- ほとんどの猫はドライヤーを嫌がりますが、健康のためには自然乾燥よりドライヤーでしっかり乾かしてあげた方がいいんですねぇ。なるべく時間をかけずに、温度に注意しながらかけてあげるのがポイントですよぉ。
お風呂上がりは早く乾かさないと、動物は毛が多いので自然乾燥では全然乾きません。
ですが、、、見ただけで逃げ出す子がいるほど、猫が苦手なドライヤー。
その低くて大きな音や甲高いモーター音が、猫に嫌がられる原因です。
でも、嫌がるからといって自然乾燥にすると猫が体調を崩すこともあるため、なるべくドライヤーを使って乾かすのがオススメです。
今回はドライヤーを使って濡れた猫をうまく乾かす6つのコツを徹底解説!
猫がドライヤーを嫌がる理由、自然乾燥よりドライヤーで乾かした方が良い理由のほか、ドライヤーを使わずに乾かす方法についても詳しく説明します。
猫がドライヤーを嫌がる理由
外に出て雨に濡れた時やシャンプー後などに、ドライヤーを使って乾かそうとすると大暴れで嫌がる猫は非常に多いです。
ここでは猫がドライヤーを嫌がる理由について説明します。
なぜドライヤーを嫌がるかというと、以下の3つの理由があります。
- 低くて大きな音が苦手
- 人間には聞こえない高音(超音波)が聞こえる
- 以前に不快感を感じた
低くて大きな音が苦手
猫は低くて大きな音が苦手なため、ドライヤーを嫌がることが多いと言われています。
アメリカの博物学者ユージン・モートン氏によると、動物の鳴き声には以下のような共通の法則があるとしています。
【低くてうなるような声】
- 体が大きく、自分を捕まえて食べてしまう捕食動物をイメージ
- 不快、恐れ、怒りなどのネガティブな感情を表す
【高くて鼻から抜けるような声】
- 体が小さく、自分に害を与える動物ではないイメージ
- 興奮、喜びなどのポジティブな感情を表す
この法則に照らし合わせると、低くて大きな音の出るドライヤーは、猫にとって体の大きな捕食動物を連想させ恐怖を与える「物」なのです。
人間には聞こえない高音(超音波)が聞こえる
猫と人間では聞き取れる音の領域が異なります。
以下、猫と人間が聞き取れる周波数の違いです。
- 猫:6~10万ヘルツ
- 人間:1.5~2万ヘルツ
人間には聞こえない高音まで聞き取れる猫にとって、ドライヤーのモーター音はとてつもなくうるさく聞こえるのでしょう。
以前に不快感を感じた
今までドライヤーを嫌がることがなかった猫が、突然嫌がるようになった場合は、何らかの不快感を感じたことも考えられます。
例えば、ドライヤーが近すぎて熱風があたり熱い思いをしたなど。。。
猫は恐怖に感じたことや危険な目にあったことはなかなか忘れません。
そのため、一度ドライヤーを使って嫌な経験をすると、見るだけでも逃げ出してしまうことがあります。
- ドライヤー嫌いの子、ほんとに多いですよねぇ。。。かくいうワタシも昔からあの音が苦手。。。クロベエくんはどうですかぁ?
- ぼくもダメなんですっ!ドライヤーで乾かしてもらってるときに、おかあさんがうっかり近づけ過ぎちゃって。。。あやうく焦げちゃうかと(´゚д゚`)あれ以来見るだけでも恐怖なんですっ。
自然乾燥よりもドライヤーで乾かした方が良い理由
見るだけでも逃げてしまう猫にドライヤーをかけるのはとても大変です。
「そんなに嫌がるなら自然乾燥じゃダメなの?」と思う飼い主さんも多いと思いますが、濡れた猫を乾かすときには自然乾燥よりもドライヤーを使うことをおすすめします。
その理由は以下の2つです。
- 冬場は猫風邪を引き起こす可能性
- 長毛種の場合、毛玉が固まってしまう
冬場は猫風邪を引き起こす可能性
猫は寒さに弱く、寒い時期に自然乾燥させると猫風邪をひきやすくなります。
猫風邪をこじらせると肺炎になる可能性もあります。
肺炎は症状が悪化すると呼吸困難になり、最悪の場合命にかかわります。
長毛種の場合、毛玉が固まってしまう
毛の長い猫は、自然乾燥させると毛が絡まりやすくなります。
絡まったまま毛玉を放置するとガッチリと固まってしまい、皮膚炎や炎症が起きやすくなります。
ドライヤーを使ってうまく乾かすコツ
ここでは、ドライヤーを使ってうまく乾かすコツについて説明します。
ドライヤーを使ってうまく乾かすコツは以下の6つです。
- 乾かす前にしっかりタオルドライをする
- タオルドライで拭き取れなかった水分はキッチンペーパーで拭き取る
- 猫の嫌がる場所は最後に乾かす
- 乾かした後にスリッカーブラシで整える
- 両手が使えるようにする
- 熱くなりすぎないよう温度を確認しながら
乾かす前にしっかりタオルドライをする
猫が嫌がるドライヤーの時間をできるだけ短くするために乾かす前にタオルでしっかりと水気をふきとってあげましょう。
特に嫌がることの多いお尻、お腹は重点的にタオルで水気を取りましょう。
吸収性の高いマイクロファイバーのタオルを使うのがおすすめです。
タオルドライで拭き取れなかった水分はキッチンペーパーで拭き取る
キッチンペーパーは、タオルで拭きとりきれなかった水分を吸収してくれます。
短時間で乾かすためにも、キッチンペーパーを活用しましょう。
肉球の間にたまった水分も拭き取りやすいですよ!
猫の嫌がる場所は最後に乾かす
猫の嫌がる場所を最後に乾かすのもポイントです。
ドライヤーをかけているあいだにある程度自然乾燥で乾くので、ドライヤーをあてる時間を短縮でき猫のストレスも最小限に抑えられます。
お尻、お腹は嫌がる猫が多いですが、なかには顔、足、しっぽを嫌がる猫もいるため、それぞれの猫に合わせて乾かす順番を調整しましょう。
乾かした後にスリッカーブラシで整える
乾かした後にスリッカーブラシで整えてあげると、毛玉やもつれ毛をほぐしやすいでしょう。
スリッカーブラシとは、ピンがクの字に曲がった特徴的な形状のブラシで、トリマーさんもよく使っています。
毛を片手で持ち上げ、皮膚から離して毛をとかすのが使うときのポイントです。
ハードタイプとソフトタイプがありますがハードタイプの場合ひっかき傷になってしまうこともあります。
初めて使う場合はソフトタイプが使いやすいでしょう。
Petacc ペット用スリッカーブラシ
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
両手が使えるようにする
両手を自由に使えるようにすると、猫の体を抑えながら乾かすことができとても便利です。
以下のような道具を使うと効率よくドライヤーをかけられるでしょう。
- ヘアドライヤースタンド:ドライヤーを固定して高さ調節ができるスタンド
- ペット用ドライヤー:人間のドライヤーより音が静か
Nobby ノビードライヤースタンド
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 両手が使えて便利なドライヤースタンド
- NB1902・NB1902DX・NB1903・NB2501・NB2501DX・NB2503用
- ドライヤーをつけたままでも使える
価格 | 499円(税込) |
本体サイズ | 12.9×9.8×5.8 |
ドギーマン フリーハンドドライヤー
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 両手が使えるスタンド一体型ドライヤー
- 猫に嬉しい温度設計:温風高で約85度・温風低で約58度
- 上下風向き3段調整、軽量で持ち運びもしやすい
価格 | 6,097円(税込) |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 18×20×34cm |
重量 | 900g |
ワット数 | 1200w |
熱くなりすぎないよう温度を確認しながら
ときどき自分の手に温風を当てながら熱くなりすぎないように注意しましょう。
以下、人間用ドライヤーとペット用ドライヤーの温度の違いです。
人間用ドライヤーはペット用に比べ温度が高いため、体に近づけすぎるとやけどしてしまう危険性があります。
- 人間用ドライヤー:100~120度
- ペット用ドライヤー:85度
- あまりにも嫌がられると自然乾燥で、、、などとお思いになるかもしれませんが、風邪をひかさないためにもドライヤーでしっかり乾かしてあげましょう~。なるべく時間をかけずに乾かすことがポイントですよぉ。
- 特に毛の長い子は、濡れたままにしてると毛玉ができやすくなっちゃいますもんね。。。
ご褒美もあげながら、、、なんていいですね!ジュルリ。。。
ドライヤーを使わずに濡れた猫を乾かす方法
「どうしてもドライヤーができない!」という方や、猫が頑なにドライヤーを拒否する場合は、ドライヤーを使わずに猫を乾かす方法を試してみてください。
ドライヤーを使わずに乾かす方法は以下の6つです。
- 吸収性の高いタオルでタオルドライ
- ファンヒーターを使う
- こたつに入ってもらう
- 布団乾燥機を使う
- ドライシャンプーを使う
- ドライヤー付きのペットハウスを使う
吸収性の高いタオルでタオルドライ
水気を吸収しやすいマイクロファイバーのタオルを使うと、より早く水気をとることができます。
ファンヒーターを使う
冬場であれば、ファンヒーターを使うのもひとつの方法です。
温かい風を送り出して部屋を暖めてくれるため、弱いドライヤー代わりになります。
猫が毛づくろいしている間に乾いている、、、なんてこともありますよ!
ただし、低音やけどや脱水症状にならないよう注意してください。
こたつに入ってもらう
水気をしっかり拭きとったら、こたつの中に入ってもらうのも良いでしょう。
ファンヒーター同様、弱いドライヤー代わりになってくれます。
暗くて狭いこたつは猫にとって落ち着ける場所でもあるので、ストレスなく濡れた体を乾かすことができます。
ただし、こたつで乾かす場合は以下のような危険性もあるため、ときどき猫の様子をチェックすることが大切です。
- 低音やけど
- 脱水症状
- 熱中症
- コードをかじっての感電
- 人に踏まれる怪我
- 酸欠(掘りごたつの場合)
猫が安全に使えるように設計された猫用こたつを使えばより安心です。
関連記事:おすすめ猫用こたつ
布団乾燥機を使う
布団乾燥機も、濡れた猫を乾かすのに役立つツールです。
布団乾燥機には以下のようなメリットがあり、ドライヤーに比べてストレスなく乾かせます。
- 音がうるさくない
- ピンポイントで温風を当てられる
- ドライヤーより熱くない
- 両手を使って乾かせる
ドライシャンプーを使う
ドライシャンプーを使えば、猫の嫌がるドライヤーを使わずに済みます。
ドライシャンプーには4つの種類があります。
- スプレータイプ
- 泡タイプ
- パウダータイプ
- ボディシートタイプ
タオルで拭きとっても被毛にシャンプーの成分が付着していますので猫が舐めても安全な猫用ドライシャンプーを使用しましょう。
ジョイペット 水のいらない泡シャンプー猫用 200ml
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
ドライヤー付きのペットハウスを使う
ペットハウスとドライヤーが合体した「ドライヤー付きペットハウス」を使えば、手間なく濡れた猫を乾かすことができます。
ドライヤー付きペットハウスには、以下のような特徴があります。
- 温風がハウス内を循環してムラなく乾かせる
- 音が静か
- 置き型なので手間なく乾かせる
- 猫にあわせて乾かす速度が選べる
- 上面窓から猫とコミュニケーションがとれる
- 普段は猫のお部屋として使える
- 10秒で組み立て可能
Badoogi ペットドライルーム
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- シャンプー後に気持ちよく過ごせるドライヤー付きペットハウス
- 体全体をまんべんなく乾かせる
- ドライルーム内は30~40度の適温で熱くなりすぎない
価格 | 24,800円(税込) |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 72×47×48cm |
付属 | 専用バッグ、ドライルーム専用ドライヤー、ペットドライヤー送風誘導管 |
ドライヤーが好きな猫もいる
ほとんどの猫はドライヤーがあまり好きではありませんが、なかにはドライヤー好きの珍しい猫もいます。
とても気持ちよさそうですね♪
まとめ
猫がドライヤーを嫌がる理由、自然乾燥よりドライヤーで乾かした方が良い理由、ドライヤーをうまくかけるコツ、ドライヤーを使わずに乾かす方法については以下のまとめを参考にしてください。
- ドライヤーを嫌がる理由は低くて大きな音、人間には聞こえない高音が聞こえる、以前の不快な経験
- 自然乾燥は猫風邪や毛玉を引き起こすためドライヤーで乾かした方が良い
- 乾かす前にタオルドライする
- 火傷させないよう、適度に離して乾かす
- 猫が嫌がるところは最後に乾かす
- ブラッシングして毛並みを整えてあげる
- どうしても猫が嫌がる場合はドライヤーを使わないで乾かす方法を試してみる
- この記事を書いた人
中野春菜
猫ねこ部編集室 ライター
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中