- 私たち猫がまばたきをする意味、皆さん知っていますかぁ?言葉は話せなくても「飼い主さん大好き」って実はしっかり伝えているんですよぉ。
ふとした瞬間に猫さまが目をゆっくりぱちぱち。見つめられてのまばたきは、思わずドキッとしてしまいますよね。
そんな猫のまばたき、実は「飼い主さんへの愛情表現」の意味が込められていることを知っていますか?
今回はそんな知られざる猫のまばたきの意味について、あの「ねこ検定」監修者でもある清水満さん監修のもと、詳しく解説します。
「猫さまの気持ちをもっと知りたい!」「仲良くなりたい!」そんな飼い主さん必見です!
猫がまばたきをする意味
飼い主さんへの愛情表現「大好き!信頼しているよ」
猫は人間と比べると、まばたきの回数がとても少ない動物です。私たち人間は1分間に約20回のまばたきをするのに対して、猫は1分間に約3回ほど。
普段あまりまばたきをしない猫が、飼い主さんを見つめながらまばたきをするのは「大好きだよ!信頼しているよ!」のサイン。飼い主さんへの愛情表現と言われています。
猫がまばたきをしてくれたら、飼い主さんもゆっくりまばたきをして「私も大好きだよ!」とお返事をしてあげてください。
何度か繰り返すうちに、お互いを思う気持ちが伝わって、絆がぐっと深まるでしょう。
呼びかけに対する「返事」
猫の名前を呼んだときに、「は~い、聞いてますよー」の意味でまばたきをしてお返事をしてくれる猫も。
なかには「ニャ―」と鳴いてお返事してくれる猫もいますが、そんなふうに鳴き声で返事をするのは人間に対してだけなのだとか。
というのも、野良猫たちが暮らす外の世界では、小さな鳴き声ですら命とりになることもあるため、猫同士のコミュニケーションに鳴き声を使うことはありません。まばたきなどの目の動きや耳、しっぽの動きなどで気持ちを伝えていると言われています。
また、仲良くなるほど全身でリアクションをとってくれるワンちゃんとは違って、猫の場合飼い主さんとの信頼関係が深くなればなるほど反応は控えめになると言われています。人間同士でいう”以心伝心”、「言葉に出さなくても分かってね」という感じでしょうか。反応が薄く一見つれなく見えても、実はまばたきでしっかりサインを出してくれていたのだと思うと、とても嬉しくなりますね。
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まばたきをしないのは警戒心や敵意の表れ
まばたきにこんな意味があったのかと知ると、ますます愛おしく感じてしまいますね。
では、逆に猫がまばたきをしていないときはどんな気持ちなのでしょうか。それは危険を感じて警戒しているときや敵意の表れです。
猫界では、「目を合わせる=喧嘩を売っている」の意味。猫同士で目を合わせるのは、基本的には親子や兄弟などのみと言われています。猫に敵意がなければ目をそらしますが、猫は「喧嘩を売られた」と感じてしまいます。
猫が可愛すぎてついつい見つめてしまいたくなる気持ちは分かりますが、じっと見つめないように注意してくださいね。もし、目が合ったときは、目をそらすかゆっくりまばたきをして「敵意はないですよ~」と伝えてあげましょう。
こんなまばたきは要注意!
愛情表現や返事の意味を持つまばたき。しかし、まばたきの仕方によっては病気や何らかの不調を示していることが考えられます。以下のような場合は、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
片目だけでまばたき
片目だけでまばたきしている場合は、まばたきをしていない方の目に何らかの異常が生じている可能性があります。目の中にゴミや逆さまつ毛が入っていたり、家具などにぶつけて怪我をしていることも考えられますので、動物病院で早めに診てもらいましょう。
まばたきの回数が多い
まばたきの回数が多い場合は、以下のような目の病気にかかっている可能性があります。
- 結膜炎
- 角膜炎
- 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
- 緑内障
頻繁なまばたき以外にも、目やにが多い、白目が赤く充血している、涙が多いなどの症状が見られる場合はすぐに動物病院へ連れていきましょう。
- 普段まばたきをしない私たちがしばしばさせているときは要注意!病気や怪我などで痛みを訴えているかもしれないんですねぇ。
- なるほどっ。目しばしばさせててかわいい~!じゃないんですね・・・勉強になりますっ!
ゆっくりまばたきで「大好き」を伝える猫さま大集合!
ここからは、ずーっと見ていたくなる癒しのまばたきニャンずをご紹介。愛情たっぷりのまばたきに癒されてくださいね。
むぎくん
こちらは4歳の男の子、むぎ(@mugi411)くん。猫ねこ部の公式Twitter限定企画「猫ねこ相談室」にて相談員としても活躍中の癒し系猫さまです。
何はともあれ、この優しくゆっくりなまばたきをご覧ください。
2020/04/11
— むぎ (@mugi411) April 11, 2020
今日はむぎの4歳のお誕生日です
私の息子として、娘のお兄ちゃんとして、優しく愛情深いむぎ💓
ずっと大切にしていきます✨
どの写真を載せよう?と思っていたけど、やっぱりむぎの愛情深さが伝わる、大切なこの動画を再掲します
優しい瞬き見てください☺️ pic.twitter.com/Zs6LDT9Wgk
なんて愛らしい「ぎゅっぎゅっ」。飼い主さんを愛おしそうに見つめるその姿に、「大好き!」が溢れていますね。
飼い主さんにお話を伺ったところ、むぎくんは生後半年くらいの頃からすでにまばたきをしていたのだそう。
「目が合ったり、名前を呼んで振り向いた時とか、『可愛いね、優しいね、いい子だね』ってゆっくり話しかけてあげたらまばたきしてくれます。でも、基本的に私と顔を合わせている時は、こんな感じに優しい顔を向けてくれます。」と飼い主さん。言葉は通じなくてもこんなふうに猫ちゃんと通じ合えたら、幸せそうな表情を見れたら、、、こんなに幸せを感じる瞬間はないですね。
そんなむぎくんは家族のことが大好きな穏やかな男の子。2018年に飼い主さんご夫婦の間に娘さんが生まれてからというもの、飼い主さんはむぎくんの愛情深さに改めて気づかされたといいます。ときにはしっぽで遊んであげ、ときには娘ちゃんに見つめられながら一緒に寝て、またときには娘ちゃんが初めて見る雪をそばで寄り添って一緒に見てくれ、、、その”優しいお兄ちゃん”ぷりに愛おしさは高まるばかり。
「むぎが優しくまばたきをしてくれたら、私もむぎに合わせてゆっくりまばたきをして、大好きだよって伝えてます。」
たくさんのフォロワーさんを虜にしているむぎくんの優しいまばたき。これからも健やかに家族のみんなを癒してあげてねね、むぎくん。
インタビュー記事も是非ご覧ください↓
ぽんずちゃん
お次は、ゆき乃(@yukiNoy)さんのおうちのぽんずちゃん。エキゾチックショートヘアとブリティッシュショートヘアのミックス、生後10か月の女の子。
「お迎えして8か月ほどですが、人間に対して怒ったり爪を立てたりするのを一度も見たことがなく、とても穏やかな子です。」と飼い主さん。
では、さっそくその穏やかなまばたきをご覧ください。
長いこと息子に遊ばれてる猫さんがあまりに怒らない&逃げないので「猫さんよ..君はそれでいいんか?」と声をかけたらゆっくりまばたきをして夕飯の匂いを嗅いでいた。 pic.twitter.com/jN0E4cXmhw
— ゆき乃 (@yukiNoy) July 5, 2020
寝つくまでそばにいるというほど、ぽんずちゃんが愛してやまない息子さんとの戯れ時間で見せてくれた優しい「ぎゅっぎゅっ」。「大好きですよ~ここが落ち着くんですよ~」とでも聞こえてきそうで、見ているこちらまで癒されます。
「離れたところで目が合うとたいていまばたきしてくれます。あれが愛情表現だと知ったときはすごく嬉しかったです。」と飼い主さん。
ちなみに、ご飯が欲しい時だけは、目が合うと「ニャ―」と鳴くんだとか。
こちらは、ぽんずちゃんのまばたき動画、別バージョン。
そんなぽんずちゃん、飼い主さんが仕事中は机の上に居座るそうで^^「初対面の人間にも好かれるので、おそらく人間が大好きなんだろうと勝手に想像しています。」と飼い主さん。
ぽんずちゃん、これからも大好きな家族にその優しいまばたきをたくさんたくさん見せてあげてね!
リアンくん
最後は、ふぇりあさん(@nirreff)のおうちの5歳の男の子、リアンくんのおめめパチパチ。さっそくご覧ください。
猫さんのまばたきは、アイコンタクトだそう。今日は特別パチパチくれます💕全ての猫様の幸せを願って…#にゃんにゃんにゃんの日#猫の日 pic.twitter.com/VVDYTpDwHv
— ふぇりあ (@nirreff) February 22, 2020
飼い主さんに向けられた優しいまなざし。言葉はなくてもこんなふうに「大好き」を伝えられたら、想いが通じあっている気がして幸せな気持ちになりますね。
今から5年前、猫が繋いだご縁で横浜にある猫カフェ・ミーシスよりリアンくんを迎えたという飼い主さん。ふぇりあさんのTwitterからは、リアンくんへの愛情はもちろん、ミーシスへの愛、そして新しい飼い主を待っている保護猫たちを想う優しい気持ちがひしひしと伝わってきます。
わりとおっとりした性格だというリアンくん。初めてリアンくんのまばたきを見たときは「眠いの?」と思ったそうですが、飼い主さんを見つめてパチパチしてくれる姿に、今ではアイコンタクトのつもりで「大好きだよ!」とまばたきでお返ししているのだとか。
そんな飼い主さんの「お返し」に、リアンくんは照れているのか、たまに目をそらすこともあるそうで^^こんなふうに。
まばたきは、愛情表現の一つと聞いて私も、大好きだよ😘ってまばたき返したら…照れてる(=´∀`) pic.twitter.com/GU8SBR8u29
— ふぇりあ (@nirreff) July 12, 2020
両想いが分かった瞬間の照れのような感じでしょうか^^「そんな仕草も可愛いんです。」と飼い主さんもベタ惚れな様子。
さまざまな事情で保護される猫たち。一匹でも多くの保護猫たちが、こんなふうに深い愛情を注いでくれる飼い主さんに出会えたら…と心から願います。
リアンくん、これからもたくさん「大好き!」を伝えて、飼い主さんを癒してあげてね!
猫ねこ部では猫カフェミーシスさんに取材も行っています!
よくある質問
まばたきが少なくても乾きにくい目の構造になっているためです。
猫のまぶたの内側には、角膜を保護したり乾燥を防いでくれる「第三眼瞼(がんけん)」と呼ばれる白い膜(瞬膜とも呼ばれます)があります。その第三眼瞼(瞬膜)の内側には涙を出す「瞬膜線」というところがあり、まばたきをするたび涙が分泌されることで、眼球を乾燥から守ってくれます。第三眼瞼があることが、猫のまばたきが少ない原因と考えれらています。
人間の場合は、この第三眼瞼を持たないため、目に潤いを与えるためまばたきが多いと言われています。
まとめ
猫のまばたきの意味を中心にご紹介しました。猫は人間のように言葉を話すことができませんが、だからこそ日頃から猫の様子をよく観察して気持ちを汲み取ってあげたいものです。
今まで何気なく見ていた猫のまばたきが愛情表現のひとつだと知ると、より一層愛おしく感じられますね。是非、まばたきの「お返し」で飼い主さんからの愛情もしっかり伝えてあげましょう。
- まばたきには愛情表現や返事の意味がある
- まばたきをしてくれたら飼い主さんもまばたきでお返しを
- まばたきをしていないのは警戒心や敵意の表れ
- 目を合わせる=喧嘩を売っているなので、猫の目をじっと見つめない
- 片目だけでまばたきや回数が多いときは病気や怪我などの可能性
- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。
- 【監修】
一級建築士 株式会社ネコアイ代表取締役
清水満「ねこ検定」監修者 「ぺット共生マンションの適正化推進ガイドライン」監修者
愛猫との路上での運命の出会いから、猫と幸せに暮らす住宅の必要性を感じ「猫専門建築士」として従事する。
「クロワッサン」「週刊朝日」「猫びより」など雑誌掲載多数、NHK「もふもふモフモフ」TBS「サタデープラス」等に出演。
現在は猫専門の総合コンサルタントとして猫用品開発や猫イベントの企画運営など広く活動している。愛猫は4匹。