- キャットフードを選ぶときは、まず種類と形状を確かめ、目的にあったものを選びましょう~。この記事では「健康な成猫が毎日食べる食事」を基準とした選び方をご紹介いたしますよぉ。初級編、中級編に分かれているので、自分にあったものから読み進めてくださいねぇ〜。
キャットフードの種類は今や100種類以上。
フードの形状や用途もさまざまですが、選び方の基準が分からず悩まれる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「健康な猫が毎日食べる基本的な食事」の選び方を徹底解説!
キャットフードの種類や形状から、パッケージに記載の成分表・原材料などの見方に至るまで詳しくご紹介していきます。
キャットフードとは | 初級
キャットフードとは、猫用に開発された猫のご飯のことです。
主食タイプからおかず、おやつ、病気用(療法食)などその種類はさまざま。いわゆる「カリカリ」と呼ばれる乾燥した粒状のドライフード、缶詰やパウチに詰められた半生状態のウェットフードなど、その形状にも違いがあります。
キャットフードの種類 | 初級
キャットフードは、その目的によって大きく4種類に分けられます。(※ペットフード公正取引協議会の公正競争規約により)
- 総合栄養食
- 間食(一般食、副食、スナック、おやつ)
- 療法食
- その他目的食
キャットフードの種類はパッケージに必ず記載されていますので、購入前に必ず確認し、それぞれの目的にあったものを選ぶようにしましょう。
では、この4つのうち「健康な猫が毎日食べる基本的な食事」にはどれが適しているのでしょうか。それぞれの種類の特徴を見ていきましょう。
総合栄養食
主食タイプのキャットフードです。総合栄養食は、このフードと水を与えるだけで猫の健康を維持することができるものを意図して開発されています。
風味や年齢別・成長段階等、猫種や目的別で選べるよう、各メーカーではさまざまなラインナップを取り揃えています。
おおまかに言うと、ドライフードや一部ウェットフードなどがこれに当てはまります。
間食(一般食、副食、スナック、おやつ)
一般食、副食はいわゆる「おかず」タイプのご飯で、レトルトパウチや缶詰等がこれに該当します。
嗜好性の強いものですので、食欲増進の効果があるでしょう。これらは総合栄養食と組み合わせて与えることが大切です。ただし、ジャーキーなどのスナックやおやつは人間と同様、摂りすぎに注意。1日に必要なエネルギーの20%程度が適宜です。
療法食
疾病の治療または猫の健康状態に合わせたサポートを目的として用います。療法食は必ず獣医さん指導のもと与えましょう。
例えば、肝臓や腎臓に疾患がある場合、治療の一環としていつもの食事から療法食へ変更することがあります。その場合、ある一定の期間もしくは病気の予防食として療法食のみを続けることもありますので、給与量や与え方、与える期間などについては獣医さんから指導を受け、用法用量を必ず守りましょう。
その他目的食
特定の栄養素やエネルギーを補給するために与えるペットフードです。それだけを食べ続けると栄養が偏りますので、必ず主総合栄養食などと組み合わせて与えましょう。 ふりかけやサプリメントがこれに当てはまります。
キャットフードの形状 | 初級
キャットフードの種類の説明から、「健康な猫が毎日食べる基本的な食事」には「総合栄養食」が適していることが分かりましたね。
では続いて、キャットフードの形状について説明します。
- ドライフード
- ウェットフード
- セミモイスト(猫用は少数です)
- ドライフードvsウェットフード
基本的に、キャットフードの形状はドライフードとウェットフードに分かれています。総合栄養食のほとんどはドライフードですが、なかにはウェットフードの総合栄養食もあります。
では、総合栄養食のドライフードとウェットフードを比べた場合、「健康な猫が毎日食べる基本的な食事」としてどちらを与えた方が良いのでしょうか。キャットフードの形状ごとの特徴を見ていきましょう。
ドライフード
ドライフードとは、水分含有量約10%の乾燥した粒状タイプのフードです。猫に必要な栄養が摂れるよう設計され、肉類においては肉の部分と油脂を分けてブレンドし、適量のたんぱく質と脂質が取れるよう工夫されています。炭水化物も加熱・糊化されており、消化できるよう配慮されています。
重量あたりの栄養価が高く、100g当たりの摂取カロリーも高いため、あまり食べない猫でも栄養が補給しやすいです。
また、栄養価が高く保存がきくのでコスパも良いです。ただし、水分がほとんど含まれていないので、新鮮なお水と一緒に与えましょう。
- 食感:カリカリ
- 特徴:利便性・保存性に優れ、歯の歯垢がつきにくい
- 適している猫:健康な成長期の猫〜健康な老猫
ウェットフード
ウェットフードとは、水分含有量80%の素材が調理された状態で入っているフードです。缶詰やレトルトパウチに保存されており、脱気、密封されているので、開封前は長く保存できます。
素材感があり、嗜好性が高く柔らかいので、どんな猫でも喜んで食べてくれることが多いです。
ウェットフードは総合栄養食のものもあれば、おかずタイプの一般食の場合も多いため、購入前に必ずパッケージを見て確認してください。
ただし、総合栄養食として与える場合、水分が多く含まれているため摂取量を増やさないと一日の必要カロリーを摂取できない点に注意しましょう。(商品による)また、歯垢がつきやすい点にも注意が必要です。
- 食感:柔らかく、ジューシー
- 特徴:開封前は保存性に優れている。水分が一緒に摂れる。歯に歯垢がつきやすい
- 適している猫:離乳食期の猫・歯が弱った老猫・水分補給をした方が良い猫
セミモイスト
水分含有量25~35%で、「半生」タイプのフードのことを指します。セミモイストフードはほぼ犬用しかありませんが、猫用のものも少数ですがあります。
- 食感:弾力感がある
- 特徴:開封前は保存性に優れている。水分が一緒に摂れる。歯に歯垢がつきやすい。
ドライフードvsウェットフード(総合栄養食)
猫は体格が小さいので、基本的には少量でもしっかりと栄養が摂れ、利便性・保存性に優れている「ドライフード」が「健康な猫が毎日食べる基本的な食事」に適していると言えるでしょう。
ウェットフードももちろん良いのですが、カロリー摂取の面から申しますと、量を取らなければならないのでコスパ的にも、猫的にも少し無理があるかもしれません。また、歯垢がつきやすいので、歯の健康状態も気になります。猫は虫歯にほぼかからないですが、成猫の約6割は歯周病とも言われています。
例えば、6.8kg(猫ねこ部ディレクター木原の猫)の成猫の猫が1日に必要とするエネルギーはおよそ274kcalほどです。
一般的なドライフードを食べさせるとなると、1カップ300kcalあたりで、だいたいカップ7分目くらいに当たります。
これがウェットフードとなると、1缶およそ70kcal〜90kcalあたりであることが多いです。ですので、この場合1日に3缶〜4缶ほど必要となります。
コストパフォーマンス、食べきれるかどうかという点で、健康な猫においてはドライフードが適していると言えるでしょう。
ウェットフードは水分量が摂れ嗜好性も高いです。そのため、基本的にはドライフードを与え、一日1食ウェットフードを与えるなどドライフードとの併用をお勧めしています。ご褒美であげたり、食欲がないときなどに活用すると良いでしょう。
また、歯が弱い猫や離乳食期の子猫・老猫などケースによってはウェットフードの方が良い場合もありますので、その子に合わせた食事を心がけてください。
キャットフードの基本的な選び方 | 初級
以上のことから、健康な成猫の毎日の食事には、「総合栄養食」を主食とし、特に問題がない限り「ドライフード」を選ぶことが基本となります。
この基本的な選び方に加え、次のポイントもあわせて考えると良いでしょう。
- 猫の成長段階
- 猫の嗜好
- フードの作用
猫の成長段階
猫の成長段階=ライフステージによって商品を選ぶことも大切です。
猫の成長段階については、子猫用・成猫用・高齢猫用や年齢(●才〜など)の記載がありますので、パッケージを確認して猫にあったものをお選びください。
また、成長段階を気にしなくても良い「オールステージ」のフードもあります。オールステージならば、特に成長段階を気にせず全ての年齢の猫に使用することができます。
※2ヶ月以内の子猫の場合はミルクや離乳食が必要です。
猫の嗜好
猫には人間と同じように嗜好があり、肉が好きな猫がいれば魚が好きな猫もいます。
色々な風味のフードが発売されていますので、いくつか試してみることも大切です。
そのなかで食べ慣れるフードが出てきたら、いくつか候補を絞り、出来るだけ同じものを与えるようにしましょう。
もちろんフードを切り替えることも良いことですが、あまり急に切り替えると負担になることもありますので、徐々に切り替えをすることが大切です。
毎日食べるものですので、その子にあったフードの候補がいくつかあるといいですね。
フードの作用
フードには「毛玉ケア」や「下部尿路疾患対応」など総合栄養食のなかでも特定の効果のついたものもあります。
こちらはまた別の記事でご紹介していきますが、例えば毛玉ケア用として発売されているフードなどは、長毛種で毛玉が気になる猫に与えると良いでしょう。平たくいうと、毛玉ケアは食物繊維を多く含み、便と一緒に排出するよう設計されています。
また、猫は下部尿路疾患になりやすく、特に結石ができやすい動物です。代表的なストルバイト結石に対応したフードは、マグネシウム、リンのバランスが調整されています。 他にも色々な目的別フードが販売されていますので、猫にあったものを選びましょう。
関連記事:
- ぼくはいろんなものを食べたいからウェットフードもたまーにいただけるとありがたいなあ^^
キャットフードの成分・原材料の見方 | 中級
では、次により良いフードの選ぶため、原材料と成分の見方についても説明していきます。
キャットフードの成分の目安
まず知っていただきたいのは、キャットフードの成分の目安です。 この目安となるのが、AAFCO(アメリカの全米飼料検査官協会)が設定した成分基準です。AAFCOはメーカーに対して「最低でもたんぱく質は〇%、脂肪は〇%で作ってね」という基準を定めています。
ただし、あくまでも最低基準なので、AAFCOの基準を満たしている=高品質というわけではなく、この基準を満たしているキャットフードは栄養バランス的に安心して与えることができる最低基準というようにとらえてください。
こちらがAAFCOによるキャットフードの成分基準です。
栄養素 | AAFCO成猫用基準 |
●たんぱく質(%) | 26.0以上 |
アルギニン(%) | 1.04以上 |
ヒスチジン(%) | 0.31以上 |
イソロイシン(%) | 0.52以上 |
ロイシン(%) | 1.24以上 |
リジン(%) | 0.83以上 |
メチオニン(%) | 0.20~1.50 |
メチオニン+シスチン(%) | 0.40以上 |
フェニルアラニン(%) | 0.42以上 |
フェニルアラニン+チロシン(%) | 1.53以上 |
トレオニン(%) | 0,73以上 |
トリプトファン(%) | 0.16~1.70 |
バリン(%) | 0.62以上 |
●脂肪(%) | 9.0以上 |
リノール酸(%) | 0.6以上 |
アラキドン酸(%) | 0.02以上 |
●ミネラル | |
カルシウム(%) | 0.6以上 |
リン(%) | 0.5以上 |
カリウム(%) | 0.6以上 |
ナトリウム(%) | 0.2以上 |
塩化物(%) | 0.3以上 |
マグネシウム(%) | 0.04以上 |
鉄(mg/kg) | 80以上 |
銅(mg/kg) | 5.0以上 |
マンガン(mg/kg) | 7.6以上 |
亜鉛(mg/kg) | 75以上 |
ヨウ素(mg/kg) | 0.6~9.0 |
セレン(mg/kg) | 0.3以上 |
●ビタミン・その他 | |
ビタミンA(IU/kg) | 3332~333300 |
ビタミンD(IU/kg) | 280~30080 |
ビタミンE(IU/kg) | 40以上 |
ビタミンK(mg/kg) | 0.1以上 |
チアミン(ビタミンB1)(mg/kg) | 5.6以上 |
リポフラビン(ビタミンB2)(mg/kg) | 4.0以上 |
パントテン酸(ビタミンB5)(mg/kg) | 5.75以上 |
ナイアシン(ビタミンB3)(mg/kg) | 60以上 |
ビタミンB6(mg/kg) | 4,0以上 |
葉酸(mg/kg) | 0.8以上 |
ビオチン(mg/kg) | 0.07以上 |
ビタミンB12(mg/kg) | 0.02以上 |
コリン(mg/kg) | 2400以上 |
タウリン(%) | 0.1以上(ドライ)/0.2以上(ウェット) |
成分表の見方
こちらはキャットフードのパッケージに記載されている成分表です。ここで大切なのは「たんぱく質量」と「脂質量」です。
これらが先ほど紹介したAAFCOの基準値を下回っていなければ、成分的には合格と思ってください。
カルシウム・リン・マグネシウムはバランスが大事で、カルシウム:リン:マグネシウム=1.2:1:0.08あたりであれば問題ありません。
原材料について
こちらは総合栄養食のドライフードのパッケージに記載されている原材料の表記となります。
ここで大切なのは「肉類がメインの食材かどうか」です。
原材料の並び順=配合量の多い順となっていますので、原材料の一番初めに肉類が記載されているかどうかを確認しましょう。
猫は哺乳類の中で最も多くたんぱく質を必要とし、たんぱく質を構成するアミノ酸の中でもタウリンを必ず必要とする動物です。
このタウリンは、動物性食材にしか含まれていません。
植物性の原材料からはタウリンを摂取できないため、猫は動物性食材を必ず摂取する必要があります。
もし、たんぱく質の含有量が26%を超えていた場合でもメインの原材料が植物性の原材料の場合もあります。その場合、たんぱく質量はクリアしていても動物性のたんぱく質が少ないということになります。できれば動物性食材がメインとなるキャットフードを選びたいものです。
基本的に総合栄養食のドライフードは猫が水とそれだけで生きていける設計となってはいますが、質を考えると、動物性食材をメインとし、その他レバー系や卵、野菜類など色々な栄養を摂れるものの方が良いということになります。
キャットフードの表示欄で確認すべき点
その他、キャットフードを選ぶときに確認したいパッケージの項目はこちらです。
- 賞味期限・・・3年を超えないことが義務づけられている
- 事業者名 ・原産国・・・最終加工工程が行われた国(原材料の産地とは異なる)
- フードの目的 ・給与方法 ・内容量 ・成分
これらを確認し、期間内に消費できるか、原産国は問題ないか(ヨーロッパ・カナダ・オーストラリアなどのキャットフードがレベルが高いです)フードの目的はあっているかを確認しておきましょう。
キャットフードの気をつけたい原材料と人工添加物 | 中級
キャットフードにはさまざまな原材料が使われていますが、なかでも注意したい原材料は以下の4つです。
- 肉類・・・肉副産物・家禽ミール・ミートミール・肉骨粉
- 動物性油脂
- 酸化防止剤
- 人工香料・着色料
また、配合量に注意したい原材料はこちらです。
- 穀物・炭水化物
- セルロース
肉類・・・肉副産物・家禽ミール・ミートミール・肉骨粉
肉類はたんぱく質が豊富に含まれるため、猫にとって欠かせない原材料のひとつです。ただし、肉副産物・家禽ミール・ミートミール・肉骨粉と呼ばれる原材料については猫の健康を害するリスクもあるため、原材料欄に記載がある場合には注意が必要です。
これらはAAFCOの定義上では決して危険ではありません。ペットフードを製造した国やメーカーによって少々異なることもありますので、購入する際にはよく確認しましょう。
※AAFCO・・・ペットフードの栄養基準や表示などのガイドラインを定めるアメリカの機関
動物性油脂
キャットフードを作るために欠かせないのが油脂です。
動物性油脂と表記されている場合は、どの動物の油脂がどの程度の割合で混ざっているのかが分かりません。
また、何らかの病気で亡くなった家畜の油脂が使用されている可能性もゼロではありません。「鶏油」など原材料がしっかり記載された動物性油脂を選ぶと安心です。
酸化防止剤
キャットフードは酸化すると有害物質が発生したり、栄養価が下がったりします。それを防ぐために酸化防止剤が必ず使われています。
酸化防止剤には「天然」のものと「人工」のものがありますが、注意が必要なのは、発がん性やDNAの突然変異などのリスクがあるとされる「人工」酸化防止剤の摂取です。
身体に影響を与えない量が厳しく設定されているため、摂取しても大きな問題は出ないと言われています。ですが、気になるようであれば以下の酸化防止剤を使用しているフードはできるだけ避けた方が良いでしょう。
酸化防止剤 | リスク |
BHA | 発がん性 |
BHT | DNA・染色体の突然変異 |
エトキシキン | アレルギー性皮膚炎・目の炎症 |
ソルビン酸(保存料) | 発がん制(亜硫酸ナトリウムと一緒にとる)・成長抑制・肝臓、腎臓、精巣の重量減 |
プロピレングリコール | 便が硬くなる・腸に障害が出る |
関連記事:キャットフードに酸化防止剤が使われる理由と猫に与える危険性
人工香料・着色料
キャットフードにカラフルな色をつけるのが「着色料」です。着色料は見た目を良くするために使われる添加物ですが、猫は「色などの見た目」ではなく「匂い」で食べ物を選びます。つまり、「着色料」は猫にとっては不必要なものであって、あくまで飼い主さんの視線を引き付けるための添加物なのです。
人工的な香料も猫の食欲をそそるために用いられることもありますが、不自然な香りを嫌う猫もいますので、基本的に香料は必要ないでしょう。
着色料には健康を害するものもあるため、どんな着色料が使われているか必ずチェックしましょう。以下、注意が必要な着色料です。
着色料 | リスク |
赤色102号 | 発がん性・アレルギー |
赤色40号 | 発がん性 |
青色2号 | 死病を引き起こすウイルスに対する猫の感応性を増大 |
穀物・炭水化物
少量ならば問題はありませんし、穀物や炭水化物類の中には豊富な栄養や食物繊維が含まれています。ただし、含有量が35%以上となると、猫が消化できなくなります。
肉類がメインで、炭水化物量が35%以上を超えないものが好ましいでしょう。
炭水化物の計算は、100%-(たんぱく質量+脂質量+食物繊維量+水分量+灰分量)です。
セルロース
セルロースは食物繊維の一種で、水分を含むと膨らみ腸の働きを整える役割があります。 ただし、セルロースは分解して消化吸収できないので量が多いと消化管に負担がかかります。
よりよいキャットフード選びのポイント | 中級
では中級編の記事を読み進めてもらい、猫に毎日食べてもらうにはどういったフードがよりいいのかチェック項目をまとめましたので、ご紹介します。
- 栄養バランスが良いか
- 動物性たんぱくがメイン、良質な素材かどうか
- 気をつけたい原材料と人工添加物は入っていないか
栄養バランスが良いか
成分表から以下をチェック。
- たんぱく質量・脂質量 – AAFCO基準値を上回っているか
- 炭水化物量 – 35%以内か
- カルシウム:リン:マグネシウム – 1.2:1:0.08
動物性たんぱくがメイン、良質な素材かどうか
原材料表から以下をチェック。
- 第一原料 – 肉か魚が使われているか
- その他の原料で嬉しい食材は使われているか(卵・レバー・野菜類など)
- 原産国はヨーロッパ・カナダ・オーストラリアなどがレベルが高い
気をつけたい原材料と人工添加物は入っていないか
原材料表から以下をチェック。
- 肉副産物・家禽ミール・ミートミール・肉骨粉が入っていないか
- 動物性油脂は内容が明確か
- 酸化防止剤が入っていないか
- 着色料が入っていないか
- セルロース、炭水化物類が多すぎないか
よくある質問
ここでは、猫の食事の基本に関するよくある質問をまとめています。
猫と犬とは食性が異なるため、必須栄養素の割合が異なります。
例えばたんぱく質の最低基準値が猫が26.0以上に対して、犬は18.0以上となっているため、基本的なたんぱく質の含有量が異なり、ドッグフードを猫に与え続けると必須栄養素が足りず、体調を崩してしまうでしょう。
また、キャットフードには猫に必要なタウリンやアラキドン酸が含まれているのですが、ドッグフードには含まれておらず、そういった点でも与えてはなりません。
キャットフードはメーカーによって成分が異なるため、あまり変えすぎると猫の体に負担がかかってしまいます。
ただし、猫はフードに飽きてしまうこともあるので、たまに切り替えてあげると良いでしょう。
出来るだけ成分が近いフードをいくつか候補にしておくとより安心です。
切り替えるときは10日間ほどかけて少しずつ混ぜながらゆっくり進めてください。
関連記事:キャットフードのローテーションで知っておくべき6つのポイント
国産のものでも外国産のものでもどちらでも良いです。
原材料においては国産のものを使用しているものが安心できるかと思います。
ただし、国産の材料を使用しているかどうかですが、こちらは材料の原産地が開示されていないと不明です。
国産のものでもパッケージで原材料や成分をなどをチェックして、より良いものを選ぶようにしましょう。
また、日本がペットフードにおける法整備がヨーロッパなどに比べ遅れているため、外国産のものの方が良いといった場合もあります。
手作りフードは人と猫とのコミュニケーションになり、水分が多く摂れ、食材にこだわることができます。
ただし、厳密なカロリー計算や栄養設計がしづらいので、基本的にはドライフードと水を与えた方が良いでしょう。
たまのご褒美や、猫と一緒に行事を楽しみたい、ドライフードを食べなかったり、歯が悪い、離乳食を与えたい、などの場合にとても良いです。
基本的に朝と晩決まった時間に2回に分けて与えると良いでしょう。
1日1回で全ての量を与える自由採食でも構いませんが、猫の性格によっては一度にたくさん食べる子もいるかもしれないので、そうした場合、食事と食事の時間が長くあき、体が脂肪をため込みやすくなります。
猫の性格により、その子にあった回数で対応しましょう。
また、子猫の場合は一度にたくさん食べきれないので、食事回数を1回増やして1日3回であげると良いです。
キャットフードは各フードメーカーが趣向を凝らし、猫のために味や栄養バランスを考えて作られています。
そのため特徴が違う場合もあり、特に効果のあるものは、混ぜるとそれぞれのフードのメリットを活かしきれなくなってしまう場合もありますのでお勧めできません。
フードを変えたい場合などに少しずつ混ぜて変えるといった場合のみ混ぜましょう。
- いかがでしたかぁ?我々の食事の基本。初級編では「総合栄養食であるドライフード」を選ぶことがわかり、中級編ではフードのパッケージを見るポイントをお伝えいたしましたよぉ。ポイントを抑えてより良いフード選びを目指してくださいね!
- いいフードは僕が大好きなお肉やお魚がたくさん入ったものなんですね〜!こういう食事が毎日食べられると僕も嬉しいです!
まとめ
- 総合栄養食のドライフードを基本的に選ぶ
- パッケージの原材料と成分をチェックする
- たんぱく質の最低基準値は26%
- 肉・魚がメインで動物性たんぱくが豊富なものを選ぶ
- 猫が好んでしっかり食べるものを選ぶ
- カルシウム:リン:マグネシウムのバランスの良いものを選ぶ
- 肉副産物・家禽ミール・ミートミール・肉骨粉が含まれているものに注意
- 穀物の量が多すぎないものを選ぶ
- 原材料の分かる動物性油脂が使われているものを選ぶ
- 人工の酸化防止剤の摂取量に注意
- 猫に不必要な人工香料や着色料に注意
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中