- 新中野にある保護猫カフェ「Miagolare(ミャゴラーレ)」は猫好きさんがゆっくりまったり猫と触れ合える人気の猫愛でスポット。相性のあう子を家族としてお迎えもできる里親募集型保護猫カフェなんですよぉ。
新中野駅から歩いてすぐ。商店街にあるビルの3階に猫好きさんに人気の猫カフェがある。
お店の名前は「Miagolare(ミャゴラーレ)」。イタリア語で”猫が鳴く”という意味なんだとか。
このお店にいる猫たちはみんな新しい家族を探している「保護猫」たち。猫と触れあったり遊べるだけでなく、気に入った猫を家族としてお迎えすることもできる。
そんな保護猫カフェのシステムやお店をオープンされたきっかけ、保護猫への想いなどについて店長の関根さんにたっぷりとお話を伺ってきました!
保護猫カフェのシステムに惹かれて
新宿から丸の内線でたったの5分。新中野駅の上を走る青梅街道沿いには、通称「なべよこ」と呼ばれる鍋屋横丁商店街がある。
都心に近いのにどこか昔懐かしい雰囲気を感じる街。今回ご紹介する「保護猫カフェミャゴラーレ」はそんなアーケードの一角にある。
ビルの3階まで上がってインターホンを鳴らすと、、、ドアを開けた先にはたくさんの猫さんたちがわちゃわちゃ^^
▲右上にしっぽだけチラッ^^
ここにいる猫はみんな新しい家族を待つ「保護猫」たち。
2016年11月にオープンし、もうすぐ丸3年。店内の壁には卒業した猫たちの写真がずらり。
「このお店をオープンする前、私自身が他の保護猫カフェで働いていて…。猫が自然な感じで過ごしてるところへお客さんがやってきて家族として迎えてもらえる、そういう保護猫カフェのシステムが単純にすごくいいなと思ったんです。」
そう話すのは店長の関根さん。
▲見事なV字前髪、しろまるくん。「みんなぼくのあたまの方見るんだけど、なんでなんで??」
「ペットが欲しい!」と思ってまず思い浮かぶのがペットショップという人はきっと多いと思う。実際、街を歩けばあちこちにペットショップがあり、犬や猫が販売されている。
そこにずらっと並んでいるのは血統書付きの洋猫たち。ガラス越しに見て気に入った子がいれば、その日のうちにお家へ迎え入れることも。
でも、猫を家族として迎え入れる方法はペットショップだけじゃない。
里親募集型保護猫カフェでは、飼い主のいない猫たちを保護団体などから預かり、里親になってくれる人を募集している。限られたスペースしかないペットショップとは違って、保護猫カフェの猫たちは広々とした空間で自由気ままにのびのび。猫同士じゃれあって、ときには小競り合い、ときには猫パンチ、、^^でもそんな「いつもの自分」をお客さんに見てもらえる。
お店に行けば、お気に入りの猫たちとたくさん触れあえて、思う存分一緒に遊べる。何度もお店に遊びにいくうちに「あっ!この子なんか合うかも?」と思ったら家族としてお迎えできるのだ。
閉店してしまう保護猫カフェの猫の行く末が心配だった
▲ちょっとおネムだったごまちゃん。「もっとかわいい写真使ってちょうだい。あたし、女子よ女子。」
空前の猫ブームのなか、保護猫カフェが次々とオープンする一方で、閉店に追い込まれてしまうお店も多かったとか。。。
「一人で運営されている方も多いんですよね。でも生き物を扱う仕事ですから24時間神経をつかいますし、体力的な面で難しくなったりすることも。。。あとは経営的な面で続けていけなくなってしまったり。」
都内でもいくつかのお店が姿を消していったという。
「閉店してしまったそのお店の猫ちゃんはどうなってしまうんだろう…」関根さんの心配はそこだった。
何か自分たちにもできることはないだろうか。。。そう思って保護猫カフェを立ち上げることを決めたのだとか。
▲ちぐらからひょっこりラックくん。
「ペットショップに比べれば保護猫カフェの数は比較にならないほど少ない。だから、どうしても猫を飼うとなるとペットショップでというのが一般的になってしまうと思うんですよね。
でも、保護猫カフェで猫を迎えられることをもっと知ってもらえたら、また変わってくるんじゃないかと思います。そのためには”分母”を増やしていかなきゃいけない。お店の数を減らしたくはないんです。」
リトルキャッツの猫たち
▲ごまちゃんと姉妹のチルちゃん。すでにシニア世代だけどおやつも大好き!「9歳ってまだまだ若いのよ。シニアだったなんて初耳よ、あたし。」
ミャゴラーレにいる猫たちはみんな山梨の犬猫保護団体「NPO法人リトルキャッツ」出身。関根さんが以前働いていた保護猫カフェがリトルキャッツの猫を預かっているお店だったことから、自然とリトルキャッツの猫を受け入れる流れになったのだとか。
リトルキャッツでは、さまざまな事情から飼えなくなってしまった猫、餌やりをしていたけど手術などの面倒は見れないなどで増えてしまった猫などの保護を行っている。さらには、愛護センターから殺処分寸前の子猫たちも引き取っている。保護・引取をした猫たちには猫カフェなどで里親募集が出来るよう初期医療を施し、預かりボランティアさんたちの手で育てている。その数はゆうに100匹を超えているそう。
保護される猫は後を絶たず常にいっぱいの状態・・・。そんなリトルキャッツの活動を少しでもサポートしようと、保護猫カフェが里親探しを手伝っているのだとか。
▲整った顔立ちでとっても美人なチビちゃん。
都内や神奈川には、そんなリトルキャッツ出身の子たちを預かって里親募集をしている譲渡型保護猫カフェが10数店ある。ミャゴラーレもそのひとつ。
保護団体と保護猫カフェ。形は違っても猫を救いたい、助けたいという気持ちは一緒なのだ。
苦労した病院探し
こうしてお店をオープンしたのが今から約3年前。当時一番苦労したのは病院探しだったという。
「いろんな病院がありますけど、なかには残念ながら保護猫にあまり理解のない先生も。。。途中で転院となると猫ちゃんも大変なので、最初の3ヶ月くらいは病院探しが大変でしでたね…。
結局今は我が家の猫たちがお世話になっている病院でお願いしているんです。お店からちょっと距離があるので心配もあったんですけど、やっぱり安心して通える方がいいからと思って。」
どらやきの中からお顔を出しているのは、黒猫のボニーちゃん。
彼女とその子ども・ポロちゃんは腎臓が弱く、日々のケアが必要。取材に行った前日、ポロちゃんの腎臓の数値が上がり急遽入院となってしまったそう・・・
ポロちゃんに会ってきました。頑張ってくれてます❗️☺️
— Miagolare (@CafeMiagolare) October 9, 2019
ポロちゃん、皆んな & 皆んにゃ待ってるからね‼️😊 pic.twitter.com/sI2rmIl4hX
でも、信頼できる先生がポロちゃんにはついている。ポロちゃんのことを応援してくれるたくさんのお客さんたちも。1日も早くよくなってね、ポロちゃん。
心を許してくれるまでは猫ちゃんに任せる
▲元気いっぱいお転婆女子パークちゃん。「フルーツちゃんとよく間違われるんだけど、あたしの方がちょっとだけ黄色っぽいのよ。」
現在、ミャゴラーレにいる保護猫の数は15匹。
お店にやってくる子のなかには、最初から物怖じせずずんずん行くタイプもいれば、警戒心MAXなビビリ系の子も。。。
「ビビってなかなか出てこない子もいますけど、基本どうしてるかというとほっといてます(笑)猫ちゃんに任せる。お腹がすけば、お水が飲みたければ、猫ちゃんは出てくるんです。最初のトイレだけはちょっと気にして見てはいるけども、トイレをクリアしたらあとは猫ちゃんのペースにあわせる。つついてみたり、無理に来なよ来なよって声かけたりしないで。」
あくまでも猫のペースで。心を許してくれるまではそーっと見守るようにしているのだそう。
▲横分けな前髪スタイルがキュートなうるちゃん。
これだけたくさんの猫がいるとなにかと揉めてしまいそうだけど、猫同士の仲は??
「うちはわりと猫同士仲がいいんですよ。新入りの猫ちゃんが入ってきたら上の子が面倒を見てあげたりとか上手いことやってるんですよね。たまに変な荒ぶりを見せる子もいますけど(笑)しろまるくんが誰彼かまわずパンチしに行ってひとり興奮していたり^^
でも、お客さんも笑って見守ってくださってますね、やめなさいとか言わずに。あーやってるやってるって。あまりにも酷くなったらさすがに声をかけるけれど、それまでは基本猫同士におまかせです。」
▲避妊手術を受けたばかりのフルーツちゃん。半目な寝姿をキャッチ^^「ほんとはもっとかわいいの、あたし。」
他の猫とのじゃれあい時間は実は猫にとってとても大切。噛みつき、噛みつかれ、そんなじゃれ合いを繰り返すことで、噛む力加減を覚えていき社会性を身につけることができるのだ。
里親さんはなによりも人柄を重視
▲ドリンク販売機の上で気持ちよさそうに横たわるみゃーちゃん。「じんわりあったかくって気持ちいいの、ここ。」
猫と遊べる、触れ合えるだけじゃなく、お気に入りの猫がいれば家族として迎え入れることもできるのが、ミャゴラーレの特徴。
ミャゴラーレのホームページには譲渡条件がいろいろと書かれているが、なによりも里親さんの人柄を重視しているのだそう。
「ここに来てくださるお客さんって本当にみんな猫が大好きで、すごくかわいがってくださるんですね。毎週のように推しの子に会いに来てくださる方もいれば、ここにいる子達全員のことが大好き!って通ってくださる方も。
なので、卒業が決まったら、そのお客さんも一緒に喜んでくださったり、寂しくなっちゃうねって言ってくださったりするんですね。そういうあたたかいお客さんのためにも、私が安心して大丈夫!って言える方にお渡ししたいんです。」
少しでも不安箇所があれば時間をかけてお話をする。初めてお店にやってきて「今日キャリー持って来てないんですけど猫もらえますか?」なんて方はもちろんNG。
猫は決してモノじゃない。家族として迎えるからには、必ずその子その子の性格を見て決めてほしい、と関根さんは言う。
お客さんと一緒に猫を育てていく
▲ブルーアイがとっても素敵なひよりちゃん。とひょっこりパークさん^^
ただ、猫を飼いたくても事情があって飼えない人も多い。
里親希望の方は全体の1割程度。ほとんどの方は猫と触れ合うことを楽しみに来てくださるのだとか。お家がペット不可、猫アレルギーがある、家族が反対してる。。。いろんな理由で、猫が大好きだけど飼えない人もたくさんいるのだ。
「うちは、おしゃれなカフェでお茶ができて、、、みたいな感覚で来るとびっくりしちゃうようなところ^^でも、そのぶん猫が大好きな人が居心地いい環境を作っていきたいなって思うんです。」
▲数日前にやってきたひよりちゃんのママ・心春ちゃん。窓際のキャットタワーがお気に入り。
保護猫カフェと普通の猫カフェの違い。それはお店へ遊びに行くだけで保護猫の支援ができるということ。
お店で暮らす保護猫たちが元気に成長していくためにはもちろん医療費がかかる。病気などにかかれば医療費が高額になることも…。けれど、保護猫たちの命を救うためには必要なもの。
ミャゴラーレでは、入場料やお店で販売されているグッズの売上、イベントなどの収益の一部が保護猫活動に充てられる。
「保護猫カフェに来てくださるお客さんはすごく優しい方が多いんです。猫に触れ合いたいからっておっしゃるんですけど、ここで猫のためにお金を使ってあげたいっていうお気持ちの方もいらっしゃると思うんですよね。頭が下がります、本当に。」
ミャゴラーレの猫たちは、そんなあたたかいお客さんたちから見守られ、新しい家族が見つかるまでのあいだ一緒に育ててもらっている。
細く長くできるだけ継続していきたい
▲カメラ目線ばっちり、姿勢よすぎるターナくん。うるちゃんと前髪そっくり^^
「譲渡して一ヶ月たったから報告してください~とかそういうことはしたくないんですね。私の信頼できる人にだけお渡ししていますから、引き渡しの時点で里親さんがその子のお母さんやお父さんだと思っていますし。
ただ、それでも近況をお知らせしてくださる方も。こんなに太っちゃったんですよ~なんて写真を送ってくださったりとか^^」ご自身も保護猫5匹を飼っているという関根さんは、そんなお客さんの”親ばか”な気持ちがよく分かるそう。
最近は、卒業した猫たちの近況をSNSでUPしてくれる里親さんも増えたとか。
「卒業したあともSNSで見られるから嬉しいっておっしゃるお客さんも多いんです。そういうのも嬉しいですね。」
「細く長く続けていきたい。」それが関根さんの願いであり目標だという。自分たちのペースで自分たちにできることを。その想いはオープン当初から変わらない。
猫と遊べて猫のためにもなる。家族として迎えることもできる。そんな保護猫カフェに足を運ぶ方が少しでも増えていきますように。そして、少しでも多くの猫たちの命を救うことができますように。
保護猫カフェMiagolare(ミャゴラーレ)
住所 | 東京都中野区本町4-30-26 第二藤尾ビル3F |
電話番号 | 03-6382-8105 |
営業時間 | 11:30~21:30(最終入店21:00) |
定休日 | 毎週木曜日(その他お休みがある場合は、HP・Facebook等でお知らせとなります) |
最寄り駅からのアクセス | 丸の内線新中野駅3番出口を出て青梅街道を右へ新宿方面に進む。 →鍋屋横丁の交差点を渡り約20m直進。右手にあるビル(1Fは不動屋さん)の3階へ。 |
料金(税抜) | 1時間:1,200円/延長料金30分 500円/1日パック 4,000円 |
公式サイト | https://www.miagolare.org/ |
公式SNS・ブログ | Twitter→Miagolare Facebook→Miogolare ミャゴラーレ ブログ→mia5lareのブログ |
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。