- 哺乳期・離乳期の子猫は体温調節が苦手なので、体をしっかり温めることが大切。こまめな授乳に排泄のサポート、、、やることがたくさんで大変ですけど、愛情たっぷり育ててあげましょう~。
生後60日頃までは猫の哺乳期・離乳期。
母猫がそばにいてお世話してくれるのが一番ですが、そうではないケースも。
もし、そんな小さな猫を育てていくことになったら。ごはんは?トイレは?寝床は?、、、何をしてあげればいいのか分からないという方がほとんどでしょう。
そんな方のために、今回は哺乳期・離乳期の子猫の育て方をご紹介。
小さな命を繋いでいくために私たちにできること。決して簡単ではありませんが、毎日の成長していく姿を見られるのは、きっと大きな喜びとなるはずです!
哺乳期とは(~生後4週)
生後4週間頃までは猫の哺乳期。
本来なら母猫は一日中子猫に母乳をあげ、おしっこやウンチをしたらお尻を舐めて排泄を促してあげるなど、お世話にかかりっきりの時期です。ですが、母猫とはぐれたり、母猫が育児放棄してしまうケースも…。
もしもこのような子猫を拾ったら、まずは何よりも保温を。そして、子猫を温めながら動物病院に連れていき、健康状態を診てもらうことが先決です。
この時期の子猫は、食べる(飲む)・寝る・排泄が基本。低体温にならないよう保温に気を配り、子猫用ミルクをたっぷり与えて育ててあげることで、すくすくと成長していきます。
離乳期とは(生後20日頃~生後60日頃)
歯が生え始め、自力で排泄できるようになる生後20日頃から、離乳期に入ります。
最初はスープ状のものからスタートし、徐々に水分量を減らしていくことがポイント。市販の子猫用フードや離乳食を活用すると便利です。
関連記事:哺乳期・離乳期の食事
- 生まれたての子猫は小さくて本当にかわいいですよねぇ。お母さんがそばにいるのが一番なんですけどそうじゃないことも。。。もしそんな子猫を保護したら、まずは体をしっかり温めてあげてくださいねぇ。
- ぼくにもこんな頃があったなんてっ。。。生まれてしばらくは一日中お世話にかかりっきりで寝る暇もなかったり。ほんとにお母さんには感謝感謝ですっ。
育て方のポイント
哺乳期・離乳期の子猫。この小さな命を守るためには適切なケアをしていくことが大切です。
低体温にならないように
生後2週頃までの子猫は自分で体温を上手くコントロールすることができないので、低体温にならないよう体温調節をしてあげる必要があります。
子猫の体は成猫より冷たいので、毛布やバスタオルなどを敷き詰めたダンボール箱などで保温箱を作ってあげましょう。
- 生後2週間頃までは:35度
- 生後2~4週目:36~37度
- 生後4週目以降:38度前後
- 成猫:38~39度
布の下には湯たんぽやカイロ、ペットヒーターなどを。ただし、低温やけどにならないよう十分注意してください。
ペットボトルに熱めのお湯を入れてタオルなどでくるみ、湯たんぽとして使うのもおすすめです。タオル越しにじんわり温かさが伝わってくる程度が◎。冬場は中のお湯が冷めてしまうのも早いのでこまめに交換してください。子猫のそばに置いてあげれば、それを母猫だと思って安心して寄り添ってくれるでしょう。
保温箱の中の布はこまめに取り替えて清潔に。母猫の心音がわりにチクタク音の鳴る小さな時計をタオルにくるんで、寝床に置いてあげても良いでしょう。
温かい空気が逃げていかないように、箱の上は布などで覆っておくと良いですね。
排泄をサポート、歯が始めたらトイレトレーニング
生後20日頃までの子猫は自力で排泄できないので、排泄をサポートしてあげましょう。(母猫はお尻を舐めて排泄を促します)
母猫が舐めて刺激を与えているようなイメージで、ぬるま湯で湿らせたタオルやガーゼなどを使って陰部をトントントンと叩くように刺激してあげてください。ただし、こすりすぎはただれの原因になるので禁物です。仰向けは嫌がる子が多いので、なるべくリラックスできる体勢(お腹を下にした状態)にしてくださいね。
授乳の前におしっこをさせておけば、ミルクの飲みもよくなり授乳回数を減らせます。もちろん、先にミルクを欲しがる場合は、ミルクを与えても良いですよ。授乳前にあまり出なかった場合は、授乳後にも排泄を促してあげてくださいね。
歯が生え始めたら、トイレトレーニングをスタート。成猫用のトイレに高さがあって使いづらいようであれば、子猫が自力で入れる5cm程度の高さの箱に猫砂を入れて代用しても良いでしょう。
猫のトイレトレーニングは難しいものではありませんが、失敗しても焦らず根気よく、自力でできるようになるまでサポートしてあげてくださいね。
こまめに体を拭いて清潔に
母猫が子猫の体を舐めて綺麗にしてあげているように、こまめに体を拭いてあげることも大切。特に、お尻まわりやお口周りは汚れやすいので、授乳後や排泄後は清潔に。
この時期にしっかり体を拭いてあげると、子猫はグルーミングを覚えてきれい好きな猫になりますよ。
毎日体重をチェック
生まれたての子猫の平均体重は約100g。しっかりとミルクを飲み、栄養を吸収できていれば毎日5~10gずつ体重が増えます。
健康状態を知るためにも、毎日同じ時間帯に体重チェックをしましょう。測るときにはキッチンスケールを使うと細かい数値まで測れて便利ですよ。
もし、体重がほとんど増えない、または減っていく場合には動物病院で診てもらいましょう。
- 保温、排泄サポートに授乳。。。子猫のお世話は大変ですけど、毎日少しずつ成長していくのはとっても嬉しいですよねぇ。
- まだまだ体が小さくて弱いから、いきなり体調が急変しちゃうこともありますもんね。。。油断禁物ですっ。
よくある質問
生後20日頃までは腱が発達していないため、自分で爪を引っ込めることができません。ですが、自力で歩き始める頃には爪を引っ込めることができるようになるので安心してくださいね。
生後7日頃から開き始め、生後14日くらいで全開します。もしなかなか開かない、全開しないようであれば、ぬるま湯で湿らせたガーゼなどで優しく拭いてあげましょう。また、目ヤニもしっかり拭き取ってあげてくださいね。ゴシゴシこすったり無理やりこじ開けたりするのは絶対に禁物です。少しでも気になる症状があれば、動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
生まれたばかりの子猫はとても小さな体で懸命に生きようとしています。そんな子猫の命を救うためには、適切なケアをしていくことが大切です。保温、授乳、排泄のサポートをまずはしっかり行うこと。そして何よりも愛情をたっぷり注いで育ててあげてくださいね。
- 哺乳期は生後4週間頃まで
- 生まれてすぐの子猫を拾ったらまずは保温を
- 歯が生え始め自力で排泄できるようになった頃から離乳食を開始
- 体温のコントロールが上手くできないので低体温にならないように
- 保温箱に布を敷き詰めて温かく
- 寝床はいつも清潔に
- 生後20日頃までは排泄をサポート
- ぬるま湯で湿らせたタオルやガーゼでお尻を刺激する
- 歯が生え始めたらトイレトレーニングを開始
- こまめに体を拭いて清潔に
- 毎日体重をチェックして健康管理
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。