- 最近は医療の発達もあり、猫の寿命が長くなっていますよねぇ。ありがたいことですねぇ。今回は、だからこそ飼い主さんに知ってほしい「老猫のトイレについて」をお話ししますよぉ。
若い頃はどんなに軽快に飛び回っていた猫だって、歳を重ねることで当たり前のようにできていたことが難しくなっていきます。トイレもその一つ。
「粗相が増えてきたな…」「トイレにいる時間が増えてきたな…」「この先もっとできなくなることがあるのかな…」大切な我が子だからこそ、飼い主さんたちの不安は尽きないでしょう。
そこで今回は、老猫の排泄の特徴、飼い主がしてあげられること、そして老猫向けトイレの選び方をご紹介します。
飼い主さんが老猫と笑顔で過ごすヒントとなりますように。
高齢になると思うように排泄ができなくなる
年を重ねると思うようにできなくなってくるトイレ。以下のサインが見られたら高齢ケアが必要です。
- トイレの回数が増える
- トイレの時間が長くなる
- トイレの場所が分からなくなる
- 粗相が増える
トイレの回数が増える
高齢になると様々な身体機能が低下しますが、腎臓の機能が衰えて表れるのが、おしっこの回数の増加。
「うちの子オシッコが増えたな~」「あ、またトイレ行った」といったことが目につくようになったらシニア期に入ったサインである可能性が。下部尿路疾患など泌尿器系の病気の可能性も視野に入れながら、よく観察しましょう。
トイレの時間が長くなる
高齢になると筋肉が弱まり腸の動きが鈍くなります。そのためなかなかおしっこやうんちがでず、時間がかかってしまうことも。
お腹が膨らんでいるように見えたり、ゼリー状の下痢がでている場合は、宿便が溜まってしまう巨大結腸症である可能性もあります。しっかりと様子を見てください。
トイレの場所が分からなくなる
人間と同じく猫も加齢により脳や神経の衰え、認知症が起こるとみられています。トイレのあたりでうろうろしていたり、鳴いていたりする場合は注意してあげてください。「トイレどこだったかな~、困ったな~」とトイレを探している可能性があります。
粗相が増える
膀胱の機能が低下することで排尿排便のコントロールがし辛くなり、うっかりや気付かぬうちにおしっこやうんちが出てしまうことが増えます。
また筋肉や関節が衰えることで「歩くのが億劫だな~」と感じて動き出せずにいたり、実際にどこかに痛みがあることでトイレまで行けない可能性が。
老猫のトイレのために飼い主さんができること
我が子のトイレトラブルが増えてきたら、まずは以下の工夫をしてみましょう。飼い主にできることはいっぱいありますよ^^。
- トイレの数を増やす
- 生活スペース内にトイレを置く
- トイレに出入りしやすいよう工夫する
- トイレ周りにペットシーツを敷く
- お腹を優しくマッサージして排便をスムーズに
- 排泄後はお尻周りを綺麗に拭く
- 【排泄はできるが自力で歩くことができない】抱っこでトイレに連れていき介助
- 【排泄のコントロールができない】ペット用オムツを使う
トイレの数を増やす
若い頃に比べたら歩くスピードもゆっくりになります。普段くつろいでいる場所からトイレが遠いようなら、トイレを増やして少し近い距離に置いてあげるといいでしょう。
その際トイレの場所を急に変えてしまうのは、猫にストレスを与えてしまいます。既存のトイレはそのままにして、新たなトイレを増やす…という形で設置していってくださいね。
生活スペース内にトイレを置く
トイレへ行く途中に段差があるなどして、通りにくい場所はありませんか?トイレへの行きやすさを1番に考えて、いっそ生活スペース内にトイレを置いてみるのもいいでしょう。
老猫は移動自体が億劫になってきて、くつろぐ場所がほぼ決まってくることが多いです。そのくつろぎスペースからほど近い場所、要は無理のない行動範囲内に一つ設置してみましょう。リビングの隅など落ち着ける場所がいいですね。
トイレに出入りしやすいよう工夫する
年を重ねると足腰が弱まります。そしてほんの少しの高さのトイレのフチがまたげなくなることも。そんな様子が見られたらフチの手前の段差をなくす工夫をしましょう。タオルを畳んだものや、薄めのクッションなどを置いてあげるといいですよ。
または以下でご紹介するような、猫専用のスロープを用意してあげてもいいでしょう。
にゃんこスロープ シングル
※価格は購入するショップや時期によって変動する可能性があります。
- 傾斜面はPVCメッシュの滑り止めで老猫ちゃんも安心
- ちょうど登りやすい15度の傾斜
- どのトイレにも合いやすい高さ11cm
- 裏はフローリング上でも動きにくい滑り止め加工済み
- 丁寧な国産品
価格 | 1,980円 |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 幅40 x 奥行40 x 高さ11 cm |
生産国 | 日本 |
素材 | ダンボール、PVC、クロロプレンゴム |
トイレ周りにペットシーツを敷く
「間に合わなかった~」が増えてくるシニア期。猫のためにも、飼い主のためにも、トイレ周りにペットシーツを敷くことをおすすめします。
猫自身の失敗感を抑えられ、手足の汚れも防げます。また飼い主にとっても汚れたらさっと取り替えるだけなので一石二鳥ですよ。
お腹を優しくマッサージして排便をスムーズに
高齢になると腸の動きが鈍くなり便秘がちに。そんな時はひらがなの「の」の字マッサージで便通を促してあげましょう。お腹の中で「の」の字のように収まっている腸に沿うイメージで。またはお腹を上から下に向けて優しく撫でるだけでもOK。
同時にしこりや痛みがないかのチェックもでき、さらに大切なコミュニケーションの時間にもなりますよ。
排泄後はお尻周りを綺麗に拭く
猫も年齢を重ねるにつれ免疫力が低下していきます。感染症にかかりやすくなっているため、排便後はお尻拭きウエットシートなどでお尻周りを拭いてあげましょう。その際にウエットシートが冷たいと驚いたり嫌がったりすることがあります。刺激の少ない温度で優しく拭き取りましょう。
拭く際にしっぽを無理に反らせてしまうと、骨や神経に負担がかかります。しっぽの持ち上げ過ぎには注意しましょう。
【排泄はできるが自力で歩くことができない】抱っこでトイレに連れていき介助
排泄する力はあるけどトイレまで行けない…そんな子は抱っこしてトイレへ。
タイミングを見計らうことがポイント。床のにおいを嗅ぎだしたり、ソワソワしだしたらトイレのサインです。中にはトイレを見られたくない子もいますよね。その場合、自力で排泄できるうちはそっと気配を消してあげるといいでしょう。または優しく声をかけて安心させてあげてくださいね。
【排泄のコントロールができない】ペット用オムツを使う
排泄のコントロールができず、あちこちでの粗相が増えてきた…そんな子はペット用オムツを使用してみるのも手です。
ペット用のおむつはウエスト部分が特殊なギャザーになっていたり、足に無理なくフィットする仕様になっているので、動いても漏れにくい工夫がされています。最近は通気性も向上している上に、おしっこがでたらラインの色が変わりお知らせしてくれるものもありますよ。
ただし、オムツを嫌がる猫にとってはストレスになってしまいます。またオムツかぶれなどがないよう清潔にすることが重要となります。
老猫向けトイレの選び方
老猫のトイレを用意するにあたってのポイントは以下の2つです。
- 健康チェックがしやすいオープンタイプ
- 出入りしやすい
健康チェックがしやすいオープンタイプ
老猫をケアしていくにあたり、排泄物や排泄時の様子は健康状態を知る大切な情報源となります。シンプルで屋根のないオープンタイプのトイレなら、健康チェックがしやすいのでおすすめ。
なお猫砂もおしっこの色が分かりやすい、白いものがいいでしょう。また最近ではトイレ掃除の頻度を減らしてくれる便利な商品もありますが、いつどんな不調が起こるか分からない老猫。できるだけこまめなトイレチェックをしてあげたいシニア期には不向きと言えます。
出入りしやすいトイレを
トイレのフチの段差が低いものにしましょう。犬用のトイレにはフラットなものも多いので代用するのもおすすめ。
またはいっそトイレの使用をやめてペットシーツだけにしてみても。ペットシーツを広めに敷き、猫砂を敷いておけばトイレだと分かってくれるでしょう。
関連記事:
- ペットシーツだけならまたぐ必要もないので、無理なく入れますよねぇ。
- ほんとですねっ。でも、ぼくたち猫にも老後ってくるんですねっ。なんだかまだ想像ができないけど、のんびりまったり過ごせる老後も悪くないですねっ。
まとめ
老猫のトイレケアは毎日のことであるうえ、日に何度もお世話をしたり、飼い主が疲れてしまうこともあるでしょう。
しかしその裏側で、白髪交じりの顔…おっとりした動作…そんな我が子へ愛しさが日に日に増してゆく、かけがえのない日々でもあるのではないでしょうか。
猫の気持ちに寄り添いながら、飼い主が楽に過ごせる工夫をしていき、充実した老猫との時間をお過ごしくださいね。
- トイレの回数が増える、時間が長くなる、場所が分からなくなる、粗相が増える、以上が見られたら高齢サイン
- 飼い主ができること①トイレの数を増やす
- 飼い主ができること②生活スペース内にトイレを置く
- 飼い主ができること③トイレに出入りしやすいよう工夫する
- 飼い主ができること④トイレ周りにペットシーツを敷く
- 飼い主ができること⑤お腹を優しくマッサージして排便を促す
- 飼い主ができること⑥排泄後はお尻周りを綺麗に拭く
- 飼い主ができること⑦抱っこでトイレに連れていき介助
- 飼い主ができること⑧ペット用オムツを使う
- トイレ選びは健康チェックがしやすいオープンタイプや出入りしやすいものを
- この記事を書いた人
ほりえかよこ
猫ねこ部編集室 ライター猫のお役立ち、猫との暮らすための記事など「ニャイフスタイル」記事担当。
猫と暮らすためのヒントや飼い主さんのお悩みに寄り添った記事などを楽しくお届けするほか、キャットインストラクター坂崎清歌さんや猫カフェへの取材も行う。
主婦の視点を生かし、「猫×ライフスタイル」により共感がわくアイデアづくりを目指している。