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【獣医師監修】成猫の飼い方について

2019-07-23

猫ねこさん

成猫の飼い方について

猫ねこさん
おとなの猫はなかなか懐かない…なんて言いますけど、大事なのはその子のペースに合わせてあげること。今回は成猫ならではの良さや飼い方の注意点をご紹介しますぉ。

猫は1歳を過ぎればもう立派なおとな。
「成猫は懐かない…」「成猫は遊ばない…」なんて声も聞きますが本当にそうでしょうか?

そんな不安を感じている方に向けて、今回は成猫ならではの良さや飼い方のポイントを伝授。
子猫でも成猫でも同じ猫。慣れるまでに時間はかかっても、決して焦らずに、どうか愛情をたっぷり注いであげてくださいね。

成猫の特徴

成猫の特徴

人間と猫の歳のとり方はまったく違うもの。猫は生まれて1年を過ぎたらもう立派な大人(成猫)です。生まれて1年でやっとよちよち歩き始める人間の赤ちゃんとは、成長の度合いがまるで違います。
体の成長はもちろんですが、精神面や健康面などでも成猫と子猫では大きな違いがあります。

ここでは成猫ならではの特徴を見ていきましょう。

体調が安定してくる

成猫になると、子猫時代に比べて免疫力や抵抗力が強くなり、体調が安定してきます。
もちろん、成猫になっても日々の健康管理は必要ですが、子猫のように些細なことが重症化してしまうリスクは減ります。

落ち着きが出てくる

子猫時代はとにかく好奇心旺盛。家の中をあちこち駆け回りときどき行方不明。。。なんてやんちゃな猫も。特に明け方に繰り広げられる猫の運動会に「もう勘弁して!」とお手上げ状態の飼い主さんも多いことでしょう。

個体差はありますが、そんなやんちゃ三昧の子猫も1~2歳になってくると落ち着いてきます

性格がある程度決まってくる

猫の性格は生活環境が大きく関わっています。特に生後2~7週目の社会化期は猫にとって大切な時期。この時期に兄弟猫とじゃれ合うことで力加減を学ぶことができ、兄弟猫のマネをすることで早く行動を習得できるようになります。また、他の動物と触れ合った猫は、他の動物とも仲良く暮らしていけるように。人間と触れ合う時間の多かった猫は人懐っこくなるなど、この時期の経験は子猫の性格を大きく左右します。

1歳を過ぎたおとなの猫は性格がある程度決まっているというのが、子猫時代との大きな違い。留守番時間の長い方には一匹でも平気な猫を、一緒にいる時間はとにかく構いたいという人には甘えん坊で触られても全然OKな猫を、、、など自分のライフスタイルや希望に合わせて選びやすいのが、成猫を飼うメリットでもあります。

成猫の食事

成猫の食事

大型種の中には3歳頃まで成長を続ける猫もいますが、多くの猫は1歳までの成長期に体の成長が完了します。成猫になると子猫時代ほど多くのカロリーを必要としなくなるため、年齢にあったフードに切り替える必要があります。

子猫時代同様、食事の基本は良質なタンパク質をメインに。運動量や体型に合わせ、肥満にならないよう注意することも大切です。

成猫の食事について詳しく知りたい方は、こちら(キャットフードの選び方ガイド)も参考にしてください。

猫ねこさん
クロベエくんももうすぐおとなの仲間入り。あんなに小さかったクロベエくんがおとななんて、、、私も歳をとったものですねぇ。。。
まだまだ落ち着きはありませんがっ!そろそろオトナの貫禄ってやつを身に付けたいです!
クロベエ

飼い方の注意点

成猫の飼い方

では、成猫の飼う上での注意点を見ていきましょう。

おもちゃ遊びで刺激を

成猫は遊ばない、なんてよく耳にしますが、決してそんなことはありません。人間でも子供の頃に夢中になったおもちゃにずっと夢中かといえばそうではないように、猫も歳を重ねれば変わっていく、ということをまずは理解して。

好みは多少変わっていっても、猫じゃらしなどを使って子猫のように無邪気に遊ぶ成猫もたくさんいます。大切なのは、興味を持たせ刺激をしっかり与えること。キャットタワーもただ置くのではなく、外が見える窓のそばに設置するなど工夫を凝らしてみましょう。

外飼いされていた猫は脱走に注意

特に今まで外飼いされていた猫や、家と外を自由に行き来できるようにしてきた猫の場合は脱走に注意

家の中でも十分楽しいと思わせるような部屋づくりを心がけ、たくさんスキンシップをとってあげましょう。興味を引きそうなおもちゃ、夢中になれる爪とぎなど飽きさせない仕掛けをたっぷり用意してあげて。

避妊・去勢手術がまだであれば、早めに手術を受けさせるのも脱走対策のひとつです。

懐くのに時間がかかることを理解して

成猫は懐かない・・・。そんな心配をしている飼い主さんも多いかもしれません。
でも、成猫も子猫も生まれた環境や育った環境が違うだけで、同じ猫です。

小さい頃から室内飼いされた子猫と、成猫になって室内で飼い始めるのでは、もちろん成猫の方が慣れるまでに時間はかかるでしょう。

でも、根気よく愛情をかけ続けてあげれば、成猫でもちゃんと甘えてくれるようになります。性格にもよりますので、あくまで猫のペースに合わせること。決して焦らず猫の気持ちに寄り添っていくことがポイントです。

避妊・去勢手術を受けてない場合は早めに検討を

一般的に、避妊・去勢手術は子猫のうちに受けさせるのが理想。

じゃあすでに成猫の場合は受けさせなくてもいいのかと言うと、そんなことはありません。病気のリスクを少しでも減らすという意味でも、また交尾できないのに発情だけを繰り返す猫のストレスを減らすという意味でも、避妊・去勢手術には大きなメリットがあります。

ただし、一度発情を経験したことのあるオスの成猫の場合、手術をしてもスプレー行為などの問題行動が収まらないケースもあるようです。

避妊・去勢手術についてはこちらの記事(猫の避妊・去勢手術について)で詳しく説明しています。

噛み癖がある場合はしつけを

噛み癖がある成猫の場合は、誰かに怪我をさせないためにもしっかりしつけをしましょう。
噛ませてから叱るのではなく「噛ませない」ように猫のサインを見逃さないことが大切。噛み癖防止スプレーや猫用の噛むおもちゃなどを活用してみても良いですね。

しつけをするときには大声で怒鳴ったり叩いたりするのは厳禁!優しく諭すように、そして必ず噛まれたその場ですぐに注意するようにしてくださいね。

噛み癖にお悩みの方はこちらの記事(噛む理由や対処法、しつけ方)を参考にしてくださいね。

歯磨き、ブラッシングは少しずつ慣らして

歯磨きやブラッシングを嫌がる猫も多いもの。子猫のうちから慣れさせておくのが理想的ですが、成猫になってからでも決して遅くはありません。
嫌がる時は無理をせず、ゆっくりとステップアップしていくのがポイントです。

歯周病や毛球症などを防ぐためにもお口や被毛のケアはしっかり行いましょう。

ブラッシングや歯磨きのコツはこちらの関連記事を参考に。

関連記事:猫のブラッシングのやり方猫の歯磨きのコツ

日々の健康管理は怠らず

成猫は子猫の時よりも抵抗力や免疫力が強いとはいえ、日々の健康管理は飼い主さんにとって大切な役目。体重管理、おしっこや便のチェックはこまめに行いましょう。特に、猫のかかりやすい下部尿路疾患には気をつけて。おしっこの回数が多い、おしっこの時に痛がる様子が見られた時は要注意です。

年に1度は必ず健康診断に行き、定期的なワクチン接種も忘れずに。いつもと違う様子が少しでも見られたら、早めにかかりつけの獣医さんに相談するようにしましょう。

関連記事:猫の下部尿路疾患・尿路結石について猫のワクチン接種について

猫ねこさん
おとなの猫ってなかなか懐いてくれないとかよく聞きますけど、、、大切なのはその子のペースに合わせてあげることですよぉ。時間がかかっても愛情をしっかり注いで寄り添ってあげてくださいねぇ。
長い間お外で暮らしてた子や一度辛い思いをして保護された子とかは特に警戒心も強いですよね。。。諦めないで気長に気長に、、、ですね!
クロベエ

よくある質問

野良猫の成猫を飼うには?

まずは野良猫を家に連れて帰る前に、必ず動物病院へ連れて行って健康状態の確認をしてください。そのうえで、本当にその猫が野良猫なのかをしっかり確かめること。首輪の他にマイクロチップが埋め込まれていることもあるので、動物病院で確認してもらいましょう。

そして、その猫を一生面倒見ることができるのかしっかり考えて。
今まで外で暮らしてきた猫を完全室内飼いにするのには、相当の時間がかかるということも頭に入れておきましょう。
外に出ようと鳴き続ける、スキあらば脱走をしたがる、、、なども覚悟の上で。

成猫でもケージに慣れさせた方がいい?

引っ越しや万が一の災害に備え、成猫でもケージに慣れさせておいた方が良いでしょう。ただし、子猫の時より慣れるのに時間がかかるのは覚悟を。嫌がるとき、無理に押し込んだりするのはNG。ケージの入り口は開けっ放しにして、自由に出入りができるようにしておくと猫も入りやすいでしょう。

ケージ飼いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。

猫をケージ飼いする6つのメリットとおすすめケージ5選

まとめ

猫を飼うなら子猫から!と思っている人も多いかもしれません。でも成猫には子猫にはない良さがあります。懐かないのでは・・・という先入観は捨てて、猫のペースに合わせることを意識して。自分のライフスタイルや希望に合わせて選べるので、成猫は長い目で見れば最高のパートナーになり得るかもしれません。

  • 子猫に比べ成猫は体調が安定している
  • 1~2歳になると落ち着きがでてくる
  • 性格がある程度決まっている
  • 成猫になったら年齢にあったフードに切り替えて
  • 肥満にならないよう注意
  • おもちゃ遊びで刺激を
  • 外飼いされていた猫は特に脱走に注意
  • 懐くのに時間がかかることを理解して
  • 避妊・去勢手術を受けていない場合は早めに検討を
  • 噛み癖がある場合はしつけを
  • 歯磨き・ブラッシングは少しずつ慣らして
  • 日々の健康管理は怠らず
猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。

獣医師 平松育子
【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子

京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中