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保護猫のわ通信Vol.4|決してここがゴールじゃない

2019-10-09

猫ねこさん

「猫がかわいそうだから餌をあげる」が一番酷くかわいそうなこと

ピッピ▲今日もちぐら上が定位置のぴっぴ姉さん^^

預かりお父さんが行政に対して繰り返して伝えていること。それは、猫がかわいそうだから餌をあげることが一番酷くて一番かわいそうなことなんですよ、ということ。

「ここに来れば餌がもらえるという場所に猫たちは集まる。もちろん不妊手術をしていない子たち。そんな猫たちに発情期が訪れ、そこにご飯と水のある安心できる場所があれば当然繁殖します。一回の出産で5.6匹増え、そしてその産まれてきた子猫たちが生後半年も過ぎればまた子猫を産むわけです。かわいそうだから餌をあげるのは一番酷いことなんです。」

まずはこれ以上不幸な猫を増やさないようにすることが最も大切なこと。そのために必要なのがTNRなのだ。

「餌やりさんたちにはこうお話します。『これ以上猫が増えなくなったら、この子達をずっと見ていただけませんか。そのかわり、もしこの子達が具合悪そうにしていたら、最大限できる処置をさせていただくのでご連絡ください』と。」

こんなふうに地域猫として見守っていくという方法もひとつの形。
野良猫に餌やりをしている人すべてを非難すべきではなく、これ以上猫の数が増えないようきちんとTNRをしたうえで、その子たちの猫生を見守っている人もいることを忘れてはいけない。

さまざまなボランティアのかたち

マーティーミスティ▲マーティー&ミスティ兄妹。妹のミスティはトライアル決定♡

「ボランティアの定義というのは、無理してやることでも強制されてやることでもなくて、、、自分がしたいことをできる範囲でやることだと私は思っているんですね。例えば短期の預かりさんや、活動ブログを書く人、活動費のためにフリマをやってくれる人、、、いろんな方がいらっしゃいます。一概に猫を家でお世話するだけがボランティアではなくて、猫と全然関わりがなくても結果として猫のためになっているボランティアってあると思うんですよ。」

どんな形でも猫のためにできることはある。例えば、ここに猫が増えてて今こんな状況だよ、と定期的に連絡をすることだってひとつのボランティアのかたち。

ボランティアと聞くと自分にはそんなすごいことできないかも…と思う人もいるかもしれない。でも、決してそんなことはない。猫を救いたいという強い気持ちさえあれば、自分にできることはきっとあるはずなのだ。

生活の質を高め、病気で寿命の短い子を断らないで受けてあげられる状況を

預かりお父さんのお家には現在猫11匹と犬1匹がいる。

「家にいる限りやることが山ほどあるんで、一日24時間あっても全然足らない。でもできるかぎりのことはしてあげたいので。」

犬猫のお世話に加え行政との折衝、病院への搬送、捕獲。。。息つく暇もないほど一日の時間のほとんどを猫にかけている。

ダイナ

「猫の数が多くなればなるほど、ひとりの子に構ってあげられる時間が減っていくわけですよ。それでもなるべく生活の質を落とさないようにしていきたいというのが短い目標ですね。

例えば、皮下点滴をする時にいくら大暴れされても私はできるんですけど、そこまでしてあと1日、2日生きることが果たしてこの子にとって幸せなのかなと。。。亀田先生に相談すると、生活のクオリティというお話をされます。そこまで嫌がるようであれば無理してやらなくてもいいと思います、と。

その子その子で全然違ってくるので、この子にとってどういうふうにするのが一番いいのかをしっかり見極めていけたら、と思いますね。

長い目標としては、白血病などの病気の猫が来たときになるべく断らないで引き受けられるような状況を作っていきたいと思っています。」

決してゴールはここじゃない

ダイナ

写真提供:ねこねっと山中湖

ねこねっと山中湖のFacebookを見た方から「ねこねっとさんに保護された猫ちゃんたちは幸せですね!」と言われるそう。でも、決して幸せではない、と預かりお父さんはいう。

「決してゴールはここじゃない。うちがすべて完璧というわけではない。私たちは猫たちを助ける手段のひとつなだけであって、ここから先その子だけのために愛情を注ぎ、家族として迎えていただけることが幸せでありゴールだと思います。」


どんなときも猫それぞれの幸せを考えて。食べ物の好みも違えば性格だって違う。マニュアル通りじゃなく、その子その子に応じて何が一番いいかを考えてメンバーそれぞれが動いている。

根底にあるのは、一匹でも多くの外で暮らす不幸な猫をなくすこと。そのために自分たちにできることを必死で考え、日々奔走している。

この記事をきっかけに、普段気にとめてなかった野良猫たちのことを少しでも気にかけてくれる人が増えたらと思う。

「あそこにいる野良猫も手術しなきゃ!」そんな言葉が自然に聞こえてくる世の中になってほしいと心から願っています。

猫ねこ部より寄付金をお渡ししてきました!

猫ねこ部にて先日開催した動画コンテスト。1投稿10円、1投票1円で集まった総寄付金額はなんと58,989円!!ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございます!
今回の取材にて、ねこねっと山中湖さまにさっそく寄付金をお渡ししてきました。

少しでも多くの猫の命が救われることを祈っています。

動画コンテストについて詳しくはこちら▼
https://nekonekobu.jp/category/contest_2019/

寄付

ねこねっと山中湖
公式サイト:https://www.nekonetyamanakako.org/
支援物資ご購入のお願い:ねこねっと山中湖 ご支援お願い物資リスト
里親さまのご希望の方:里親さま希望のお問い合わせ

猫ねこ部編集室 エディター 守重美和
この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター

保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。

猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。