- 腎臓が気になる子や腎臓病の猫向けのおすすめキャットフードや食事のポイントをご紹介しますよぉ。
腎臓病は高齢猫の3~4割がかかると言われる病気。
残念ながら腎臓病を防ぐ方法はありませんが、少しでも腎臓に負担をかけないような食生活を心がけることが大切です。
今回は腎臓が気になる猫や腎臓病になってしまった猫向けのおすすめキャットフードをご紹介!
フード選びのポイントや食事の与え方についても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 腎臓ケア用ならピュリナワンがおすすめ!良質なたんぱく質が適度に入っています!
猫の腎臓病とは
10歳以上の高齢猫の約30~40%がかかると言われる慢性腎臓病。
病気がかなり進行するまでは症状が出ないので、気づいたときには手遅れというケースも…。
腎臓は一度壊れてしまうと、残念ながら機能が元に戻ることはないので、「いかに病気の進行を遅らせるか」が治療のポイントとなります。
慢性腎臓病を予防する方法はありませんが、少しでも病気にならないようにするため良質なキャットフードを与えることが大切です。
腎臓が気になる猫、腎臓病の猫向けキャットフードの選び方
猫の腎臓ケア・腎臓病対策用キャットフードは、以下の2種類に分けられます。
- 腎臓病に配慮した総合栄養食
→予防が目的(健康な猫用) - 療法食
→治療が目的(治療中の猫用)
腎臓が気になる猫には総合栄養食を、すでに腎臓病になってしまった猫には療法食を与えます。
療法食は必ず獣医の指導のもと与えるようにしましょう。
キャットフード選びのポイントは以下の3つです。
高たんぱくフードを避ける(適度なたんぱく質)
たんぱく質の多いフードは老廃物を増やしてしまい、腎臓の負担を大きくしてしまいます。
負担を少なくするには、高たんぱくフードを避けることが大切です。
しかし、たんぱく質を制限しすぎるのも猫にとっては良いことではありません。
元々肉食動物である猫にとって、たんぱく質は重要なエネルギー源だからです。
猫の健康を維持するためには、適度にたんぱく質が含まれている(30%以下)フードを選びましょう。
リンの含有量が低い
リンは猫の骨や歯などをつくる重要なミネラル成分ですが、腎機能が低下すると余分なリンが体にたまり、病気を悪化させることが分かっています。
腎臓が気になる猫には、リンの含有量が低いキャットフードを選びましょう。
腎臓の働きをサポートするオメガ3脂肪酸配合
腎臓は血液をろ過する働きがあるため、血液が綺麗に保たれていることで、負担を軽減できます。
腎臓を健康に保つためにも、血液の流れをスムーズにするオメガ3脂肪酸配合のキャットフードを選ぶと良いでしょう。
「n-3系脂肪酸(オメガ3)」の機能について
α-リノレン酸
“血圧低下作用”がヒトで報告されている、α-リノレン酸。
血管を拡張させ、血液の流れをスムーズにします。引用:キューピー
- 腎臓病を予防する方法は残念ながらありませんが、少しでも腎臓に負担のかからない食事をとることが大事なんですねぇ。
- ぼくたち子猫にぴったりの高たんぱくの食事は避けた方がいいんですね。お水も忘れないようにしっかり飲まないとっ!
腎臓ケアキャットフードのご紹介
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
【総合栄養食】ピュリナワン 優しく腎臓の健康サポート
- 11歳以上の成猫用総合栄養食
- 主原料に新鮮なチキンを使用
- 天然グルコサミンとコラーゲン配合
価格 | 2,100円(税込)/2.2kg (1kgあたり約955円) |
内容量 | 2.2kg |
原産国 | アメリカ |
第一原料 | チキン |
主な成分 | たんぱく質:36.00% 脂質:13.00%以上 粗繊維:5.00%以下 |
カロリー/100g | 約360kcal |
11歳以上の成猫用総合栄養食。高齢期に入って腎臓の健康を考えた食事に切り替えたいという方に。肉食の猫の食性にあわせて良質なたんぱく質を適切に配合。
オリゴ糖も配合し、腎臓の健康維持におすすめです。
天然グルコサミンとコラーゲンも配合しているので、関節ケアも期待できそうですね。
【療法食】ヒルズ プリスクリプション・ダイエット k/d
- リン、ナトリウムを制限し腎臓への負担を軽減
- 腎臓の働きをサポートするオメガ3脂肪酸配合
- 天然由来の酸化防止剤使用
価格 | 6,491円(税込)/2kg (1kgあたり約3,245円) |
原産国 | アメリカ |
第一原料 | 米 |
主な成分 | たんぱく質:25.60%以上 脂質:18.50%以上 粗繊維:3.40%以下 421kcal / 100g |
栄養学者と獣医師が開発。リンやナトリウムを制限し、腎臓への負担を軽減したフード。
療法食なので必ず獣医指導のもと与えてくださいね。
腎臓の働きをサポートするオメガ3脂肪酸配合。
また、腎臓病の猫の好みを研究し、美味しさを追求した独自のEATテクノロジーも採用。
米国獣医師がNO.1に推奨するなど信頼性の高いフードとして知られています。
【療法食】フォルツァ10 リナールアクティブ(急性腎不全・慢性腎不全)
- リン、たんぱく質の量を調整し腎臓への負担を軽減
- 加水分解された良質なたんぱく質を使用
- フィトケミカル成分(植物栄養素)が腎機能をサポート
価格 | 1,780円(税込)/454g (1kgあたり約3,920円) |
原産国 | イタリア |
第一原料 | 米 |
主な成分 | 粗たんぱく質:26.00% 粗脂肪:18.50% 粗繊維:2.00% 384kcal / 100g |
腎臓の健康維持のためのイタリア発食事療法食。
リン、たんぱく質の量を調整している療法食のため、必ず獣医師指導のもと与えましょう。
腎機能の健康維持に役立つフィトケミカル成分(植物栄養素)も配合。
加水分解された高品質なたんぱく源が腎臓を優しくサポートします。
【療法食】アニモンダ インテグラプロテクト 腎臓ケア
- たんぱく質とリンの量を調整し腎機能をサポート
- グレインフリーなので穀物アレルギーの猫でも安心
- 人工添加物、人工香料、遺伝子組換食品一切不使用
価格 | 1,320円(税込)/300g (1kgあたり約4,400円) |
原産国 | オーストリア |
第一原料 | コーン |
主な成分 | たんぱく質:26.00% 脂肪:20.00%以上 粗繊維:3.00%以下 418kcal / 100g |
慢性腎不全の猫のために特別に処方された療法食。必ず獣医師指導のもと与えましょう。
たんぱく質とリンの量を調整して腎機能をサポート。
グレインフリーで、大豆や砂糖、着色料も不使用です。
食事療法食ですが、まずおいしいフードであることを一番に考えているのでグルメなネコちゃんにもお気に入りになるはずです。
【療法食】ドクターズケア 猫用キドニーケア
- リン、たんぱく質、ナトリウムを調整し腎臓への負担を軽減
- 抗酸化作用の高いオメガ3脂肪酸配合
- 可溶性食物繊維(フラクトオリゴ糖)配合で腸内環境をサポート
価格 | 6,050円(税込)/1.5kg (1kgあたり約4,033円) |
原産国 | 日本 |
第一原料 | トウモロコシ |
主な成分 | たんぱく質:24.2% 脂質:22.2%以上 粗繊維:2.60%以下 423kcal / 100g |
慢性腎臓病の猫の食事管理用に処方された療法食。必ず獣医指導のもと与えましょう。
たんぱく質・リンが制限されているほか、オメガ3脂肪酸を配合して腎機能の健康をサポートします。
フラクトオリゴ糖配合するなど、腸内の健康維持にも嬉しいレシピです。
【療法食】ロイヤルカナン 腎臓サポート スペシャルドライ
- 今までの療法食を食べない猫のために食欲をそそる香りをプラス
- リン、たんぱく質の含有量を調整し腎臓への負担を軽減
- EPA、DHAなど複数の抗酸化物質を配合
価格 | 5,013円(税込)/2kg (1kgあたり約2,506円) |
原産国 | フランス |
第一原料 | 米 |
主な成分 | たんぱく質:22.50%以上 脂肪:19.00%以上 食物繊維:5.60%以下 411kcal / 100g |
慢性腎臓病の管理用フード。リン・たんぱく質の含有量を抑えた療法食なので、必ず獣医師指導のもと与えましょう。
食欲の落ちた猫が好む香りで食欲を刺激。
尿毒症などに配慮し、高消化性のたんぱく質も適量配合。オメガ3脂肪酸を含む複数の抗酸化物質を加え、腎機能の健康をサポートします。
2024年10月より、ロイヤルカナンの食事療養食の販売方法が変わります。
公式・認定のオンラインストアでのみの販売となります。詳細は下記のURLをご参照ください。
https://portal.v.royalcanin.jp/lp-p01/
よくある質問
腎臓病の療法食は、治療の進行を防ぐこと目的として作られたキャットフードです。
食事療法では療法食を与えるようにしましょう。自己判断で与えるのではなく、必ず獣医に診てもらって指示を受けましょう。
市販のキャットフードのなかには、「腎臓ケア」などの記載がある総合栄養食がありますが、これはあくまで健康な猫向けの予防食なので食事療法では使いません。
療法食以外の食事を与えると、食事療法の効果が十分に期待できない可能性がありますので、一般のおやつは与えないようにしましょう。
ただし、療法食と同じ栄養成分のおやつタイプの療法食なら与えても良いでしょう。
いきなり療法食に切り替えるのではなく、今までのフードに療法食を少しずつ混ぜ、徐々に療法食の割合を増やしていって1週間程度で完全に切り替えるようにすると良いでしょう。
療法食を食べてくれないときは以下のような方法を試してみると良いでしょう。
- 猫の好きなものを少し混ぜてみる(必ず獣医に相談)
- 手にフードをのせて与える
- 今までのフードから少しずつ切り替える
- ドライフードに少しお湯を加えて人肌に温める
- ウェットフードに変えてみる・ウェットフードをレンジで温める
体調や環境によって食べてくれないこともありますが、2日以上まったく食べない、あまり食事をとらない日が3~5日以上続いている場合などは、すぐに獣医に相談しましょう。
絶食が3日以上になると肝リピドーシスを起こしてしまいます。
猫の症状や健康状態などにあわせて食事療法を見直す必要がありますので、必ず定期的に獣医の診察を受け、指示をもらってからフードを与えるようにしましょう。
まとめ
腎臓が気になる猫、腎臓病になってしまった猫向けキャットフードの選び方についてはこちらのまとめを参考にしてくださいね。
- 腎臓ケアの総合栄養食と腎臓病の療法食は違う
- 療法食は必ず獣医の指導に基いて与える
- 適度なたんぱく質
- リンの含有量に注意
- 血液の流れをスムーズにするオメガ3脂肪酸配合
- 療法食への切り替えは少しずつ行う
■関連記事
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。
- 【監修】獣医師・YICビジネスアート専門学校ペット科講師
平松育子京都市生まれ
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業/2006年3月-2023年3月ふくふく動物病院院長を務める/現在は勤務獣医師として自分の可能性にチャレンジ中