- ドライフードをうまく食べられない猫には、砕いて与えましょう~。特に離乳期前後の子猫や、噛み砕く力が弱くなった老猫にオススメ。ただしっかり食べられるならわざわざ砕く必要はありませんよぉ。包丁、すり鉢、フードプロセッサーなど砕き方はさまざま。量や粒の細かさなどによって使い分けるのがオススメ!
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
猫がドライフードを上手く食べられない時には、砕いてあげることで食べやすくなります。
この記事ではキャットフードを砕く理由と砕き方を徹底解説!
砕いて与えた方が良い猫についても詳しく説明します。
キャットフードを砕く理由
キャットフードは大きく分けると以下の2つのタイプがあります。
- ドライフード
- ウェットフード
ドライフードは、名前の通り水分が少なく硬い食感のキャットフードです。
猫がドライフードを美味しそうに食べてくれるのであれば、わざわざ砕いて与える必要はありません。
しかし、猫によってはドライフードをうまく食べられないこともあります。
そのような場合、フードを砕いてあげることで食べやすくなります。
キャットフードを砕いて与えた方が良い猫
キャットフードを砕いて与えた方が良いのは、以下のような猫です。
- 離乳期前後の子猫
- 食が細く噛み砕く力が弱まっている高齢猫
- 療法食を与える必要のある猫
- ドライフードが苦手な猫
- 吐き戻しの多い猫
以下、それぞれの猫について詳しく説明します。
離乳期前後の子猫
子猫の場合、生後20日くらいの歯が生え始めた頃に離乳食を始めます。
離乳食を始めたばかりの頃は、子猫用のキャットフードを細かく砕いてお湯やミルクでふやかして与えると食べやすくなります。
また、生後2ヶ月頃になったら、離乳食から徐々にキャットフードに切り替えていきます。
歯や消化器官が未熟な子猫は、粒の大きなキャットフードをうまく噛み砕くことができないため、砕いて与えた方がうまく食べられるでしょう。
関連記事:哺乳期・離乳期の食事
食が細く噛み砕く力が弱まっている高齢猫
高齢になると噛む力が弱くなることから、今までは普通に食べていたキャットフードでも、上手く食べられなくなることがあります。
食の細くなった高齢猫でも食べやすいよう、キャットフードを細かく砕いてお湯やスープなどでふやかして与えると、食感が変わり食べやすくなります。
また、噛む力の弱くなった高齢猫でも食べやすいウェットフードと混ぜて与えても良いでしょう。
ただし、栄養が偏らないようウェットフードの量には注意が必要です。
関連記事:7歳~の老猫の食事
療法食を与える必要のある猫
療法食とは、獣医の指導のもと食事管理をするために使用するキャットフードです。
療法食は猫の健康状態にあわせて栄養成分が調整されているため、猫が食べてくれないと病気などの症状が悪化することもあります。
症状を改善するには、獣医の指示どおり猫に療法食をしっかり食べてもらう必要があり、食べないからといって食いつきの良いほかのフードを与えるわけにはいきません。
療法食をなかなか食べてくれない場合は、細かく砕いて少しでも食べやすくしてあげましょう。
ドライフードが苦手な猫
ドライフードを好んで食べてくれない猫もいます。ドライフードは総合栄養食がほとんどで、それだけで猫に必要な栄養をしっかりとることができます。
そのため、猫がドライフードを食べてくれないと栄養不足になってしまいます。
このような場合も、細かく砕くことで食べやすくなります。
また、好きなウェットフードと混ぜて与えることで食いつきがよくなることもあります。
ただし、栄養が偏らないようウェットフードの量には注意が必要です。
関連記事:ウェットフードのメリット・デメリット
吐き戻しの多い猫
大きな粒のキャットフードを丸呑みしてしまうと、胃がびっくりして吐き戻してしまう場合があります。
粒を少し小さくしてあげることで、胃の負担が減り食べやすくなります。ただし、粒が小さすぎると一度に大量のフードを食べてしまい、かえって吐き戻すこともあるため、食べるスピードを見て粒の大きさを調整することが大切です。少量ずつ食べても吐き戻してしまう猫には、砕いて与えた方が良いでしょう。
- 歯の生え揃ってない子猫、私のように噛む力の弱くなった老猫などなど、、、ドライフードをうまく食べられない猫には砕いて与えるという方法もあるんですねぇ。
- 砕くことで食べやすくしてあげるってことですね!少しずつ食べても吐き戻しの多い子は胃に負担がかかってそうなので、砕いてあげた方がいいんですね。
ドライフードの砕き方
ここでは、ドライフードの砕き方について説明します。
ドライフードを砕く主な方法は以下の通りです。
- 包丁で切る
- 袋に入れて調理用ハンマーやペンチ、金づちでたたく
- すり鉢・乳鉢を使う
- ピルクラッシャーを使う
- プレカットチョッパーを使う
- フードプロセッサー・ミキサー・ミルサーを使う
ドライフードの砕き方にはさまざまな方法がありますが、粒の大きさ、一度に砕く量、手間などを考えて方法を選ぶと良いでしょう。
以下、それぞれの方法について説明します。
包丁で切る
粉状ではなく粒を少し小さくするだけなら、1粒ずつ包丁で半分に切る方法があります。
ただ、ドライフードは意外と硬いので1粒ずつ切るのはなかなか骨の折れる作業になります。
袋に入れて調理用ハンマーやペンチ、金づちでたたく
形は粗くてもいいからとにかく小さくしたい場合は、ジップロックなどの袋に入れて調理用ハンマーやペンチ、金づちなどでたたいて砕く方法があります。
この方法なら洗い物も少なく、砕いたフードが飛び散る心配もないので便利です。
すり鉢・乳鉢を使う
少量を砕きたい場合は、すり鉢、乳鉢を使う方法もおすすめです。
簡単な方法ではありますが、すり鉢を使った場合すり鉢の内側の溝にドライフードが入り込んでしまうため、砕き終わった後の洗い物は面倒かもしれません。
ピルクラッシャーを使う
ピルクラッシャーとは錠剤の薬を粉状にして飲みやすくための道具です。
これを使えば簡単にドライフードが粉末状になりますが、一度にたくさん砕けないのが難点です。
プレカットチョッパーを使う
プレカットチョッパーは、押すだけで簡単に野菜のみじん切りができるという道具ですが、ドライフードを砕くのにも使えます。
一度にたくさん砕くことはできませんが、手動で砕き具合を調整でき価格も1,000円程度とお手頃なので愛用している飼い主さんも多いようです。
フードプロセッサー・ミルサー・カットチョッパーを使う
ドライフードを最も簡単に粉末状にできるのがフードプロセッサーやミキサー、ミルサーを使う方法です。
フードプロセッサーは、刻む・おろす・こねる・泡立てる・砕く・混ぜる・する・挽くなどこれ一台で何でもできてしまう万能ツール。
1台あると普段の料理の下ごしらえなどにも重宝します。
ミキサーは、フードプロセッサーのようにこねたり刻んだりする機能はありませんが、容器が大きく一瞬で大量に砕くことができます。
ジュースやポタージュ、ドレッシングなどどちらかというと水分の多いものが得意。
ミキサーよりもさらにパワーが強いのがミルサーです。
容器は小さいですが、ミキサーよりもさらに細かく砕いて簡単に粉末状にすることができます。
- 砕き方にも地道に包丁で切る方法やハンマーや金槌を使う方法、、すり鉢を使う方法どいろいろあるんですねぇ。
- 袋の上でジャーンプ!はさすがにないですかっ。。。簡単に粉末にしたいならフードプロセッサーが早そうですね!
まとめ
キャットフードを砕く理由・砕き方については以下のまとめを参考にしてください。
- キャットフードを上手く食べられない猫には砕いて与えると食べやすくなる
- 離乳食を始めたばかりの子猫には砕いてお湯やミルクでふやかして与えると良い
- 歯は消化器官の未熟な子猫は粒が大きすぎると上手く噛み砕くことができない
- 高齢猫には砕いてふやかしたりウェットフードを混ぜて与えたりするのがおすすめ
- 療法食を食べてくれない猫には細かく砕いて少しでも食べやすくする
- ドライフードが苦手な猫には砕いて与えたりウェットフードと混ぜて与えたりするのがおすすめ
- 少量ずつ食べても吐き戻しの多い猫には粒を小さくして胃の負担を減らす
- 粒の大きさ、一度に砕く量、手間などを考えて砕き方を選ぶと良い
- 粒を少し小さくするだけなら1粒ずつ包丁で半分に切る
- 形が粗くても良いなら袋に入れて調理用ハンマーやペンチ、金槌でたたく
- 少量を砕きたい場合はすり鉢、乳鉢を使うのもおすすめ
- 少量を粉末にしたい場合はピルクラッシャーを使う
- プレカットチョッパーなら手動で砕き具合を調整できる
- 簡単に粉末にしたいならフードプロセッサー・ミキサー・ミルサーがおすすめ
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。