- いやぁ猫ってほんとよく寝ますよねぇ。まぁ私も寝ることが趣味のようなもんですけどねぇ。今回はそんな「猫の睡眠」についてのお話しですよぉ。
猫の寝ている姿って、なんであんなに可愛いんでしょうか。ずっと眺めていたくなりますよね。
でも実際「猫の睡眠時間がどれぐらいか」また「なぜよく寝るのか」知っていますか?また「寝ている時はどうしてあげたらいいか」など、知っているようで知らないことっていっぱいあるんですよね。
そこで今回はそんな「猫の睡眠」についてご説明します。寝姿から推測できる病気などもあわせてご覧くださいね。
猫の睡眠時間は長い
猫はよく寝る生き物。猫という名前は「寝る子=寝子(ねこ)」からきているのではと言われるほどです。
以下は猫の平均的な睡眠事情。みなさんのおうちの猫もあてはまるのではないでしょうか?
- 成猫の睡眠時間は12~16時間
- 子猫は18~20時間も寝る
- 老猫も1日の大半を寝て過ごすことが多い
成猫の睡眠時間は12~16時間
成猫が一日で寝る時間は、一般的にトータルで12~16時間と言われています。1日の半分以上…私たち人間からみれば羨ましい限りですよね。
しかし猫は、人のように一気に睡眠をとるわけではなく「細切れ寝」「ちょこちょこ寝」をしながら12~16時間程寝ます。
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子猫は18~20時間も寝る
子猫はさらに長く18~20時間ほど。子猫にとっての睡眠は、成長ホルモンが分泌される大切な時間です。ミルクやご飯の時間以外はほとんど寝ている、と言ってもいいでしょう。しっかり食べたくさん寝ることで健やかに成長していきます。
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老猫も1日の大半を寝て過ごすことが多い
猫も年を重ねることで足腰や代謝、免疫などが衰えます。それにより若い頃はなんてことのなかった動作にも体力がうんと必要だったり、疲れやすくなったり。1日中ほとんど寝ているという老猫も多くなります。
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猫がずっと寝ている理由
猫がよく寝る理由は、主に以下の6つ。
- 体力の温存
- 眠りが浅い
- 季節や時間によるもの
- 年齢(子猫・老猫)
- 通院などのストレス
- 病気
体力の温存
猫は元々狩りをして暮らしていた生き物。生活していくためには、狩りの体力や能力が必要でした。そのため多くのエネルギーを温存すべく、活動時間以外はできるだけ体力を使わず睡眠をとっていたとされます。その名残から現代でも睡眠時間が長いと言われています。
眠りが浅い
猫の眠りにも人間と同じように「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。
- レム睡眠…浅い眠り。眠っていながらも脳は活動している状態。
- ノンレム睡眠…深い眠り。脳も体もしっかり眠っている状態。
人間はこの2つの睡眠を交互に繰り返していますが、全体の80%程が「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い眠りです。
しかし猫は逆。全体の80%程が「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りです。これは野生の名残ですぐに危険を察知できるようにするためだとか。
このように、猫は浅い眠りが多いことから睡眠時間が長くなっていると言われます。
季節や時間によるもの
季節や時間、天気などによっても睡眠時間が長くなる傾向が。
冬
野生の動物の多くは冬になると活動量が減ると言われています。冬眠などで獲物が減り食べ物にありつけなくなるので、消費カロリーを抑えようと行動量を減らすのです。
加えて厳しい寒さからも身を守らなくてはならないので、脂肪を減らすわけにはいきません。その名残からも、冬になると猫の睡眠時間はより増えると言われています。
雨降りの日
元野生っ子の猫。雨の日には狩りに出てもなかなか獲物にありつけなかったことから、むやみに行動せずよく寝る傾向に。
また人と同様、低気圧の時は血管やリンパの流れの圧力低下が起こり、体調を崩しやすくなると言われています。酸欠になりやすいとも。猫にもこれらが当てはまるため睡眠時間が増えるとされています。
さらに祖先が砂漠猫だからという説も。砂漠猫にとって体が濡れることは、体温低下などを招き命取りに。雨の日は極力行動しないことが鉄則だったようです。
日中
野生時代、猫が獲物を狩っていた時間は夜や明け方。それにより現代の猫にも
- 夜や明け方=獲物を狩る活動時間
- 日中=体力をしっかりと温存する時間
という習性が残っているとされています。
年齢(子猫・老猫)
子猫、老猫といった年齢によるものも理由の一つ。
子猫は寝ている間に成長するとも言われ、長い睡眠時間が必要です。また老猫は体力温存のためよく寝る傾向に。
通院などのストレス
動物病院への通院などでストレスを感じると、帰ってからずっと寝ているなんてことも。精神的な疲れや過度の緊張からくるものと言われます。そんな時はしっかり寝かせてあげてください。
病気
猫がよく寝ることは普通のことです。しかしいつも以上に寝ている、いつもと様子が違う、そういった場合には病気が隠れている可能性も考えられます。
呼びかけても反応がない、起きている時間も食欲がないなど、気になる様子が現れたら動物病院で診察してもらいましょう。
- ぼくたちがいっぱい寝る理由ってこんなにあるんですねっ。ちなみにぼくは食いしん坊なんで、たらふく食べたあとにお腹をだしてお昼寝するのが至福の時間ですっ。
猫がずっと寝ている時はどうする?
猫が気持ちよく寝ている時は、快適に過ごせるよう以下のポイントを気にしてあげましょう。
- 温度調整する
- 居心地の良い寝床を用意する
- 触らない
- 静かにする
温度調整する
体を丸めて縮こまって寝ている時は寒いと感じている可能性あり。震えなどないか確認してみてくださいね。逆に仰向けでへそ天状態、さらに足を伸ばしきっているような萌えスタイルの時は実は暑がっているのかも…。
寝姿や季節、時間帯などによって温度調整してあげましょう。
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居心地の良い寝床を用意する
猫は適度に薄暗いような狭い場所が好き。そうかと思えば日差しぽかぽかのひなたぼっこも好きですよね。また周りを見渡せるような高い所もお気に入り。ふかふかのベッドで眠りたい時もあれば、フローリングのひんやり気分の時も。
居心地の良い寝床をいくつか用意してあげると、猫自身が好きな場所を選ぶでしょう。
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明るさにも気を使って
猫にとって蛍光灯やLEDの人工の光は、少々強いと感じている可能性が。猫が手で顔を覆って寝ていたり、何かに顔を突っ込んで寝ている時は「まぶしいよぉ」と思っているかもしれません。照明を消すなど明るさにも気を使ってあげましょう。
触らない
寝ている姿、可愛いんですよね。触りたくなっちゃうんですよね。でも我慢^^。
敏感な子は少し触るだけでも起きてしまいます。睡眠の中断は睡眠の質を下げてしまいますし、寝不足の猫はイライラも増えますよ。できるだけ触らずにしっかり寝かせてあげましょう。
静かにする
多少の生活音には慣れている子がほとんどですが、中にはちょっとした音で起きてしまう子も。どちらにせよ生活している以上無音にすることは難しいので、テレビや音楽、会話の音量を少し下げてあげましょう。
また足音に気を付けてあげるなど、飼い主のちょっとした行動で猫の睡眠の質も上がりますよ。
こんな寝姿のときは注意
こんな寝方をしていませんか?以下のような寝姿が見られたら注意深く観察し、場合によっては動物病院で診察を受けましょう。
- 呼吸がおかしい
- うずくまって寝ている
- 寝姿を見せないように隠れる
- 数日間ずっと寝ている
呼吸がおかしい
お腹のあたりを観察すると、健康な場合は一定のリズムでゆっくりと呼吸していることが分かります。一方具合が悪い場合には呼吸のリズムが崩れていることが多くなります。速すぎる、苦しそうなど、明らかにいつもと違う場合は注意深く観察しましょう。
うずくまって寝ている
寒さで丸まって寝ている場合もありますが、これはいたって普通の寝姿とも言えるでしょう。しかしずっとうずくまっているようなら具合が悪い可能性が。呼吸や体温低下なども確認してください。
寝姿を見せないように隠れる
猫は遊んでアピールやかまってアピールはしますが、痛いアピールや辛いアピールはあまりしないもの。それは「自分で治そう」という野生の本能からきているものと言われます。そのためやはり飼い主が気付いてあげることが重要。
寝姿を見せないようじっと暗い場所で隠れているような場合は、具合が悪いサインかもしれません。
数日間ずっと寝ている
ご飯をはじめ、いつも起きてくる時間にも起きてこない…数日間ずっと寝ている…そうなると要注意。病気、けが、精神的ストレスなど、何かしらのトラブルを抱えている可能性があります。場合によっては命に関わることもあり得るので早めに動物病院へ。
よくある質問
病院での緊張や疲れ、手術後の違和感などから帰宅後ずっと寝ている子も。手術後、数日~2、3日続く場合もあります。安心させてあげて、ゆっくり休息をとらせましょう。ただし、少しでも気になる様子が見られたら動物病院へ相談してくださいね。
関連記事:【獣医師監修】猫の避妊・去勢手術について
ワクチン接種も避妊・去勢手術同様、猫にはちょっと疲れてしまうイベント。接種後に元気がなくなり、よく寝るのも珍しいことではないでしょう。
しかし極端にぐったりしているなどの場合は、ワクチン接種による副作用の可能性もあるのでしっかり様子を見る必要があります。
関連記事:猫のワクチン接種について
- われわれ猫はとにかくよく寝るんですよねぇ。でもずっと熟睡しているわけではなく、浅い眠りの時間が長いんですよぉ。
- だからぼく、誰かが何かを食べてる音がした時に、すぐ駆けつけられるんですねっ。
まとめ
今回は「猫がずっと寝てる問題」についてのお話しでした。猫にとって睡眠はとても大切なもの。我が子が安心してたくさん寝れる時間、作ってあげてくださいね。
- 成猫の睡眠時間は12~16時間
- 子猫は18~20時間も寝る
- 老猫も1日の大半を寝て過ごすことが多い
- 猫がずっと寝ている理由①体力の温存
- 猫がずっと寝ている理由②眠りが浅い
- 猫がずっと寝ている理由③季節や時間によるもの
- 猫がずっと寝ている理由④年齢
- 猫がずっと寝ている理由⑤病気
- 猫が寝ている時は温度調整、居心地の良い寝床を用意、触らない、静かにすることが大切
- こんな時は注意①呼吸がおかしい
- こんな時は注意②うずくまって寝ている
- こんな時は注意③寝姿を見せないように隠れる
- こんな時は注意④数日間ずっと寝ている
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。
- 【監修】
一級建築士 株式会社ネコアイ代表取締役
清水満「ねこ検定」監修者 「ぺット共生マンションの適正化推進ガイドライン」監修者
愛猫との路上での運命の出会いから、猫と幸せに暮らす住宅の必要性を感じ「猫専門建築士」として従事する。
「クロワッサン」「週刊朝日」「猫びより」など雑誌掲載多数、NHK「もふもふモフモフ」TBS「サタデープラス」等に出演。
現在は猫専門の総合コンサルタントとして猫用品開発や猫イベントの企画運営など広く活動している。愛猫は4匹。