- ローテーションは必ずしなきゃいけないものではないんですよぉ。頻繁に切り替えると体に負担がかかりますし、栄養バランスが崩れることもありますしねぇ。ただ、同じフードを食べ続けないことで食物アレルギーの予防にはなりますよぉ。くれぐれも食べないからといってコロコロ切り替えるのはやめましょう~。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
キャットフードは無理にローテーションする必要はありません。
しかし、アレルギー予防やアレルゲンの特定、他フードへの切り替えがスムーズなどのメリットも。
ローテーションをする場合は、体に負担をかけないよう期間を空けることが大切!
何種類かのキャットフードを混ぜて与えるのも、栄養バランスが崩れてしまうのでNG。
切り替えるときは10日間ほどかけてゆっくり進めてくださいね。
メーカーや生産国の異なるフードを選べば、何らかの事情でいつものフードを食べられなくなったときも便利です。
今回はキャットフードをローテーションする時に絶対知っておくべき6つのことを徹底解説!
ローテーションの必要性、メリット、デメリット、頻度、ローテーション用キャットフードの選び方、注意点について詳しく説明します。
ローテーションの必要性
結論から言うと、キャットフードは無理にローテーションする必要はありません。
猫に必要な栄養がバランスよく含まれている「総合栄養食」であれば、ずっと同じものを与えていても問題はありません。
ただし、ローテーションは猫にとってメリットもあります。
ローテーションのメリット
ここでは、キャットフードのローテーションを行うメリットについて説明します。
ローテーションのメリットは以下の通りです。
- アレルギーの予防・アレルゲンの特定に役立つ
- 他のフードへの切替がスムーズ
以下、それぞれのメリットについて説明します。
アレルギーの予防・アレルゲンの特定に役立つ
同じキャットフードを食べ続けていると特定の成分が体内に蓄積され、ある日突然その成分に対しアレルギー反応が出てしまうことがあります。これを食物アレルギーといいます。
フードをローテーションすることで特定の成分が体内に蓄積されるのを防ぎ、アレルギーの予防につながります。
また、ローテーション中に食物アレルギーを発症した場合、アレルギーの原因となる物質(=アレルゲン)の特定にも役立ちます。
関連記事:猫の食物アレルギーについて
他のフードへの切替がスムーズ
以下のように、何らかの理由でキャットフードを切り替える必要が出てきた場合、ローテーションをしていると他のフードでもスムーズに食べてくれることが多いと言われています。逆に、同じフードばかり食べていた猫は、他のフードへの切り替えが上手くいかないことが多いようです。
- 体調・体質・年齢の変化(肥満対策用、高齢猫用など)
- 病気治療のため療法食を与える必要がある
- 今まで食べていたキャットフードのリコール
- 災害時(今まで食べていたフードが手に入らない)
- 好みの変化で全く食べなくなった
ローテーションのデメリット
一方、キャットフードのローテーションには、以下のようなデメリットもあります。
- 消化器官に負担がかかる
- 食べてくれないこともある
- 栄養が偏る
以下、それぞれのデメリットについて説明します。
消化器官に負担がかかる
ローテーションの方法によっては猫の消化器官に負担がかかり、軟便や下痢、嘔吐などの症状が出ることがあります。
消化器官に負担をかけないためには、ローテーションの期間を空け、時間をかけてゆっくりフードを切り替えることが大切です。
ローテーションの頻度、フードの切り替え方については後ほど詳しく説明します。
食べてくれないこともある
せっかくローテーションで他のフードに変えても、ニオイや味が好みでなくまったく食べてくれないこともあります。
こればかりは猫の好みなのでしかたありませんが、このようにせっかく購入しても無駄になってしまう場合があります。
栄養が偏る
キャットフードは各フードメーカーが趣向を凝らし、猫のために味や栄養バランスを考えて作られており、そもそもローテーションで食べることを考えて作られてはいません。
ローテーションすることで逆に体内の栄養バランスが崩れてしまい、それぞれのフードの良さを活かしきれなくなることがあります。
- ローテーションは無理にする必要はないんですけど、何らかの事情で他のフードにしなきゃいけなくなったときスムーズに切り替えられるというメリットがあるんですねぇ。アレルギーの予防にもなりますよぉ。
- ぼくは初めての味でもがっついちゃうんで参考にならないかもしれないですけど、同じフードばかり食べてる子は他のフードを警戒して食べなかったりしますもんね。
ローテーションの頻度
キャットフードをローテーションする場合は、期間を空けて猫の体に負担をかけないよう注意する必要があります。
ここでは、おすすめのローテーションの頻度について説明します。
おすすめのローテーションの頻度は以下の通りです。
- 2~3ヶ月で切り替える
- 季節によって切り替える
以下、それぞれの方法について説明します。
2~3ヶ月で切り替える
ローテーションの頻度でおすすめなのは2~3ヶ月に1回のペースです。これは、新しいフードに変えて体への影響が出るのに約3ヶ月かかると言われているからです。
キャットフードを切り替えたからといって、すぐに下痢が改善したり毛艶が良くなるというわけではなく、体内の血液が入れ替わるのには時間がかかるのです。
また、例えば切り替えのタイミングで体調を崩した場合、一定期間同じフードを与えていればそのフードが原因と考えやすい点も関係しています。
季節によって切り替える
季節によって年に4回切り替える方法もあります。2~3ヶ月ごとに切り替える方法よりも、消化器官への負担が少なく済みます。
以下は、各季節のキャットフードの選び方の一例です。猫の体質や食欲、体重変化によってフードの選び方は異なります。
- 春・秋・・・換毛期で抜け毛が多い→高品質な材料を使ったフードで毛艶を強化
- 夏・・・夏バテで食欲が落ちる→高カロリー・高たんぱくなフードで嗜好性を高める
- 冬・・・寒さで運動不足になる/尿の量が減る→消化・吸収率の高いフードで少量でも栄養をとれるように/下部尿路ケア用フードで予防
ローテーション用キャットフードの選び方
ここでは、ローテーション用キャットフードの選び方について説明します。
ローテーション用キャットフードの選び方は以下の通りです。
- メーカー・生産国を変える
- グレインフリーやオーガニックなどの特徴で選ぶ
以下、それぞれの選び方について説明します。
メーカー・生産国を変える
メーカー・生産国を変えることで、「いつも食べているフードが突然リコールになった」「何らかの感染症の流行・異常気象などで原材料の入手が困難になった」などの場合にも備えることができます。
グレインフリーやオーガニック、無添加などの特徴で選ぶ
キャットフードには、グレインフリー(穀物不使用)、オーガニック(有機栽培・減農薬)、無添加などさまざまな特徴があります。
猫の体質・体調などによって、何を重視して選ぶかは異なります。それぞれの特徴をもったキャットフードのなかでお気に入りをいくつか見つけておくと、いざという時にも便利です。
関連記事:無添加【合成着色料・香料不使用】で安全なおすすめキャットフード5選
- 2~3ヶ月とか季節によってなど長いスパンでローテーションすることが大事なんですよぉ。
いろんな味を試してみたいと思うかもしれないですけど、毎日、毎週違う味、、、これは私達の体にはしんどいことなんですねぇ。
- ぼくたち気まぐれなので好みが変わって食べなくなることもありますけど、だからって頻繁に変えてしまうと体に負担がかかりすぎてしまうんですね。
ローテーションの注意点
ここでは、ローテーションの注意点について説明します。
- 短期間で何種類も切り替えるのはNG
- 飼い主の判断でキャットフードを混ぜるのはNG
- 栄養成分に注意
- フードの切り替えは10日間ほどかけてゆっくりと
以下、それぞれの注意点について説明します。
短期間で何種類も切り替えるのはNG
前述のように、キャットフードを頻繁に切り替えると消化器官に負担がかかってしまいます。
毎日別のフードを与えるという方法も当然NGです。最低でも2~3ヶ月は同じフードを与え続けるようにしましょう。
飼い主の判断でキャットフードを混ぜるのはNG
キャットフードを混ぜることで栄養バランスが崩れ、それぞれのフードのメリットを消し合ってしまいます。また、使い切るまでの期間が長くなるため、酸化が進み味や風味が落ち、栄養価が下がってしまいます。
キャットフードを混ぜてはいけない理由について、詳しくは以下のリンクをご覧ください。
栄養成分に注意
ローテーションする場合はキャットフードに含まれる成分をしっかりチェックしましょう。そのためにはある程度栄養成分に関する知識が必要です。
例えば尿路結石が気になる場合は、「カルシウム:マグネシウム:リンが適度に抑えられバランスが良いものを選ぶ」、腎臓が気になる場合は「リンの含有量が低いものを選ぶ」などです。
フードの切り替えは10日間ほどかけてゆっくりと
ローテーションをする際は、猫の体への負担を考えて、今までのフードに新しいフードを混ぜ、少しずつ新しいフードに慣らしていくことが大切です。いきなり新しいフードに完全に切り替えてしまうと、下痢や軟便などの体調不良を引き起こすことがあります。
フードの切り替え方の目安は以下の通りです。
従来のフード | 新しいフード | |
1日目 | 90% | 10% |
2日目 | 80% | 20% |
3日目 | 70% | 30% |
4日目 | 60% | 40% |
5日目 | 50% | 50% |
6日目 | 40% | 60% |
7日目 | 30% | 70% |
8日目 | 20% | 80% |
9日目 | 10% | 90% |
10日目 | 0% | 100% |
- 切り替えはとにかくゆっくりと進めるのが基本ですよぉ。フードをかえて下痢気味になるのは、たいがいいきなり切り替えてしまったことが原因なんですねぇ。
- ちょっとずつ新しいフードを足していくのがポイント、と。。。
美味しそうに食べてるからって、くれぐれもいきなり切り替えたりしないようにしないとですね。
まとめ
キャットフードローテーションのメリットデメリット、頻度、ローテーション用フードの選び方、注意点については以下のまとめを参考にしてください。
- キャットフードは無理にローテーションする必要はない
- アレルギー予防・アレルゲン特定、フードの切替がスムーズなどのメリット
- 一方、消化器官への負担、食べてくれない、逆に栄養が偏るデメリットも
- ローテーションは期間を空けて猫の体の負担にならないよう行う
- おすすめの頻度は2~3ヶ月に1度、季節による切り替え
- ローテーション用フードはメーカーや生産国を変えて特徴を見ながら選ぶ
- 短期間で何種類も切り替えるのはNG
- 飼い主の判断でキャットフードを混ぜるのもNG
- 栄養成分を必ずチェックすること
- フードの切り替えは10日間ほどかけてゆっくりと進める
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。