- 外飼いの雑種猫におすすめなのは「高たんぱく・低炭水化物」「高脂質」「良質な動物性たんぱく」のキャットフードですよぉ。
猫ねこ部ディレクターとして猫に関する様々な情報をご提供するなか、特に猫の健康に直結する食事に関する知識を深めるため、ペットフード販売士資格を取得。様々な種類の猫や状況などに合うフードの提案、情報発信を行います。
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ペットフード販売士:一般社団法人ペットフード協会が認定している認定資格で、ペットフードに関する様々な知識及び情報を習得したペットフードの専門家です。ペットの適正な発育と健康維持・増進に寄与します。
猫は室内飼いするのが基本ですが、飼育環境の問題などから外飼いしたいと考える飼い主さんもいると思います。
外飼いには事故や感染症、虐待などのリスクがあることも踏まえたうえで、なるべくそのリスクを減らせる環境を作ってあげてくださいね。
今回はそんな外飼いの雑種猫にオススメのキャットフードをご紹介。
「年齢に応じた1日のフード量や回数の目安」「キャットフードを選ぶポイント」「外飼いする場合の注意点」について詳しく解説します!
与えるキャットフードの量と回数の目安
健康を保つためには、1日に与えるキャットフードの量や回数の目安を知っておくことが大切です。
1日に与えるキャットフードの量や回数の目安は年齢によって異なります。以下、それぞれの年齢に応じた目安について説明します。
子猫期(~1歳)
生後30日頃までは子猫用のミルクを与え、歯が生え始める頃に離乳食を始めます。生後2ヶ月くらいになったら徐々に離乳食からキャットフードに切り替えていきましょう。
子猫は成猫に比べエネルギーをたくさん消費するため、体重に応じてキャットフードの量も増やす必要があります。とはいえ、月齢が低いうちはまだ胃も小さく、1回に食べられる量は少ないため、1日の食事回数は3~5回と多めにしましょう。一度に食べられる量が増えてきたら徐々に回数を減らしていきましょう。
子猫は成猫に比べエネルギーをたくさん消費するため、体重に応じてフード量も増やす必要があります。とはいえ、月齢が低いうちはまだ胃も小さく、1回に食べられる量は少ないため、1日の食事回数を増やしてあげましょう。
以下の表は、体重や月齢に応じた1日の給餌量の目安です。あくまで平均的な目安ですので、活動量、食欲なども見ながら調整しましょう。
体重 | 月齢 | 1日の給餌量 |
400g~1kg | 生後4ヶ月未満 | 28~56g |
800g~2kg | 47~95g | |
1.5~2.5kg | 生後4~6ヶ月 | 64~93g |
2~3.5kg | 79~120g | |
3~5kg | 生後7~12ヶ月 | 86~125g |
※100gあたり374kcalのキャットフードの場合
※1日あたりのエネルギー要求量(DER)÷フード1gあたりのカロリーで1日の給与量を計算
DER=安静時エネルギー要求量(RER)×活動係数(生後4ヶ月未満3.0/生後4~6ヶ月2.5/生後7~12ヶ月2.0)
成猫期(1歳~6歳)
成猫になると子猫のときよりも必要なエネルギー量が減り、1回に食べられる量も増えるため食事回数が減ります。
成猫の食事回数の目安は1日2~3回ですが、猫の食べ方や体重の変化を見ながら調整してあげると良いでしょう。
以下の表は、成猫に与える1日の給餌量の目安です。あくまで平均的な目安ですので、活動量、食欲なども見ながら調整しましょう。
体重 | 1日の給餌量 |
~2.5kg | ~58g |
2.5~3.5kg | 58~76g |
3.5~5kg | 76~96g |
5~6.5kg | 96~122g |
6.5~8kg | 122~143g |
8~10kg | 143~168g |
※100gあたり374kcalのキャットフードの場合
※1日あたりのエネルギー要求量(DER)÷フード1gあたりのカロリーで1日の給与量を計算
DER=安静時エネルギー要求量(RER)×活動係数1.6(外で活発に活動しているときの係数)
高齢猫期(7歳~)
高齢期に入り脳の働きが弱まってくると、猫は自分の食事量をコントロールすることができなくなり、多く与えてしまうと食べすぎてしまう場合もあります。
高齢猫の食事回数の目安は1日1~4回ですが、猫の食べ方や体重の変化を見ながら調整してあげると良いでしょう。
また、15歳以上の高齢猫は食べるときと食べないときの差が激しくなるため、いつも決まった時間にキャットフードを与えるのではなく、いつでも食べられる環境を整えておくと猫のストレスも少ないでしょう。
以下の表は、高齢猫に与える1日の給餌量の目安です。あくまで平均的な目安ですので、活動量、食欲なども見ながら調整してあげましょう。
体重 | 1日の給餌量 |
3kg | 47g |
4kg | 53g |
5kg | 69g |
6kg | 79g |
7kg | 89g |
※100gあたり374kcalのキャットフードの場合
※1日あたりのエネルギー要求量(DER)÷フード1gあたりのカロリーで1日の給与量を計算
DER=安静時エネルギー要求量(RER)×活動係数1.1(高齢)
- 外飼いの猫は運動量も多いので、筋肉質な体つきをしていることが多いんですねぇ。丈夫な体づくりのためにも小さいうちからしっかり高たんぱくな食事を与えることも大事ですよぉ。
- 室内飼いに比べると行動範囲がぜんっぜん違いますもんねっ。運動量が多いぶんお腹もすいちゃうけど、あげすぎにも注意ですね。
キャットフードを選ぶポイント
高たんぱく・低炭水化物
外飼いの猫は室内飼いに比べ運動量が多いため、筋肉質でがっちりとした体格をしています。
骨太な体型を維持するためには、猫の主なエネルギー源である動物性たんぱくが豊富なキャットフードを選ぶことが大切です。
また、炭水化物をとりすぎると、消化機能の低下(下痢、嘔吐、鼓腸(※)等)や高血糖を引き起こすと言われています。
40%以上の炭水化物は、消化機能の低下(下痢、嘔吐、鼓腸等)や高血糖を引き起こすと報告(Meyer&Kienzle1991)されています。
そのため、猫の健康を考えたら高たんぱく・低炭水化物のフードが理想的です。
※鼓腸(こちょう)・・・腸内にガスが充満し、腹部がふくれる症状
高脂質
運動量は多いですが、食べ過ぎは肥満の原因にもなります。
高脂質なフードを選べば、消化・吸収も良く満腹感が高いので、食べ過ぎを防ぐことができるでしょう。
良質な動物性たんぱく
外飼いの場合、ノミやダニなどの寄生虫や、野良猫などからの感染症にかかるリスクが高いです。
免疫力が下がると細菌に感染しやすくなるため、栄養バランスのとれたキャットフードを与えることが大切です。
猫のエネルギー源となるのは動物性たんぱく質です。重要なのは肉や魚などの動物性食材が主原料であり、それが「良質な」たんぱく質であることです。
肉副産物・家禽ミール・ミートミールには粗悪な材料が入っている可能性がゼロとはないため、なるべく肉や魚がどういったものか明記されている(鶏肉、サーモン、チキンミールなど)フードを選びましょう。
- 筋肉がしっかりついてるぶん、食べ過ぎは肥満にもつながってしまうんですねぇ。高脂質のフードは満腹感が高いので、食べ過ぎも防ぐことができますよぉ。
- 脂質が多いと逆に太ってしまうんじゃって思ってましたけど、適度に入っているぶんには食べ過ぎを抑えることができるんですね。
おすすめキャットフード
※価格はショップや購入時期によって異なる場合があります。
ジャガー
- 人間でも食べられる安心素材を使用!肉と魚の豊富な栄養が取れる
- 肉と魚だけで原材料の約80%を占めるパワフルフード!しっかりとした骨格と筋肉づくりに
- 栄養豊富な食材を使用
価格 | 4,708円(税込)/1.5kg(1kgあたり約3,139円) |
原産国 | イギリス |
第一原料 | 肉類(チキン生肉、乾燥チキン、乾燥鴨肉、チキンレバー、鴨生肉) |
主な成分 | たんぱく質:37%以上 脂質:14.88%以上 粗繊維:5.25%以下 エネルギー:387.5kcal/100g |
新鮮なチキン生肉をはじめ鴨肉、乾燥チキン、生サーモン、生マスなど原材料約80%に動物性食材を使ったイギリス産プレミアムフード。肉と魚両方の豊かな栄養が摂れるのは嬉しいですね。
高たんぱくなので、筋肉質でがっちりとした体づくりにも◎。炭水化物を抑えて猫の食性に近づけているからか、食レポでは食いつきの良さを実感できるフードでしたよ!
カナガンキャットフードチキン
- 高たんぱく・低炭水化物
- 肉類だけで原材料の60%以上
- 豆類も一切不使用で動物性たんぱくが豊富
価格 | 4,708円(税込)/1.5kg(1kgあたり約3,139円) |
原産国 | イギリス |
第一原料 | 乾燥チキン |
主な成分 | たんぱく質:34%以上 脂質:16.7%以上 粗繊維:3.25%以下 405kcal/100g |
肉類だけで原材料の60%以上の高タンパクフード。豆類も一切使っていない低炭水化物レシピなので、消化吸収も◎。運動量の多いアメリカンショートヘアに嬉しいですね。
人工添加物は一切不使用。素材はすべて人間でも食べられるほど高品質なものを使っているので安心して与えられるフードです。食レポでは、喉を鳴らしながら食べる様子も!
カナガンキャットフードサーモン
- 消化吸収の良いサーモンが主原料
- 豆類も一切不使用で動物性たんぱくが豊富
- 魚類だけで原材料の60%以上
価格 | 4,708円(税込)/1.5kg(1kgあたり約3,139円) |
原産国 | イギリス |
第一原料 | 生サーモン |
主な成分 | たんぱく質:34%以上 脂質:14.8以上 粗繊維:3.25%以下 398kcal / 100g |
低アレルゲンで消化吸収の良い骨抜き生サーモンを主原料に使ったフード。豆類も含め穀物は一切使っていない低炭水化物レシピは、猫の食性にもあっていて◎。
高脂質なので満腹感が高く、食べすぎを防ぐことも。お魚好きの子には特に喜ばれるフードです。
アカナ
- 原材料の70%が鶏肉・七面鳥肉などの肉類
- 炭水化物を最低限に抑えたレシピ
- 地元カナダから新鮮なまま搬送される原材料
価格 | 5,280円(税込)/1.8kg(1kgあたり約2,933円) |
原産国 | カナダ |
第一原料 | 新鮮骨なし鶏肉 |
主な成分 | たんぱく質:37.00% 脂質:20.00%以上 粗繊維:3.00%以下 406kcal / 100g |
地元カナダ産の新鮮な原材料を使って「猫本来の食事を再現した」フード。肉原材料はなんと75%以上!猫の健康にとって欠かせない良質な動物性たんぱく質をしっかり摂れるのは嬉しいですね。
炭水化物を最低限に抑えたレシピは、肥満対策にも◎。食レポでは、愛猫2匹が嬉しそうに食べてくれましたよ!食いつきが気になる方は是非参考にしてみてくださいね。
ピュリナワン インドア1歳以上 ターキー&チキン
- 1kg約870円のお手頃価格なお肉メインフード
- 天然の食物繊維を配合
- 主原料に動物性たんぱく質豊富なターキーを使用
価格 | 1,915円(税込)/2.2kg(1kgあたり約870円) |
原産国 | アメリカ |
第一原料 | ターキー |
主な成分 | たんぱく質:40.00% 脂質:13.00%以上 粗繊維:6.00%以下 360kcal / 100g |
ご紹介するフードのなかでは一番の低価格!1kgあたり約870円と安価ながら新鮮なターキーやチキンミール、フィッシュミールなど動物性食材をたっぷり配合。上質でかつ値段にもこだわりたい人におすすめです。
食レポでは愛猫2匹の食いつきっぷりもご覧いただけますので、是非チェックを。新しいフードは食べてくれるか心配…そんな方は500円サンプルで食いつきを確かめてから買うことができますよ!
外飼いする場合の注意点
猫を外飼いする場合は、以下の点に十分注意しましょう。
- 交通事故や猫同士の喧嘩に巻き込まれる可能性がある
- ワクチン接種を行い、感染症を防ぐ
- 近隣住民から理解を得る
- 迷子になった時のために首輪や迷子札などを装着する
交通事故や猫同士の喧嘩に巻き込まれる可能性がある
外飼いにした場合、交通事故や猫同士の喧嘩に巻き込まれることがあります。
車の事故は命にもかかわることですので、そういったリスクを十分理解したうえで外飼いするかどうか判断しましょう。
また、猫同士のなわばり争いが大喧嘩に発展し、命にかかわる感染症につながる場合もあります。
ワクチン接種を行い、感染症を防ぐ
外飼いの場合、ノミやダニなどの寄生虫や、野良猫などからの感染症リスクがあります。
そのため、ワクチン接種や定期健診には必ず連れていきましょう。
離れている時間が長いほど健康管理も難しく、ちょっとした体の異常に気づきにくいというデメリットもあります。
近隣住民から理解を得る
放し飼いによる猫の鳴き声、糞尿の臭いなどが原因で、近隣住民からクレームが来ることもあります。
こうした苦情を起こさないためにも、猫を飼う前に、前もって近隣住民に理解を得ておいた方が良いでしょう。
万が一、迷惑をかけてしまった場合には、誠意を持って対応することが大切です。
迷子になった時のために首輪や迷子札などを装着する
万が一、迷子になった時に、野良猫と間違われないよう、首輪と迷子札をつけておくと良いでしょう。
迷子札には飼い主の住所や連絡先などを記入しておきましょう。
まとめ
外飼いの雑種猫のキャットフードの選び方は以下のまとめを参考にしてください。
- 運動量が多く、骨太で筋肉質な体型を維持するため高たんぱく・低炭水化物のフードを与える
- 食べ過ぎてしまうのを防ぐため満腹感の高い高脂質のものを選ぶ
- 感染症リスクが高いため、良質なたんぱく質のフードを選ぶ
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- この記事を書いた人
守重美和
猫ねこ部編集室 編集&ライター保護猫団体の活動を仔細にお届けする「保護猫のわ」・飼い主さんと猫との幸せエピソードをお届けする「なないろ猫物語」の編集担当。
猫を通して「人」の姿にフォーカスした記事をお届けする猫メンタリーライターとして 猫好きシンガーソングライター・嘉門タツオさんへのインタビューをはじめ、街の看板猫、猫カフェ、猫が住める住宅からキャットフードメーカー、ペット防災の専門家、猫雑貨店、猫をモチーフにした漫画家さん、年間3000件ものTNRの不妊手術を行っている獣医に至るまで、半年間で約40名以上の猫と関わる方々に幅広く取材を重ねる。