- 小さな小さな体で日々成長していく子猫の姿は、本当に可愛くて癒されますよねぇ。そんな子猫を迎えたいと思っている人向けに、子猫の飼い方のポイントをご紹介しますよぉ。
生後1歳頃までの子猫は、とにかく好奇心旺盛でやんちゃ。
小さな小さな体でミャーミャー甘えてこられたら、もうメロメロになっちゃいますよね^^
猫を飼うなら、絶対子猫からと思っている人も多いと思います。
そんな方に向けて、今回は子猫の飼い方について詳しくレクチャー。
子猫ならではの注意点を知って、これから始まる子猫とのイチャイチャ生活を思う存分楽しんでくださいね!
子猫を迎える準備
まずは、子猫を迎えるときに、いったいどんな準備や心構えをしておけばよいのか見ていきましょう。
心構え
ころころ変わる子猫の表情はとても可愛くて、見ているだけで癒されますよね。でも、ただ「可愛いから」「癒されるから」だけで安易に猫を迎えてしまうと、のちのち後悔することも。。。
子猫を飼うというのは、その子の一生を預かるということ。子猫を迎える前に、いま一度「子猫を飼うということ」を深く考えてみてください。
子猫は”モノ”ではなく大切なひとつの”命”。そのことを決して忘れず、人間と同じように暖かく迎えてあげましょう。
関連記事:猫を迎えよう!その1 心構え編
費用
子猫を飼うのにはもちろんお金がかかります。
飼い始めるまでには、トイレや食器などの生活必需品のほか、ワクチンや健康診断代などの初期費用がかかることを頭に入れておきましょう。
飼い始めてからもフード代、猫砂、爪とぎなどの毎月の生活費がかかります。年間にすると20万円程度の出費は覚悟を。突然の怪我や病気に備え、医療費の蓄えも必要です。
こうした費用面の負担もしっかり理解したうえで、子猫を迎えることが大切です。
関連記事:猫を迎えよう!その2 費用編
必要なグッズ
猫用グッズは選びきれないほどたくさんありますが、子猫を迎えるときに最低限用意しておきたい食器やトイレなどのほか、キャリーケースやベッドなど飼い始めてから必要になってくるものも。
あれもこれも~とついつい買ってしまいたくなる気持ちは抑えて、必要に応じて徐々に買い揃えていってくださいね。
関連記事:猫を迎えよう!その3 グッズ編
子猫の食事
子猫の食事は大きく分けて2つの時期に分かれます。
- 哺乳期~離乳期の子猫の食事
- 2ヶ月以降の子猫の食事
哺乳期~離乳期の子猫の食事
生後30日頃までの「哺乳期」は、基本的にお母さんの母乳で育ちます。歯が生え始める生後30日頃から徐々に離乳食をスタート。猫によって個体差はありますが、生後60日頃までには離乳できるように進めていくと良いでしょう。
哺乳期~離乳期の子猫の食事について詳しく知りたい方は、関連記事を参考にしてください。
関連記事:哺乳期~離乳期の猫の食事
2ヶ月以降の子猫の食事
2ヶ月以降の子猫になると、ドライフードも食べられるようになります。
1歳までの子猫期は体をつくる大切な時期。この時期にいろいろな食感・におい・味に慣れさせておくと、おとなになってからもいろいろなフードを受け入れやすくなると言われています。
また、この頃に食べたものが大人になってから食べるものに影響してきますので、色々な食事を体験させてあげましょう。
成長期の子猫は、成猫よりもたんぱく質・脂質・エネルギーを多く必要とします。動物性たんぱく質たっぷりの肉や魚を使ったフードを与えるのがポイントです。また、消化器官もまだ未熟ですので、消化の良いものを選びましょう。
また、一度に食べられる量が少ないので、少量ずつ数回に分けて食事を与えましょう。ドライフードを与えるときは必ず新鮮なお水もあげてくださいね。
子猫の食事について詳しく知りたい方は、こちらの記事(子猫の食事)を参考にしてくださいね。
- クロベエくんもついこないだまでは、ほんとにちっちゃくて、、、あぁ、懐かしいですねぇ。(遠い目)子猫はとっても可愛いですけど、飼う前にはしっかり心構えをしてくださいねぇ。
- 1年って早いですっ。もうすぐおとなになるなんてっ。子猫を育てるのにはお金も時間もかかりますもんね!お部屋もボロボロにされたり、、、そんな覚悟も必要ですねっ。
飼い方のポイント
ここからは、子猫の飼い方について。子猫との暮らしがより楽しめるよう、ポイントをしっかりおさえておきましょう。
完全室内飼育、十分に運動できる環境を
子猫に限らずですが、猫と少しでも長く一緒に暮らしたいと思うのであれば、完全室内飼育が基本です。
「閉じ込めるなんてなんだかかわいそう…」なんて思うかもしれませんが、外に自由に行ける環境だと感染症をもらってきたり、野良猫と喧嘩して怪我をしたりすることも…。ほかにも、交通事故や望まない妊娠など、外にはいろいろな危険が潜んでいるのです。
室内飼いであっても、自由に走り回れるような十分なスペースがあれば、猫にとっては安全で快適な場所になります。そんな場所を用意してあげるのが飼い主さんの役目でもあります。
特に子猫の時期は活発に走り回る子が多いので、運動不足がストレスになることも…。キャットタワーなどを設置して、上下運動ができるような環境を整えてあげると良いですね。
ただし、好奇心旺盛な子猫が思わぬ事故にあわないよう注意も必要です。水をはったバスタブに猫が落ちてしまわないようお風呂場のドアを閉めておく、コード類をかじらないようカバーをしておくなど、事故防止の対策をしっかりしておきましょう。
部屋の温度や湿度をしっかり管理
寒いときには体を丸めて暖をとっていたりする猫。でも、子猫のうちはまだまだ体温調節が苦手です。
特に夏の暑さ、冬の寒さは体の小さな子猫にとって厳しいもの…。体調を崩さないように、エアコンなどを使ってお部屋の温度や湿度をしっかり管理しましょう。
理想的な室温と湿度はこちら。
- 室温は25℃前後
- 湿度50~60%
なるべく急激な温度変化が起こらないように環境を整えてあげてくださいね。
関連記事:猫は寒さに弱い?防寒グッズ8選
トイレのしつけをしよう
生後1ヶ月を過ぎて自力で排泄できるようになったら、トイレトレーニングを始めましょう。
トレーニングといっても、猫のトイレのしつけは比較的簡単。個体差はありますが、数回トイレの場所を教えてあげれば、その日のうちにトイレでおしっこができるようになります。
もし、粗相をしてしまっても、大声で怒鳴ったりするのは厳禁!焦らず優しく見守ってあげてくださいね。
こちらの記事では、猫のトイレについて知りたい方は関連記事も参考にしてくださいね。
関連記事:猫用トイレの選び方
優しくなでながら健康チェックを
子猫は成猫に比べて免疫力が弱いので、さまざまな病気にかかりやすく症状も重くなりがち。日頃から、スキンシップを兼ねて子猫をなでてあげつつ、体に異常がないか健康チェックをすることが大切です。
- 目ヤニが多く出ていない?
- 鼻水が出ていない?
- 耳垢がたまっていない?
- 毛艶はどう?
- 触って嫌がるところはない?
ただし、あまりにも長時間なでられるのは苦手。嫌がる様子が見られたら無理に触らないようにしてくださいね。どこか特定の場所を触ると痛がったり怒ったりする場合は、何らかの不調が隠れている可能性も。早めに獣医さんに相談しましょう。
歯磨きやブラッシング、爪切りなどは、できれば子猫のうちから慣らしておくと良いですね。
たっぷり遊んであげよう!
もともと狩りをして暮らしていた猫は、ハンター本能をくすぐられる遊びが大好き!特に好奇心旺盛な子猫は、猫じゃらしなどをチラつかせると面白いほど夢中に!大好きすぎて猫じゃらしがすぐに破壊されたりすることも…^^
子猫のときほど、体を使った遊びにたくさん付き合ってあげてくださいね。
社会性を身に着けさせる
生後2週間~3ヶ月の間は、子猫が社会性を身につける大切な時期です。
この時期に母猫や兄弟猫と過ごすことで、子猫は社会性を身に着けます。兄弟や他の猫同士でじゃれあうことで力加減を学んだり、遊びのなかで動体視力を身に着けたりします。
でも、母猫のもとを離れているときは、私たち人間が社会性を身に着けさせなければいけません。優しく抱っこしたり触ってあげることで、人間にも慣れていきます。
好奇心旺盛なこの時期には、是非いろいろな体験をさせて、さまざまな人やモノにたくさん触れさせてあげてください。そしてたっぷりの愛情を注いであげてください。
キャリーケースに慣れさせるのも社会性を身につけさせるトレーニングのひとつ。動物病院に行くときや万が一の災害時のためにも、キャリーケースに慣れさせておくと良いでしょう。
避妊・去勢手術を検討しよう
早ければ子猫は生後半年頃から妊娠することも…。猫は一度の出産で5.6匹もの子猫を出産します。
生まれてきた子たちのお世話までは難しいようであれば、早めに避妊・去勢手術を検討することが大切です。
特にオスは発情期を迎えると、攻撃的になったり、濃いおしっこを撒き散らすスプレー行為をするようになります。こうした発情期特有の行動を防ぐためにも、また病気を防ぐためにも、発情期を迎える前に避妊・去勢手術を受けておきましょう。
関連記事:
ワクチン接種で感染症を防ぐ
完全室内飼育をしていても感染症にかかるリスクはゼロではありません。生後2~3ケ月を過ぎたら感染症予防のためにもワクチン接種を受けさせておきましょう。
現在、複数の感染症に対するワクチンがありいくつかのワクチンをまとめて接種することができます。どのワクチンを接種すればよいかは、猫の生活環境によっても違ってきますので、かかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。
関連記事:猫のワクチン接種について
子猫のかかりやすい病気に注意
ワクチンで予防できる病気もありますが、そのほか子猫がかかりやすい病気にも注意が必要です。
- 猫伝染性腹膜炎(FIP)
- 下部尿路疾患
- 耳疥癬症
特に猫伝染性腹膜炎(FIP)は、死に至ることもある怖い病気です。いつもと違う様子が少しでも見られたら、早めに獣医さんに相談しましょう。
脱水症状になると特に危険!低体温にならないよう体を温めて、しっかり水分を与えてください。
万が一に備えて身元がわかるように
好奇心旺盛な子猫は、思わぬハプニングで家から脱走することも。外に慣れていない子は、いったん脱走してしまうと、自力で帰ってくることが難しいと言われています。
そんな万が一に備えて、迷子札やマイクロチップなどで身元が分かるようにしておきましょう。
マイクロチップは、獣医さんが注射器を使って猫の体内に埋め込んでくれる個別識別チップのこと。災害時などにも役立ちますので、大切な家族を守るためにも検討してみてくださいね。
関連記事:マイクロチップのメリット・デメリット
- 子猫を飼うのにはいろいろ注意しなきゃいけないことも、、、でも、子猫のときから一緒にいると慣れやすいですし、一番の成長期をそばで見守ることができるのがなにより嬉しいですよねぇ。
- 1歳までが一番成長する時期ですもんねっ。好奇心たっぷりやんちゃ盛りで飼い主さんはクタクタかもしれませんが、たくさん遊んでくれると嬉しいですっ!
よくある質問
突然の環境の変化は人間でもストレスを感じるもの。子猫も同じくヘトヘトです。あまり疲れさせないよう構い過ぎないことが大切です。寝ているときはなるべくそっとしておきましょう。
また、好奇心旺盛な子猫は、部屋のすみずみまで探検したがります。特に夜になると大運動会が繰り広げられ、飼い主さんが眠れずヘトヘトになるなんてことも^^
そんなときは無理にやめさせず、心ゆくまで探検させてあげましょう。ただし、危険なものはあらかじめ片づけておいてくださいね。
朝晩家にいることができてしっかりお世話ができるのであれば、一人暮らしでも子猫を飼うことはできます。辛いことがあったとき、寂しいとき、子猫の存在に支えられることがきっとあるはずです。
ただし猫OKの住まいであることが大前提。ペット不可の物件でこっそり飼うのはNGですよ。
狭いワンルームであっても、キャットタワーなどを設置して上下運動ができるように工夫してあげれば、子猫も思う存分運動することができます。
日中仕事で留守にする場合は、夜帰ってきたときにしっかりスキンシップをとってあげましょう。
旅行などで2泊以上家を空ける場合は、ペットホテルやペットシッターに預けるなど、猫の居場所を用意してあげてくださいね。
ワクチン接種、ノミダニ駆除、健康診断など費用はかかってしまいますが、これらは子猫を迎えるためにどれも欠かせないこと。健康状態を整えて、安心して受け入れられる状態にしましょう。
また本当に野良猫なのかどうか確認することも大切です。実は飼われている猫で、迷子届が出されていることもあるので、最寄りの警察や保健所で確認することも忘れずに!
まとめ
1歳までの子猫期はまだまだ体が弱く、それでいて好奇心旺盛で何にでも興味を示す時期。飼ううえで注意しなければいけないこともたくさんありますが、子猫のときから育てる喜びは何にも代えがたいものです。ご紹介したポイントを参考に、ぜひ楽しい子猫ライフをお過ごしくださいね!
- 子猫を迎える前にいま一度心構えを
- 費用面の負担も頭に入れておいて
- 子猫を迎える前には最低限の猫グッズを、徐々に必要に応じて買い揃えて
- 体温調節が苦手なので、お部屋の温度や湿度に気を配って
- 子猫期にはいろいろな食感・におい・味に慣れさせておく
- 生後60日頃が離乳の目安
- 動物性たんぱく質たっぷりの肉や魚を使ったフードを与えて
- 食事は少量ずつ数回に分けて
- 完全室内飼いが基本、十分に運動できるスペースを
- 生後1ヶ月を過ぎたらトイレのしつけを
- 優しく撫でながら日々健康チェック
- 体を使った遊びに付き合おう!
- 生後3ヶ月頃までにいろいろな体験をさせて社会性を身に着けさせる
- 避妊・去勢手術の検討はお早めに
- ワクチン接種は必ず
- 子猫のかかりやすい病気には特に注意
- 万が一に備えて迷子札やマイクロチップなどを検討
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中