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【獣医師監修】下部尿路疾患が気になる猫の食事|下部尿路疾患が気になる猫向けキャットフード

2018-05-21

猫ねこさん

猫の下部尿路疾患食事アイキャッチ

猫ねこさん
猫は尿路結石にかかりやすいので、普段から水分をしっかり与えてストレスがかからないようにすることが大切。もし尿路結石にかかったときは、獣医さんの指導のもと療法食を与えてくださいねぇ。下部尿路疾患が気になる子や尿路結石の猫向けの食事のポイントをご紹介しますよぉ。

猫がかかりやすい尿路結石は、食生活・水分不足・環境・ストレスなどが原因。
トイレに行く回数が増えたり、痛がって鳴く素振りなどが見られたら早めに先生に診てもらいましょう。

普段から予防のために尿路結石に配慮したキャットフードを与えるのも効果的◎
尿路結石になってしまった場合は、獣医さんの指導のもと療法食を与えてくださいね。

今回は下部尿路疾患が気になる猫や尿路結石になってしまった猫向けの食事について徹底解説。
フード選びのポイントや食事の与え方についても詳しくご紹介します!

猫の下部尿路疾患(FLUTD)とは

FLUTDとは、猫の下部尿路疾患(Feline Lower Urinary Tract Disease)の略で、「猫のおしっこに関連する病気全般」を指します。

  • 細菌性膀胱炎
  • 特発性膀胱炎
  • 膀胱腫瘍
  • 尿路結石
  • 血尿

猫の尿路結石とは

FLUTDのなかでも特に猫がかかりやすいのが尿路結石です。猫の尿路結石とは、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができる病気です。

猫の主な尿路結石はストルバイト結石とシュウ酸カルシウム

尿路結石にはいくつか種類がありますが、特に多くの猫がかかりやすいのは以下の2種類です。

  • ストルバイト結石
  • シュウ酸カルシウム

普段からできる尿路結石予防法

猫が尿路結石になって辛い思いをしないよう、普段から尿路結石を予防することが大切です。主な尿路結石予防法は以下の通りです。

  • 水をしっかり与える
  • トイレを清潔に保つ・個数を確保する
  • ストレスを取り除く
  • 定期健診を受ける
  • 尿路結石に配慮したキャットフードを与える

水をしっかり与える

水はいつも新鮮なものを用意し、できればフードと離れた場所にも水飲み場を用意すると良いでしょう。また容器は小さすぎず、猫が飲みやすい平らなものが良いでしょう。猫によっては流れる水を好む場合もあるため、ウォーターファウンテンという循環装置を用意するのもひとつの方法です。また、水分量の多いウェットフードを取り入れるのもおすすめです。

トイレを清潔に保つ・個数を確保する

トイレを我慢させないためにも、トイレはいつも清潔にしておきましょう。また、多頭飼いの場合は、猫が我慢せずに済むよう、できれば猫の数+1個のトイレを用意するのがベストです。

ストレスを取り除く

猫によってストレスは違いますが、考えられる原因を探して猫が心地よく過ごせるようにしましょう。例えば、運動不足の場合、飼い主さんが積極的に遊びに付き合ってあげると良いでしょう。

定期健診を受ける

年に一度は必ず健診を受けに行きましょう。いつでも相談できるかかりつけの動物病院を決めておくと、万が一のときも安心です。

尿路結石に配慮したキャットフードを与える

市販のキャットフードのなかには、普段から猫の尿路結石を予防したい方のために、尿路結石に配慮した総合栄養食があります。これは療法食と違って、健康体の猫向けに作られています。低マグネシウム、低リン、尿pH調整など利尿を促すような工夫がされているのが特徴です。

下部尿路疾患(FULTD)・尿路結石の猫に適したキャットフードの選び方については、次項で詳しく説明します。

下部尿路疾患が気になる猫向けキャットフード選び方

下部尿路疾患・尿路結石用キャットフードは、以下の3種類に分けられます。

  • 下部尿路疾患・尿路結石に配慮した総合栄養食(尿路結石ケア・FLUTDケア)・・・予防が目的(健康な猫用)
  • 療法食・・・治療が目的(治療中の猫用)
  • 維持食・・・症状改善後の再発予防(治療後の猫用)

療法食、維持食は必ず獣医の指導のもと与えるようにしましょう。

下部尿路疾患・尿路結石が気になる猫に適したキャットフード選びのポイントは以下の4つです。

カルシウム、リン、マグネシウムの量を抑え、かつバランスが良い

カルシウム、リン、マグネシウムの理想的なバランスは1.2:1:0.08です。これらのミネラル成分の過剰摂取やバランスの崩れが原因で、尿のpHバランスが崩れ結石ができやすくなります。

ただし、マグネシウムが少なすぎるフードはシュウ酸カルシウムを引き起こす可能性があるため、適度な量に抑えられたキャットフードを選ぶことが大切です。また各ミネラル成分がバランスよく含まれるフードであることも重要です。

尿のpHが調整される

尿のpHが酸性あるいはアルカリ性に傾くことで結石ができやすくなります。そのため、フードを食べると尿のpHが中性弱酸性になるよう調整されたキャットフードを選ぶと良いでしょう。

また、猫の年齢によってマグネシウムとカルシウムが結晶化しやすいpHの値が変わってくるため、年齢にあわせてpH調整することも大切です。

高たんぱくで消化が良い

肉や魚など動物性たんぱくの豊富なキャットフードは消化が良く、尿pHを弱酸性に促します。

また、高たんぱくフードを食べると、尿の量が増えるため、尿路結石ケアに良いと言われています。

食は粗蛋白質含量が乾物当たり29%(対照食)および55%(高蛋白食)の2種類のドライフードとした。高蛋白食給与により尿pHが低下する一方、飲水量には差がなかったにもかかわらず尿量が増加した。また、高蛋白食給与により尿中NH4+濃度は増加したものの、Mg2+ならびにPO43+濃度が低下したため、それら イオンの濃度積(ストルバイト活性積)は低下した。このことはストルバイトが結晶化しにくいことを意味し、実際、高蛋白食給与群では尿中ストルバイト結晶の濃度および日量が減少した。

引用:ネコにおける高蛋白食給与が尿中ストルバイト結晶数ならびに尿不溶性有機成分濃度に及ぼす影響

クランベリー、オメガ3脂肪酸、メチオニン配合

ビタミンCが豊富に含まれるクランベリーにはキナ酸が豊富に含まれており、猫の尿路ケアに役立ちます。

クランベリーに豊富に含まれるキナ酸は体内で吸収されると肝臓で変化し、最終的には馬尿酸に変化して尿を酸性に保つ働きがあり、細菌の増殖を抑えるのによいとされています。

引用:日清オイリオクランベリーシリーズ

また、抗酸化作用の高いオメガ3脂肪酸が豊富に含まれているフードも、下部尿路疾患が気になる猫におすすめです。尿をアルカリ性から酸性に促すメチオニンが配合されたものも良いでしょう。

また、尿のpHをコントロールする作用があります。尿がアルカリ性に偏ると、結石の原因となるストルバイトという結晶ができやすくなりますが、メチオニンによって尿が酸性化されるので、FUS(猫泌尿器症候群)の予防効果が期待されています。

引用:日清ペットフード株式会社

猫ねこさん
尿路結石を予防するには、普段から水分やトイレ環境、ストレス、食事などに気を配ることですねぇ。定期検診も大事ですよぉ。
療法食や維持食をお医者さんの指示なしに勝手に使っちゃいけないんですね。勉強になりますっ。
クロベエ

下部尿路疾患(FLUTD)・尿路結石の猫向けキャットフードのご紹介

※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。

【総合栄養食】ピュリナワン  下部尿路の健康維持F.L.U.T.Hケア チキン

ピュリナワン下部尿路ケア

  • 1kg約870円の低価格ながら消化吸収の良い原材料を配合
  • 成猫に多いストルバイト結石に配慮
  • ミネラルバランス調整で尿pHコントロール
価格2,100円(税込)/2.2kg(1kgあたり約1,050円)
原産国オーストラリア
第一原料チキン
主な成分たんぱく質:34.00% 脂質:14.00%以上 粗繊維:3.00%以下 約370kcal / 100g

下部尿路の健康維持に配慮したピュリナワンの総合栄養食。1kg約1,050円と安価ながら消化吸収の良い原材料を配合。お腹の健康をサポートします。

ミネラルバランス調整で、尿pHが約6.0~6.5になるようコントロール。オメガ3脂肪酸を配合し、尿路の健康維持をサポート。

適切なリンの含有量、ビタミンE、Cなどの抗酸化成分、オメガ3脂肪酸が腎臓の健康を維持します。

【療法食】VetSolution(ベッツソリューション) 成猫用 尿中シュウ酸塩サポート

ベッツシュウ酸

  • シュウ酸カルシウム結石にかかった猫用食事療法食
  • マグネシウム、リンを制限、カルシウムを適切な配合量に調整
  • pH調整で尿の酸性化を防止
価格5,236円(税込)/2kg(1kgあたり約2,618円)
原産国イタリア
第一原料加水分解サーモンタンパク
主な成分たんぱく質:34.70%以上 脂質:15.80%以上 粗繊維:2.60%以下 388kcal / 100g

シュウ酸塩結石の形成リスクがある猫用フード。マグネシウムやリンを制限しつつもカルシウムは適切に配合。L-カルニチンを配合することで体重維持もサポートします。

食物アレルギーに配慮したグレインフリーなので、消化にかかる皮膚疾患へのストレスも軽減。ほんの少しの酸味と塩分を感じる魚風味のフードです。療法食なので、必ず獣医さんの指導のもと与えてくださいね。

【療法食】VetSolution(ベッツソリューション) 成猫用 尿中ストルバイトサポート

ベッツストルバイト

  • ストルバイト結石の猫向け食事療法食
  • 低マグネシウム設計
  • 結晶化を防ぐため尿の酸性化をサポート
価格1,765円(税込)/400g(1kgあたり約4,412円)
原産国イタリア
第一原料加水分解サーモンタンパク(19%)
主な成分たんぱく質:34.70%以上 脂質:17.90%以上 粗繊維:4.10%以下 390kcal / 100g

上でご紹介したベッツソリューションのストルバイト結石の猫版。ストルバイト尿路結石を防ぐための低マグネシウム設計、さらに結晶化を防ぐため尿の酸性化をサポート。

サーモン味なのでお魚好きは食べやすいかもしれませんね。療法食なので必ず獣医指導のもと与えてください。

【療法食】カントリーロードプレシャスサポート F.L.U.T.D.ケア用 食事療法食

プレシャスサポート

  • 尿pH6.5になるよう調整、ストルバイト結石・シュウ酸カルシウムともにケア
  • 粗タンパク35%以上の高たんぱくフードが自然な飲水を促す
  • 適度なミネラルバランスが猫の健康をサポート
価格1,980円(税込)/650g(1kgあたり約3,046円)
原産国アメリカ
第一原料サーモン
主な成分粗たんぱく質:35.00%以上 粗脂肪:15.00%以上 粗繊維:7.00%以下 339kcal / 100g

下部尿路ケアを考えた子猫からシニア猫まで使えるアメリカ産フード。低アレルゲンで消化吸収の良いサーモン生肉を主原料に使っており非常に高タンパク。自然と飲水を促し下部尿路疾患をサポートします。

シュウ酸カルシウムもケアする最適のpHバランス6.5になるよう調整。健康維持に役立つミネラルバランスになるよう原材料を配合しています。療法食なので、必ず獣医指導のもと与えてくださいね。

【療法食・維持食】ヒルズ プリスクリプション・ダイエット c/d マルチケア チキン ドライ

プリスクリプションダイエットマルチケアc/d

  • 尿路結石の治療食・維持食、治療後も継続的に使える
  • マグネシウム、リン、カルシウムを調整しストルバイト結石・シュウ酸カルシウム・特発性膀胱炎をケア
  • 抗酸化作用の高いオメガ3脂肪酸配合
価格5,890円(税込)/2kg(1kgあたり約2,945円)
原産国チェコ
第一原料
主な成分たんぱく質:33.90%以上 脂質:16.10%以上 粗繊維:1.00%以下 マグネシウム:0.072g/100kcal 387.8kcal / 100g

アメリカの獣医がNO.1に推奨するというヒルズの尿路ケア用療法食。下部尿路疾患で最も多い特発性膀胱炎発症時の89%のケアに役立つことが科学的に証明された栄養となっています。

尿pHに配慮しミネラルのバランスを調整。マグネシウム、カルシウム、リンの含有量を調整し、猫の健康維持に欠かせないオメガ3脂肪酸を配合しています。必ず獣医指導のもと与えるようにしてくださいね。

【療法食】ロイヤルカナン ユリナリーS/Oオルファクトリーライトドライ

ユリナリーS/Oオルファクトリーライトドライ

  • バランスの取れたミネラル成分を配合し泌尿器の健康を維持
  • 尿pHをアルカリ性から酸性へ促すDL-メチオニン配合
  • 十分な水分補給とフードを合わせてユリナリーケアをサポート
価格5,245円(税込)/2kg(1kgあたり約2,622円)
原産国韓国
第一原料超高消化性小麦タンパク
主な成分たんぱく質:31.00%以上 脂質:11.0%以上 食物繊維:12.00%以下375cal / 100g

ミネラルバランスを調整し、ストルバイト結石・シュウ酸カルシウムをケアする療法食。

尿pHをアルカリ性から酸性へ促すDL-メチオニンを配合しています。毎日の総合栄養食として、バランスの取れたミネラル成分を配合し、十分な水分補給も合わせて泌尿器の健康をサポートします

よくある質問

すぐに食事療法を始めた方がいい?

猫の症状がひどい場合は、まず症状を改善する必要があります。食事療法を始めるのは状態が安定してからです。必ず獣医の指示に従って始めるようにしましょう。

予防食はずっと続けるの?

予防食は半年くらいで普通食に戻してもらってもよいですが、医師によっては継続するよう指示されることもあります。

療法食と尿路結石ケアフード、どちらを与えるの?

尿路結石用の療法食は、結石を溶かすことを目的として作られたキャットフードです。食事療法では療法食を与えるようにしましょう。自己判断で与えるのではなく、必ず獣医に診てもらって指示を受けましょう。

市販のキャットフードのなかには、「尿路結石ケア」「FLUTDケア」などと記載のある総合栄養食がありますが、これはあくまで健康な猫向けの予防食なので食事療法では使いません。

療法食と一緒におやつをあげてもいい?

療法食以外の食事を与えると、食事療法の効果が十分に期待できない可能性がありますので、一般のおやつは与えないようにしましょう。ただし、療法食と同じ栄養成分のおやつタイプの療法食なら与えても良いでしょう。

療法食への切り替え方は?

いきなり療法食に切り替えるのではなく、今までのフードに療法食を少しずつ混ぜ、徐々に療法食の割合を増やしていって1週間程度で完全に切り替えるようにすると良いでしょう。

また、症状が悪化して食欲が下がる前に早めに療法食に慣れさせることも大切です。ただし、退院してすぐなどはストレスもかかっているため、その時期に療法食を与えるとなかなか食べてくれないことがあります。まずは慣れ親しんだ今までのフードで猫の気持ちを落ち着けてから、療法食に切り替えるのもひとつの方法です。

療法食を食べてくれないときの対処法は?

療法食を食べてくれないときは以下のような方法を試してみると良いでしょう。

  • 猫の好きなものを少し混ぜてみる(必ず獣医に相談)
  • 手にフードをのせて与える
  • 今までのフードから少しずつ切り替える
  • ドライフードに少しお湯を加えて人肌に温める
  • ウェットフードに変えてみる・ウェットフードをレンジで温める

体調や環境によって食べてくれないこともありますが、2日以上まったく食べない、あまり食事をとらない日が3~5日以上続いている場合などは、すぐに獣医に相談しましょう。絶食が2~3日続くと肝リピドーシスという病気を引き起こします。

療法食がなくなったら追加で同じフードを買って与える?

猫の症状や健康状態などにあわせて食事療法を見直す必要がありますので、必ず定期的に獣医の診察を受け、指示をもらってからフードを与えるようにしましょう。

症状が良くなってきた。療法食はいつまで続ける?同じものをずっと続けていい?

療法食を続けるかどうかについて自己判断は禁物です。必ず獣医に診てもらって指示をあおぎましょう。

また、できやすい結石は猫の年齢や環境などによって変わり、尿石の種類が違うと食事療法も異なります。そのため、必ず定期的に獣医の診察を受けて指導を受けてください。

まとめ

下部尿路疾患が気になる猫、尿路結石になってしまった猫向け用キャットフードの選び方については以下のまとめを参考にしてください。

  • FLUTD・尿路結石に配慮した総合栄養食と療法食・維持食は別物
  • 療法食・維持食は必ず獣医の指導のもと与える
  • ミネラル成分を適度に抑え、なおかつバランスが良いキャットフードが効果的
  • 尿のpHは年齢にあわせて調整
  • 高たんぱくフードは尿pHを弱酸性にし、尿量も増える
猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。

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ふくふく動物病院 院長 平松育子
【監修】ふくふく動物病院 院長
獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子

京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/山口県内の複数の動物病院にて勤務/2006年3月3日 阿知須にてふくふく動物病院開業