- サイエンスダイエットプロは、安価で手にいれやすく獣医さんも推奨のキャットフード。「健康ガード 体重管理1~6歳」は、脂肪とカロリーが抑えてあって体重管理のサポートにぴったりですよぉ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
世界中の獣医師が推奨するキャットフード、ヒルズのサイエンスダイエット。
ヒルズからは幅広い種類のフードが販売されていますが、大きく分けると以下の3種類になります。
- サイエンスダイエットプロ
- サイエンスダイエット
- プリスクリプションダイエット(療法食)
さまざまな年代に見られる健康ニーズに幅広く対応したフードを取り揃えているのが「サイエンスダイエットプロ」。
今回は「安価で手に入りやすい、獣医師と栄養学者による栄養設計」のサイエンスダイエットプロ「猫用 健康ガード 体重管理1~6歳 」についてご紹介します。
基本情報と特徴
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 安価で手に入りやすい、獣医師と栄養学者による栄養設計
価格 | 3,479円(税込)/3kg (1kgあたり約1,160円) |
原産国 | アメリカ |
第一原料 | 小麦 |
主な成分 | たんぱく質:33.00%以上 脂質:9.00%以上 粗繊維:6.80%以下 エネルギー:318.0kcal/100g |
穀物類 | 小麦、コーングルテン、米、小麦グルテン |
酸化防止剤 | ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物 |
ミール、副産物など | なし |
人工酸化防止剤 | なし |
香料・着色料 | なし |
セルロース | あり |
賞味期限 | 未開封:パッケージに記載 開封後:1ヶ月目安 |
販売元 | 日本ヒルズ・コルゲート |
原材料と成分
小麦、コーングルテン、米、チキン、セルロース、小麦グルテン、動物性油脂、チキンエキス、ビートパルプ、エンドウマメ、リンゴ、クランベリー、ニンジン、ブロッコリー、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、イオウ、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、リジン)、カルニチン、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
たんぱく質 | 38.0% |
脂質 | 9.1% |
粗繊維 | 5.9% |
炭水化物 | 39.5% |
カルシウム | 1.11% |
ナトリウム | 0.53% |
カリウム | 0.75% |
マグネシウム | 0.082% |
タウリン | 0.25% |
カルニチン | 514.7ppm |
ビタミンC | 140ppm |
ビタミンE | 830IU/kg |
オメガ3脂肪酸 | 0.12% |
オメガ6脂肪酸 | 2.27% |
※成分表の値は乾物量分析値です。乾物量分析値は乾燥状態で計算したもので、製品の水分含量による違いを除外して栄養成分を比較できます。
安価で手に入りやすい、獣医師と栄養学者による栄養設計
ヒルズのサイエンスダイエットプロと言えば、動物病院やペットショップなどでもおなじみの定番キャットフード。
値段の安さに加え、獣医師と栄養学者がさまざまな健康ニーズにあわせ最適な栄養バランスを考えて開発したフードということもあり、愛用者も多い評判のフードです。
今回ご紹介する「猫用 健康ガード 体重管理1~6歳」は、カロリーと脂肪分を抑え、食物繊維を配合することで空腹感を与えず、日々の体重管理を食事からサポートします。
上質なチキンを配合していますが、原料に炭水化物を多く含み、炭水化物量が40%を超えています。
健康な猫なら40%くらいまでは炭水化物を消化できますが、それを超えると消化機能の低下や高血糖を引き起こすと言われています。
40%以上の炭水化物は、消化機能の低下(下痢、嘔吐、鼓腸等)や高血糖を引き起こすと報告(Meyer&Kienzle1991)されています。
また、主原料の小麦に次いで多く配合されているコーングルテンミールは植物性たんぱく質です。
猫の必須栄養素は動物性素材にしか含まれておらず、一番多く必要なのは動物性たんぱく質です。また、吸収率も動物性たんぱく質に劣ります。
愛猫の健康維持を考えると肉や魚が主原料の方が嬉しいですね。
- サイエンスダイエットプロは、動物病院なんかでもよく勧められるので知っている人も多いメジャーなフードですよねぇ。ただ、炭水化物や植物性たんぱく質が多いのが難点。。。
- 獣医さんが開発に携わってるっていうと安心なイメージがありますけど、主原料は小麦で動物性たんぱく質が少ないのはちょっと残念ですっ。
穀物アレルギーの猫は注意・炭水化物が多い・コーングルテン・動物性油脂・セルロースの配合量不明・リコールあり
以下、サイエンスダイエットプロ「猫用 健康ガード 体重管理1~6歳」の気になる点です。
- 小麦、トウモロコシを多く含む
- 炭水化物が多い
- コーングルテン
- 動物性油脂
- セルロースの配合量不明
- リコールあり
小麦、トウモロコシを多く含む
小麦、トウモロコシなどの穀物が多く配合されているので、穀物アレルギーのある猫は注意が必要です。
炭水化物が多い
炭水化物がたんぱく質より多いです。
猫が多く必要とするのは動物性たんぱく質や脂肪ですので、炭水化物は少ないものが良いでしょう。
コーングルテン
コーングルテンは植物性たんぱく質です。
これら植物性たんぱくが多く含まれているためたんぱく質量は増えますが、猫に必要な必須アミノ酸は植物性たんぱくには含まれておらず、吸収率からしても動物性たんぱく質が多いほうが好ましいでしょう。
動物性油脂
動物性油脂は、どの動物の油脂がどの程度混ざっているか不明であり、病気で亡くなった家畜の油脂である可能性もあります。
原材料がしっかり記載された油脂の方が安心です。
セルロースの配合量不明
セルロースには、水を含むと膨らむ性質から肥満を防ぐ役割や、腸内をきれいにする役割があります。
ただその一方で、体内で分解することができず内臓や消化器官に負担をかけてしまうこともあるため、セルロースの配合量が分からないのはやや不安が残ります。
リコールあり
リコールも過去2回ほど報告があります。
日本で販売されているキャットフードに対象のものはありませんでしたが、リコール情報はやはり心配です。
生産者情報
「すべてのペットは生涯を通じて、大切にされるべき」というのがヒルズの哲学です。
1930年代末、盲目の少年モーリス・フランクが、腎機能障害を患っていた彼の盲導犬「バディ」の体調のことで、マーク・モーリス・シニア博士に助けを求めたのがヒルズフード開発のきっかけでした。
腎機能障害の原因を栄養失調と判断した博士は、妻とともに自宅の台所でペットフードの開発をスタートさせます。
そのときに作ったラリタン給餌食Bは、のちのプリスクリプション・ダイエット犬用k/dの先駆けとなるものでした。
1948年、カンザス州にあるヒル・パッキング・カンパニーのバートン・ヒルと契約。
その後、ヒル・パッキング・カンパニーとのパートナーシップによりヒルズペットニュートリションが設立され、特別療法食「プリスクリプション・ダイエット」が誕生しました。
さらに1968年には獣医学者と専門家によって、サイエンスダイエットも発売されます。
現在ではさまざまなライフステージとニーズにあわせて選べる50種類以上もの幅広いラインナップとなっています。
1976年、コルゲート・パルモリブ・カンパニーがヒルズペットニュートリションを買収、現在ヒルズのペットフードは世界86カ国で販売されています。
カンザス州の施設では、220人以上の獣医師や栄養学者がペットの世話をするスタッフと一緒にペットフードの開発を行っています。
リコール情報
2016年5月・6月に、成分中の鉄のレベルが高いとの報告でキャットフードのリコールが発表されています。
また、2017年12月には、赤カビ産生物質が含まれる恐れがあることからドッグフードのリコールも発表されています。
比較的最近のリコールということもあり、安全面でやや不安が残りますね。