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猫カフェ浅草ねこ園~10周年を迎えて

2019-11-19

猫ねこさん

すべては猫の命を守るために~信頼できる人に譲渡を

涼

▲ねこ園最大のビッグボディ。ふわふわの白猫の涼くん。

浅草ねこ園には、11匹のレギュラー園児(齋藤さんのお家の子)以外に里親募集をしている猫たちがいる。ここで触れ合って家族として迎え入れたいなと思えば、希望を伝えて里親になることができるのだ。

でも、だからといってどんな人でも譲渡OKということではない。

「信頼できる人かどうかが大切。少しでも不審に思うことがあればお断りします。選ばせていただいていますね、恐縮ですが。偉そうで申し訳ないけど、やっぱりこの子たちの命に関わることですから。

譲渡条件は普通ですよ。脱走が一番怖いので脱走防止は必ず。あとは最後までしっかり愛情をかけてお世話をすること。ただご飯を水をあげて生かしておくとかじゃなく。」

闇雲に断るわけじゃなくもちろんしっかり説明はするが、人と人との関係は難しい部分もある。お断りした後に延々メールを送られ、挙げ句のはてに「あなたがよこしてくれないからアメショ買ってきた!」なんて言われたこともあったとか…。

齋藤さんとしても断ることは心苦しいし辛いと言う。でも、それでもすべては猫のため。猫の命を守るためなら自分は何を言われてもいい、と信念を貫いている。

福島で保護された猫たち

結芽

▲真っ赤な首輪がとってもお似合いな結芽ちゃん。

里親募集中の猫は、ほとんどがボランティアさんたちが保護した猫だそうだが、数年前から個人保護活動家のディア・ママさん経由でのお預かりもしているのだとか。

「ディア・ママさんは、東日本大震災直後から取り残された福島の猫たちを保護する活動を行っている方。当初は団体に所属されていたんですが、今はお一人で活動されています。団体に所属されていた時から、私も少しでも力になれたらと募金を集めては団体に寄付をしていて…。今でも募金が集まったらフードを買ってディア・ママに渡しています。

ほぼ毎週末、都内から福島まで行ってますよ、不眠不休です。猫たちは警戒心が強いので、なかなか捕獲器には入らない。だから定期的に猫たちがやってくるわけではありません。

お一人で全てやってらっしゃるのでどうしても保護した猫をお世話できる人が足りない。そこで預かりボランティアを募集して、、、今うちのお客さん含め3家族がディア・ママ支援者として活動しています。うちに入りきらない場合は、まず預かりボランティアさんのところで待機して、空きが出たら入園。うちも一人でやっているので全部受け入れるわけにいかないですし。」

今までにディア・ママさんのところから保護されて卒園していった猫たちは43匹。震災から8年が過ぎたけれども、まだまだ助けが必要な猫たちはたくさんいるのだという。

全く馴れてない家庭内野良だった子が。。。

最近は里親さんがSNSで近況報告をしてくれることも増えたとか。

「いちいちどうしてる?って聞くのも嫌じゃないですか。今はみなさんインスタで載せてくれるからありがたい。成長ぶりが見れて嬉しいですね。インスタなら海外でも見れますし。」

そんな里親さんの近況報告で、斎藤さんが一番嬉しいことはと言うと。。。

姫▲ムギくんラブな姫ちゃん。

「全く人馴れしていなかった家庭内野良の子が、2.3年たった今膝に乗るようになったんです、なんて聞くとすごく幸せな気持ちになりますね。凶暴でウーシャーパンチばっかだった子が家猫になったんだー!よかったよかったー!って。

もともと外で暮らしてた野良猫は、小さい頃からお母さん猫に人間には近づくなって言い聞かされていますからね。人間ほど危険な二足歩行の動物はいないって。子猫はちゃんとお母さんの教えを守るんです。保護されてここへ来ても、お母さんの教えをずっと守って心を開かない子もいる。お母さんの言うこと聞いていい子だなって思いますよ。でもそんな子が心開いちゃうってすごいことなんですよ。飼い主さんもよく心折れずに頑張ってくださって、本当にありがたいなと思います。」

里親がすぐに見つかるのは子猫、人懐っこい子、抱っこが大好きな子。そうじゃない大人の猫や懐っこくない子は里親が見つかるまでどうしても時間がかかるという。

でも、なかにはあえて貰い手の少ない子を、と手をあげてくれる方もいらっしゃるのだとか。「そういう素晴らしい方がいらっしゃるの。大人の子でいいんですよとか。本当にありがたいですね。」

動物愛護精神に富んでいる外国人リピーター

浅草ねこ園は、日本人だけでなく外国人のリピーターがとても多い。

「日本に寄った時は必ずうちに寄ってくれるという方も結構いらっしゃいますね。もう10回くらい来てくださってる方も。外国人の方は特に動物愛護精神に富んでいる方が多いですね。さっき来られた方はシカゴのシェルターでボランティアとして働いているという方。『ここに来たかった!会えてよかった!』と言ってくださってとても嬉しかったですね。」

イギリスやドイツ、ニュージーランドなど動物愛護の先進国では、「人間都合で動物の権利が少しでも侵されるようなことがあってはならない」という強い動物愛護の精神が国民の間に普及している。こうした動物愛護先進国ではペットショップで犬猫を販売することはない。動物愛護施設が充実していて、ほとんどの人がこうした施設から犬猫を迎えているのだ。

猫の命を何よりも大切に、そして少しでも多くの猫が幸せになるように、、、決して金儲け主義ではなく。浅草ねこ園のこうした考え方に賛同して、わざわざ足を運ぶ外国人観光客の方がとても多いのだとか。

優

▲ヤンキースのマーくん似と噂の優くん。

そんな外国人リピーターの方はときにお店のサポートも。

「ロンドンにお住まいのリピーターさんが、ボランティアで公式ホームページの外国語訳をしてくださったんです。彼の職場は世界各国の人が集まる職場だったので、彼らに頼んで自分の国の言語にそれぞれ訳してくれて。」

浅草ねこ園のホームページは英語はもちろんドイツ語、ロシア語、中国語、ウクライナ語、ポーランド語・・・などなど、なんと11ヶ国語に対応している。ここまで外国人客に親切なホームページはなかなか見かけない。これも外国人に人気な理由の一つだろう。

命をお金で買わないでほしい

「一人でやっているので何かでっかいことをやろうなんてことは考えていなくて…。この感じで、このまんまで、細く長く続けられたらいいなと思いますね。」と話す斎藤さん。

そして、猫をこれから飼いたいと思っている方にこれだけはどうしても伝えたいという。

”命をお金で買わないでほしい”

凛

▲カメラは気にせずマイペース♡カリカリーナでくつろぎ中の凛ちゃん。

「ペットショップに並んでいる子たちは可愛いよ、みんな。でもその子達の親はいったいどういう風に生まされているか…。年に何回も何匹も生まされるから、3.4歳でももう骨も歯もボロボロ。ずっと狭いケージに閉じ込められて、ただただ産ませる機械となっていた母犬は歩き方すら知らなかったんです。もう、その姿を見たとき涙がとまりませんでした。。。」

ペットショップで売られている犬や猫たちはどうやって生まれてきているのか、、、私たちは「ブリーダーによって大切に幸せに育てられ、取引される」と想像しているが、こういった惨状が今のペットショップ業界を成り立たせているというとても悲しい現実がある。

もちろんペットショップで売られているペットたち全てがこうして生まれてきているとは言えないが、こうした現状を日々見聞きしているからこそ、齋藤さんは「ペットショップなどで生き物を買うという考えに疑問を持ってもらいたい」という強い想いを持っているのだ。

では”命をお金で買う”とは、いったいどういったことなのか。

日本ではペットショップで犬や猫を飼うのが当たり前になっているが、海外ではブリーダーやペットショップの現状を踏まえ、規制がされつつある。

動物愛護先進国イギリスでは、20年も前から既に生後8週間未満の子犬や子猫の販売は禁止されている。これは、劣悪な環境で人気種を繁殖・飼育する「生体工場」の存在を緩和させるため。
2018年、その規制を8週間から6ヶ月へとさらに引き上げる法律が導入された。というのも、従来の法律は数少ない認可業者にしか適用されず、法の抜け穴を使って無認可の販売業者が横行していたためだ。
この背景にあるのは、悪徳ブリーダーにより劣悪な環境で子犬を産まされていたキャバリアの存在。長年出産を強要されていたため骨の変形や健康問題が生じ、レスキューされた3年後に死亡した。
こういった悲しい生き物たちを少しでもなくし、乱繁殖や売れ残った子犬・子猫の殺処分といった問題も抑制することが新法導入の目的である。

日本ではまだ取りざたされてないないが、ペットの販売規制の裏側にはこうした事実があるのだ。

ペットショップやブリーダーが全て悪ではないが、「産業」となると命が機械化されてしまう残酷さもはらんでいる。
需要があるから供給される。
命は様々。生まれてくる姿も様々。
でも需要側に応えるために淘汰され、機械化される命があることを知ってもらいたい。
この供給側が抱える問題を少しでも減らし、買う→産むのループを断ち切るには、”命をお金で買う”ことを私たちが知り、犬や猫を迎えるにはどうすべきかを考えることが大切だ。

猫カフェ浅草ねこ園

住所東京都台東区浅草3丁目1-1馬道妙見屋ビル6F
電話番号03-3876-3813
営業時間11:00~21:00
定休日火曜日(祝日の場合翌日)
最寄り駅からのアクセス東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩6分
東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩6分
都営浅草線浅草駅から徒歩7分
つくばエクスプレス浅草駅から徒歩9分
料金(税抜)1時間:900円(中学生以下800円)/延長料金30分 300円
最大3時間居放題1,600円(※平日のみの特別料金)
公式サイトhttps://www.asakusanekoen.com/
公式SNS・ブログTwitter→猫カフェ 浅草ねこ園
Facebook→猫カフェ【浅草ねこ園】Cat Cafe “Asakusa Nekoen”
Instagram→Cat Cafe Asakusa Nekoen
ブログ→猫カフェ浅草ねこ園ブログ 保護猫の里親募集中!
猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。