエル首輪には、猫を想う気持ちがぎゅっと詰まっている。
そして、なによりもこのザビエル首輪にはmaiさんの「野良猫をゼロにしたい」という強い願いが込められている。
「可愛くない子なんていないんですよ。でも、お外にいるってだけで虐待されたり病気になったり、事故にあったり…。耐えられないんですよね、私。お外の猫をみんな家族にしてあげられたら、きっとみんなの宝物になると思うんです。」
▲保護猫のかわいさが伝わりますようにと同封しているカード。ファンの方が作ってくれたのだそう。
「寄付したいけどどこにしたらいいかわからないっていう相談をよく受けるんですよ。不安に感じさせないためにも、私はどこに寄付したというのを明確にお知らせするようにしています。自分んちの子につけるモノが猫の保護費になっていると思うとちょっと誇らしい気持ちになるんじゃないかなと思うんですよね。」
猫を保護したい人を後押し
maiさんのInstagramフォロワー数は現在約139,000人。DMには毎日のように保護に関する相談が寄せられるという。
「保護したい猫がいるっていう相談をよく受けますね。みんな不安なんですよ。。。保護したいんだけど自分にできるかなって。でも背中押してもらえるとやれるんですよね。『里親さん見つけるなら私拡散するから!応援してるし私がついてる!』って言うとみんなしっかりやってくれるんです。」
maiさんがお弟子さんと呼ぶ方もその背中を押されたひとり。
「元々インスタでコメントのやり取りをよくしていて、、、、ある時保護したい猫がいるんだけどガンの子で…という相談を受けたんです。『もしそのままにして死んじゃったらたぶん一生後悔する。後悔しないためにも保護してみたらどう??保護費は私も寄付できるから頑張って!』って伝えたんです。」
そんなmaiさんの言葉に彼女は保護することを決断。いまや宮古島から空輸で猫を引き取ったりするほど、精力的に保護活動に取り組んでいるのだそう。
猫が運ぶ縁
「猫が運ぶ縁ってすごく不思議で面白い。」とmaiさん。
今までたくさんの猫たちを全国各地の里親さんへとつないできた。
「みんな保護した時は本当にボロボロだったけど、今はお姫様みたいに幸せに暮らしていて。富山にも里親さんがいるんですが、譲渡して半年後に会いに行ったんです。耳が聞こえない猫だったので、どうかなと思っていたんですけど、いい家族に出会って溺愛されてて。遠くて心配だったけど本当によかったと思いましたね。
大阪にも里親さんが二組います。今度大阪のねこ休み展に行くんですが、その里親さんたちに連絡をしたら来てくれることになったんです。本当に日本中に親戚がいる感じで心強いですね。」
猫を通じていろんな人に出会うことができる。猫のおかげでmaiさん自身も大きく変わったという。
「私が大阪にひとりで行けるのも猫のおかげなんですよ。私たぶんひとりだったら大阪に行こうってまずならないので。でも今はアテンドしてくれる人が全国にたくさんできて、私ひとりでどこでも行けちゃうんだなと思って。だから猫ありがとう!って思う。」
愛おしすぎる存在~出会ってくれてありがとう
最後にmaiさんにとって保護猫とはどんな存在か伺った。
「愛おしすぎる存在ですね。尊い。本当に尊い。そのままお外にいたら生きていたか分からないんです。だから、出会ってくれてありがとうって思いますね、本当に。」
「猫が好きすぎて普通の人からすると気持ち悪いって思われるかもしれないんですけど(笑)親も最初心配してたんですよね、猫に依存しすぎじゃない?って。でも私は信念を持ってやっているから何も恥ずかしくはないですね。」
今まで64匹もの猫を保護してきて色々と大変だったこともあったのでは?と伺ったが、「猫のお世話に全然大変さは感じないですね。」ときっぱり。
すべては「野良猫をゼロにするために」。ふんわりと穏やかな雰囲気だが、その心の内には絶対にブレない強い信念がある。そんなmaiさんの想いに賛同する人はとても多い。
「お外の方が猫も自由気ままに動けて楽しいんじゃない?」もしかしたらそんなふうに思う方もいるかもしれない。
でも、小さな小さな猫にとって、外の暮らしは想像以上にハードで過酷だ。灼熱の暑さ、凍えるような寒さ、交通事故、縄張り争い、感染症、飢え、虐待、、、常に危険と隣り合わせの日々。
そんな外で暮らす猫たちの命を救うために、そして家猫として生涯大切に可愛がってもらえるように、maiさんは保護猫活動を続けてきた。そしてこれからも続けていく。
maiさんのザビエル首輪を通して、保護猫の可愛さを知った方もきっと多いだろう。
この記事で初めて知ったという方も是非周りの人に伝えてほしい。こんなにも保護猫は可愛くて尊いのだと。
ザビエラーの輪がますます広がって、少しでも多くの猫たちの命が救われますように。どんな猫にもかけがえのない命があるのだから。
取材協力:anicas
詳しくはこちら▼
https://nekonekobu.jp/category/contest_2019/
出展予定
■ねこ休み展in大阪
開催日時 | 2019年10月16日(水)~10月27日(日)10:00~21:00 |
開催場所 | 大阪市北区梅田3-1-3 ルクア9階LUCUAホール |
入場料 | 600円/3歳以下は入場無料 |
主催 | 株式会社BACON |
公式サイト | https://tgs.jp.net/event/neko-break-lucua |
■にゃんぱく~ねこの万博
開催日時 | 2019年12月21日(土)~12月22日(日) 11:00~19:00(入場は閉館の30分前まで) |
開催場所 | 東京都千代田区神田駿河台4-3 新お茶の水ビルディング5F (中央線御茶ノ水駅徒歩1分/千代田線 新御茶ノ水駅 徒歩1分) |
入場料 | 当日券800円/前売り券700円 |
主催 | 日本出版販売、産経新聞社 |
公式サイト | https://nyanpaku.com/ |
新作ザビエル登場予定!
▲レトロザビエル 1,700円(税別)
▲ハロウィンザビエル 1,700円(税別)
書籍|コトのおちり
- おちり(お尻)がキュートなコトの1st写真集
- 相棒モコとの暮らし、保護された子猫たちとの楽しい生活
- すべての猫変態に捧ぐ一冊
価格 | 1,078円 |
発売日 | 2015年12月2日 |
出版社 | 扶桑社 |
単行本(ソフトカバー) | 95ページ |
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。