- キャットフードのパッケージには原材料や賞味期限などの表示が義務付けられているんですねぇ。その子にあったフードを選ぶためには、パッケージに記載されている表示項目を正しく見る力が必要なんですよぉ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
キャットフードのパッケージには、使用されている原材料や成分、賞味期限などの情報が記載されています。
でも、実際に成分表を見てみると、聞き慣れない言葉もたくさんありますよね。
「使用している原材料って全部表示されてるの?添加物はどう?」
「総合栄養食、療法食って何?」
「成分表示があるけど、結局何がどれくらい入ってればいいの?」
など、パッケージの見方がよく分からないという方も多いと思います。
そこで今回は、ペットフードの表示基準、ペットフードに必要な表示項目、表示項目で確認すべき点を詳しく解説します!
ペットフードの表示基準
現在、キャットフードのパッケージには、人間の食品と同じように原材料や成分、賞味期限などの情報が記載されています。
ペットフードのパッケージへの記載項目については、ペットフード公正取引協議会(※)が定めた「ペットフードの表示に関する公正競争規約」という自主ルールによって規制されており、「名称、賞味期限、原材料名、事業者名及び住所、目的、内容量、給与方法、成分」の9つの表示項目を記載することが定められていました。しかし、これらはあくまで自主規制なので、最近になるまで義務化されていませんでした。
状況が変わったのは2007年。中国原産のフード原料に有害物質メラミンが混入していたことが原因で、アメリカの犬猫に大規模な健康被害が発生しました。この事件を機に、日本でも「ペットフードを規制する法律を」という声が高まり、2009年6月にようやく「ペットフード安全法」が施行されました。この法律によって、公正競争規約の9つの表示項目のうち「名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名及び住所」の5つの表示項目が義務化されました。
しかし、「ペットフード安全法」で義務化されたのは、上記の5項目のみであり、残りの4項目については、自主規制ルールのままで、公正取引協議会の非会員には違反などの罰則はありません。
※ペットフード公正取引協議会・・・景品表示法に基づき、ペットフードの表示と景品類の提供に関して規則を定め、自主的運営を目的として活動している事業者団体。会員になるのはメーカーの任意だが、国内のペットフード製造・販売・輸入事業者の9割以上は加入している。
- ペットフードの表示が法律で義務化されたのは2009年のこと。それまでは自主規制ルールしかなかったんですよぉ。ただ、自主規制ルールでは9項目が定められていたんですが、義務化されたのはそのうちの5項目、とやや緩い部分はありますねぇ。
- まだつい最近の話なんですねっ。ほとんどのフードメーカーが自主規制ルールを取り入れているとはいえ、やっぱりいずれは9項目すべてが法律で義務化されてほしいです!
ペットフードに必要な表示項目
前述のように、ペットフードのパッケージに記載される表示項目には「ペットフード安全法」で義務化された5つの表示項目と、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で定められた4つの表示項目があります。
ここでは、それぞれの表示項目について説明します。
「ペットフード安全法」で表示義務のある5項目
- 名称
- 賞味期限
- 原材料名
- 原産国名
- 事業者名及び住所
名称
ペットフードの名称には、商品名を記載します。犬用または猫用であることが分かるように記載する必要があります。
賞味期限
賞味期限とは「製品ごとに定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持(栄養価や風味が保証される)が十分に可能であると認められる期限」のことです。
年月日もしくは年月で表示することが義務付けられています。
関連記事:キャットフードの賞味期限と注意点
原材料名
添加物を含め、使用した原材料をすべて記載する必要があります。添加物以外の原材料は、使用量の多い順に記載することが公正競争規約で定められています。
添加物のうち、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤を使用している場合は、用途名と添加物名両方を記載する必要があります。
ただし、原材料に含まれる添加物の表示は任意です。
原産国名
原産国名には、ペットフードの最終加工工程を完了した国(パッケージングは含まない)を記載する必要があります。
フードの種類によって最終加工工程は異なりますが、ドライフードの場合はフードの成形を行った国、ウェットフードの場合はレトルト殺菌工程を行った国となります。
原産国は原材料の産地とは違うため注意が必要です。例えば、中国産の原材料を使用していたとしても、日本で最終加工を行えば原産国は「日本」となります。
事業者名及び住所
製造業者の種別(製造業者、輸入業者、販売業者、製造者、輸入者、販売者)の名称及び住所を記載する必要があります。
「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で定められた4項目
公正競争規約では、安全法で義務化された5項目に加え、以下4項目の表示も定められています。
- 目的
- 内容量
- 給与方法
- 成分
目的
フードの目的を記載します。ペットフード公正競争規約で定めるフードの目的は以下の4種類です。
- 総合栄養食
- 間食
- 療法食
- その他の目的食
総合栄養食
新鮮な水と一緒に与えるだけで、成長段階に応じた健康を維持できるよう、栄養バランスが調整されているフード。主食として与える際に選ぶフードです。そのフードに適した成長段階を必ず記載する必要があります。
AAFCO(米国資料検査官協会)基準をクリアしたフードだけが総合栄養食と表示されます。
間食
おやつやしつけのごほうびとして与えるフード。代表的なものにジャーキーやガムがあります。限られた量を時を選ばず与えられるフードは、「おやつ」「スナック」などと表示することもできます。
療法食
特定の疾病や健康状態の場合に、獣医の指導のもと食事管理をするために与えるフード。特定の栄養成分が調整されているため、対応する疾病名や健康状態を表示する必要があります。
その他の目的食
特定の栄養の調整、エネルギーの補給、嗜好性を高めることを目的として与えるフード。
その他の目的食は、以下のように表示されます。
- 一般食(おかずタイプ)
- 一般食(総合栄養食と与えてください)
- 栄養補完食
- カロリー補完食
- 副食
- サプリメント
総合栄養食ではないため、これらのフードは必ず総合栄養食と一緒に与える旨、および食事の内容や量などを記載する必要があります。
内容量
グラム(g)、キログラム(kg)、もしくはミリリットル(ml)、リットル(l)の単位で記載することが定められています。
おやつの場合は個数や本数などで記載する場合もあります。
給与方法
1日に与える給与量や回数の目安を記載することが定められています。
記載されている給与量や回数はあくまで目安ですので、体重や飼育環境にあわせて調整すると良いでしょう。
関連記事:【年齢・ライフステージ別】1日のキャットフードの量と回数の目安
成分
以下の5つの成分の割合を%で記載することが定められています。
- たんぱく質
- 脂肪
- 繊維
- 灰分(ナトリウムやカルシウムなどのミネラルの総量)
- 水分
成分表の見方については、次項で詳しく説明します。
- 原材料や賞味期限なんかは見る人も多いと思いますけど、フードの目的や成分などもとっても重要ですよぉ。健康のためには、猫にあった目的や成分のものを選ぶことが大切ですからねぇ。
- 普段なにげなく見てるパッケージですけど、こんなにたくさんの情報が載ってたなんて知らなかったですっ。。。
表示項目で確認すべき点
ここでは、9つの表示項目のなかで、特に注意して確認しておきたいポイントについて説明します。確認すべきポイントは以下の4つです。
- 目的
- 原材料
- 成分
- 原産国
目的
目的にあったフードか
どのような目的でフードを与えるかによって、以下のようにフードの種類は変わってきます。
- 主食として与えたい→総合栄養食
- おやつとして与えたい→間食、その他目的食
- 病気の治療の一環として与えたい→療法食
そのため、目的にあったフードを選ぶことが大切です。
また、総合栄養食を与える場合は、成長段階にあったものかどうか(子猫期、成猫期、妊娠・授乳期など)も必ず確認しましょう。
原材料
主原料に肉や魚などの動物性食材が使われているか
フードに使用されている原材料は量の多い順に記載されています。つまり、「一番多いもの=主原料」が最初に記載されているということです。
肉食である猫の食事には、肉や魚などの動物性食材が不可欠です。なぜなら、猫の必須栄養素であるタウリン、アラキドン酸は植物性食材には含まれておらず、動物性食材にしか含まれていないからです。
そのため、主原料に肉や魚などの動物性食材を使用しているフードを選ぶことが大切です。
関連記事:猫は肉食?雑食?猫の食性と理想的な食事
注意の必要な原材料が使われていないか
キャットフードに使用される原材料のなかには、注意の必要なものもあります。
以下のような原材料が使われているフードはなるべく避けた方が良いでしょう。
- 肉副産物
- 家禽ミール・ミートミール
- 主原料が米・麦・トウモロコシなどの穀物
- BHT・BHA・エトキシキン・没食子酸プロピル
- 香料・着色料
- セルロース
- 低品質な動物性油脂
関連記事:注意の必要な原材料
成分
たんぱく質・脂肪がAAFCOの基準を満たしているか
AAFCO(米国飼料検査官協会)では、猫の必須栄養素の最低基準を定めており、ペットフード公正取引協議会でもAAFCOの基準を取り入れています。
しかし、あくまでもAAFCOの定める基準はガイドラインであって法的拘束力はありません。
そのため、各成分がAAFCOの基準を満たしているか、成分表で必ず確認することが大切です。
特に、たんぱく質・脂肪は猫のエネルギー源となる大切な栄養素ですので、必ずチェックしましょう。AAFCOが定めるたんぱく質・脂肪の基準は以下の通りです。
【たんぱく質】
- 成猫・・・26%以上
- 子猫・・・30%以上
【脂肪】
- 成猫/子猫・・・9%以上
ただし、パッケージに記載の含有量は水分を含んだ表示ですので、AAFCO基準と照らし合わせるときは乾物量(水分を除いた含有量)を求める必要があります。計算方法については「よくある質問」をご覧ください。
オメガ6:オメガ3のバランスが良いか
成分表に「オメガ6脂肪酸」「オメガ3脂肪酸」の割合が記載されている場合、そのバランスを確認することが大切です。
いずれも猫の必須脂肪酸であって、食事からとる必要がある栄養素です。
「オメガ6」と「オメガ3」はバランスよくとる必要があり、「オメガ6:オメガ3=5:1~10:1」が適当と言われています。バランスが崩れてしまうと、皮膚やお腹の調子に影響が出てしまうこともあります。
特に、魚系のキャットフードの場合「オメガ3」が「オメガ6」より多く含まれているため、バランスには注意した方が良いでしょう。
カルシウム:リン:マグネシウムのバランスが良いか
成分表に「カルシウム、リン、マグネシウム」の割合が記載されている場合、そのバランスを確認することが大切です。
カルシウム、リン、マグネシウムは猫の健康にとって必要不可欠なミネラル成分です。
これらは互いに結びついて働く成分なので、どれかひとつの量に注意すれば良いというわけではなく、バランスが良いかが重要です。猫にとって理想的なバランスは「カルシウム:リン:マグネシウム=1.2:1:0.08」と言われています。
バランスが崩れることでFLUTD(猫下部尿路疾患)を引き起こすこともあるため、特に下部尿路疾患が気になる猫は注意した方が良いでしょう。
関連記事:猫の下部尿路疾患・尿路結石について
原産国
原産国はメーカーのある国とは限らない
前述のように、原産国は「ペットフードの最終加工工程を完了した国」のことを指します。
メーカーのある国が原産国とは限らないため、注意が必要です。
ペットの法整備や製造基準が整った国が好ましい
ペット先進国のイギリスやアメリカでは、AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準を採用するなど製造基準やペットの法整備も整っています。
製造基準やペットの法整備が整っていない国で製造されたフードは、食用に適さない部位等を使っている可能性もあります。
そのため、できるだけペットの法整備や製造基準の整った国で製造されたフードを選ぶようにしましょう。
- 原材料や成分は特にしっかりチェックしてくださいねぇ。私たち猫に必要なたんぱく質や脂肪の割合はもちろん、動物性食材が主原料に使われているかどうかも重要ですよぉ。
- 実は、パッケージにいろいろ書いてあってもいまいちどんなところを見ればいいのかわからなかったんですっ。毎日の食事の栄養バランスって健康を左右するから、もっと真剣にチェックしなきゃダメですね!
成分表の見方
ここでは、成分表に記載される各成分について詳しく説明します。
たんぱく質
役割
たんぱく質には以下のような役割があります。
- 筋肉や臓器、皮膚、被毛、血管などの健康維持
- エネルギー源になる
完全肉食動物である猫は、たんぱく質を分解する能力が非常に高いため、体内で常にたんぱく質が分解され、エネルギーとして使用されます。そのため、犬や人間に比べ多くのたんぱく質を必要とします。
最低基準
AAFCO(米国飼料検査官協会)では、たんぱく質の最低基準を以下のように定めています。
- 成猫・・・26%
- 子猫・・・30%
成分表を見る際は、この基準を満たしているかを必ず確認しましょう。
種類に注意
ただし、この基準を満たしていれば、どんなたんぱく質でも良いわけではなく、猫に必要なのは動物性たんぱく質です。というのも、猫の必須アミノ酸「タウリン」は動物性食材にしか含まれておらず、また消化率も植物性たんぱく質に比べて高いからです。
動物性たんぱく質が多く含まれているかは、成分表示だけでは分からないため、原材料とあわせて見ることが大切です。
関連記事:キャットフードに含まれるべきたんぱく質の種類と必要量
成長期、妊娠・授乳期の猫には多く必要
成長期の子猫や、妊娠・授乳期の猫には特にたんぱく質が多く必要となるため、なるべく高たんぱく(約30%以上)のフードを選ぶことが大切です。
脂肪
役割
脂肪には、以下のような役割があります。
- エネルギーの供給
- 脂溶性ビタミンの吸収を助ける
- 必須脂肪酸を供給する
なかでも、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸とリノール酸や、アラキドン酸などのオメガ6脂肪酸は、さまざまな活性細胞を作り、体から水分が失われるのをコントロールする等の重要な役割があります。
最低基準
AAFCO(米国飼料検査官協会)では、脂肪の最低基準を以下のように定めています。
- 成猫/子猫・・・9%
成分表を見る際は、この基準を満たしているかを必ず確認しましょう。
特に運動量が多い猫や病気の猫などには、脂肪が多く含まれた(約20%)フードを与えるようにしましょう。
過剰摂取に注意
室内猫で運動量が少ない場合、過剰にとりすぎると肥満を招くため、とりすぎには注意が必要です。
繊維
役割
繊維には、以下のような役割があります。繊維質は、消化酵素で消化することはできませんが、腸内で重要な役割を果たしています。
- 腸への負担を抑え、腸内をきれいにする
- 水分を吸収して膨らみ便通を促す
- 一時的な満腹感を与える
毛玉を吐きやすい猫には多く必要
キャットフードの繊維質の割合は通常3~10%程度です。
毛玉を吐きやすい猫の毛玉対策には食物繊維が多く必要なため、そちらを多く配合している毛玉対応のキャットフード(食物繊維が約10%前後のもの)を選びましょう。
関連記事:毛玉が気になる猫の食事 | 毛玉ケアキャットフード
食物繊維が適量入っていた方が良い猫もいる
グレインフリーフードは、繊維質が3%以下と少ないものが多いです。
猫によっては、適量の食物繊維が入っているフードの方がお腹にあっている場合もありますので、猫にあった繊維量のフードを選びましょう。
灰分(ナトリウムやカルシウムなどのミネラルの総量)
ミネラル分はバランスよくとることが大切
灰分とは、食品を燃やしたときに灰として残るミネラル分のことです。
ミネラルは100種類以上ありますが、以下の6種類が猫の必須ミネラルです。
- カルシウム
- リン
- ナトリウム
- マグネシウム
- カリウム
- クロール
ミネラル成分は互いに影響しあって作用するため、バランスよく摂取する必要があります。
灰分の割合とは別に「カルシウム~g」「リン~g」などとミネラルごとに表記があるものの方が安心です。
水分
キャットフードに含まれる水分量は、フードの種類によって異なります。
- ドライフード・・・約10%
- ウェットフード・・・約80%
ドライフードの場合はだいたい10%以下ですが、なかには10%を超えるものもあります。
水分が多いとカビや腐敗のリスクが高まるため、水分量には注意しましょう。
よくある質問
人間の食品では、栄養成分の標準的数値が表示されていて、必ずしもその含有量が保証されているわけではありません。つまり、あくまで目安の値が表示されているのです。
しかし、ペットフードでは栄養バランスが非常に重要となるため、 保証分析値 が表示されています。保証分析値とは「これだけの量が入っていることは保証しますよ!」という意味です。
栄養上必要なたんぱく質や脂肪については、「最低これだけは入っていますよ」という意味で「~%以上」と表示します。一方、水分、繊維、灰分は含有量が多くなることで一定の栄養を摂取できなくなる恐れなどがあるため、「最大でもこれだけしか入っていませんよ」という意味で「~%以下」と表示しています。
「粗」とは「おおよそ」や「だいたい」「約~」という意味です。なぜ、あえてこうした曖昧とも思える表示をしているかというと、その成分だけを測定することが難しく、純粋な成分以外の成分も含まれてしまうからです。
ほぼ同じ方法で栄養成分を測定している人間の食品には「粗」という表示はありません。ペットフードは人間の食品と違って保証分析値を示していることから、その分析精度が重要視されます。そのため、あえてペットフードには「粗」をつけているのです。
測定方法、純粋な成分以外に含まれる他の成分は以下の通りです。
- 粗たんぱく質・・・ 窒素化合物を測定してたんぱく質量を推定 。アミノ酸やアンモニアも含む。
- 粗脂肪・・・エーテルで抽出。脂肪の中に溶けているビタミンやその他の成分も含む
- 粗繊維・・・酸とアルカリで抽出。酸やアルカリに溶けないケラチンなども含む。
- 粗灰分・・・燃やして灰として残った部分を測定。ミネラルやその酸化物も含む。
乾物量(DM量)とはフードに含まれる水分を除いた際の含有量です。一方、パッケージに記載の数値は、特別な記載がない限り、水分を含んだ表示となっています。
例)ドライフード(水分量10%)、粗たんぱく質30%とパッケージに表示されている場合の乾物量の求め方
粗たんぱく質30%とは、「フード100g中に30g粗たんぱく質が含まれている」という意味になります。
このフード100gには水分も含むため、乾物量を計算する場合は、以下のように水分量を除く必要があります。
乾物量=30%÷(100-10)×100=33.3%
このように、パッケージに記載の含有量は乾物量に比べ低い数値となります。
まとめ
表示が義務化されているのは5項目だけですが、自主基準の4項目も非常に重要ですので、なるべく9項目すべてをしっかり記載しているキャットフードを選ぶことが大切です。
- ペットフード安全法によって5つの表示項目が義務化されている
- ペットフード公正取引協議会が定めた自主規制ルールでは9つの表示項目が定められている
- 義務化されているのは名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名及び住所
- 添加物を含めすべての原材料を記載する必要がある
- 添加物以外の原材料は多い順に記載
- 原材料に含まれる添加物の表示は任意
- 原産国はペットフードの最終加工工程を完了した国であり、原材料の産地とは異なる
- 自主規制ルールでは、目的、内容量、給与方法、成分の表示も定められている
- フードの目的には総合栄養食、間食、療法食、その他の目的食がある
- 成分表示ではたんぱく質、脂肪、繊維、灰分、水分を%で記載
- 目的にあったフードを選ぶことが重要
- 主原料に肉や魚などの動物性食材を使用したフードを選ぶ
- 注意の必要な原材料が使われていないか確認
- たんぱく質・脂肪がAAFCOの基準を満たしているかを確認
- オメガのバランス、カルシウム・リン・マグネシウムのバランスを確認
- 法整備や製造基準の整った国で製造されたフードを選ぶ
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。