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保護猫のわ通信Vol.3|譲渡について

2019-09-17

猫ねこさん

問い合わせ~正式譲渡まで

猫▲残像祭り^^;

ねこねっと山中湖の公式ホームページでは随時里親募集の申込を受け付けている。
公式facebookでは里親募集中の可愛い子たちの写真や動画がたくさん♡

里親になりたい!と思ったらまずは同意事項のご確認を。不幸な猫をこれ以上増やさないためにも、決して安易な気持ちだけで突っ走ってしまうことのないように。

実際に触れ合って相性を見て、なかには写真だけで決める方も

里親希望にはいろんな方がいる。

「実際に触れ合って相性を見てから決めたいという方も入れば、写真を見て一発で決めちゃう方も。お写真で決められる場合には、メールでしっかりやり取りをした上でお渡しの日にちを決めてます。」

メインで飼われる方の年齢に合わせて

家族全員の同意、不妊手術、完全室内飼いなどいろいろな条件はあるが、なかでも重要なのがメインで飼われる方の年齢だという。

「例えば昼間おばあさんと猫だけになる場合には、あまり小さな子猫は渡せないんですね。何かあった時に病院に連れていけるかということを考えると。17時には必ず息子さんが仕事が帰ってくるとか、車で10分のところに住む娘さんが何かあれば必ず私が行きますとか、そういった熱意を持ってどうしても子猫が欲しいとおっしゃる方もいらっしゃいます。もちろんそういった場合にはお宅の確認もするんですが、それでも3ヵ月以下の子は渡せないので…。」

高齢の方にとってはアニマルセラピーにもなるので、必ずしも年齢だけで判断することはないけれど、やはり重要なのは周りの協力者の方がどこまでサポートできるか。その点はしっかり確認するそう。

お子さん連れのお見合いも~優しくて動物の気持ちの分かる子に育つ

小さいお子さんNGという団体もあるが、ねこねっと山中湖ではお子さん連れのお見合いも大歓迎。

「やっぱり親ですね。親がお子さんに小さな生き物の命とどう関わっていけばいいか、きちんと説明すれば本当に優しくて動物の気持ちの分かる子に育つので。」

あくまでも親がどう子どもに接するか。教えるか。一律で小さい子どもは猫の負担になるからダメ、、、とはしていない。

「子どもって可愛いんですよ。自分に一番懐いてるアピールをする(笑)そのアピールがすごいですw」

この子はこの子として可愛がって欲しい

ヴァレリー

「前の子への愛情が強かったぶん、前の子はこうだったから…とか前の子前の子になってしまっていらっしゃる方がいるんですね。でも新しく迎える子は別の子であって、その子ではなくて。一匹一匹パーソナリティも違うので。」

なかには前の子と見た目が一緒でビビビッときましたと言われる方も。でも決して同じ子ではない。前の子と同じようなことを期待されてしまうとそれはちょっと違う。

この子はこの子として可愛がってくださいね、って。」

先住猫さんがいる場合に限りトライアル期間を

猫▲マーティー兄さん、ついに宇宙人化^^

先住の動物がいない場合は、お届けした時が正式譲渡となる。先住さんがいる場合に限ってはトライアル期間が設けられているが、基本的に子猫の場合はほぼほぼうまくいくことが多いという。

「先住さんの性格や年齢もまえもって聞いていますし、会わせ方にはテクニックがあるのでそのアドバイスをさせていただいてます。」

最初はとにかくちゃんと距離を持たせること。
いきなりポイッてしてしまうと、自分のテリトリーになんかよく分からない猫がきた!って先住さんはお怒りモードになってしまうので。

そして先住さんが一番大事だよとしっかりお話すること。
新しい子が来ると決まった時から、弟来るよー妹来るよーと伝えることが大事だという。

そしてにおいも重要。先住さんのにおいのあるものを新しく来た子に被せてにおいを移し、それをまた先住さんに返す。
知らない子なのに大好きなあたしのにおいがするわっていう状態に(笑)

こうしたプロセスを経てだんだん仲良くなっていくので、あたたかく見守ることが肝心なのだそう。

「ただし、3日間ご飯を食べないという場合は厳しいので、まずスペースを分けてくださいとアドバイスをしますね。」

あくまでも猫のペースで、飼い主さんの不安を和らげるようにその都度対応

ランディナラ▲保科さんご提供 大猫コンビランディ&ナラ。今度こそランディに会いたい!

なかには、先住さんと新しい子がなかなかうまくいかず悩まれる飼い主さんも。

「先住さんが、新しい子を怖がって怖がってずっと隠れてますとか。ご飯もいつものように食べてくれないとか。でも飼い主さんの踏ん張りどころっていうのがあるんですね。先住の子がかわいそうって泣く方もいらっしゃるんですが、、、でもそういう時はなるべく時差なくレスして飼い主さんの不安を和らげるような対応を心がけていますね。」

そうこうしているうちに1ヵ月ほどたつと「泣いてた自分がバカみたい…」なんて言いながら、二匹一緒に寄り添ってる写真を送ってくださることも。

一匹一匹マニュアルはない。猫同士の相性もそれぞれ。だからこそ根気よく見守ることが大事なのだ。

だからこそ、トライアルの期間は特に定めていない。あくまでも猫のペースで

里親さんとの繋がり~ねこねっとファミリー

年間50~60もの猫を譲渡しているねこねっと山中湖。

「里親さんになられた方とはお友達のように長く付き合わせていただいて。」

facebookを見てフードの支援をしてくださる方も増えたそう。

「本当にありがたいですね。猫たち犬たちの生活のクオリティが上がっていくということに繋がるので。フードってすごく大事です。健康な子でもフードによっては健康を害してしまうこともありますから。。。ある程度こちらで選ばせてリストに載せています。」

家族として溺愛されている姿がなによりのご褒美

一匹一匹に保護した時のドラマがある。

「譲渡した後にこれから本当の猫との生活が始まるわけで、私たちが関わっているのは最初のほんの一部なんですね。なので、何歳になりましたとか記念日のご連絡をいただく時がやっぱり嬉しいんですよね。」

飼い主さんからはこんなに可愛い子とめぐりあわせていただいてありがたいという言葉もいただくそう。そんな言葉に心底報われるという。

保護した時は劣悪な状況ばかり~ルカとラク

ルカラク▲保科さんご提供

「私たちは劣悪な状況で保護することがほとんど。そこから今ピカピカになって溺愛されている姿というのは何よりのご褒美なんですよ。」

3年前に保護されたルカとラクもそれはそれはひどい環境で保護された猫たち。

「みんな目がぐちゃぐちゃで。ラクは両目がカッテージチーズのように全部ボロボロ出てきてしまった。ルカだけ目が無事だった。そんな状態で押入れの中に入れられていたんですよ。」

そんなルカラクの里親になったのが河口湖に住む梶原園子さん。それまで猫を飼ったことがなかったという園子さんだが、今では存在そのものが愛おしいと語る。

ルカラク▲園子さんご提供

「どんな猫にもチャンスはある」保科さんの言葉が胸に響く。

ルカラクの詳しいお話はこちらから。

保護猫を飼うということ

最後にこれから保護猫を迎えようと思っている方に向けてメッセージをいただいた。

一匹の保護猫を迎えることで次の何十匹の子が救われることに繋がる

一匹の保護猫を迎えることで次の何十匹の子が救われることに繋がる

「私たちだけじゃなくいろんな団体さんが頑張っていらっしゃる。そこから猫を迎えることによって次の子を救えることに繋がるんですね。うちは一匹しか飼えないからごめんなさい、なんてことをおっしゃる方もいるんですけど、頭数の問題ではなく…。その子を救ったことで次の何十匹の子が救われることに繋がるとお考えくださいねとお伝えしたいです。」

保護猫を一匹でも迎えることで、その団体の猫を受け入れられる枠を作ってあげられるのだ。

幸せな旅立ちはイコール次の不幸な子を受け入れられるということ     

ルカラク▲園子さんご提供

「こんなに可愛がってくださってて、私たちがこの子を連れてったら寂しくないですか?っておっしゃる方もいるんですね。でも。いやもう嬉しいだけです。この子たちが幸せに旅立っていくことは、イコール次の不幸な子を受け入れられるということなので。」

保護猫との暮らしに一歩踏み出せば、その一歩が他の不幸な猫を救う。

どんな猫にも平等にチャンスはある。

少しでもそのチャンスが増えるように。保護猫を迎えようとする人が増え、保護猫の輪がますます広がっていくことを願って。

ねこねっと山中湖
公式サイト:https://www.nekonetyamanakako.org/
支援物資ご購入のお願い:ねこねっと山中湖 ご支援お願い物資リスト
里親さまのご希望の方:里親さま希望のお問い合わせ

猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。