- キャットフードの切り替えは私達の体には負担大。健康上の問題、フードの問題が出てきたときに切り替えるようにしましょう~。食べてくれないからとコロコロ切り替えるのはダメ、まずは食べない原因を考えてくださいねぇ。切り替えは徐々に行うのがポイントですよぉ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
キャットフードの切り替えは猫の体に負担がかかるもの。
そのため、コロコロとフードをかえるのはNG。
今回はキャットフードを切り替える時の注意点を徹底解説!
キャットフードを切り替える必要性や切り替えを検討すべきタイミング、新しいフードがあわないときの対処法についても詳しく説明します。
キャットフードを切り替える必要性
キャットフードには非常に多くの種類があります。
「少しでも猫にとって良いものを」と考え、定期的にフードを切り替えている飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、キャットフードの切り替えは猫の体に負担がかかるため、飼い主さんの判断でコロコロと切り替えることはおすすめできません。
キャットフードは適切なタイミングで切り替えることが大切です。
キャットフードの切り替えを検討すべきタイミング
以下のような場合、キャットフードの切り替えを考える飼い主さんは多いでしょう。
- 体調不良・病気になったとき
- フードに問題があったとき
- フードを食べてくれないとき
キャットフードの切り替えを検討すべきタイミングは、健康上の問題・フードの問題が出てきたときです。
以下、それぞれの場合について説明します。
体調不良・病気になったとき
体調不良や病気など健康上何らかの問題が起きたときには、病気・体調・体型・体質に応じた適切なキャットフードに切り替える必要があります。
キャットフードには、以下のような猫の体の状態にあわせて作られたものがあります。
- 毛玉対策
- 避妊・去勢後
- 軟便・下痢気味
- 便秘気味
- 下部尿路疾患・尿路結石
- 腎臓病
- 肥満気味
- やせ気味
- 毛並みの改善
- アレルギー対策
フードに問題があったとき
キャットフードのなかには、猫の健康を害する原材料が使われているものもあります。
また、健康被害が出た場合、リコールでフードを入手できなくなることもあります。
今食べさせているフードに何らかの問題があったときは、品質の良いフードに切り替える必要があります。
関連記事:注意の必要な6つの原材料
フードを食べてくれないとき
猫は気まぐれなので突然食べなくなることもよくあります。
しかし、食べないからといってすぐにフードを切り替えるのではなく、まずは食べない原因を考えることが大切です。
猫がフードを食べない主な原因は以下の通りです。
- 環境の変化
- 興奮状態や緊張状態(発情期・分娩の前後(メス))
- 風味が悪くなった
- 好みが変わった
- 加齢による運動量・噛む力の低下
以下、それぞれの原因と対処法について説明します。
環境の変化
普段と食事する場所が変わったり、知らない人や猫がいたりすることで食べなくなる猫もいます。
以下のような点に注意して、なるべく猫の目線になって環境を改善することが大切です。
- 毎回清潔な器で与えているか
- 食べづらい高さではないか
- 食事スペースが食べかすで汚れていないか
- 騒音や人の出入りなどでストレスを感じていないか
興奮状態や緊張状態(発情期・分娩の前後(メス))
何らかの原因で興奮状態や緊張状態が続いているときにも食べなくなることがあります。
このような場合、猫が安心して食べられるようスキンシップをとりながら食事を与えるのも効果的です。
猫の様子を見ながら、声をかけて撫でてあげ、気持ちを落ち着かせてあげましょう。
嫌がる場合は無理に触らないことも大切です。
落ち着いてきたら、キャットフードを砕き水を加えてペースト状にしたものを指先につけ、舐めさせてあげることで食べるきっかけになることもあります。
関連記事:キャットフードの砕き方
風味が悪くなった
猫はニオイに敏感なので、キャットフードの風味が変わった場合食べなくなります。
キャットフードはいったん封をあけて空気に触れると酸化が始まり、風味が落ちていきます。
鮮度を保つためには、高温多湿・直射日光を避けた冷暗所で密閉して保存することが大切です。
関連記事:キャットフードの正しい保存方法
好みが変わった
人間と同じように猫にも味の好みがあるため、突然好みが変わって食べなくなることもあります。
この場合は、いつものキャットフードにトッピングをしてあげるのもおすすめです。
手軽にできるトッピングには、ウェットフード、猫用のかつお節やふりかけなどがあります。
また、猫の好きな肉や魚、野菜などの食材をトッピングするのも食いつきアップが期待できるでしょう。
関連記事:キャットフードのトッピング
加齢による運動量・噛む力の低下
噛む力の弱くなった高齢猫は、硬い食感のドライフードを上手く食べることができなくなります。
このような猫には、キャットフードにぬるま湯を加え柔らかくふやかしてから与えると食べやすくなるでしょう。
関連記事:高齢猫のフードのふやかし方と注意点
- キャットフードは基本的に同じもので全然問題ないんですよぉ。むしろちょくちょく切り替えてしまうと体に負担がかかってしまうんですねぇ。
- 病気になったときとかフードに問題があるときは変えなきゃいけないけど、食べないからハイ次!というのはダメなんですね。
たしかに、ちょっと風味が変わっただけでもわかりますからねっ。切り替える前に原因を考えることが大事なんですね!
キャットフードの切り替え方
キャットフードを切り替える場合は、以下の点に注意して進めていくことが大切です。
- 徐々に慣らしていく
- 切り替えてすぐ食べなくても様子を見る
以下、それぞれの注意点について説明します。
徐々に慣らしていく
キャットフードを切り替えるときは、徐々に慣らしていくことが大切です。
従来のフードに新しいフードを少しずつ混ぜていき、徐々に新しいフードの割合を増やしていきましょう。
いきなり新しいフードに完全に切り替えてしまうと、猫の体にも負担がかかり下痢や軟便などの体調不良を引き起こすこともあります。
フードの切り替え方の目安は以下の通りです。
従来のフード | 新しいフード | |
1日目 | 90% | 10% |
2日目 | 80% | 20% |
3日目 | 70% | 30% |
4日目 | 60% | 40% |
5日目 | 50% | 50% |
6日目 | 40% | 60% |
7日目 | 30% | 70% |
8日目 | 20% | 80% |
9日目 | 10% | 90% |
10日目 | 0% | 100% |
切り替えてすぐ食べなくても様子を見る
猫はニオイに敏感なので、フードが変わると警戒して食べないことも多いようです。
しかし、食べないからといってすぐにあわないと決めつけるのではなく、しばらく慣れるまで様子を見ながら与えてみることが大切です。
新しいフードがあわないときの対処法
新しいフードに変えてみたものの体調不良や食いつきの悪さなどが気になったり、期待していたような効果が感じられなかったりすることがあります。
ここでは新しいフードがあわないときの対処法について説明します。
対処法は以下の通りです。
- 下痢・軟便が続く場合は病院を受診
- 食いつきが悪い場合は食事環境・与え方・保存方法などを見直す
- 期待していた効果が感じられなくても3ヶ月は様子を見る
以下、それぞれの対処法について説明します。
下痢・軟便が続く場合は病院を受診
前項で説明した方法でキャットフードを徐々に切り替えていっても、下痢や軟便が続く場合は新しいフードの原材料にアレルギーを持っている可能性もあります。
この場合は、なるべく早く病院を受診しましょう。
食いつきが悪い場合は食事環境・与え方・保存方法などを見直す
徐々に切り替えを進めていったにもかかわらず、いっこうに食いつきが良くならない場合もあります。
「キャットフード切り替えのタイミング」を参考に、食事環境・与え方・保存方法などを見直してみましょう。
期待していた効果が感じられなくても3ヶ月は様子を見る
猫の体調や体質改善のためにキャットフードを切り替えたものの、期待していた効果を感じられなかった場合、「フードがあっていないのかも・・・」と思う飼い主さんは多いでしょう。
しかし、キャットフードは薬ではないため、たった数日・数週間で効果が感じられるものではありません。
猫の血液がすべて入れ替わるのには最低3ヶ月かかると言われているため、効果が感じられなくても約3ヶ月は様子を見るようにしましょう。
- 切り替えは「ゆっくり」「様子を見ながら」が大事ですよぉ。食べないからといってすぐあきらめないでくださいねぇ。
- 食事が変わるとやっぱりちょっとは警戒しますもんね。いくら食いしん坊のぼくでもいきなりがっつきはしないですもんっ。
ただ、アレルギーも心配なので、下痢が続くときなんかは病院でみてもらった方がいいですね!
まとめ
キャットフードの切り替えを検討すべきタイミングや切り替え方、新しいフードがあわないときの対処法については以下のまとめを参考にしてください。
- キャットフードは適切なタイミングで切り替えることが大切
- キャットフードの切り替えを検討すべきなのは健康上の問題、フードの問題が出てきたとき
- 猫が食べない場合はすぐに切り替えはせず、食べない原因を考え対処する
- 食べないときは食事環境・与え方・保存方法を見直してみる
- 切り替えるときは徐々に進めていき、食べなくても慣れるまで様子を見る
- 下痢・軟便が続くときはアレルギーの可能性もあるため病院を受診
- 食いつきが悪いときは原因を考え対処
- 期待していた効果が感じられなくても3ヶ月は様子を見る
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。